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連載 - 電子レンジで猫をチン!-46

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【電磁人の韻律詩46~戦い終わって日が暮れて~】

「……それじゃあまた明日。」
「ああ、気をつけて帰れよ。」
「予想より遙かに強いんだなお前……。」
「そうか?」
「うん。それじゃあお母様と妹さんに宜しく言っておいてくれ。
 それにしてもあんな若いお母さんだったら姉さんと間違えちゃうぜ。」
「前に似たようなことを言われたな。」
「誰に?」
「古い知り合い。」

俺はバイクにまたがって獄門寺家を後にする。
龍一との勝負はボロ負けだった。
狙ったはずの奇襲も難無く躱されて簡単に皿を割られてしまったのだ。
やっぱり、俺はまだまだ弱い。
悔しい話だ。
正義の味方っていうのはもっと強くて格好良くなくちゃいけないはずなのに……。
商店街の真ん中をバイクで走っていると見覚えの有る人影を発見する。
向坂境と拝戸純だ。様子がおかしい、少しバイクを停めて話を立ち聞きさせてもらおうか。
向坂は同じクラスの生徒だけどそれほど話さない。
拝戸は風紀委員会の一部で警戒されている生徒である。
仲が良いのは知っていたが何が有ったのだろう。

「うう……、酷い目に遭っちゃったよう。」
「よしよし、私が慰めたげるからね。」

怖い記憶しかない拝戸が外見通りの歳の子供みたいに泣いている。
珍しい光景だな……。





「いきなりお姉さんが出てきてブッチューだよ?
 しかも舌まで入れられた……。
 どんな顔してお兄ちゃんに会えば良いやら……。」
「笛吹さんならきっと優しく慰めてくれるよ。
 笛吹さん優しく見えて邪悪、なように見せかけたがるけど、結局優しさを捨てられない人だから。」
「でも……。」
「でも?」
「始めてだったのに……。」
「ホント?」
「ゴメン、嘘。もうとっくのとうに……。」
「だと思ったよ。」

二人はかしましく笑うと今度はクラスの人間や教師の悪口、
それと勉強やお洒落や新しくできた洋菓子店の話に花を咲かせ始めた。
とりあえず事件の気配はないようなので俺はそそくさとその場を離れた。
……会話の内容については何も言いたくない、女の子って怖い。

「あーあ……。冷えてきたなあ。」

商店街を抜けて、次の曲がり角を曲がれば俺の家のある通りだ。
冷たい夕暮れの風をすり抜けて俺はゆっくりと曲がり角を曲がった。

「――――――危ないッ!」

突然、女の子が目の前に飛び出してきた。






ブレーキは間に合わない。
少女は今曲がり角を飛び出してきてバイクを見つけて恐怖で動けない筈。
なら曲がって躱せるか?
躱せるか?じゃないな。
躱す、絶対にこの子を轢かない!
俺はハンドルを思い切り右に捻っ……

「おっとっと。」

少女は高く飛び上がり、俺の頭の上に手を置いて、そのまま逆立ちの状態で身体を一回転半ほどさせた後、
俺の乗っていたバイクの後ろの方に座った。

「お久しぶりです、危ないですよお兄ちゃん。
 もうちょっとスピード落とさないと危険です。
 曲がり角から飛び出してきた子供轢いちゃったらどうするんですか?」
「……次から気をつけるよ。」
「そうですよ、安全第一です。」

俺はこの子を見た覚えがある。

「この前はご迷惑をかけてしまったので謝りに行こうと思ってたのです。
 明日さんの家はこっちだと親切な人が教えてくれました。」

そう、この子は、この子は……。
前に会ったシーツを被った少女。
恋路を襲った少女。






「……で、連れてきたと。」
「はい。」
「先日はまことに申し訳ございませんでした。」
「ねぇ、この前とキャラ違うくない?」
「それがですね、私はフランケンシュタインという奴でして、
 記憶とかなんだとかがあの時はまだ曖昧だったのですよ。
 元々生きている人間だったような気もするのですが……。
 まあその時の性格とか記憶とかも吹っ飛んでますしね。
 そう言えば黄昏なんたらとかいう子供を殺せと言われて居たような気もしますが……。」
「あんまり覚えてないと。」
「はい!」
「とりあえず組織に保護して貰うべきなのか……?」
「そ、そそそ、それは止めてください!」
「なんでさ?」
「ここに来るまでに組織の人と戦ってまして……。
 追われてるんですよね、ぶっちゃけ><」
「め、迷惑だ……。」
「アスマ、この子を今すぐ家から叩きだそう。」

五分後、俺はなんだかんだで少女を家まで連れてきていた。
とりあえず服がボロボロだったので姉のお古を着せてみる。
……何やってるんだろうか俺は。





「待て待て恋路、流石に子供だぞ?
 しかもお前に謝りに来たんだぜ?
 良い子じゃん、めっちゃ良い子じゃん。
 今日の所はまず家に泊めて、それから宏也さんに……。」
「それは、お勧めしない。」
「どうして?」
「Hさんは信用できない。特にこういう場合は。」
「黒服の人の話ですか?」
「うむ、俺たち組織に属している契約者なのだよ。」
「え……。じゃあ私帰りますね。」
「待て、今夜の宿の当ては?」
「橋の下にあります。」
「駄目だ、それを聞いたら尚のこと帰せない。」
「アスマー、帰ってくれるんだから帰そうよ~。」
「駄目駄目、そんなことは出来ないよ。」
「むぅ、アスマがそう言うなら仕方ないか……。
 私はアスマの言うことには逆らえないし逆らいたくない。
 その中でアスマが安全でいられるように立ち回るだけだ。」
「お二人とも申し訳ございません……。」
「構わないよ、私の契約者は善人でね。君みたいな子を見捨てられないそうだ。」

そう言うと恋路は台所に向かった。

「なあ、君の名前は?あと食べ物の好みも教えてくれ。」

台所から彼女の声が響いた。
なんだかんだで彼女も優しさを捨てられないのだ。

【電磁人の韻律詩46~戦い終わって日が暮れて~】

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