【電磁人の韻律詩30~彼氏彼女の事情→彼女編~】
時々自分がなんなのかよくわからなく事がある。
自分は一体何者なのだろうか。
私は電子レンジで猫をチン!という至って平凡な都市伝説だ。
物の弾みで恋路などという名を付けられたが本来名前はない。
私の昔の契約者は私に名前など付けなかった。
それはそれは顔だけ可愛らしい女の子でね。
他人を全く信頼しない悪魔のような人間だったのを覚えているよ。
その頃は私も人格などと言う物を持っていなかったのだから当然と言えば当然か。
愛に満ち溢れた私と違って彼女は本当にろくでもない人間だった。
まあ、そのせいで結局私に飲み込まれたんだけどね。
今の私の姿や思考パターンは彼女がベースだから感謝していると言えば感謝しているよ?
自分は一体何者なのだろうか。
私は電子レンジで猫をチン!という至って平凡な都市伝説だ。
物の弾みで恋路などという名を付けられたが本来名前はない。
私の昔の契約者は私に名前など付けなかった。
それはそれは顔だけ可愛らしい女の子でね。
他人を全く信頼しない悪魔のような人間だったのを覚えているよ。
その頃は私も人格などと言う物を持っていなかったのだから当然と言えば当然か。
愛に満ち溢れた私と違って彼女は本当にろくでもない人間だった。
まあ、そのせいで結局私に飲み込まれたんだけどね。
今の私の姿や思考パターンは彼女がベースだから感謝していると言えば感謝しているよ?
「恋路~、夜ご飯作って~!」
「はいはい、いますぐ行くからちょっと待って!」
「はいはい、いますぐ行くからちょっと待って!」
リビングで情け無い声を上げているのは私の契約者である明日真。
彼は本当に意気地無しだ。
でもそこが可愛いので私は彼が大好きなのだ。
そう、私は彼が大好きだ。
ここが重要なのである。
彼は本当に意気地無しだ。
でもそこが可愛いので私は彼が大好きなのだ。
そう、私は彼が大好きだ。
ここが重要なのである。
彼は正義の味方に憧れている。
でも彼の能力は野良都市伝説に勝てる位で、あとはバイクに乗るくらいしか特技がない。
その上契約の為の心の器も微妙なサイズだ。
ついでに言うとそれほど頭が切れる訳でもない。
ああ、この際だからハッキリ言おう。
彼は弱い。
契約者としては微妙極まりない。
でもそんな彼が私は大好きだ。
自分がどんなに弱くても、自分より弱い人間の為に平気で自分を犠牲にしようとする。
そんな善良な彼が大好きだ。
でも彼はその心優しさ故に自分を傷つける。
それが私はすごく悲しい。
私としては彼の為なら彼以外全ての人間が死に絶えても良いくらい彼が大事なのだが、
彼としては誰かを助けられる正義の味方でいることが何より大切らしい。
そう、私よりも。
少し妬ましいけど私はそんな事で怒りはしない。
だって彼が一番輝いているのは人を助けている時だから。
あんなにも無力な彼がもっと無力な人々を懸命に助けている姿は美しい。
私だったら損得勘定を真っ先にするのに、彼の頭にはそんなことはない。
愚かだ。
でもそんな愚かで素敵な人間に私はあったことがない。
でも彼の能力は野良都市伝説に勝てる位で、あとはバイクに乗るくらいしか特技がない。
その上契約の為の心の器も微妙なサイズだ。
ついでに言うとそれほど頭が切れる訳でもない。
ああ、この際だからハッキリ言おう。
彼は弱い。
契約者としては微妙極まりない。
でもそんな彼が私は大好きだ。
自分がどんなに弱くても、自分より弱い人間の為に平気で自分を犠牲にしようとする。
そんな善良な彼が大好きだ。
でも彼はその心優しさ故に自分を傷つける。
それが私はすごく悲しい。
私としては彼の為なら彼以外全ての人間が死に絶えても良いくらい彼が大事なのだが、
彼としては誰かを助けられる正義の味方でいることが何より大切らしい。
そう、私よりも。
少し妬ましいけど私はそんな事で怒りはしない。
だって彼が一番輝いているのは人を助けている時だから。
あんなにも無力な彼がもっと無力な人々を懸命に助けている姿は美しい。
私だったら損得勘定を真っ先にするのに、彼の頭にはそんなことはない。
愚かだ。
でもそんな愚かで素敵な人間に私はあったことがない。
「今日は何作って欲しいの?
バイト先から余った調味料貰っているけど中華にでもする?」
「北斗神軒の味を再現だと!?
それは贅沢だなあ……、じゃあメニューは任せるわ。」
「オッケー、辛さ百倍炒飯だねっ!」
「絶対止めて。」
「冗談だよ~ん。」
バイト先から余った調味料貰っているけど中華にでもする?」
「北斗神軒の味を再現だと!?
それは贅沢だなあ……、じゃあメニューは任せるわ。」
「オッケー、辛さ百倍炒飯だねっ!」
「絶対止めて。」
「冗談だよ~ん。」
あーもう!
そんな情け無い顔されると愛おしくてしょうがないじゃないか。
正直このまま押し倒してしまいたいくらいのテンションの上がり方をしているんだが、
そこらへんはまあ女性の姿をしている以上慎ませて貰おうかと思う。
しかしこんな私だが最近は悩みがある。
私が中華料理店【北斗神軒】でバイトしている間に彼は学校に通っている。
その間に他の女が彼を誘惑していないだろうかと心配でしょうがないのだ。
彼の私に対する愛を確かめる為に、
親愛なるこの町の名探偵兼悪役笛吹丁さんに私を誘拐して頂いても良いのだが、
それをやると流石に各方面に多大なる迷惑をかける可能性が有る。
そんなことをすれば彼に迷惑をかけてしまう。
それは嫌だ。
世界が滅びようと彼を危険にさらす訳にはいかない。
組織の仕事だって明日は自ら危険な任務を志願しているように見えるが、
Hさんにこっそりお願いしてできるだけ私たちと相性の良い相手に当たるようにしているのだ。
彼の安全と自己満足を同時に実現するのは中々難しい。
まあ手間がかかるからこそ可愛いと言えばそうなのだろうが。
そんな情け無い顔されると愛おしくてしょうがないじゃないか。
正直このまま押し倒してしまいたいくらいのテンションの上がり方をしているんだが、
そこらへんはまあ女性の姿をしている以上慎ませて貰おうかと思う。
しかしこんな私だが最近は悩みがある。
私が中華料理店【北斗神軒】でバイトしている間に彼は学校に通っている。
その間に他の女が彼を誘惑していないだろうかと心配でしょうがないのだ。
彼の私に対する愛を確かめる為に、
親愛なるこの町の名探偵兼悪役笛吹丁さんに私を誘拐して頂いても良いのだが、
それをやると流石に各方面に多大なる迷惑をかける可能性が有る。
そんなことをすれば彼に迷惑をかけてしまう。
それは嫌だ。
世界が滅びようと彼を危険にさらす訳にはいかない。
組織の仕事だって明日は自ら危険な任務を志願しているように見えるが、
Hさんにこっそりお願いしてできるだけ私たちと相性の良い相手に当たるようにしているのだ。
彼の安全と自己満足を同時に実現するのは中々難しい。
まあ手間がかかるからこそ可愛いと言えばそうなのだろうが。
「あっち!」
油が跳ねて腕につく。
実体の無い筈の私が熱いと感じるのも妙な話だ。
実体の無い筈の私が熱いと感じるのも妙な話だ。
「どしたのー?」
「いや、ちょっと油が跳ねただけ~。」
「火傷とかしてない?俺変わろうか?」
「いいや、食卓を焼け野原に変えることだけはしたくないから良いよ。」
「いや、ちょっと油が跳ねただけ~。」
「火傷とかしてない?俺変わろうか?」
「いいや、食卓を焼け野原に変えることだけはしたくないから良いよ。」
彼は子供だ。
正義の味方に純粋に憧れ続けているが、力の伴わない子供。
たった一つだけ違うのは、自らの無力を知りながらも、自らの格好わるさを知りながらも、
絶対に決して何が有っても正義の味方を貫こうとするところ。
駄目な子ほど可愛いって言うのかなあ?
いけないいけない、甘やかしては彼が成長しない。
それでは困る。良くない。
正義の味方に純粋に憧れ続けているが、力の伴わない子供。
たった一つだけ違うのは、自らの無力を知りながらも、自らの格好わるさを知りながらも、
絶対に決して何が有っても正義の味方を貫こうとするところ。
駄目な子ほど可愛いって言うのかなあ?
いけないいけない、甘やかしては彼が成長しない。
それでは困る。良くない。
今の彼は弱い。
エゴイスティックな探偵に誘拐された私一人守ることも出来ない。
所長との勝負も結局最後は私が決めてしまった。
というかあそこまで手を抜いた所長相手にやっと引き分けくらいってどれだけ駄目駄目なのかと。
あの人の強さは精神構造の異常性及び自らの目的への執着の強さにある。
あの人の口先云々は所詮異常性の発露に過ぎない。
話を聞かなければ、話をする余地のない状況に持って行けばあの人は割と怖くないのだ。
少なくともあの時の所長なら今の私の敵たり得ない。
所長が新しく進化している可能性は大きいのだが。
まあ、あの人の行動原理は私と変わらないしもう敵対することはないだろう。
彼が私より強くなって、
それからまだ彼が許せないと言うのならば、
その時は戦うことを助けるべきだが……
少なくとも今は彼と所長を戦わせるべきではない。
エゴイスティックな探偵に誘拐された私一人守ることも出来ない。
所長との勝負も結局最後は私が決めてしまった。
というかあそこまで手を抜いた所長相手にやっと引き分けくらいってどれだけ駄目駄目なのかと。
あの人の強さは精神構造の異常性及び自らの目的への執着の強さにある。
あの人の口先云々は所詮異常性の発露に過ぎない。
話を聞かなければ、話をする余地のない状況に持って行けばあの人は割と怖くないのだ。
少なくともあの時の所長なら今の私の敵たり得ない。
所長が新しく進化している可能性は大きいのだが。
まあ、あの人の行動原理は私と変わらないしもう敵対することはないだろう。
彼が私より強くなって、
それからまだ彼が許せないと言うのならば、
その時は戦うことを助けるべきだが……
少なくとも今は彼と所長を戦わせるべきではない。
「恋路~、ご飯マダー?」
「はいはい、今すぐ持って行くからフォークカチャカチャ言わせないの。
お行儀悪いでしょう?」
「うー、うー。」
「そのうーうー言うのを止めなさい!」
「うー……。」
「ったく、家の中だとだらしないんだから……。」
「お腹減ったんだもん……。」
「はいはい、今すぐ持って行くからフォークカチャカチャ言わせないの。
お行儀悪いでしょう?」
「うー、うー。」
「そのうーうー言うのを止めなさい!」
「うー……。」
「ったく、家の中だとだらしないんだから……。」
「お腹減ったんだもん……。」
家の外だとそこそこパリっとしているのだが家の中だとこれである。
こんなのが外だと
「誰かって?正義の味方だっ!」
とか言っているのだ。
何度隣から「じつは家庭ではだらしのない子で……」とぶちまけてやる妄想をしたことか。
いや、かわいそうだからやらないけどね。
よし、あとは溶いた卵をお米と絡めるだけだ。
こんなのが外だと
「誰かって?正義の味方だっ!」
とか言っているのだ。
何度隣から「じつは家庭ではだらしのない子で……」とぶちまけてやる妄想をしたことか。
いや、かわいそうだからやらないけどね。
よし、あとは溶いた卵をお米と絡めるだけだ。
「……出来上がり!」
「わーい!」
「ほら、ちゃんとお皿用意した?」
「あ、スプーン忘れてた。」
「まったくもう……、ラー油増やすよ?」
「それはやめて。」
「わーい!」
「ほら、ちゃんとお皿用意した?」
「あ、スプーン忘れてた。」
「まったくもう……、ラー油増やすよ?」
「それはやめて。」
一瞬真顔に戻る彼、どれだけ辛い物が怖いのかしらん。
「はい、あ~ん。」
「いいよ、流石にそれは恥ずかしいって言うか……。」
「今日の私は機嫌が良いんだよ。」
「まあそれなら……それに水を差すのもあれか。」
「いいよ、流石にそれは恥ずかしいって言うか……。」
「今日の私は機嫌が良いんだよ。」
「まあそれなら……それに水を差すのもあれか。」
彼は素直に炒飯を私の差し出したスプーンから食べた。
そう、今日の私は機嫌が良いのだ。
Hさんに前からお願いしていたことが通ったのだ。
そう、今日の私は機嫌が良いのだ。
Hさんに前からお願いしていたことが通ったのだ。
「そう、今日は嬉しい楽しいお知らせがあります。」
「何々?」
「なんと私は今度の月曜日から中央高校に転校生としてやってきます。
契約者の近くに居た方が緊急時に動きやすいとの組織の配慮です。
はい拍手~!」
「今うちのクラス大変なことになってるぞ?
メイド喫茶だか執事喫茶だかなんだかかんだかで……。
ソノバノノリデトウヒョウシナキャヨカッタ……。」
「良いじゃない、面白そうで。」
「何々?」
「なんと私は今度の月曜日から中央高校に転校生としてやってきます。
契約者の近くに居た方が緊急時に動きやすいとの組織の配慮です。
はい拍手~!」
「今うちのクラス大変なことになってるぞ?
メイド喫茶だか執事喫茶だかなんだかかんだかで……。
ソノバノノリデトウヒョウシナキャヨカッタ……。」
「良いじゃない、面白そうで。」
コスプレというか、色々な衣装を着て遊ぶのは好きなのだ。
私の部屋には様々なコスプレ衣装が詰まっているのは彼にも秘密である。
私の部屋には様々なコスプレ衣装が詰まっているのは彼にも秘密である。
「ところでそれ美味しい?魁さんから教えて貰ったのをアレンジしたんだけど。
あの店独特の世紀末な辛さを和らげると、どのメニューも食べやすくなるんだよねそれ。」
「そうなんだ……すごく美味しいぜ!」
あの店独特の世紀末な辛さを和らげると、どのメニューも食べやすくなるんだよねそれ。」
「そうなんだ……すごく美味しいぜ!」
嬉しそうに炒飯を頬張る彼。
そんな彼の隣で笑う私が居る。
こんな幸せが何時までも続くと良いな、と思う。
でも彼はきっと何時か誰より強くなってくれる。
そうなっても、こんな幸せな時間は続いてくれるのだろうか?
私が彼を良いように操って、彼の正義の味方としてのあり方を阻害したこともばれる。
その時彼は私を許してくれるのだろうか?
私の愛した正義の味方はきっと私を許すと言うだろう。
でも許すと言うことと許すことは違う。
そのまま私に対してなんとは無しの疑念を持ち続けるんじゃないだろうか。
それが怖くて眠れなくなることもある。
貴方の為に悪で居なくても良いくらい貴方が強くなった時、
悪で居続けた私を貴方は拒絶しないで居てくれるのでしょうか?
そんな彼の隣で笑う私が居る。
こんな幸せが何時までも続くと良いな、と思う。
でも彼はきっと何時か誰より強くなってくれる。
そうなっても、こんな幸せな時間は続いてくれるのだろうか?
私が彼を良いように操って、彼の正義の味方としてのあり方を阻害したこともばれる。
その時彼は私を許してくれるのだろうか?
私の愛した正義の味方はきっと私を許すと言うだろう。
でも許すと言うことと許すことは違う。
そのまま私に対してなんとは無しの疑念を持ち続けるんじゃないだろうか。
それが怖くて眠れなくなることもある。
貴方の為に悪で居なくても良いくらい貴方が強くなった時、
悪で居続けた私を貴方は拒絶しないで居てくれるのでしょうか?
私はただそれが、ほんの少し、ほんの少しだけ怖い。
でも今はまだ……
今はまだ少しだけ……
でも今はまだ……
今はまだ少しだけ……
「もう少しだけ、甘えさせていても良いよね?」
「ん?」
「なんでもないよ。」
【電磁人の韻律詩30~彼氏彼女の事情→彼女編~fin】
「ん?」
「なんでもないよ。」
【電磁人の韻律詩30~彼氏彼女の事情→彼女編~fin】