「そう言えば」
「はい?」
「はい?」
しゃりしゃり
寝台に横たわっている天地の横で、りんごの皮をむいている黒服C
彼女に、天地は何気なく尋ねる
寝台に横たわっている天地の横で、りんごの皮をむいている黒服C
彼女に、天地は何気なく尋ねる
「…お前、名前は?」
「ふぇ?……あ、人間としての名前、ですか?」
「ふぇ?……あ、人間としての名前、ですか?」
そうだ、と頷く天地
今まで、黒服の名前なんて、気にしたこともなかったが…今、ふと気になったのだ
今まで、黒服の名前なんて、気にしたこともなかったが…今、ふと気になったのだ
天地にとって、彼女ははじめての元・人間の黒服
ならば、名前をもっているはず…
ならば、名前をもっているはず…
「えっと…その、私、まだ人間としての名前、用意されていないんです。一応、同僚からは、「なーちゃん」って呼ばれてたりしてますけど…」
「……?でも、お前、元々人間だろう?その頃の名前は…」
「ご、ごめんなさい。私、自分が人間だった頃のこと……全然、覚えていないんです」
「……?でも、お前、元々人間だろう?その頃の名前は…」
「ご、ごめんなさい。私、自分が人間だった頃のこと……全然、覚えていないんです」
ほんの少し、悲しそうな黒服Cの言葉
…天地は、やや、罪悪感を覚える
…天地は、やや、罪悪感を覚える
「そ、そうか。悪かった」
「いえ、いいんです。私みたいな、元人間の黒服、って多いですから」
「いえ、いいんです。私みたいな、元人間の黒服、って多いですから」
重たい空気を振り払うよう、笑う黒服C
-------彼女が、「穀雨 小夏」と言う、人間だった頃の名前を思い出す事は、きっと、二度とないのだ
fin