「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 拝戸直しの人殺し-13

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【拝戸直の人殺し 第十三話「新しい力、新しい獲物」】

入院した晩。
俺の元にサンジェルマンがやってきた。
前に比べて更に肉体が強化されている。
また自らに改造手術を施したのだろうか?

「ようサンジェルマン、ゲンキしてた?」
「まあぼちぼちですね。そういえば貴方の作品の補修が完了しましたよ。」
「ああ、みぃちゃんのこと?」
「そうです、肉片が残っていたのでソレを元に人工的な肉体を作り、あとは魂魄を定着させれば……。」
「……あんたって科学者じゃなかったのか?」
「死人を蘇らせる研究に血道を上げて魔術にも手を出している科学者です。
 そもそも錬金術とは過去に於いて科学として扱われた物です。
 あなた方が勝手に魔術扱いしてるだけであれもまた理論だった体系に基づいた技術です。
 手順を踏めば誰でも出来る。
 貴方たち異常者の異能の方がよっぽど物理法則を無視してます。
 そういえば最近新しい異常者が世界の何処かで観測されたみたいですね。
 まあ組織に確保されたんで私は手出しできませんが。アークヤシイ」
「そうなのか?それは興味深いな。あとで詳しく聞かせろ。
 それより……」
「ええ、それじゃ、あなたの怪我治して良いですか?」
「頼んだ、適当に薬一発で治るんだろ?現代医学馬鹿にしてるよな。」
「未来の医学ですから。」

サンジェルマンはそう言うと俺が骨折した箇所に注射を打ち込む。
痛みがあっという間に引いて腫れも治まってしまった。
本当にがっかりだ。
俺は何のために医学部に入ったのだろうか。




「ところで」
「なんだ?」
「貴方いつの間に死神の契約書なんて手に入れたんですか?
 契約者が死んだせいで所在不明になっていてですね、探してたんですよ。
 私の手元に残ってる数少ない“神”との契約書だから回収したかったのですが。
 都市伝説にもランクがありましてね。
 まあ私的に分類しているだけですけど。
 “神話”や“伝説”あとは“伝承”そして普通の“都市伝説”みたいに。
 ちなみに契約してしまえば契約者のスペック次第で幾らでも強さは変わるんであてにならない分類だったり。
 神との契約書は精製にそれひとつで国が買えるレベルの手間と予算を……。」
「なんだよそれ。ああ、もしかしてあの髑髏仮面のこと?」
「そうそう、それですよ。何処に隠してるんですか?
 気配だけはこの部屋の中に有るんですが……。」
「そこのバッグの中に突っ込んでおいた。」
「雑ッ!?
 今の説明聞いてたら絶対やらないよねそれ!?」
「いやあ~、なんか始めて見た瞬間運命感じたよ。
 あの都市伝説は。ウンメイノー」
「ウンメイノーで思い出しましたけどUSB型契約書ってのを最近作ってるんですよ。」
「何それ面白い。」

サンジェルマンはそのサンプルと思しきUSBメモリを取り出す。

「上田さんの現在契約なさってる都市伝説の方が協力的でしてね。
 上田さんが倒したり捕縛した都市伝説を一部データ化して送ってくれているんですよ。
 ネット発祥だけあってそこら辺のコンピュータ関係本当に詳しいんですよね彼女。」
「そのデータが入っているのがこれか?」

その真っ白なUSBメモリを手にとって眺め回す。
螺旋を象った芸術的なデザインだ。




「それはまだ空です。データは入ってませんね。
 今手持ちでデータが入ってる物は……。」

ガサ
その時突然俺のバッグが動き始める。
正確に言えばその中のマスクが動いているらしい。

「まずい、逃げられる!?」
「逃げるとかあるの?」
「高位の契約書はそれ自体が意志を持つかのように動く性質があるんです!」
「捕まえるか……。」
「捕まえたら貴方の持っているメモリに……。」

次の瞬間、バッグを裂いて中から髑髏の仮面が現れる。
その仮面は窓で待ち伏せしているサンジェルマンを無視して俺の方へ飛んできた。

「むっふん!?」

我ながら奇妙な声を上げて倒れてしまった。
仮面は顔にガッチリと食い込んで離れない。

「また勝手に契約者見つけやがったあの欠陥製品!?」
「待て、俺は契約するともなんともおああああァッー!」

一瞬だけ頭が焼けるように熱かったが、それはすぐに引いた。
俺の手元のメモリに視線を移すと、それにはDの文字がハッキリと刻み込まれていた。





「……今度の媒体はそれですか。」
「どういうことだよ?」
「死神の都市伝説は実体を持たないからこの世界に存在し続けるのに媒体が必要でしてね。
 眼鏡だったりマスクだったりしてたんですけど……。
 今回は新型契約書ですか。」
「ふぅん……、それで俺は契約できちゃったの?」
「ええ、貴方の容量では本来無理なんですけどね。
 そこのUSBメモリに一部力を吸収される形になったのが良かったのか……。
 新型契約書には都市伝説の力をセーブする効能もアリ、と。
 面白いからこの技術はしばらくF-№で独占しておきますかね。」
「……もしかして俺を実験台にしたかったのか?」
「もちろん!」

非常に良い笑顔だ。
輝いている。
ん?
比喩じゃなくてサンジェルマンの後ろに光り輝く金色の玉が見える。

「おい、サンジェルマン。なんだよその金玉。」
「え、何処見てるんですか?」
「いや、病院でポロリしなくて良いから。そうじゃなくてお前の頭の後ろにある……。
 今度は青いのが近づいてきてるな、壁の向こうからだ。
 あ、ドアの前通り過ぎた。」
「もしかしてそれは魂じゃないですか?」
「魂?」
「異常者の中には契約する都市伝説によって異常を高めることに成功した例が報告されてます。
 貴方の場合正にそれ、運命の都市伝説ってところでしょうか。
 快楽殺人鬼と死神、殺さずにいられないと言う意味では似ていますしね。」

サンジェルマンはそういってにやりと笑う。




もしかしてこれも狙いだったのだろうか。
魂の位置が解るならば確かに便利だ。
俺の殺人鬼ライフもより一層豊かになるのかと思うとにやけが止まらない。

「サンジェルマン、新しい力を試したい。」
「良いですよ、存分になさってください。
 丁度良い獲物を用意しておきましたからきっと楽しめますよ?」
「ほう、聞かせろ。」
「獲物の名前は鵺。都を騒がせたあの妖怪です。
 きっと……、満足できると思います。
 人間の姿は女ですがかまいませんね?」
「良いよ、みぃちゃんをちゃんと治しておいてね。」
「解りました。そういえば製作活動の時に鋏がないと不便かと思いますのでお貸ししましょうか?」
「ああ、頼む。巨大なだけの普通の鋏で良いから一つね。」

正体不明の化け物。
そんな物を殺してしまえるなら確かにそれは楽しそうだ。
まあ男を殺す方が好きなのだが差別は良くない。
どのみち本来の姿は化け物なのだし気にすることもないだろう。
私は次の芸術作成の構想に胸を高鳴らせていた。
【拝戸直の人殺し 第十三話「新しい力、新しい獲物」fin】

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