「……うっわぁ、面倒くせぇ。仕事増えた」
PK軍団の隊長の正体が、B-No.004であった、その事実に
イクトミは、心の底から面倒くさそうに、そう呟いた
まるで蜘蛛の足のような髪が、ゆらゆらと揺れる
イクトミは、心の底から面倒くさそうに、そう呟いた
まるで蜘蛛の足のような髪が、ゆらゆらと揺れる
「何だ?A-No.0に、俺が生きていた事を告げ口でもするか?」
「あぁ」
「あぁ」
あっさりと、B-No.004の言葉に答えるイクトミ
っち、と、B-No.004が舌打ちした
っち、と、B-No.004が舌打ちした
「…噂は本当だったんだな。お前が、A-No.0の片腕、ってのは」
「んー?そんなんじゃねぇよ、俺は」
「んー?そんなんじゃねぇよ、俺は」
ひらひらと手を振るイクトミ
軽薄に笑いながら、続ける
軽薄に笑いながら、続ける
「なんつーか、俺は……あいつの理解者、かね?」
「は?何、訳のわかんねぇ事言ってんだ」
「そう言い表すのが一番適切なんだよ」
「は?何、訳のわかんねぇ事言ってんだ」
「そう言い表すのが一番適切なんだよ」
ひらり
言いながら、イクトミはB-No.004から距離をとる
…気付けば、また、周囲に糸が張り巡らされていた
先ほどのひらひらした手の動きが、糸を紡ぐ動きだったとでもいうのだろうか?
言いながら、イクトミはB-No.004から距離をとる
…気付けば、また、周囲に糸が張り巡らされていた
先ほどのひらひらした手の動きが、糸を紡ぐ動きだったとでもいうのだろうか?
「…お前達は、俺を消すか?」
「さぁ?お前らの行動次第じゃね?」
「さぁ?お前らの行動次第じゃね?」
B-No.004の、真剣な問いにも
イクトミは、どこかはぐらかすような答えを返すだけだ
イクトミは、どこかはぐらかすような答えを返すだけだ
しかし
イクトミ自身に、はぐらかす意図など、ない
その答えが真実なのだから、仕方ないのだ
イクトミ自身に、はぐらかす意図など、ない
その答えが真実なのだから、仕方ないのだ
「お前が「組織」に復帰するってんなら、色々考えないと駄目だけどな。とりあえず、「組織」にデメリットをもたらさない限りは安全なんじゃね?」
「その答えを信用しろってのか?」
「A-No.0なら、そう考えるだろうからな……あー、でも。お前が生きてたと知ったなら、あいつ、もれなくお前を質問責めにしてくるかもしれないから、覚悟しとけ」
「その答えを信用しろってのか?」
「A-No.0なら、そう考えるだろうからな……あー、でも。お前が生きてたと知ったなら、あいつ、もれなくお前を質問責めにしてくるかもしれないから、覚悟しとけ」
それと………と
不意に、イクトミの表情が……ほんの少し、真面目になった
不意に、イクトミの表情が……ほんの少し、真面目になった
「……できれば……D-No.962には、もう、関わらないでおけ」
「ん?あぁ、俺が殺し損ねた出来損ないの黒服か?あの「組織」にとって爆弾みたいな奴、まだ残してたのか」
「………爆弾、な」
「ん?あぁ、俺が殺し損ねた出来損ないの黒服か?あの「組織」にとって爆弾みたいな奴、まだ残してたのか」
「………爆弾、な」
皮肉気に笑うイクトミ
その笑みに、B-No.004は、小さく眉を顰めた
その笑みに、B-No.004は、小さく眉を顰めた
「…爆弾、なんて、可愛いもんじゃねぇよ、あいつは………あいつは、導火線そのものだ」
「導火線…?」
「手元においてるのが一番安全なんだよ。困った事に」
「導火線…?」
「手元においてるのが一番安全なんだよ。困った事に」
肩をすくめるイクトミ
さらに、B-No.004から距離をとる
さらに、B-No.004から距離をとる
一歩
糸に触れない程度に動くB-No.004
糸に触れない程度に動くB-No.004
まだ、イクトミは彼の攻撃の射程内に入っている
攻撃する気になれば…攻撃、できる
攻撃する気になれば…攻撃、できる
もっとも
相手は、腐っても一応仮にも時として、信じられないが神である
そう簡単には死なないだろうが
相手は、腐っても一応仮にも時として、信じられないが神である
そう簡単には死なないだろうが
「…あー、面倒くせぇし、俺、お前とやりあうの嫌だぜ?俺、戦闘苦手だし」
「苦手、か。よく言う」
「苦手、か。よく言う」
今、B-No.004の目の前にある糸……それから、粘着性は感じられない
人一人、あっさりと切断しうるほどの鋭利さを感じ取れる
人一人、あっさりと切断しうるほどの鋭利さを感じ取れる
「苦手だよ、だから」
かさり
気配が、生まれた
気配が、生まれた
「こういう感じでけしかけて、さっさと逃げる訳よ」
「!?」
「!?」
囲まれている
B-No.004と、イクトミの周囲に……巨大な、蜘蛛のモンスターが、集団で現れた
B-No.004と、イクトミの周囲に……巨大な、蜘蛛のモンスターが、集団で現れた
「いやー、さっすがファンタジー世界、愉快な蜘蛛が一杯だ。操りがいがあるってか?」
「この野郎…っ!?」
「この野郎…っ!?」
楽しげに、笑って
っふ、と、イクトミは現れた時のように唐突に………B-No.004の前から、姿を消したのだった
っふ、と、イクトミは現れた時のように唐突に………B-No.004の前から、姿を消したのだった
to be … ?