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連載 - 三面鏡の少女-77

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Elfriede

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三面鏡の少女 77


「早速病院に行ってきたら、三ヶ月ですって♪」
母、千春の言葉に、佳奈美は手にしていた箸をぽろりと落とした
「弟か妹ができるわよ、佳奈美。これでお父さんもお母さんも寂しくないから、さっさと彼氏を紹介して嫁に行って孫を見せて頂戴?」
「ちょ、えっと……三ヶ月前っていうと……結婚記念日の旅行の時!?」
流石に遠慮も余裕も無くなった佳奈美のツッコミに、父、乗次がげふんげふんと咳払いをする
「高齢出産とかの心配はいらないわよ? お母さんまだまだ若いから」
「若いって、それでももうよんじゅう……」
「ぶぶー」
さも楽しそうに笑顔を浮かべて佳奈美の声を遮る千春と、びくりと身を竦ませる乗次
「お母さん、まだ三十代前半でーす。若い母親だと佳奈美が気にするかなーと思って今まで誤魔化してました。あ、保険証見る?」
「ちょっ、お母さん!? 今あたしが高校二年で17歳だよ!? 前半って、あたし生んだのが……というか十ヶ月割り引く計算だと」
「ご馳走様、お父さんは仕事があるから」
そそくさと席を立つ乗次の腕を、びしりと千春が掴む
「背中を見せたらばっさり斬られるけど、正面から受ければ致命傷は免れるわよ?」
とびきりの笑顔で告げられて、乗次は諦めたように今一度食卓の椅子にすとんと腰を下ろす
「というわけで。お母さんが佳奈美を仕込んだのは16歳の時です。ちなみに誕生日前なので割とギリギリアウト」
「そこまで詳らか言わなくてもね!?」
ちょっと涙声の乗次をスルーして、千春は口元を手で隠しながら笑う
「でも、告白したのも先に手を出したのもお母さんからだから。お父さんがロリコンだったとか、そういうのじゃないわよ?」
「……佳奈美を産んでからズ太くなったよね、千春さん」
「母は強しって言うでしょ?」
にっこりと微笑み、千春は佳奈美に告げる
「お母さんも二年ぐらい学校通いながら佳奈美育ててたから。お義母様も協力してくれたし」
「小さい頃に朝から出掛けてたのって学校行ってたの!? というかあたしは高校卒業するまでは清いお付き合いだからね!?」
「あらあらうふふ……若い子がどこまで持つかしらねぇ」
「お母さん、なんか悪役状態だよ!?」
「僕もそうだけどね、佳奈美を任せる人をきちんと見てみたいっていうのがまず先にあるんだよ」
苦笑交じりに耳打ちする乗次に、佳奈美は複雑な表情を浮かべる
「というか、僕がずっと気にしてるからああして催促してるんだと思うよ。ごめんね、情けない父さんで」
「お父さんの事もあるけど、私だって気になってるの。佳奈美を逃がさず捕まえておけるのって相当なものよ?」
「お母さん、それどういう意味!?」
「あなた、男の子に告白されたら自信無くて逃げるでしょ、きっと」
「うぐ」
「という訳で、早いところ退路を断っておきたいのよね、折角捕まえてもらったんだし」
そして、笑顔のままで千春の雰囲気がずしりと重いものに変わる
「勿論、佳奈美を任せられないなーと思ったら……お母さん、容赦しないから」
「千春さん、そういう事を言うとまたプレッシャーになるから。佳奈美も気にしないで自分のペースで、ね?」
乗次が佳奈美を庇うようにそう言うが、千春のプレッシャーにはかなり押されている雰囲気だった
長引かせるのはまずいかも
そんな事を考えながら、佳奈美は三が日明けの夜を過ごすのであったとさ


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