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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 狂科学者と復讐者-16

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 奥の破壊された扉の暗闇の向こう
 銀色の双眸が、一瞬、光って
 直後
 その暗闇から…何かが、飛び出してきた
 それは、太い、太い………蛸の、触手
 破壊された扉の向こうから、いかにも狭そうに身をくねらせ、姿を現したのは、巨大な蛸
 拾い決闘場の四分の一を占拠しかねないほどの巨体は、この場にいる中において迷う事なく……ハンニバルを選んで、襲い掛かった

 四方八方から、ハンニバルに襲い掛かる触手
 ……一瞬で、その全てが切り落とされた
 ハンニバルが振るう、手元すら見えぬほどのすばやい斬撃が、全ての攻撃をハンニバルに届かせない
 一瞬で、その胴体すら切り裂かれ、決闘場にあいた巨大な穴へと落下していく蛸
 その巨体の影から

「っひっはははははははははあははははあはははっははははあはははははははあっはははははっは!!!!」

 奇声と共に、ナイフを構えた人影が飛び出す
 それは、船の船員のような姿をしていて
 狂ったような表情でハンニバルに襲い掛かったそれもまた、一瞬で剣で貫かれ、命を落とす

「ふむ…?先ほど流れてきた水……これは、海水か?そして、巨大な蛸……クラーケン?そして、狂える男…船員……これは」

 思案するようなハンニバルの言葉
 その、ハンニバルの、背後に
 闇が、生まれた
 人一人、あっさりと飲み込んでしまいそうな………闇が

 闇、そのものとしか言いようのないそれは、ハンニバルを飲み込もうと、その体に近づいて
 しかし、ハンニバルはその接近を感じ取ったのだろう
 剣に突き刺していた船員らしき男の体をその闇に放り投げ、自身は素早くその闇から離れる
 ただし、まるで左半身を庇うように前に出た右腕が…少し、闇に触れて

 ……音は、なかった
 ただ、闇が触れた箇所
 その、全てが…………まるで、はじめからそこに存在していなかったかのように、消滅した

 突然の、怒涛の攻撃
 ハンニバルは、最後の闇によって、右腕の一部を消滅させられたが…すぐに、再生し、そして
 軽く、剣を振るう
 その切っ先は、闇を避けたハンニバルの背後に回りこみ、攻撃しようとしていた人影の首を…あっさりと、切り落とした
 ごとり、長い白髪をした男の首が、転がる
 それはごろごろと、Tさんの足元まで転がってきて……うわ!?と舞が悲鳴をあげた

「…「マリー・セレスト号」の契約者、と言ったところか。はて、その契約者に恨まれるような事をした覚えはないな…?」
「お前のことだから、どうせあちこちで恨み買いまくってるんじゃないのか?」

 軽い嫌味と共に、宏也が攻撃を繰り出す
 襲いかかる髪を次々に切り落とすハンニバル
 宏也の攻撃を捌き続けるハンニバルに、朝比奈が炎のブレスを吐きつけたが、それはハンニバルを焼き尽くしきれず、すぐに再生される
 二人がかりの攻撃集中攻撃を受けて、なお……ハンニバルの余裕は、崩れる様子が、ない



 …何とか、援護したい
 だが、まだ、体が完全では、ない
 何とか上半身を起こした状態で、辰也は必死に思案する
 もう少し経てば、ほんの少しは援護できる程度に、体が動くかもしれないが…

「…たつ、や」
「恵……大丈夫だから」

 転がってきた白髪の男の首に、怯えた様子を見せる恵
 あまり、そちらを見ないよう、影になってやる
 …突然現れて、何だったのだろうか、この白髪の男は
 どうやら、自分や宏也…それに、朝比奈 秀雄と同じように、ハンニバルに恨みを抱いていた者のようだが…

「うわ…Tさん、これ、さすがに死んでる、よなぁ…」
「舞、あまり見るな」

 恐る恐る、転がってきた首に視線をやる舞
 Tさんは、舞の精神衛生面に良くないと判断したのだろう
 その首を見せないようにして…

「いや、まぁ、生きてるんだがな」
「!?」

 ごろり
 首が、動いて
 ……やや小声だが、普通に、しゃべった

「あー、悪い、誰でもいいから、俺のこの首、あっちの胴体まで投げてくんね?……ハンニバルの野郎に気づかれないように、もっかい不意を撃ちたいから」

 ぺらぺらと、勝手な事を小声でしゃべってくる生首
 辰也は、やや警戒するように、その生首を睨んだ

「…誰だ?」
「誰でもいいだろ?ようは、俺もハンニバルの糞野郎が憎いんだよ。あいつを殺すんなら、一枚噛ませろ」

 辰也の警戒する声に、生首はどこか軽い調子で言って
 …そして、続ける

「……俺は、ハンニバルの不死身の秘密を、知っている」
「!」
「だから、協力するから協力してくれ………あの野郎の、息の根を……止める」

 銀の双眸に、はっきりと浮かぶ、憎悪
 そして…その生首は、ハンニバルの不死身の秘密を
 その、契約都市伝説を…辰也達に、語った



 ぽたり
 …血が、止まらない
 ハンニバルの斬撃を、何度も直撃させられている宏也
 ……本格的に…体内に埋め込まれた賢者の石の残りの力が、弱まっている
 あと死ねて、せいぜい3,4回…

 だが
 …そこまで殺され続けたかいは、あったようだ

(…左半身を、妙に庇うな)

 それも、腰から下を
 …ハンニバルを睨みつける宏也
 ダメージを受けても即時再生するハンニバル
 だが、妙に左半身だけを庇い続けるのだ
 もしかしたら……

(あぁ、くそ、わかっても、実行できなきゃどうしようもねぇか)

 狙いたくても、狙わせてくれまい
 どうする…?

 宏也が悩んでいた、その時

「っ宏也、朝比奈、伏せろ!!」

 辰也の、叫び
 続けて

「貫け、ゾフィエル」

 直希の召喚の言葉と共に、飛び出してきたゾフィエルが
 構えた槍でハンニバルの心臓を、貫く

「無駄だというのが…………!?」

 槍の、切っ先に
 何か、刺さっている
 それは、異様な光を発する携帯電話で…

 爆音が、決闘場を揺らす
 ハンニバルの上半身が、爆発で吹き飛んだ
 一瞬、がら空きになる下半身
 だが、上半身はすぐに再生をはじめる
 宏也が髪を伸ばすが、間に合わな……

「………闇に飲まれろぉ!!!」

 首と胴体が繋がった白髪の男が、再生し続けるハンニバルに接近し、闇を出現させて飲み込もうとする
 だが、再生しきったハンニバルは、その闇を回避
 白髪の男の脳天を……ハンニバルの剣が、貫いた

「っがっ!?……の、やろ。死ねぇけど、痛覚はそのままなんだからな……っ」
「それは、私もそうだがね………ふむ?マリー・セレスト号に、不死に結びつくような逸話があったかな…?」

 白髪の男の脳天から、剣を抜こうとするハンニバル
 …その、剣を
 白髪の男は、素手で掴んだ

「…何の真似かね?」
「っは…こうしなくても、抜けないだろう、けど、な……」

 ぽたり
 剥き出しの刃を掴む手から、血が流れる

「こうすりゃ、てめぇもまともに動けねぇだろうし…」

 ずぶ、と
 何かが、何かに突き刺さる音

「てめぇの最強の眼も、見えない場所からの攻撃にゃあ、無意味だろうよっ!!!」

 白髪の男の、体を
 背後から……宏也の髪が貫いた
 予想外の場所からの攻撃に、ハンニバルの反応が遅れる
 それでも、何とか対処しようとして

 しかし
 誰かが祈った幸せにより、ハンニバルの防御は、間に合わなかった
 加速した宏也の攻撃が、ハンニバルの左腕を、切り捨てて
 そして
 …ハンニバルの、腰から下げられた、鞘を……奪った

「っが……っ!?」

 切り裂かれた腕の付け根から、激しく出血するハンニバル
 その傷が…再生、しない

「っの、貴様……!?」

 続けて、朝比奈の爪先が、ハンニバルの右肺をえぐった
 やはり、再生しない

「がぁあああああああああああああああああ!!!???」

 ハンニバルの絶叫が……決闘場中に、響き渡った



「いやぁ、こっちの考えを読んでくれて感謝感謝。ついでに、よく気づいたな、あいつの不死身の秘密」
「……そりゃ、あれだけ庇い続けてるのを見りゃ、な…」

 ハンニバルに貫かれた脳天も、宏也にえぐられた体も、即座に再生させている白髪の男
 そして…ハンニバルの鞘を奪った宏也の、傷も
 まるで、先ほどまでのハンニバルのように、再生していっている

「…持ち主だけじゃなく、持った奴なら誰彼構わず治すのかよ、これは」

 古びた、けれど、立派な装飾のその鞘
 ちらり、ハンニバルの持つ、柄に顎から炎を噴出す、二匹の蛇が掘られたその剣を見る
 …これらの装飾で、もっと早く、気づくべきだった

「……エクスカリバー、か」

 アーサー王伝説にて語られる、伝説の武器
 妖精の加護持つ、王の剣、神秘の剣
 その鞘には、剣を、そして……持ち主の傷を、再生させる力がある

 伝説の剣、エクスカリバー
 それが、ハンニバルの契約都市伝説だったのだ
 恐らく…本体は、この鞘
 これがなければ、ハンニバルの再生は…

「---ッ鞘を、よこせ!!!」
「っ!?」

 ほんの、一瞬
 ほんの一瞬で、ハンニバルは宏也に接近してきた
 剣が、鞘を絡めていた髪を切り落とし…鞘を、その手に回収する
 致命傷とも思えるその傷が、一瞬で再生した

「…っは。ようやく焦りが出たなぁ?」
「貴様ら……!」

 怒りをにじませるハンニバル
 …不死身の秘密がわかったならば、もはや、不死を恐れる必要は、ない

 反撃開始の、時間だ



to be … ?



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