三面鏡の少女 63
賑わいを見せる中央高校の学園祭
若い男女が行き交う中には、当然ながら仲睦まじいカップルの姿も多々存在する
そんな中でやはり目立つのは、学生でない外来客の存在である
当然ながらそれらは生徒の関係者であり、家族や親戚というのが大半であるのだが、それがどう見ても男女の間柄であれば更に目立つのは必然であり
「なんか、みんなこっち見てる気がするよ宏也さん」
「俺としてはむしろ見せたいから丁度良い。佳奈美は俺のだって学校中に知れれば、余計な手出しはされないだろうからな」
「それはそれで恥ずかしいよ!?」
「恥ずかしがる佳奈美も可愛いから、何ら問題は無いな」
ミニスカートの萌えメイド姿で頬を赤らめる佳奈美の肩を抱き、殊更に身体を密着させる
「あたしはまだ一年以上この学校で過ごすんだけど……」
「結婚したら、もっと長い期間をご町内中に知られて過ごすんだがね」
「け、けこっ!?」
ニワトリが驚いたような声を上げ、思考も身体もフリーズさせてしまう佳奈美
「何だ、嫌か? まあ別にずっと恋人同士ってのも悪くは無いが」
「や、ややや、いや、いやそうじゃなくて、嫌じゃないよ!? ちょ、ちょっとびっくりしただけ!」
おおよそ想定内のリアクションに、宏也は思わず笑いが込み上げてくる
「わ、笑われてる!? からかってたの!?」
「いやいや、将来の展望とかは割と真面目だけどな。お前が可愛過ぎてつい」
誤魔化すように視線を逸らした先、模擬店が並ぶ教室前の廊下とは切り離されたような、静かな一角
「ふぇ? どうしたの?」
「ん? いや……そういえば、保健室ってあんまり入った記憶が無いんだよな、俺」
「そうなんだ、病気とか怪我とか全然しなかったんだね」
「というか、学生時代は真面目ぶってたからな。保健室はなんかこう、サボり空間みたいなイメージがあったから敬遠してた」
そう言うと宏也は、佳奈美の肩を抱いたままずかずかと真っ直ぐに保健室に向かって歩いていく
「え、ちょ、どうしたの宏也さん?」
「いや折角だから保健室という場所のイメージを再確認したくてな」
「再確認って……保健の先生とかいたらどうするの!?」
「いやいや見るだけだから。あと俺ここに遊びに来るのに徹夜で仕事終わらせてきたから、いざとなったら寝不足の貧血って事で」
「無理したらダメっていうか、こんなに元気で貧血とか無いよね!?」
ツッコミながらも、佳奈美は宏也の顔を見て察する
鈍くてお人好しで流されやすいすっとこどっこいの佳奈美でも、付き合いが長ければそれなりに顔色ぐらい窺える
これは、悪い事(性的な意味で)を考えてる顔だと
しかし察したところで止める手段など持たない辺りが佳奈美の限界である
宏也は何の遠慮もなく保健室のドアをノックすると、ドアを開け放ち軽い足取りで保健室へ踏み込んで行った
「おお、こんな感じだったっけ。大体昔見たイメージと変わらないもんだな」
幸いにして養護教諭の姿は無く、ややはしゃぎ気味の宏也の後ろで胸を撫で下ろしながら扉を静かに閉める佳奈美
「もー、アクティブ過ぎるよ宏也さん。それより奥のベッド誰か寝てるみたいだから、静かにしないと」
「ん? そうか、それじゃあ静かに……しないとな」
カーテンの引かれた奥のベッドに見える人影を確かめ、宏也はちょいちょいと手招きで呼び寄せる
「ん、なになに?」
学校という場所で油断していたのか、無警戒にひょこひょこと寄ってきた佳奈美を、ひょいと持ち上げてベッドに転がしてしまう
「にゃ!? ひ、宏也さん!?」
「こらこら、静かにな?」
裾の乱れたスカートを押さえて慌てふためく佳奈美の唇に、そっと人差し指を当てる
「見せびらかす以上の事もやっぱりしたくなってな」
「で、でも休憩終わったらまだ接客があるから」
「何だ、服を汚すような事を期待してたのか?」
「してないよっ!?」
そんなやり取りの後
カーテンに映る影が静かに重なり合った
若い男女が行き交う中には、当然ながら仲睦まじいカップルの姿も多々存在する
そんな中でやはり目立つのは、学生でない外来客の存在である
当然ながらそれらは生徒の関係者であり、家族や親戚というのが大半であるのだが、それがどう見ても男女の間柄であれば更に目立つのは必然であり
「なんか、みんなこっち見てる気がするよ宏也さん」
「俺としてはむしろ見せたいから丁度良い。佳奈美は俺のだって学校中に知れれば、余計な手出しはされないだろうからな」
「それはそれで恥ずかしいよ!?」
「恥ずかしがる佳奈美も可愛いから、何ら問題は無いな」
ミニスカートの萌えメイド姿で頬を赤らめる佳奈美の肩を抱き、殊更に身体を密着させる
「あたしはまだ一年以上この学校で過ごすんだけど……」
「結婚したら、もっと長い期間をご町内中に知られて過ごすんだがね」
「け、けこっ!?」
ニワトリが驚いたような声を上げ、思考も身体もフリーズさせてしまう佳奈美
「何だ、嫌か? まあ別にずっと恋人同士ってのも悪くは無いが」
「や、ややや、いや、いやそうじゃなくて、嫌じゃないよ!? ちょ、ちょっとびっくりしただけ!」
おおよそ想定内のリアクションに、宏也は思わず笑いが込み上げてくる
「わ、笑われてる!? からかってたの!?」
「いやいや、将来の展望とかは割と真面目だけどな。お前が可愛過ぎてつい」
誤魔化すように視線を逸らした先、模擬店が並ぶ教室前の廊下とは切り離されたような、静かな一角
「ふぇ? どうしたの?」
「ん? いや……そういえば、保健室ってあんまり入った記憶が無いんだよな、俺」
「そうなんだ、病気とか怪我とか全然しなかったんだね」
「というか、学生時代は真面目ぶってたからな。保健室はなんかこう、サボり空間みたいなイメージがあったから敬遠してた」
そう言うと宏也は、佳奈美の肩を抱いたままずかずかと真っ直ぐに保健室に向かって歩いていく
「え、ちょ、どうしたの宏也さん?」
「いや折角だから保健室という場所のイメージを再確認したくてな」
「再確認って……保健の先生とかいたらどうするの!?」
「いやいや見るだけだから。あと俺ここに遊びに来るのに徹夜で仕事終わらせてきたから、いざとなったら寝不足の貧血って事で」
「無理したらダメっていうか、こんなに元気で貧血とか無いよね!?」
ツッコミながらも、佳奈美は宏也の顔を見て察する
鈍くてお人好しで流されやすいすっとこどっこいの佳奈美でも、付き合いが長ければそれなりに顔色ぐらい窺える
これは、悪い事(性的な意味で)を考えてる顔だと
しかし察したところで止める手段など持たない辺りが佳奈美の限界である
宏也は何の遠慮もなく保健室のドアをノックすると、ドアを開け放ち軽い足取りで保健室へ踏み込んで行った
「おお、こんな感じだったっけ。大体昔見たイメージと変わらないもんだな」
幸いにして養護教諭の姿は無く、ややはしゃぎ気味の宏也の後ろで胸を撫で下ろしながら扉を静かに閉める佳奈美
「もー、アクティブ過ぎるよ宏也さん。それより奥のベッド誰か寝てるみたいだから、静かにしないと」
「ん? そうか、それじゃあ静かに……しないとな」
カーテンの引かれた奥のベッドに見える人影を確かめ、宏也はちょいちょいと手招きで呼び寄せる
「ん、なになに?」
学校という場所で油断していたのか、無警戒にひょこひょこと寄ってきた佳奈美を、ひょいと持ち上げてベッドに転がしてしまう
「にゃ!? ひ、宏也さん!?」
「こらこら、静かにな?」
裾の乱れたスカートを押さえて慌てふためく佳奈美の唇に、そっと人差し指を当てる
「見せびらかす以上の事もやっぱりしたくなってな」
「で、でも休憩終わったらまだ接客があるから」
「何だ、服を汚すような事を期待してたのか?」
「してないよっ!?」
そんなやり取りの後
カーテンに映る影が静かに重なり合った
―――
「どうしましょう、ご主人様」
カーテン一枚挟んだ隣のベッドで、ミナワは声を潜めて裂邪に問い掛ける
どうしようと言われても、と裂邪は思案に耽る
突然の乱入者に不完全燃焼のまま中断されてしまった側としては、多少の憤りはあったものの
隣から聞こえてくる物音に、頬を赤らめて恥らいながらも興味津々といったミナワの様子に、これはこれでいいなぁと思っていたのだった
カーテン一枚挟んだ隣のベッドで、ミナワは声を潜めて裂邪に問い掛ける
どうしようと言われても、と裂邪は思案に耽る
突然の乱入者に不完全燃焼のまま中断されてしまった側としては、多少の憤りはあったものの
隣から聞こえてくる物音に、頬を赤らめて恥らいながらも興味津々といったミナワの様子に、これはこれでいいなぁと思っていたのだった