瓦礫の山の前に立つ宏也
剣を折られ、体中切り刻まれた状態で落下していったハンニバル
恐らくは、あの瓦礫の山の下敷きになっているだろう
………だが、死んでいるはずがない
まだ、生きているだろう
あの男は、不死身の男
不死身の狂人
…あの程度で、死ぬはずもない
剣を折られ、体中切り刻まれた状態で落下していったハンニバル
恐らくは、あの瓦礫の山の下敷きになっているだろう
………だが、死んでいるはずがない
まだ、生きているだろう
あの男は、不死身の男
不死身の狂人
…あの程度で、死ぬはずもない
ざわり、髪を伸ばしながら、宏也は油断なく瓦礫の山を睨みつける
既に、再生も終わっているはずだ
ならば、あちらも、こちらの隙をうかがっているはず……
既に、再生も終わっているはずだ
ならば、あちらも、こちらの隙をうかがっているはず……
直後、瓦礫の山の一部が、吹き飛んだ
そこから、再生した剣を手にしたハンニバルが飛び出してくる
心臓に刺さっていた辰也のナイフも、いつのまにか抜けていて…あれだけ宏也が切り裂いてやった体も、完全に再生していた
そこから、再生した剣を手にしたハンニバルが飛び出してくる
心臓に刺さっていた辰也のナイフも、いつのまにか抜けていて…あれだけ宏也が切り裂いてやった体も、完全に再生していた
「---ったく、化け物が!」
迫る剣閃を、伸ばした髪で受け止めていく
切り刻まれた髪があたりに飛び散り、二人の視界を塞いだ
……いや
視界が塞がれたとしても…ハンニバルに対して、それは意味がない
切り刻まれた髪があたりに飛び散り、二人の視界を塞いだ
……いや
視界が塞がれたとしても…ハンニバルに対して、それは意味がない
「っ!?」
「…外したか」
「…外したか」
宏也の腕を、ハンニバルの剣がかする
いつのまにか外されていた、ハンニバルの眼帯
「最強の目」が姿を現し、宏也を睨みつける
奪う為に他者に与え、そして実際に奪った、ありとあらゆる「目」に関する有利な都市伝説を混ぜ合わせた、最強の目
視界を塞がれようと、意味をなさない
それは、獲物を絶対に捕らえ、逃がさないのだ
いつのまにか外されていた、ハンニバルの眼帯
「最強の目」が姿を現し、宏也を睨みつける
奪う為に他者に与え、そして実際に奪った、ありとあらゆる「目」に関する有利な都市伝説を混ぜ合わせた、最強の目
視界を塞がれようと、意味をなさない
それは、獲物を絶対に捕らえ、逃がさないのだ
「はて、お前は接近戦闘はさほど得意ではなかったはずだが」
「なぁに、地獄を見せられたんでね」
「なぁに、地獄を見せられたんでね」
笑って見せながらそういって、ハンニバルに殺意を向ける
その殺意は、現実となって、ハンニバルに襲い掛かる
伸びた髪の全てがハンニバルを捕らえ、引き裂かんと荒れ狂う
その殺意は、現実となって、ハンニバルに襲い掛かる
伸びた髪の全てがハンニバルを捕らえ、引き裂かんと荒れ狂う
しかし、ハンニバルは暴風のように襲い掛かってくるそれらを、全て切り落とした
かすかに右半身を掠ったものの、たいしたダメージにならず、即座に再生される
かすかに右半身を掠ったものの、たいしたダメージにならず、即座に再生される
二人の攻撃の余波が、辺りの瓦礫を破壊し、轟音を立てていく
瓦礫だけではない
壁に、床に、天井に
無数の切れ跡が刻まれていく
瓦礫だけではない
壁に、床に、天井に
無数の切れ跡が刻まれていく
それほどまでの、攻撃のぶつかり合い
殺意のぶつかり合い
そして、一方からは、激しい憎悪もまた、ぶつけられる
殺意のぶつかり合い
そして、一方からは、激しい憎悪もまた、ぶつけられる
「…ったく、余計な事口走りやがって」
「ふむ?……私はただ、事実を伝えただけだがね?」
「ふむ?……私はただ、事実を伝えただけだがね?」
それが、余計だと言うのだ
舌打ちしながら、一瞬でも動きを止めようと、脚を狙って、攻撃する
しかし、左足を狙ってのその攻撃は、即座に撃ち落され、不発に終わる
変わりに、宏也の攻撃をかいくぐりながら接近してきたハンニバルの剣が…宏也の肺を、貫く
舌打ちしながら、一瞬でも動きを止めようと、脚を狙って、攻撃する
しかし、左足を狙ってのその攻撃は、即座に撃ち落され、不発に終わる
変わりに、宏也の攻撃をかいくぐりながら接近してきたハンニバルの剣が…宏也の肺を、貫く
「っぐ!?」
「事実を伝え、認識させる事は、悪い事ではあるまい?」
「事実を伝え、認識させる事は、悪い事ではあるまい?」
肺を貫いた剣が引き抜かれる
それは、続けてもう一つの肺も貫いた
大量に出血する宏也から、ハンニバルは距離をとる
それは、続けてもう一つの肺も貫いた
大量に出血する宏也から、ハンニバルは距離をとる
「あれは、私の息子だ。息子に、父親が事実を伝えるのが悪だとでも?」
「----っ、の」
「----っ、の」
……ばちばちと
赤い、どこか禍々しさを感じさせる光が、宏也の傷口に発生する
体内に埋め込まれた賢者の石が、致命的な傷を再生させていっているのだ
赤い、どこか禍々しさを感じさせる光が、宏也の傷口に発生する
体内に埋め込まれた賢者の石が、致命的な傷を再生させていっているのだ
「……お前を、辰也の父親とは認めねぇ!!!」
殺意が乗った髪が、ハンニバルを襲う
想定外のスピードだったのか、完全に避ける事を諦め、右半身を犠牲にするハンニバル
右半身が、原形も残さないほどにズタズタに切り裂かれ……しかし、やはり即座に再生する
ほぅ、とハンニバルがどこか感心したような声をあげた
想定外のスピードだったのか、完全に避ける事を諦め、右半身を犠牲にするハンニバル
右半身が、原形も残さないほどにズタズタに切り裂かれ……しかし、やはり即座に再生する
ほぅ、とハンニバルがどこか感心したような声をあげた
「…なるほど、賢者の石か。はて、どこで手に入れたのか…」
どこか楽しげに、宏也を見つめるハンニバル
…その身を解体して、賢者の石を手に入れようか、とも考えているかもしれない
不完全なものとは言え…賢者の石は、貴重な存在なのだから
…その身を解体して、賢者の石を手に入れようか、とも考えているかもしれない
不完全なものとは言え…賢者の石は、貴重な存在なのだから
「……父親とは認めない、か?……だが、あれは私の血を分けた存在だ。誰が否定しようが、あれが私の息子である事に代わりはない。お前とて、その事実を知っていたからこそ……気づいていたからこそ、あれを私から遠ざけたのだろう?」
「煩ぇよ、この腐れ外道が…………確かに、血の繋がりはあるだろうよ、だが」
「煩ぇよ、この腐れ外道が…………確かに、血の繋がりはあるだろうよ、だが」
ざわりと
殺意が膨れ上がる
四方八方から襲い掛かる攻撃を、ハンニバルは全て撃ち落していく
それでも、宏也は攻撃の手を緩めない
時折、かすかに掠るその攻撃は、徐々に深くなっていく
殺意が膨れ上がる
四方八方から襲い掛かる攻撃を、ハンニバルは全て撃ち落していく
それでも、宏也は攻撃の手を緩めない
時折、かすかに掠るその攻撃は、徐々に深くなっていく
「てめぇに、辰也の父親を名乗る資格なんざ、存在しねぇよ!!」
そして
宏也の攻撃が……とうとう、完全に、ハンニバルを、捕らえた
宏也の攻撃が……とうとう、完全に、ハンニバルを、捕らえた
「ぐ、ぬぅ!?」
さぁ、全てズタズタに引き裂いてやる
宏也の殺意が、ハンニバルを押しつぶそうとする
宏也の殺意が、ハンニバルを押しつぶそうとする
……その時
ハンニバルが、鞘を
あの古めかしい、しかし、豪華な装飾のなされたそれを……宏也の髪から、引き剥がしたのが、見えた
ハンニバルが、鞘を
あの古めかしい、しかし、豪華な装飾のなされたそれを……宏也の髪から、引き剥がしたのが、見えた
「………?」
疑問に思いながらも、しかし、躊躇無く、ハンニバルの全身を切り裂いた宏也
このチャンスを、逃すものか
不死身の狂人?
だが、真なる不死身など、そうそう存在する訳でもない
それこそ、神に呪われて不死になったのだという彷徨えるユダヤ人や彷徨えるオランダ人ならともかく…それらもまた、神が降臨した時には許され、不死ではなくなるのだ…、いかに都市伝説の力を得たとはいえ、完全なる不死など存在しないのだ
ならば
死ぬまで、殺すまで
反撃の機会など与えない
その心壊れ尽くすまで、殺し続けてやる
このチャンスを、逃すものか
不死身の狂人?
だが、真なる不死身など、そうそう存在する訳でもない
それこそ、神に呪われて不死になったのだという彷徨えるユダヤ人や彷徨えるオランダ人ならともかく…それらもまた、神が降臨した時には許され、不死ではなくなるのだ…、いかに都市伝説の力を得たとはいえ、完全なる不死など存在しないのだ
ならば
死ぬまで、殺すまで
反撃の機会など与えない
その心壊れ尽くすまで、殺し続けてやる
再生し続けるその体を、切り裂き続ける
攻撃の手を緩めようとしない宏也
…だが
攻撃の手を緩めようとしない宏也
…だが
「っ!?」
すぱぁん、と
右肩に、大きな裂傷が出来た
赤い光と共に再生していく傷
すぱぁん、すぱぁん…と
似たような傷が、宏也の体に生まれ始めた
右肩に、大きな裂傷が出来た
赤い光と共に再生していく傷
すぱぁん、すぱぁん…と
似たような傷が、宏也の体に生まれ始めた
「な……っ」
「やれやれ、私は遠距離戦闘は苦手なのだがね?」
「やれやれ、私は遠距離戦闘は苦手なのだがね?」
切り裂かれながらも、剣を降るハンニバル
…その一振り一振りが、衝撃波を生み出し、宏也の体を切り刻む
このまま攻撃をくらい続ければ…賢者の石の力を、使い尽くしてしまう
ハンニバルの動きを封じたその状態は、しかし、宏也にとっても、行動を制限するものになってしまったのだ
宏也は舌打ちし、ハンニバルを解放すると、さらに距離をとる
…その一振り一振りが、衝撃波を生み出し、宏也の体を切り刻む
このまま攻撃をくらい続ければ…賢者の石の力を、使い尽くしてしまう
ハンニバルの動きを封じたその状態は、しかし、宏也にとっても、行動を制限するものになってしまったのだ
宏也は舌打ちし、ハンニバルを解放すると、さらに距離をとる
……再生の、速度が
徐々に、遅くなっていっている
………このままでは…………まずいかもしれない
徐々に、遅くなっていっている
………このままでは…………まずいかもしれない
「…父親を名乗る資格、か………では、お前はあれから、私という父親を奪うつもりかね?」
それに、対し
ハンニバルの再生速度は…まったく、弱まっていない
ほんの数秒程で、その体は無傷な状態へと戻ってしまう
ハンニバルの再生速度は…まったく、弱まっていない
ほんの数秒程で、その体は無傷な状態へと戻ってしまう
駄目だ
あの再生を封じる手段を見つけなければ
…勝ち目など、存在しない
あの再生を封じる手段を見つけなければ
…勝ち目など、存在しない
「…っは…………てめぇが何を言おうが、てめぇに父親なんざ名乗らせねぇよ……何だったら、俺があいつの父親になってやらぁ」
劣勢の状態を隠すように、どこか軽い調子で、そういって
出血によって、頭に血が上った状態も、少し改善されて
…宏也は、ハンニバルを飲み込んだ都市伝説を見極めることに、集中し始めた
出血によって、頭に血が上った状態も、少し改善されて
…宏也は、ハンニバルを飲み込んだ都市伝説を見極めることに、集中し始めた
決闘は、まだ始まったばかり
されど、戦況は明白なりて………---------------
されど、戦況は明白なりて………---------------
to be … ?