恐怖のサンタ 悪魔の囁き&コークロア編 28
学校町にある、とある病院。
その純白の外壁の前に、奇怪なオブジェが鎮座していた。
真上に向けて大きく足を広げた、赤と肌色の何か。
人間で言う所の下半身のみが突き出た状態で、それは痙攣していた。
院内を行く見舞い客や患者たちが、それを不思議そうに見ては去っていく。
それが本当に人であると思っていないのか、はたまたそれを見慣れた光景だと思っているのか。
誰も赤い造形物に近づこうとしない中、館内から出てきた男が一人、その光景を見てため息をついた。
またか、と唇がかすかに動く。
その純白の外壁の前に、奇怪なオブジェが鎮座していた。
真上に向けて大きく足を広げた、赤と肌色の何か。
人間で言う所の下半身のみが突き出た状態で、それは痙攣していた。
院内を行く見舞い客や患者たちが、それを不思議そうに見ては去っていく。
それが本当に人であると思っていないのか、はたまたそれを見慣れた光景だと思っているのか。
誰も赤い造形物に近づこうとしない中、館内から出てきた男が一人、その光景を見てため息をついた。
またか、と唇がかすかに動く。
「――ほらマゾ、寝てないでさっさと帰るぞ」
埋められた少女に向けて言葉を発しつつ、男――山田はその歩を進める。
時折通りかかる人間の足音を除いて、院内は驚くほど静かだった。
アスファルトを鳴らし、草を踏んで、山田は少女の元へとたどり着く。
少女の着ている赤いワンピースが風にはためく。
ミニ丈であるはずのそれが全くめくれていないのが、山田には不思議だった。
鉄壁のスカート、なんて単語が頭に浮かんだが、山田は頭を振ってそれを振り払った。
心の中で小さく気合を入れて、痙攣するだけで返事の無い少女の足を掴む。
時折通りかかる人間の足音を除いて、院内は驚くほど静かだった。
アスファルトを鳴らし、草を踏んで、山田は少女の元へとたどり着く。
少女の着ている赤いワンピースが風にはためく。
ミニ丈であるはずのそれが全くめくれていないのが、山田には不思議だった。
鉄壁のスカート、なんて単語が頭に浮かんだが、山田は頭を振ってそれを振り払った。
心の中で小さく気合を入れて、痙攣するだけで返事の無い少女の足を掴む。
「よい……しょっ、と」
そして、力任せに引っ張った。
これでも、数日前にはドラゴンの尾すら受け止めたほどの怪力の持ち主である。
一瞬の抵抗感の後に、少女は地中からその姿を現した。
未だ毒が残っているのか、その身体は依然として痙攣を続けたままだ。
紫色に変色した唇が、僅かに動く。
これでも、数日前にはドラゴンの尾すら受け止めたほどの怪力の持ち主である。
一瞬の抵抗感の後に、少女は地中からその姿を現した。
未だ毒が残っているのか、その身体は依然として痙攣を続けたままだ。
紫色に変色した唇が、僅かに動く。
「け、契約者……な、仲人は任せました……よ……」
不可解な言葉を並べるだけ並べた後、少女はその身体から力を抜いた。
つい先ほど病室内で展開された場面を思い浮かべ、山田は首を傾げる。
つい先ほど病室内で展開された場面を思い浮かべ、山田は首を傾げる。
「……どこに『結婚』に繋がる要素があったんだ?」
山田の質問の答えを持つ少女は、山田の手の中で気絶している。
その顔にはどこか、満足げな笑みが浮かんでいた。
その顔にはどこか、満足げな笑みが浮かんでいた。
その日から、マゾの勘違い発言がさらにヒートアップしたとか、していないとか。
真偽を知る者は一様に、その顔に嫌悪と困惑を浮かべ、どこか達観したような風を漂わせていたそうな。
真偽を知る者は一様に、その顔に嫌悪と困惑を浮かべ、どこか達観したような風を漂わせていたそうな。
【終】