「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・翡翠色の目の司祭-06

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「悠司、今日は、ありがとう」

 カインの歌で、小鳥も無事、落ち着きを取り戻し
 悠司から、日本の都市伝説…特に、知名度や危険度が高いものについて、教わり
 カインは、感謝の言葉を伝える

「い、いえ、これくらいでしたら、いつでも伝えられますから」
「俺は、本当に、この国の都市伝説については、無知だったからな。教えてもらえて、本当にありがたい」

 柔らかく微笑み、カインは感謝の言葉を伝え続ける

 自分よりも、ずっと年下の少年
 そんな少年から物を教わる事を、カインは恥とは考えていない
 純粋に、知識を伝えられた事を感謝している

「もし、悠司が、ヨーロッパの都市伝説に関して、知識が必要になったならば、俺が、伝えよう。一応、自国の都市伝説や、教会に関わる存在の知識は持っている」
「教会…ですか?天使や、悪魔とか?」

 悠司の言葉に、あぁ、と頷くカイン
 「教会」所属として、その辺りの知識は基礎として教え込まれている
 それらが、日本に出没する事があるかどうかは、わからないが…
 この学校町は、世界各国の都市伝説が集まり、出没することで有名だ
 可能性は、ない訳ではないだろう

「他にも、昔の風刺画を元にした存在もいるな。「坊主仔牛」とか「教皇ロバ」とかな」
「風刺画…と、なると、あまり良い存在では、なさそうですね」
「あぁ。どちらかと言うと、邪悪な存在として知られているな。どちらも、できれば関わらない方が幸せな存在だろう……マイナーな存在だし、流石の学校町でも、出没しないとは思うが」

 …多分、悠司が口にした「兄貴」と言う存在も、関わらない方が幸せな存在なのだろうな、とカインは理解した
 「変態」、と言うのはよくわからないが…
 ………あいつが、似たようなものだろうか、と考える
 突拍子もない事ばかり言って、そんな行動ばかりとり、周囲に迷惑を撒き散らしてばかりの自分の友人の姿を、ふと、思い浮かべる
 悠司から聞いた「兄貴」の姿と、あの男の外見は似ても似つかないが…関わるとロクな事がないと言う点は、きっと同じなのだろう
 もっとも……そんな存在と、自分は友人であり続けているのだが

「それじゃあ、俺はこれで。悠司、気をつけて帰れよ?」
「はい…カインさんも、お気をつけて」

 悠司と別れ、カインは夕暮れの街の中、歩き出す
 落ち着きを取り戻していた小鳥が、ぱたぱたと、カインの肩に止まってくる
 小さく囀るその姿に、カインは小さく、笑みを浮かべる

 人気のない、夕暮れの道
 ……都市伝説が、活動しやすい場所、時刻

 ゆらり、と
 カインの背後に、近づいている影があった
 ひたひたと、足音を忍ばせて近づいてくる、それ
 ……口裂け女だ
 先ほど、悠司から教わった存在の一つ
 足音を忍ばせ近づいてきているそれに、カインはまだ、気付いていない
 口裂け女は、手にした大鋏を構え、カインに声をかけるべく、ゆっくりと近づいていき

 ………くるり
 カインの肩に止まっていた、小鳥が…振り返り、口裂け女を、見た

 その、小さな瞳が
 金色に、輝いていて………


「--------------っ!?」

 直後
 口裂け女の体が……灼熱の炎に、包み込まれた
 悲鳴をあげる間もなく…一瞬で、その身を焼き尽くされる

「……?」

 くるり、カインが振り返った時
 そこに、口裂け女の姿は、なかった
 灰すら残さず、瞬間的に焼き尽くされたその身は……存在していた証すら、残っていない

「…気のせいか?」

 首をかしげるカイン
 そんなカインに、小鳥は何事もなかったかのように、擦り寄るのだった



to be … ?





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