愛美との、情報交換を終えて
まず、大樹がした事は
まず、大樹がした事は
「翼。スーパーハカーに頼んで、直希さんの位置を捕捉してもらえないでしょうか?」
『ん、今、やってもらってる』
『ん、今、やってもらってる』
現実世界の翼との、ボイスチャットでの会話
自分達の会話は、全て現実世界でサポートについてくれている翼達にも届いている
直希が、天使を二体だけ残し、他を全員愛美にたくした、という状況に、翼がやや慌てているようだった
自分達の会話は、全て現実世界でサポートについてくれている翼達にも届いている
直希が、天使を二体だけ残し、他を全員愛美にたくした、という状況に、翼がやや慌てているようだった
…直希は、「光輝の書」の契約者
戦闘能力は、全面的に、それによって召喚する天使達に頼ったものだ
それは、このCOA世界でも変わらない
すなわち、今の直希は……戦闘能力が、かなり制限されてしまっている
かなり、危険な状態だ
戦闘能力は、全面的に、それによって召喚する天使達に頼ったものだ
それは、このCOA世界でも変わらない
すなわち、今の直希は……戦闘能力が、かなり制限されてしまっている
かなり、危険な状態だ
「愛美さん。直希さんが、あなたに託さなかった天使が誰なのか、わかりますか?」
「確か、玄宗 直希は、ザフキエルとヌリエル、と言う名前を口にしていたな。姿は見てないから、よくわからん」
「確か、玄宗 直希は、ザフキエルとヌリエル、と言う名前を口にしていたな。姿は見てないから、よくわからん」
…なるほど、あの二体か
攻撃面では、ヌリエルがいれば問題はなさそうではあるが…防御能力に優れたゼルエルまで、愛美にたくしているとは
やはり、直希が危険である事に、変わりはない
急いで合流すべきだろう、大樹はそう判断する
攻撃面では、ヌリエルがいれば問題はなさそうではあるが…防御能力に優れたゼルエルまで、愛美にたくしているとは
やはり、直希が危険である事に、変わりはない
急いで合流すべきだろう、大樹はそう判断する
「望、これを」
「?」
「愛美さんも」
「……イヤリング?」
「?」
「愛美さんも」
「……イヤリング?」
大樹は望と愛美に、小さなイヤリングを渡した
地味な装飾が施され、淡く光る宝石がつけられている
二人に渡されたのは、それぞれ一つずつ
片耳分だけだ
地味な装飾が施され、淡く光る宝石がつけられている
二人に渡されたのは、それぞれ一つずつ
片耳分だけだ
「「通話のイヤリング」、だそうです。このゲーム内での特殊なマジックアイテムだそうで。対となるイヤリングの持ち主と、どれだけ離れていても会話ができるようになるそうです」
「……なるほど、緊急時の連絡用、と言う訳か?」
「はい。お二人に渡した物と対になる物を、私が所有しています。何かありましたら、すぐに連絡してください。私が直に動けずとも、他の誰かを向かわせることもできますから」
「あれ?俺の分は?」
「……なるほど、緊急時の連絡用、と言う訳か?」
「はい。お二人に渡した物と対になる物を、私が所有しています。何かありましたら、すぐに連絡してください。私が直に動けずとも、他の誰かを向かわせることもできますから」
「あれ?俺の分は?」
通話のイヤリングを渡されなかった上田が声をあげる
えぇと…と、大樹は申し訳なさそうな表情をして
えぇと…と、大樹は申し訳なさそうな表情をして
「すみません。「通話のイヤリング」はこの世界でも希少アイテムだそうで。私も、2セットしか用意できませんでしたから…」
「…いや、まぁ、いいんだけどね」
「…いや、まぁ、いいんだけどね」
自分だけのけ者状態が寂しいのか、ちょっぴりいじける上田
どこまで本気でいじけているかは、いまいち不明だが
どこまで本気でいじけているかは、いまいち不明だが
「…どうか、お気をつけて。ユグドラシルは、「組織」穏健派のNo.0が管理している場所ですから、大丈夫だとは思いますが……このCOA世界は、未知の部分が多すぎますから」
「えぇ……大樹さんも、気をつけて」
「えぇ……大樹さんも、気をつけて」
ぎゅ、と、大樹から渡された通話のイヤリングを握り締め、大樹を心配そうに見上げた望
その望をできるだけ安心させようと、大樹は優しく微笑みかけた
その望をできるだけ安心させようと、大樹は優しく微笑みかけた
都市伝説と、その契約者
離れていても、その魂を感じあう事はできる
大まかながら、どのような状況下にあるか、感じ取る事とて、できるのだ
特に、契約者の状態感知能力を強化させている大樹は、その傾向が強い
契約者であり、同時に、この世でたった一人、唯一無二の大切な存在である望の身、望の精神に、致命的な危険が訪れようとするならば…大樹は即座に、その元に駆けつけるだろう
離れていても、その魂を感じあう事はできる
大まかながら、どのような状況下にあるか、感じ取る事とて、できるのだ
特に、契約者の状態感知能力を強化させている大樹は、その傾向が強い
契約者であり、同時に、この世でたった一人、唯一無二の大切な存在である望の身、望の精神に、致命的な危険が訪れようとするならば…大樹は即座に、その元に駆けつけるだろう
大樹が、望と会話している間に
現実世界より、翼がボイスチャットで愛美に声をかける
現実世界より、翼がボイスチャットで愛美に声をかける
『愛美さん』
「何だ?翼」
『めぼしい契約者を、ユグドラシルに集めてるんだよな?』
「そうだが、それがどうかしたか?」
『だったら…そこに、獄門寺 龍一、って奴が、来るかもしれない』
「何だ?翼」
『めぼしい契約者を、ユグドラシルに集めてるんだよな?』
「そうだが、それがどうかしたか?」
『だったら…そこに、獄門寺 龍一、って奴が、来るかもしれない』
ふむ?…と、翼の言葉に、愛美はやや違和感を覚えた
翼にしては、若干、声の調子が暗い
翼にしては、若干、声の調子が暗い
「その獄門寺とやらが、どうかしたのか?」
『…最近、ちょっと、事件に巻き込まれて。それ以来、ピリピリしてるんだ。少し、精神状態が不安定かもしれない』
「……不安定、とはどの程度だ?」
『えーと…』
『…最近、ちょっと、事件に巻き込まれて。それ以来、ピリピリしてるんだ。少し、精神状態が不安定かもしれない』
「……不安定、とはどの程度だ?」
『えーと…』
若干の、思考をめぐらせて居る事による沈黙の、後
『そこにいるハーメルンの笛吹きが、何かやらかしたら即座に切り捨てそうな程度?』
「………理解した」
「………理解した」
なるほど、それは少々危ないかもしれない
上田と、その獄門寺とか言う契約者は、顔をあわせない方がいいかもしれない
上田と、その獄門寺とか言う契約者は、顔をあわせない方がいいかもしれない
「その獄門寺とか言う契約者の容姿を教えろ。一応、ハーメルンとは接触させないようにはしてみる」
『ん、わかった……あ、それと』
「今度は何だ?」
『…その、龍一が巻き込まれた事件、直希も、ちょっと引っかかってるんだよ』
「玄宗 直希が、か?」
『あぁ、その事件の事で、直希も責任を感じてかっら………多分。今回の愛美さんの件も、あいつ、必要以上に自分に責任感じてるかもしれない』
『ん、わかった……あ、それと』
「今度は何だ?」
『…その、龍一が巻き込まれた事件、直希も、ちょっと引っかかってるんだよ』
「玄宗 直希が、か?」
『あぁ、その事件の事で、直希も責任を感じてかっら………多分。今回の愛美さんの件も、あいつ、必要以上に自分に責任感じてるかもしれない』
…なるほど
直希のあの様子は、そう言うことだったのか
愛美は、それを理解する
直希のあの様子は、そう言うことだったのか
愛美は、それを理解する
……あれは、責任を一人で背負い込んでいる様子だった
必要以上に、責任を背負い込んで…あれでは、いつ、精神的に追い詰められてもおかしくない
いや、もしかしたら、とっくに手遅れかもしれないが
必要以上に、責任を背負い込んで…あれでは、いつ、精神的に追い詰められてもおかしくない
いや、もしかしたら、とっくに手遅れかもしれないが
「………気遣う言葉をかけるなど、柄ではないのだがな」
せめて、必要以上に背負い込むなと、発破だけはかけてやろうか
愛美はこっそりと、そう考えたのだった
愛美はこっそりと、そう考えたのだった
to be … ?