走る
少年は走る
息を荒げさせながら
ランドセルを揺らしながら
少年は走り続ける
少年は走る
息を荒げさせながら
ランドセルを揺らしながら
少年は走り続ける
(清太>っぜぇ・・・ぜぇ・・・・
(水晶>ワ、童ヨ! モウ、少シ、ユックリ歩イテ、貰エンカ!?
(水晶>ワ、童ヨ! モウ、少シ、ユックリ歩イテ、貰エンカ!?
少年――清太の胸元でのた打ち回る水晶のネックレスが、必死になって訴える
(清太>はやっ・・・早く、帰らなきゃ・・・姉ちゃんが、帰る前に・・・!
(水晶>マタカ!? 汝モ良イ加減ニ相手ノ迷惑ヲ考エレバ如何ナノダ!?
(清太>で、も、俺・・・姉ちゃんに怒られるの、好きなんだ・・・へへ・・・
(水晶>・・・呆レテ物モ言エン。コレダカラ童ハ―――
(清太>清太
(水晶>ナ?
(清太>童じゃなくて、清太って名前があるんだ、覚えとけ
・・・ってか、お前は?
(水晶>妾ニ名ナド要ラン
(清太>そうか、じゃあ勝手に『セキエ』って呼ぶからな
(水晶>・・・セキエ?
(清太>水晶は「石英」っていう成分で出来てるんだよ
二酸化ケイ素とも言うんだけど
(セキエ>詳シイナ・・・セキエ、カ、マァマァダナ
(清太>お前・・・そうだ早速だけどセキエ! “あれ”はどういうことだったんだ!?
(セキエ>“あれ”トハ?
(清太>ほら!体育の授業で! 俺、頭を水晶にしただろ!?
でも先生のあの拳骨、すげぇ痛かった! 何で!?
(セキエ>・・・清太、ドウヤラ汝ハ妾ノ能力ヲ誤解シテイルヨウダ
妾ハ「衝撃を無くす」ノデハナク、アクマデ「邪気を吸収する」ノダ
昨日、「ベッドの下の男」ト戦ッタダロウ?
アレハ汝ヲ殺ソウトシテオッタカラ、斧ヲ止メル事ガデキタノダ
シカシアノ教師ノ拳、アレニ篭ッテイルノハ邪気デハナイ、寧ロ愛ニ近イ
(清太>ふざけんなよ気持ち悪い!?
ていうか「アイ」って姉ちゃんの名前にも入ってるんだからな!?
(セキエ>字ハ違ウヨウダガ
(清太>うるsケホッコホッ!
(水晶>マタカ!? 汝モ良イ加減ニ相手ノ迷惑ヲ考エレバ如何ナノダ!?
(清太>で、も、俺・・・姉ちゃんに怒られるの、好きなんだ・・・へへ・・・
(水晶>・・・呆レテ物モ言エン。コレダカラ童ハ―――
(清太>清太
(水晶>ナ?
(清太>童じゃなくて、清太って名前があるんだ、覚えとけ
・・・ってか、お前は?
(水晶>妾ニ名ナド要ラン
(清太>そうか、じゃあ勝手に『セキエ』って呼ぶからな
(水晶>・・・セキエ?
(清太>水晶は「石英」っていう成分で出来てるんだよ
二酸化ケイ素とも言うんだけど
(セキエ>詳シイナ・・・セキエ、カ、マァマァダナ
(清太>お前・・・そうだ早速だけどセキエ! “あれ”はどういうことだったんだ!?
(セキエ>“あれ”トハ?
(清太>ほら!体育の授業で! 俺、頭を水晶にしただろ!?
でも先生のあの拳骨、すげぇ痛かった! 何で!?
(セキエ>・・・清太、ドウヤラ汝ハ妾ノ能力ヲ誤解シテイルヨウダ
妾ハ「衝撃を無くす」ノデハナク、アクマデ「邪気を吸収する」ノダ
昨日、「ベッドの下の男」ト戦ッタダロウ?
アレハ汝ヲ殺ソウトシテオッタカラ、斧ヲ止メル事ガデキタノダ
シカシアノ教師ノ拳、アレニ篭ッテイルノハ邪気デハナイ、寧ロ愛ニ近イ
(清太>ふざけんなよ気持ち悪い!?
ていうか「アイ」って姉ちゃんの名前にも入ってるんだからな!?
(セキエ>字ハ違ウヨウダガ
(清太>うるsケホッコホッ!
足取りを重くして走っていた清太の足が、いよいよピタリと止まった
(清太>っぜぇ、ぜぇ・・・・ぜぇ・・・・・
(セキエ>モウ疲レタノカ? 最近ノ童ハ体力ガ無イナ
(清太>う・・・る、せ・・・・ぇ・・・・ッ!?
(セキエ>モウ疲レタノカ? 最近ノ童ハ体力ガ無イナ
(清太>う・・・る、せ・・・・ぇ・・・・ッ!?
ぞわ、と彼の背筋を冷たいものが走った
と同時に、首に提げられた水晶が小刻みに揺れた
と同時に、首に提げられた水晶が小刻みに揺れた
(清太>な、何だ、この感じ・・・
(セキエ>邪気・・・都市伝説ダ。戦闘ノ準備ヲシロ
(清太>え、あ、お、おう!
(セキエ>邪気・・・都市伝説ダ。戦闘ノ準備ヲシロ
(清太>え、あ、お、おう!
清太が水晶をぎゅっと握り締める
すると、彼の拳が青白く輝いたかと思うと、水晶は忽然と消えてしまった
その直後、唸り声を上げながら背後から襲いかかる黒い影
すると、彼の拳が青白く輝いたかと思うと、水晶は忽然と消えてしまった
その直後、唸り声を上げながら背後から襲いかかる黒い影
(清太>えっ―――――――う、うわっ!?
咄嗟に水晶となった右手を突き出す
その右手に喰らいつく鋭い牙
黒い毛むくじゃらの身体に、怪しく輝く赤い目
その右手に喰らいつく鋭い牙
黒い毛むくじゃらの身体に、怪しく輝く赤い目
(清太>・・・い、犬!?
(セキエ>[ム、「黒犬」ダナ]
(セキエ>[ム、「黒犬」ダナ]
清太が腕を振るうと、「黒犬」は相手の様子を伺うようにして後ろへ飛んで態勢を整える
(清太>噛まれても、痛くなかった・・・邪気がある、ってことか?
(セキエ>[ソウダ、大分掴メテキタカ?]
(セキエ>[ソウダ、大分掴メテキタカ?]
「まぁね」、と清太が返事をする前に、「黒犬」が口をぱかっ、と開く
刹那、口の中から赤々と燃える炎を噴き出した
その炎は、彼が突き出した右掌に直撃する
刹那、口の中から赤々と燃える炎を噴き出した
その炎は、彼が突き出した右掌に直撃する
(清太>あっちぃぃぃぃぃぃい・・・く、ない?
(セキエ>[何度モ言ワセルナ、「邪気を吸収する」ノダヨ
邪気サエ篭ッテイレバ、斬撃ダロウト炎ダロウト、妾ノ前デハ無力]
(清太>こ、こういう時は、頼もしいな!
(セキエ>[何度モ言ワセルナ、「邪気を吸収する」ノダヨ
邪気サエ篭ッテイレバ、斬撃ダロウト炎ダロウト、妾ノ前デハ無力]
(清太>こ、こういう時は、頼もしいな!
右手を前に出しながら、清太は「黒犬」に向かって走った
(清太>喰らえ! クリスタルパァァァァンチ!
空いた左腕で水晶の拳を作り、「黒犬」を殴り飛ばした
水晶の硬度は7である
ダイヤモンドのそれが10だと知っていれば、その硬さは一目瞭然だ
水晶の硬度は7である
ダイヤモンドのそれが10だと知っていれば、その硬さは一目瞭然だ
(清太>へへっ、どんなモンだ!
(セキエ>[モットマシナ名ハ無カッタノカ?]
(清太>うるさい!
(セキエ>[モットマシナ名ハ無カッタノカ?]
(清太>うるさい!
飛ばされた「黒犬」が再び起き上がり、爪を立てて襲いかかった
(清太>イィィィィヴィル・ブレイカァァァァァ!!
右手で爪の一撃を受け止める
即座に動いたのは、彼の光り輝く左足
即座に動いたのは、彼の光り輝く左足
(清太>どんなに邪気が強くても、デカくても・・・俺がその邪気をぶっ壊す!!
クォォォォォツキィィィィィック!!
クォォォォォツキィィィィィック!!
左足は「黒犬」を捉え、宙に飛ばし、
その黒い身体は光となって、虚空へと消え去った
その黒い身体は光となって、虚空へと消え去った
(清太>っし! うまく行ったぜ!
(セキエ>アァ、上手イクライ臭イ台詞ダッタ
(セキエ>アァ、上手イクライ臭イ台詞ダッタ
彼の体内から出、元のネックレスに戻るセキエ
(清太>うるさいな、好きなんだよ『とある魔術の禁書目録』。当麻さんかっこいいよ
(セキエ>知ラン
(清太>この野郎・・・
(セキエ>ダガ、アレハ気ニ入ッタ。飯ビル無礼カ?
(清太>違う違う、『イーヴィル・ブレイカー』! 『邪気殺し』だよ!
って俺はこんなことしてる場合じゃないんだった!
さっさと帰って姉ちゃんの部屋に――――
(藍那>私の部屋がどうかしたのぉ?
(セキエ>知ラン
(清太>この野郎・・・
(セキエ>ダガ、アレハ気ニ入ッタ。飯ビル無礼カ?
(清太>違う違う、『イーヴィル・ブレイカー』! 『邪気殺し』だよ!
って俺はこんなことしてる場合じゃないんだった!
さっさと帰って姉ちゃんの部屋に――――
(藍那>私の部屋がどうかしたのぉ?
嬉しいような悲しいような顔をする清太
振り返れば、デジャヴュか、そこには愛する姉の姿
振り返れば、デジャヴュか、そこには愛する姉の姿
(清太>ね、姉ちゃん! き、今日は早かったんだっけ!?
(藍那>今日は部活休みだから、早く帰るって言ったでしょ?
残念だったね、私の部屋はお預けだよ?
(清太>ち、ちょ、姉ちゃんも人が悪いぜ、へ、へへ・・・
(藍那>今日は部活休みだから、早く帰るって言ったでしょ?
残念だったね、私の部屋はお預けだよ?
(清太>ち、ちょ、姉ちゃんも人が悪いぜ、へ、へへ・・・
冷や汗をかきつつ、そのままこの場を走り去ろうとした清太
しかし
しかし
(藍那>待ちなさい!
その姉に、首根っこを掴まれてしまった
表情は驚いてるが、顔色は真っ赤である
表情は驚いてるが、顔色は真っ赤である
(清太>な、ななななななな、何だよ姉ちゃん!?
(藍那>どぉせ先に帰って私の部屋に侵入しようとしてたんでしょ?
(清太>ぅ・・・
(藍那>でも・・・久しぶりだから、2人で帰ろっか?
(藍那>どぉせ先に帰って私の部屋に侵入しようとしてたんでしょ?
(清太>ぅ・・・
(藍那>でも・・・久しぶりだから、2人で帰ろっか?
声を出して驚こうとするが、思わず声も出なかった
―――愛する姉と、一緒に帰れる
心の底から嬉しさが一気に込み上げて、彼に満面の笑みを作らせる
―――愛する姉と、一緒に帰れる
心の底から嬉しさが一気に込み上げて、彼に満面の笑みを作らせる
(清太>・・・手、繋いで帰ろうよ!
(藍那>調子に乗るな!
(藍那>調子に乗るな!
清太は、こつんと額を小突かれた
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