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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - モンスの天使-16d

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 …何も、知らなかった
 知らされていなかった

 門条 晴海
 自分と、同じ苗字の、女の名前
 ……あの男は、先生がその女を殺したのだと言うような事を言っていた

 わからなかった
 どうすれば良いのか
 自分の家族の事を、俺は何も知らない
 多分、「組織」に引き取られていた以上……自分の両親は、死んだものだと思っていた
 かつて、幼い頃、H-No.96が口にした通り、そうなのだと……そう、考えていて

 だが
 門条 晴海という、その名前を聞いた時
 ……それが、自分の母親なのではないか、と
 そう、感じて

 ならば
 先生が
 ハンニバルが、その女を殺したと言うの、なら……



「---------っ」

 目を覚ました時、視界に入り込んできたのは、白い天井
 …どこかの、診療所のような

「目を覚ましたか」
「……なお、き?」

 声に、ゆっくりと、視界を動かす
 そこでは、唯一無二の親友が……自分と同じように、寝台に横たわっていた
 もっとも、そちらはその状態で、分厚い本を開いて読んでいたが

「………顔色悪いぞ、お前」
「むぅ、君にだけは言われたくない状況な訳だが……………大丈夫なのか?」

 言われて、体が酷く疲労している事を自覚した
 …首を動かすのが、精一杯
 それ以外、体がほとんど動かない

「…………多分」
「まったく、無理をするからだ」

 深々とため息をつかれた
 だが、それはこちらの台詞だ
 直希の顔色が、そうとう、悪い……これは、「光輝の書」の力で、また無理をした証拠だろう
 その都市伝説との相性が良い訳でもないのに、直希はそれを使い続け、時折無茶をする事を、天地はよくわかっていたから

「ここのドクターの診断によれば、君は三日ほど絶対安静だそうだ。大人しくしていたまえ」
「……お前は?」
「疲労さえ回復したならば、帰っても問題ないと言われている。まぁ、君の事が心配だから、もう少しここにいさせてもらうつもりだが」

 淡々と告げてくる直希
 ただ……心配されているらしい事がわかって、天地は小さく苦笑した
 相変わらず、感情が表に出ない奴だ
 ……それをわかっていて、自分は、この男を友人と見ているのだが

 軽く、頭を振る
 ズキズキと、体中が痛む事も自覚する
 ……眠り落ちそうな意識を、無理矢理に保ち

「…なぁ、直希」

 天地は、小さく、直希に尋ねる

「………門条 晴海、って言うのは」
「…君の、母親だ」

 すぐに、返事は返ってきた
 そうか…と、どこか、納得する

「…………もう、死んでいるんだな?」
「あぁ。21年前に、「組織」による口封じによって死亡している」
「…………その、指示を、出したのは………」

 ズキリ
 頭が、体中が痛んだ
 直希が本を置き、心配そうな視線を向けてくる

「…無理をして、今、認識せずともいい」
「……いい……………その、門条 晴海を殺す指示を出した、のは………先生………ハンニバル、なんだ、な?」
「………………そうだ」

 ……あぁ
 そう、だったのか

「…はは………俺は、何も知らずに…………あの人を、尊敬していた、のか」
「……君が、気に病む事ではない。君は、あまりにも幼い頃から、あの男の影響下に置かれてしまった。君には、罪はない」

 …むくり
 上半身を起こしてきた、直希
 まるで子供にするように天地の頭を撫でてきながら、続ける

「君は、親子二代にわたっての……あの男の被害者だった。今は、それだけ認識していれば、十分だ」
「……そう、か……直希、お前は、どこまで……把握、しているんだ?」
「…君に、一通り説明できる程度には」

 そうか、と天地は目を閉じた
 ……いい加減、限界だ
 また、少し…眠らせてもらおう

「……わかった…じゃあ、後で、説明しろよ…?」
「…約束しよう」

 直希の答えに、ほっとして目を閉じた天地
 意識を、眠りに落とそうとした、その時

 ……コンコン、と
 部屋を、ノックする音が聞こえてきた
 どうぞ、と直希が声をかけると、扉が開いた音がした
 誰か、入ってきたようだ

「あ…駄目ですよ、玄宗さん。まだ寝ていませんと」
「むぅ、僕としては、もうわりと平気なのだが……どうかしたのかね?ミス・メアリー」
「あ、はい。門条さんに、お客様が…」
「………俺、に?」

 …誰が?
 落ちかけていた意識を無理矢理浮上させて目をあける天地

 その、直後

「ふぇええええええええええ、天地さぁあああああああああああん!!」
「うぶっ!?」

 ばふんっ!!!
 やわらかいものに、顔をうずめられた

 息がっ!?
 呼吸がっ!?

「良かった………生きてくれてて良かったぁああ………急に、連絡取れなくなって………っ、Sさんから連絡もらったら、危険な状態だって聞いて………っ、心配、したんですよ………っ」

 …この、声は
 今の自分の担当である、黒服Cの声であると、理解した

 彼女は、同僚のSから天地の状況を聞いて、急いで駆けつけてきたのだ
 …担当でありながら、天地の状況を把握できていなかった
 その事を、酷く後悔しながら
 しかし、まずは…天地が無事だった事に、ほっとして
 涙を流しながら、ぎゅう、と天地の体を抱きしめる

「……レディ、天地が無事でほっとしたのは、わかるのだが」
「あ、あの、その抱き方だと、門条さんが窒息してしまいますよ」
「え?」

 むにゅん
 「組織」内でも、わりとナイスバディの部類の女黒服である、黒服C
 その胸元に、うずもれて

「あぁっ!?て、天地さぁん!!??」

 ……がくん、と
 軽く窒息しかけて、天地は安らかに気絶して
 今度こそ、意識は眠りへと落ちたのだった







fin?




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