…聞こえてきた、轟音
嫌な予感がしていたら、大樹が
嫌な予感がしていたら、大樹が
「少々、ここでお待ちください」
と言って、そちらに向かい
……十数分後
……十数分後
「……申し訳ありません、お待たせいたしました」
「いえ、大丈夫だけど……何かあったの?」
「あぁ、少々、問題が発生していましたが…もう、大丈夫ですよ」
「いえ、大丈夫だけど……何かあったの?」
「あぁ、少々、問題が発生していましたが…もう、大丈夫ですよ」
優しく、望にそう微笑む大樹
その向こう側で
その向こう側で
「っちょ!?母さん、何があったの!?」
「…友美…………よく、覚えておけ………世の中には…………気迫だけで、相手を完全に圧倒し、威圧し……その精神を屈服させかねない奴が、確かに、いる……だが、それに打ち勝つ事は……私達人間にも、決して、無理な事では……ないんだ」
「母さん!?母さーーーーんっ!!??」
「…友美…………よく、覚えておけ………世の中には…………気迫だけで、相手を完全に圧倒し、威圧し……その精神を屈服させかねない奴が、確かに、いる……だが、それに打ち勝つ事は……私達人間にも、決して、無理な事では……ないんだ」
「母さん!?母さーーーーんっ!!??」
………
愛美さんが精神的に疲労しているとか、明らかにありえない光景が見えたようが気がしたが
気のせいだろう、幻想だろう
彼女があんな状態になっているなど、ありえない
幻想に違いないのだ
愛美さんが精神的に疲労しているとか、明らかにありえない光景が見えたようが気がしたが
気のせいだろう、幻想だろう
彼女があんな状態になっているなど、ありえない
幻想に違いないのだ
「…おや?詩織さんは?」
「あっち、ノロイに付き合ってもらって泳ぐ練習しているみたい」
「あっち、ノロイに付き合ってもらって泳ぐ練習しているみたい」
つい先ほどまで、ノロイは翼達の方にいたのだが
詩織に呼ばれて、そちらに来たのだ
…鼠に泳ぎを教えられるというのも悲しいものが、というか、言葉通じているのだろうか?
詩織に呼ばれて、そちらに来たのだ
…鼠に泳ぎを教えられるというのも悲しいものが、というか、言葉通じているのだろうか?
「望は、どうしますか?」
「え?」
「あなたも、泳ぐ練習をしますか?」
「え?」
「あなたも、泳ぐ練習をしますか?」
大樹に、そう言われて
望は、きょとんとした
望は、きょとんとした
「人間って、浮くようには出来てないでしょ?」
「いえ、浮きますよ。浮けますから。望も、練習すれば泳げるようになりますよ」
「そう言われても…」
「いえ、浮きますよ。浮けますから。望も、練習すれば泳げるようになりますよ」
「そう言われても…」
水に顔をつけるのは別に平気だが
浮けないのだ
沈んでしまうから、仕方ないだろう
そんな望に…大樹は、優しく続ける
浮けないのだ
沈んでしまうから、仕方ないだろう
そんな望に…大樹は、優しく続ける
「私が、お付き合いしましょうか?」
「へ!?」
「へ!?」
お
おつきあい???
おつきあい???
ぽぽぽぽっ、と望は頬を赤くした
「あ、あああああ、あの、お、おつきあいって、その」
「泳ぐ練習。私も特別泳ぎがうまい訳ではありませんが、練習に付き合うくらいはできますよ」
「泳ぐ練習。私も特別泳ぎがうまい訳ではありませんが、練習に付き合うくらいはできますよ」
…あ、そっちか
そ、それはそうだろう
そうに決まっている
うん、勘違いした自分が悪い、うん
そ、それはそうだろう
そうに決まっている
うん、勘違いした自分が悪い、うん
自分にそう言い聞かせ、冷静になろうとする望
赤くなった頬を隠すようにしつつ、尋ねる
赤くなった頬を隠すようにしつつ、尋ねる
「……いいの?」
「もちろんですよ。ほら、まずは準備体操から。それから、水に入って、私が手を取りますから。浮く練習からしましょうね」
「もちろんですよ。ほら、まずは準備体操から。それから、水に入って、私が手を取りますから。浮く練習からしましょうね」
優しい、大樹の言葉
気遣ってくれている、優しい声
…甘えてばかりではいけない
そう思いつつ、甘えたくなってしまう
気遣ってくれている、優しい声
…甘えてばかりではいけない
そう思いつつ、甘えたくなってしまう
「そ、それじゃあ、お言葉に甘える、わね」
…まずは、準備体操からか
それを終えれば、大樹が…手を、とってくれるのだ
それを終えれば、大樹が…手を、とってくれるのだ
半ば、まだ頬を赤くしながら
望は、大樹に手を取ってもらうためにも、プールサイドで準備体操をはじめたのだった
望は、大樹に手を取ってもらうためにも、プールサイドで準備体操をはじめたのだった
きっと続く