「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 電子レンジで猫をチン!-45

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【電磁人の韻律詩45~正義の味方と特訓と才能~】

チャイムが鳴る。
今日の授業も終わりだ。
さっさと家に帰って予習復習組織の仕事をして寝よう。

「おい明日。」

突然声をかけてきたのは獄門寺龍一。
確か彼も契約者だ。でも何故わざわざ俺なんかに声をかけたのだろうか。
俺は「組織」の契約者なのだ。
あいつは「組織」がそれほど好きじゃなかったはずだし……。

「少し模擬戦につきあってくれないか。」
「え、うんまぁ良いが……。」

恋路の方をちらりと見る。
めっちゃ良い笑顔でサムズアップなさってる。
少し揉まれてこいということだろうか。

「終わったら迎えに来るからさ、思いっきり行ってきなよ!」
「そうか、解ったぞ……。」
「どうやら彼女の許可も取れたみたいだし、この後できれば俺の家まで来てくれると嬉しいんだが……。」
「良いぜ、近くのバイク屋さんに通学用のバイク預けてるし。」
「あれ、お前バイク通学なのか?校則的に……。」

忘れないで欲しい。一応俺には不良設定があるのだ。





「校則なんて小さい物を気にするな、別にバイクで通学するくらい悪い事じゃないさ。
 ……ってのは冗談で、許可取ってるから大丈夫。」
「風紀委員が校則無視とかどう考えても駄目だからな。」
「解ってるよ。ていうかヘルメット有るから乗っていくかい?」
「いいや、どうせそれほど時間かからないし向こうで集合にしよう。」
「解った。それじゃあ先に行っていてくれ。」

俺は近くのバイク屋に寄って預けていたバイクを受け取ると獄門寺家に急ぐ。
場所は以前教えて貰っているのですぐに着いた。

「ごめんくださ~い!」

中から出てきたのはどうみてもヤクザな人々。
だがびびってはいけないぞ。
頑張れ俺、それいけ俺。
愛と勇気とかが友達だ。
出迎えてくれた獄門寺の姉らしき綺麗なお姉さんに名前を名乗ると普通に庭に通された。

「来たか明日。」
「おう、来たぜ。
 模擬戦と言ってもルールが解らないから色々持ってきたぞ。」

バイクの中に入れっぱなしだったナイフや恋路から貸して貰った拳銃を取り出す。

「お前は何をする気なのだ……。」
「えっ、いやだって……。」
「そんな物使ったら死ぬだろうが。」

俺としては銃弾やナイフ程度なら即死しない限り大丈夫な気がしていたのだがどうやら彼は違うらしい。
冷静に考えれば俺が痛みに慣れすぎている気がしないでもない。





「ほら、この防具をつけて……。」
「これって空手の奴?」
「いや、剣道の籠手。ところで武器は使うのか?」
「いや、俺使っても弱いから。あと籠手は邪魔くさいからつけないぞ。」
「え?さっきまでナイフとか銃とか持ってたじゃないか。」
「ナイフなんて使い方解らん、銃は当たらない!」
「……じゃあ何故持っていたのだ。」

一瞬、可哀想な物を見る眼で見られた気がする。
でも気にしない。

「とりあえずこの皿が割れたら負けな、身体の好きなところに付けておいてくれ。」
「解った。」

皿を差し出されたのでとりあえず左胸にテープでつけておいた。
陶器っぽいから内部の水分を蒸発させられれば割れるんじゃ無かろうか。
その間に龍一は木刀を取り出していた。

「よし、それじゃあ始めるぞ。」
「あ、待ってくれ獄門寺。やっぱ武器有ったわ。」

俺はカバンから髑髏の仮面と赤いマフラーと黒いマントを取り出して装着する。
最後に黒い革の手袋を嵌めれば……準備完了。

「変身完了、これが正義の味方の武器だぜ。契約者同士、秘密にしてくれよ。」
「…………噂のコスプレ男ってお前だったのか?」
「コスプレ……男だと?」
「さ、それじゃあ始めるか。」

俺と獄門寺は庭先に出て向かい合った。





「先手は譲るぞ。」
「じゃあ遠慮無く行くぜ!」

俺は龍一の腹の真ん中にある皿に向けて掌底を繰り出す。
……が、手首を打たれて弾かれる。
この攻撃には覚えがある。
明久さんとの戦いだとこの後は頭から剣を振り下ろされたのだったっけか。
でも今回は皿を割られたら負けだから、守るべきは胸。
読み通りに龍一は心臓をめがけて突きを放ってくる。
なんて勢いで突くのだろうか、当たれば死ぬぞ。
だから切っ先には触れないように左手のグローブで受け流す。
手甲に小さくひびが入った。
だがここは素手の間合い。
体内電流を調整してまだ痛みの走る右腕を強制的に起動させる。
単純で純粋でだからこそ誰にでもできる平手打ち。
それを極限までに強化された身体能力で……

「――――させるか!」

攻撃しようと思ったのに、手が触れる直前で蹴飛ばされる。
咄嗟に身をひねって心臓だけは避けたが肋骨の間につま先が入った。
俺の右腕は虚しく空を切って俺は情け無くも泥まみれになる。

「……くそ。」

今の攻防だけで実力差は明らかだ。
どう考えても普通にやれば勝てない。

――――――それならば、狙うのは奇襲。





「やっぱ強いな、俺みたいな普通の契約者じゃ追いつけない。」
「幾ら強くても周りの人を守れなきゃ意味がないけどな。」
「まったくだな、まあそれは弱くても守れれば良いって事なんだけどさ。」
「弱くちゃ守れないだろ。」
「いいや、弱くても諦めなければ……。
 この手の届く範囲の人々は守れるよ。」

立ち上がる。
獄門寺の呼吸のリズムを量る。
体裁きのパターンに注意を払う。
明久さんとの戦いでボコボコにされなれているのだ。
多少ダメージを受けたところで戦えるし、相手の攻撃を躱すことだけに集中すれば大抵の攻撃をいなせる。

「そう、諦めなければ誰であってもきっと助けられる。」
「……諦めないでいられるのも一つの強さだよな。」
「諦めないのは只の意志だよ。」
「そう言うことを言ってみたいな。」

羨ましい、か。
それを言ったら俺だってもっと才能が欲しかった。
それを言ったら俺だってもっと恵まれた環境で正義の味方になれるだけの力を手に入れたかった。
正義の味方でいるのさえ必死な俺に比べて獄門寺は恵まれているように見える。
きっとそれは酷く一面的な見方なのだろうが。
それでも、羨ましい。
きっと最初から都市伝説を使って必死な俺と違って獄門寺は都市伝説も使わないで手加減をしている。
あれ程に戦う力が俺にもあればいいのに。




「悔しいけど、配られた手札で戦うしかないんだよな。」
「…………。」

今の言葉をあいつはどう受け取ったんだろう。
肉体強化を脚部に集中。
体内電流を調整、脳の情報処理速度をあげる。
即席で体内にくみ上げた加速装置。
何秒間使用できるだろうか。
これを意識的に使うのは初めてなのだ。
歯を意識的にカチカチと二回鳴らす。
多分獄門寺には聞こえていないだろう。
マイクロ波を木刀に放って水分を一気に蒸発させる。
パァン!と音を立てて木刀の一部が破裂する。
その隙を突いて急造の加速装置で獄門寺の皿まで真っ直ぐに突っ込んだ。
腕を上げる時間すらもどかしいので攻撃手段は体当たり。
身体があいつに触れる直前、一瞬だけ俺とあいつの眼が合った。

【電磁人の韻律詩45~正義の味方と特訓と才能~fin】

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