「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - とある組織の構成員の憂鬱-57c

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
「……ったく、さすがに水に沈めるのは命に関わるからやめろっての!俺はともかく、裂邪が溺れるだろうが!?」
「まぁ、それは助かったからいいじゃない……本当、気合だけで私の「はないちもんめ」を解かないで欲しいものだわ…」

 ばしゃり
 プールから顔を出し、望に抗議した翼
 再び、「はないちもんめ」による束縛を気合だけで解いたのである…「はないちもんめ」の効果を受けなれているせいなのか、それとも、本人の意思力によるものなのか、微妙なところだ
 とまれ、望は大樹から大き目のタオルを渡され、包まって真っ赤になっている
 若干いじけている状態で、大樹に慰められている状況だ

 …と

「ちゅー!」

 ばちゃばちゃばちゃ!!
 ノロイが、望と詩織の水着を取り戻してきた!!

「!ノロイ、よくやった!」
「ちゅちゅー!」

 褒められて、ちょっと得意げなノロイ
 望と詩織が、タオルに包まれた状態のまま、水着を受け取る

「ノロイ、水着、どこにあったの?」
「ちゅちゅ、ちゅちゅっちゅー」

 詩織の問いかけに答えるノロイ
 …はっきり言おう
 詩織しか、ノロイの言葉がわからない

「詩織さん、ノロイは何と?」
「んー、水着、排水溝の中にあったって。他にもあったけど、どれが誰のかわからなかったから、私と望のだけ持ってきたみたい」

 大樹に尋ねられ、ノロイの言葉を通訳する詩織
 なるほど、確かに、そこに隠せば普通はなかなか取り戻せない
 ノロイは体が小さいから、簡単に進入して取り戻せたのだろう

「ノロイ、なら、私の水着は覚えているな?取り戻せるか?」
「ちゅっちゅー!」

 愛美の言葉に、合点!とでも言うように、再びプールに飛び込むノロイ
 平泳ぎで泳いでいく……もはや、泳ぎ方には突っ込むまい

「さて、それにしても、銃が効きにくいのは厄介だな」
「…幸い、一般人の方の目があまりとは言え、できれば銃は控えてください………どなたかが、一般の方々が、無意識にプールから離れるようにしてくださっているようですね」

 かすかに聞こえる、歌声
 …恐らくは、セイレーンの歌声
 これで、一般客が無意識下でプールから離れるようにしてくれているのだろう
 大樹は知らない事だが、朝比奈の指示でセイレーンの契約者たる鳥井が行っているのだ
 ……一応、愛美もその歌の影響を受けそうなものだが、彼女は強い意志でもって、その影響を跳ね除けている

「ならば、私に丸腰で戦えと?」
「そうは言いません……とりあえず、これを」

 す、と
 大樹が愛美に手渡したのは、「組織」支給の光線銃
 あまり威力が高いものではないが、通常の銃よりは、あの存在にダメージを与えられるだろう

「ふむ……使い方は、引き金を引くだけでいいんだな?」
「はい………一応、「組織」の支給品ですので、騒ぎが終わったら返してくださいね?」

 苦笑しつつ、自分も予備の光線銃を手に取る大樹
 まだちょっといじけている望の頭を撫でる

「…大丈夫、望。あなたを辱めた相手を、逃がしたりしませんから」
「大樹さん……」

 ……きゅ、と、水着を着なおし、そっと寄り添ってきた望
 そんな望に、大樹は安心させるように、優しく笑いかけてやったのだった



続くんぢゃ




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー