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連載 - 拝戸直しの人殺し-16

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匿名ユーザー

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【拝戸直の人殺し おしまい「夜霧に消える」】

「はい、これで最後の一人。」

死神の鎌を突き立てる。
被害者の胴体が三つに割れて中から血が肉が肺が胃が膵臓が肝臓が脾臓が臓物という臓物がこぼれ落ちる。
私の思うとおりの作品になった。

「題名“命の流出”といったところか、悪くないな。」
「ええ、中々素晴らしいと思います。」
「みぃちゃんも中々芸術というものがわかるようになってきたじゃないか。」
「もう長い間、貴方の側に居ますからね。」
「芸術は理解者があってこそ進化する物だよ、君が居て良かった。
 君は俺の作品の中でも数少ない心のこもった、自我のある作品だからな。
 そんな君に俺の芸術を肯定して貰えるならば間違いはないのだろう。」

F-No.315を殺してからすぐ、俺はみぃちゃんをサンジェルマンの研究所に迎えに行ってから再び時間移動装置を使った。
事件はまだ伝わっておらず、彼女を連れ出すのは簡単だった。
俺が時間転移したのは二十年前。
西暦で言えば大体1980年代後半、バブルの時代という奴だ。
本当に醜い時代だった。
醜い人間、醜い風景、本当に本当に見るに堪えなかった。




「これはフランケンシュタインにするんですか?」
「うーん……そうだな、素体としては悪くない。
 悪くないが、流石にここまでバラバラにすると面倒だ。」

私は歩き始める。
夜の風が頬を撫でる。
一歩、また一歩歩むごとに俺の後ろから聞こえる足音が増えていく。
私がこの二十年で作り続けた大量のフランケンシュタイン達、そしてみぃちゃんの足音。

私はこの時代に本来いない人間だ。
だからどこで何をしようと俺を捜し出すことは出来ない。
ただタイムパラドックスを防止するためか“死ぬ運命の人間”しか今の俺は殺せないで居る。
“死ぬ運命”にない人間を殺そうとしても偶然が重なって殺せないのだ。

だが、それも今日までだ。

この日が終われば、時計の針が十二時を指せば、俺は時間の拘束を逃れられる。





「私はね、美術館を作りたいんだ。
 美しい物しか存在しない私の私による私の為の空間。
 その為には俺の芸術作品たるフランケンシュタインを全て集めなければならない。
 その全てが俺の元に集まったら、俺は死体の美術館をこの世界に作りたいと思う。
 その為の準備も存分にしてきた。
 私がこの長い時間の間に作ってきた死の芸術の数は恐らく1000を超える。
 本日、集まって貰っている君たちはその中でも上の上。
 私の最高傑作と言っても良いだろう。」

私の後ろを歩く死体達は何も答えない。
それで良い。
言葉は要らない、静寂だけが支配している空間。

「初期の試作品の中で一体だけ、長らく所在が不明だったフランケンシュタインが居る。
 今も思い出す、少女のフランケンシュタインだ。
 試作品十号、感覚機能特化型。
 足技を中心とした格闘技をインプリントしてある個体でね。
 中々良い性能だった。これから彼女を迎えに行こうと思う。」
「私は酷い目に遭わされましたけどね。」
「そうだったな。まあ過去のことだ。この世界ではほんの数ヶ月前のことだろうけれどもな。」

時計の針が十二時丁度を指そうとしている。
三、二、一、……ついに日付が変わった。
これで私は好きな人間を好きに殺せる。

「さぁ、始まりだ。」

【拝戸直の人殺し おしまい「夜霧に消える」 fin】



「へくしょん」
「風邪引いたのフランちゃん?」
「いやー、なんか噂されたような……。」








「大丈夫だよ、此処にいる限りは俺たちが守ってやるって。」






「きゃーアスマかっくいいー。フランちゃんに嫉妬しちゃうなあーなんて。」
「お二人とも、本当にありがとうございます。」


【電磁人の韻律詩に続く】

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