誘拐と人食い 13
髪の毛を編み込んで作られた縄で手足をがっちりと拘束され、廃材で作られた檻に閉じ込められたπ-No.1ことポーラ
檻の前には『ソニー・ビーン一家』の子供達が絶えずうろうろとしている
「……のっとえすけーぷ」
今脱出を企てれば、奴らは彼女を捕まえるために子供達をあちこちに散らせるだろう
そうなれば、水攻めの計画に予想外の生き残りが出る可能性が高くなる
自分にできる事は、かつての家族と共に下水の藻屑となる事なのだ
「気分はどうかね、我が娘よ」
檻を開けて中へと踏み込んでくる『ソニー・ビーン』
敵意に満ちた芽で睨みつけてくるポーラの襟首を掴み、強引に引き起こし
ナイフを手に、動物の皮を剥ぐように慣れた手付きでポーラの服を切り裂いていく
「お前を改めて我が一族に取り込むために、これからたっぷりと家族で戯れて貰うぞ?」
家長の後ろに控えているのは、ポーラよりやや年下の小柄な子供達
「本当ならば身体を重ね精を注ぎ子を成すのが手っ取り早いのだがな。ユニコーンごと取り込むにはそうもいかん」
よく見れば子供達の中には男は居ない
全て幼い容姿の少女である
「お前の体液をこの子らに取り込ませ、この子らの体液をお前に流し込む。性交渉で出来ないせいで時間は掛かると思うが、そこは試練と思って我慢するのだな」
子供達はわらわらとポーラの身体に群がり、その肌に舌を這わせる
「ぁぅっ!?」
未経験の感触にひっくり返った声を上げるポーラ
だがその声も、子供達の一人に飲み込まれるように唇を重ねて塞がれ、くぐもった音を漏らすだけだった
唾液を、汗を、涙を
丁寧に丁寧に舐め取られる度に、その存在そのものを少しずつ少しずつ削り取られていくような
子供達の唾液が口腔に、肌に触れる度に、その存在そのものが少しずつ少しずつ染み込んでくるような
「我が一族に戻り、そのユニコーンの力を我らのものとできたのならば」
細い足に手を這わせ、その奥へと指を滑り込ませる
「ひっ、んっ!」
身を強張らせ、一際強くその身を強張らせるポーラ
「子をまだ為せぬ子供達にその力を譲らせ、たっぷりと一族の繁栄のために奉仕してもらおうではないか」
子供達の唾液で濡れた指を拭い、『ソニー・ビーン』は静かに檻から出て行った
檻の前には『ソニー・ビーン一家』の子供達が絶えずうろうろとしている
「……のっとえすけーぷ」
今脱出を企てれば、奴らは彼女を捕まえるために子供達をあちこちに散らせるだろう
そうなれば、水攻めの計画に予想外の生き残りが出る可能性が高くなる
自分にできる事は、かつての家族と共に下水の藻屑となる事なのだ
「気分はどうかね、我が娘よ」
檻を開けて中へと踏み込んでくる『ソニー・ビーン』
敵意に満ちた芽で睨みつけてくるポーラの襟首を掴み、強引に引き起こし
ナイフを手に、動物の皮を剥ぐように慣れた手付きでポーラの服を切り裂いていく
「お前を改めて我が一族に取り込むために、これからたっぷりと家族で戯れて貰うぞ?」
家長の後ろに控えているのは、ポーラよりやや年下の小柄な子供達
「本当ならば身体を重ね精を注ぎ子を成すのが手っ取り早いのだがな。ユニコーンごと取り込むにはそうもいかん」
よく見れば子供達の中には男は居ない
全て幼い容姿の少女である
「お前の体液をこの子らに取り込ませ、この子らの体液をお前に流し込む。性交渉で出来ないせいで時間は掛かると思うが、そこは試練と思って我慢するのだな」
子供達はわらわらとポーラの身体に群がり、その肌に舌を這わせる
「ぁぅっ!?」
未経験の感触にひっくり返った声を上げるポーラ
だがその声も、子供達の一人に飲み込まれるように唇を重ねて塞がれ、くぐもった音を漏らすだけだった
唾液を、汗を、涙を
丁寧に丁寧に舐め取られる度に、その存在そのものを少しずつ少しずつ削り取られていくような
子供達の唾液が口腔に、肌に触れる度に、その存在そのものが少しずつ少しずつ染み込んでくるような
「我が一族に戻り、そのユニコーンの力を我らのものとできたのならば」
細い足に手を這わせ、その奥へと指を滑り込ませる
「ひっ、んっ!」
身を強張らせ、一際強くその身を強張らせるポーラ
「子をまだ為せぬ子供達にその力を譲らせ、たっぷりと一族の繁栄のために奉仕してもらおうではないか」
子供達の唾液で濡れた指を拭い、『ソニー・ビーン』は静かに檻から出て行った
―――
下水道の一角、『ソニー・ビーン一家』の住処へと向かう排水管
哨戒中の子供達が数名、外部からの侵入者を警戒して武器を手に闇の奥を睨みつけていた
その警戒をすり抜けて、その傍らに立つπ-No.0、ピーター
手に一枚の薄い金属製の板のようなものを持って、無線に向かって静かに語る
「現場に着いたよ、ターゲットは6人」
《了解、逃げられる前に静かに片付けるよ》
ピーターが手にした金属板は、一枚の交通標識
そこに描かれた図柄は、手を繋いだ大人と子供の『歩行者専用道路』の標識
その大人の図柄がむくりと膨れ上がり、音も気配も何も無く子供達のうち一人の腕を掴み、一瞬で標識の中へと引き摺り込んでいった
哨戒中の子供達が数名、外部からの侵入者を警戒して武器を手に闇の奥を睨みつけていた
その警戒をすり抜けて、その傍らに立つπ-No.0、ピーター
手に一枚の薄い金属製の板のようなものを持って、無線に向かって静かに語る
「現場に着いたよ、ターゲットは6人」
《了解、逃げられる前に静かに片付けるよ》
ピーターが手にした金属板は、一枚の交通標識
そこに描かれた図柄は、手を繋いだ大人と子供の『歩行者専用道路』の標識
その大人の図柄がむくりと膨れ上がり、音も気配も何も無く子供達のうち一人の腕を掴み、一瞬で標識の中へと引き摺り込んでいった
―――
どさりと尻餅をついて、『ソニー・ビーン一家』の子供の一人は周囲を見回す
そこは先程まで居たはずの下水道の一角ではなく、コンクリートで囲まれた広い部屋
手にした人骨製のナイフを握り、周囲に家族が居ないと確認した瞬間に脱兎の如く逃げ出した
逃げ出した、はずだった
どちゃりと無様にコンクリートの上に倒れ、何が起きたか判らないといった顔で自らの身体を確認する
それまで何でもなかったはずの足が、切断されたわけでもないのにぽろりと外れていた
「一丁あがりネ」
「一丁あがりヨ」
チャイナドレスの双子の少女が、ぱんと手を打ち合わせて小躍りしながら、外れた足を拾い上げる
すぐさま手にしたナイフを振るおうとしたその腕が、足と同じようにぽろりと取れる
「達磨さんの出来上がりネ」
「達磨さんの出来上がりヨ」
取れた腕からはすぐに力が抜けて、こつんと軽い音を立ててナイフがコンクリートに落ちる
「材料ネー」
「材料ヨー」
腕や足を拾い上げ、そして手足を無くして動けなくなった『ソニー・ビーン一家』の子供を軽々と持ち上げ、コックコートの中国人女性とドイツ人男性の元へ運んでいく
「それじゃあ早速始めましょうか」
「久々だねぇ、最近は不況で売上が悪いから事業を縮小してたし」
「うちなんて中国産ってだけで敬遠されちゃって。ダンボールなんか使わない、肉100%なのにね」
まな板の上に転がされた『ソニー・ビーン一家』の子供は、家族の調理風景を思い出し
自分が何をされるか理解して悲鳴を上げた
「あらあら、食べるのは良いのに食べられるのは嫌なんて、そんな我侭は言わないわよね?」
「大丈夫だよ、ちゃんと美味しくしてあげるから」
巨大な中華包丁を軽々と振り回す女と、使い込まれた巨大な肉挽き器をごとんと調理台に上げる男
『達磨女の見世物小屋』の双子姉妹
『人肉饅頭屋』の女
『殺人肉屋のソーセージ職人』の男
合計4人の手によって、一人だけ攫われてきた『ソニー・ビーン一家』の子供は為す術もなく解体されていく
「はーい、息の根止めたら次攫うよー。100人ぐらいいるらしいから、ガンガンやってかないとダメだよー」
『誘拐結社』のリーダー『交通標識のモデル』は、ぱんぱんと手を打ち鳴らしながら急かす
「5人以上連れ込んだら殺せなくなるからねー、調理は後回しにして仕込みで流していってねー」
「それはダメよ、料理の素材は鮮度が命なんだし」
「手早くやるのできっちり調理させたまえ」
「しょうがないなぁ、その代わりペース上げてねー」
空中に浮かび上がる標識に腕を突っ込むと、その向こうからまた一人
この殺人キッチンに引き摺り込まれた『ソニー・ビーン一家』の子供は、次々と解体され次々と挽肉にされていく
「いくら人数で優れば無敵、やたらと増えて集団行動すると言ってものぅ。一人ずつ攫ってしまえばこんなもんじゃて」
老人はそう言いながら、キッチンの片隅で煎餅を齧る
「情報があり、人材があり、それが上手く噛み合えばこんなもんじゃ。化物は策を以って倒すのが神話からの慣わしじゃろうて」
「仕留め方がえげつねぇがな」
キッチンの様子を不快そうに睨みながら、紫煙を吐き出すサロリアス
「半端なやり口で、生きている人数がこっちを上回っても困るじゃろうて」
「確かにな……そういや、奴らには女も多いみたいだが、その辺は気にしないのか、ジジイ」
「ち○こ喰い千切られそうな女の子は流石に勘弁じゃろう、常識的に考えて」
「あんたの口から常識なんて言葉が出てくる事に驚きだ」
「そうかのぅ。儂は一度手を出した女の子は終生面倒見とるし、産ませた子供もちゃんと育てとるし。あそこの甲斐性無しより常識的じゃろ?」
その言葉に、『誘拐結社』のリーダーの顔が微妙に歪む
「都市伝説に常識求めないでよ。そりゃ子供はずっとほったらかしだったけどさぁ」
「もう小学校に上がったんじゃろ? ちゃんと面倒見てやらんと良い女に育たんぞ」
「こないだ調べたら、都市伝説と契約して『組織』に拾われたそうだから。僕が面倒見るわけにもいかないんじゃないかなぁ……それにさ」
ひょいひょいと次から次へと子供達を引き摺り込みながら、暢気に語る
「うちの組織に協力してもらってる教授さんがいるんだけどさ。彼なんて高校生になる娘さんを十数年前からほったらかしなんだよ? 僕とかずっとマシじゃない?」
「お前ら、悪い例を挙げて自分の事を棚に上げてんじゃねぇ」
「実はさー、うちの奴がこないだ間違ってその教授の娘さん攫っちゃったんだけどさ? 一応謝りに行ったのに『そんなどうでもいい事で時間を取らせるな』って怒られちゃったんだよ?」
「どっちも大概だな。今回の事が済んだらまとめてくたばっとけ」
呆れ果てた顔で煙草を灰皿に押し付けるサロリアス
やや暢気なやり取りを挟みながらも、『ソニー・ビーン一家』を文字通りじわじわと食い潰していく
「リーダー、肉足りないよー」
「次攫ってきてー」
「はいはい、現地の協力者が移動中だから少し待ってねー」
饅頭やソーセージが積み上げられたキッチンは、言うなれば異形の坩堝
互いの尾を食い合う蛇のような、そんな雰囲気を漂わせていたのだった
そこは先程まで居たはずの下水道の一角ではなく、コンクリートで囲まれた広い部屋
手にした人骨製のナイフを握り、周囲に家族が居ないと確認した瞬間に脱兎の如く逃げ出した
逃げ出した、はずだった
どちゃりと無様にコンクリートの上に倒れ、何が起きたか判らないといった顔で自らの身体を確認する
それまで何でもなかったはずの足が、切断されたわけでもないのにぽろりと外れていた
「一丁あがりネ」
「一丁あがりヨ」
チャイナドレスの双子の少女が、ぱんと手を打ち合わせて小躍りしながら、外れた足を拾い上げる
すぐさま手にしたナイフを振るおうとしたその腕が、足と同じようにぽろりと取れる
「達磨さんの出来上がりネ」
「達磨さんの出来上がりヨ」
取れた腕からはすぐに力が抜けて、こつんと軽い音を立ててナイフがコンクリートに落ちる
「材料ネー」
「材料ヨー」
腕や足を拾い上げ、そして手足を無くして動けなくなった『ソニー・ビーン一家』の子供を軽々と持ち上げ、コックコートの中国人女性とドイツ人男性の元へ運んでいく
「それじゃあ早速始めましょうか」
「久々だねぇ、最近は不況で売上が悪いから事業を縮小してたし」
「うちなんて中国産ってだけで敬遠されちゃって。ダンボールなんか使わない、肉100%なのにね」
まな板の上に転がされた『ソニー・ビーン一家』の子供は、家族の調理風景を思い出し
自分が何をされるか理解して悲鳴を上げた
「あらあら、食べるのは良いのに食べられるのは嫌なんて、そんな我侭は言わないわよね?」
「大丈夫だよ、ちゃんと美味しくしてあげるから」
巨大な中華包丁を軽々と振り回す女と、使い込まれた巨大な肉挽き器をごとんと調理台に上げる男
『達磨女の見世物小屋』の双子姉妹
『人肉饅頭屋』の女
『殺人肉屋のソーセージ職人』の男
合計4人の手によって、一人だけ攫われてきた『ソニー・ビーン一家』の子供は為す術もなく解体されていく
「はーい、息の根止めたら次攫うよー。100人ぐらいいるらしいから、ガンガンやってかないとダメだよー」
『誘拐結社』のリーダー『交通標識のモデル』は、ぱんぱんと手を打ち鳴らしながら急かす
「5人以上連れ込んだら殺せなくなるからねー、調理は後回しにして仕込みで流していってねー」
「それはダメよ、料理の素材は鮮度が命なんだし」
「手早くやるのできっちり調理させたまえ」
「しょうがないなぁ、その代わりペース上げてねー」
空中に浮かび上がる標識に腕を突っ込むと、その向こうからまた一人
この殺人キッチンに引き摺り込まれた『ソニー・ビーン一家』の子供は、次々と解体され次々と挽肉にされていく
「いくら人数で優れば無敵、やたらと増えて集団行動すると言ってものぅ。一人ずつ攫ってしまえばこんなもんじゃて」
老人はそう言いながら、キッチンの片隅で煎餅を齧る
「情報があり、人材があり、それが上手く噛み合えばこんなもんじゃ。化物は策を以って倒すのが神話からの慣わしじゃろうて」
「仕留め方がえげつねぇがな」
キッチンの様子を不快そうに睨みながら、紫煙を吐き出すサロリアス
「半端なやり口で、生きている人数がこっちを上回っても困るじゃろうて」
「確かにな……そういや、奴らには女も多いみたいだが、その辺は気にしないのか、ジジイ」
「ち○こ喰い千切られそうな女の子は流石に勘弁じゃろう、常識的に考えて」
「あんたの口から常識なんて言葉が出てくる事に驚きだ」
「そうかのぅ。儂は一度手を出した女の子は終生面倒見とるし、産ませた子供もちゃんと育てとるし。あそこの甲斐性無しより常識的じゃろ?」
その言葉に、『誘拐結社』のリーダーの顔が微妙に歪む
「都市伝説に常識求めないでよ。そりゃ子供はずっとほったらかしだったけどさぁ」
「もう小学校に上がったんじゃろ? ちゃんと面倒見てやらんと良い女に育たんぞ」
「こないだ調べたら、都市伝説と契約して『組織』に拾われたそうだから。僕が面倒見るわけにもいかないんじゃないかなぁ……それにさ」
ひょいひょいと次から次へと子供達を引き摺り込みながら、暢気に語る
「うちの組織に協力してもらってる教授さんがいるんだけどさ。彼なんて高校生になる娘さんを十数年前からほったらかしなんだよ? 僕とかずっとマシじゃない?」
「お前ら、悪い例を挙げて自分の事を棚に上げてんじゃねぇ」
「実はさー、うちの奴がこないだ間違ってその教授の娘さん攫っちゃったんだけどさ? 一応謝りに行ったのに『そんなどうでもいい事で時間を取らせるな』って怒られちゃったんだよ?」
「どっちも大概だな。今回の事が済んだらまとめてくたばっとけ」
呆れ果てた顔で煙草を灰皿に押し付けるサロリアス
やや暢気なやり取りを挟みながらも、『ソニー・ビーン一家』を文字通りじわじわと食い潰していく
「リーダー、肉足りないよー」
「次攫ってきてー」
「はいはい、現地の協力者が移動中だから少し待ってねー」
饅頭やソーセージが積み上げられたキッチンは、言うなれば異形の坩堝
互いの尾を食い合う蛇のような、そんな雰囲気を漂わせていたのだった