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連載 - とある組織の構成員の憂鬱-57a

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だれでも歓迎! 編集
 …聞こえてきた、轟音
 嫌な予感がしていたら、大樹が

「少々、ここでお待ちください」

 と言って、そちらに向かい
 ……十数分後

「……申し訳ありません、お待たせいたしました」
「いえ、大丈夫だけど……何かあったの?」
「あぁ、少々、問題が発生していましたが…もう、大丈夫ですよ」

 優しく、望にそう微笑む大樹
 その向こう側で

「っちょ!?母さん、何があったの!?」
「…友美…………よく、覚えておけ………世の中には…………気迫だけで、相手を完全に圧倒し、威圧し……その精神を屈服させかねない奴が、確かに、いる……だが、それに打ち勝つ事は……私達人間にも、決して、無理な事では……ないんだ」
「母さん!?母さーーーーんっ!!??」

 ………
 愛美さんが精神的に疲労しているとか、明らかにありえない光景が見えたようが気がしたが
 気のせいだろう、幻想だろう
 彼女があんな状態になっているなど、ありえない
 幻想に違いないのだ

「…おや?詩織さんは?」
「あっち、ノロイに付き合ってもらって泳ぐ練習しているみたい」

 つい先ほどまで、ノロイは翼達の方にいたのだが
 詩織に呼ばれて、そちらに来たのだ
 …鼠に泳ぎを教えられるというのも悲しいものが、というか、言葉通じているのだろうか?

「望は、どうしますか?」
「え?」
「あなたも、泳ぐ練習をしますか?」

 大樹に、そう言われて
 望は、きょとんとした

「人間って、浮くようには出来てないでしょ?」
「いえ、浮きますよ。浮けますから。望も、練習すれば泳げるようになりますよ」
「そう言われても…」

 水に顔をつけるのは別に平気だが
 浮けないのだ
 沈んでしまうから、仕方ないだろう
 そんな望に…大樹は、優しく続ける

「私が、お付き合いしましょうか?」
「へ!?」

 お
 おつきあい???

 ぽぽぽぽっ、と望は頬を赤くした

「あ、あああああ、あの、お、おつきあいって、その」
「泳ぐ練習。私も特別泳ぎがうまい訳ではありませんが、練習に付き合うくらいはできますよ」

 …あ、そっちか
 そ、それはそうだろう 
 そうに決まっている
 うん、勘違いした自分が悪い、うん

 自分にそう言い聞かせ、冷静になろうとする望
 赤くなった頬を隠すようにしつつ、尋ねる

「……いいの?」
「もちろんですよ。ほら、まずは準備体操から。それから、水に入って、私が手を取りますから。浮く練習からしましょうね」

 優しい、大樹の言葉
 気遣ってくれている、優しい声
 …甘えてばかりではいけない
 そう思いつつ、甘えたくなってしまう

「そ、それじゃあ、お言葉に甘える、わね」

 …まずは、準備体操からか
 それを終えれば、大樹が…手を、とってくれるのだ

 半ば、まだ頬を赤くしながら
 望は、大樹に手を取ってもらうためにも、プールサイドで準備体操をはじめたのだった



きっと続く



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