プレダトリー・カウアード 日常編 09
「――――そうか」
全てを、本当に全てを僕が話し終えた後、姉ちゃんは一言だけ、そう言った。
言って、そして、優しくそっと、僕を抱きしめる。
ちょうど先ほどとは逆の状態。
姉ちゃんの胸に僕の頭が埋まる。その上から、柔らかな手が僕の頭を撫でた。穏やかに、暖かに、労わるように。
「声」の主も空気を呼んでか。先ほどから一音も発していない。
静かな、平穏な時間。
……けれど、そんな時間は長く続かなかった。
言って、そして、優しくそっと、僕を抱きしめる。
ちょうど先ほどとは逆の状態。
姉ちゃんの胸に僕の頭が埋まる。その上から、柔らかな手が僕の頭を撫でた。穏やかに、暖かに、労わるように。
「声」の主も空気を呼んでか。先ほどから一音も発していない。
静かな、平穏な時間。
……けれど、そんな時間は長く続かなかった。
「…………そう、か」
「姉ちゃん?」
「姉ちゃん?」
僕を抱く姉ちゃんの腕に、力が篭る。
……あれ? これ今姉弟の感動のシーンじゃなかったの?
ギリギリ、ギチギチと、聞いているだけで背筋の凍りそうな音が、まさにその背から漏れる。
……あれ? これ今姉弟の感動のシーンじゃなかったの?
ギリギリ、ギチギチと、聞いているだけで背筋の凍りそうな音が、まさにその背から漏れる。
「姉ちゃん、ちょ、痛いんだけど……」
「そう、か…………っ」
「そう、か…………っ」
ギチギチギチギチッ……!
「あう、やばい。背骨頑張れ。君なら出来る、出来るはずなんだっ!」
「殺した? 私の弟を殺して、あまつさえ身体をいじくり回した……?」
「待って姉ちゃん、身体はいじられたかもしれないけど、なんかそれ卑猥に聞こえ――――あ、やばい、背骨君限界だ」
「殺した? 私の弟を殺して、あまつさえ身体をいじくり回した……?」
「待って姉ちゃん、身体はいじられたかもしれないけど、なんかそれ卑猥に聞こえ――――あ、やばい、背骨君限界だ」
メキメキメキメキメキッ!
「この、屑め……っ!!」
「現在進行形で僕の背骨も屑になりそうです」
「現在進行形で僕の背骨も屑になりそうです」
死ぬ……このままじゃ愛で殺される……!
そう思った矢先、唐突に僕の身体が放された。
よかった背骨君。君は頑張った、よく頑張ったよ。いつも影ながらに僕を支えていてくれてありがとう。
そう思った矢先、唐突に僕の身体が放された。
よかった背骨君。君は頑張った、よく頑張ったよ。いつも影ながらに僕を支えていてくれてありがとう。
「出て来い屑がっ!!! 私が八つ裂きにしてやる」
「姉ちゃんストップストップストーップッ! 何かもう女として色々不味い顔になってるよ!」
≪く、は、は。言っただろう? 聞いただろう? 我と主は心身合一。我を殺したくば主を殺せ。我を八つ裂きにしたくは主を八つ裂きにしろ≫
「弟から離れろ外道」
≪いいのか? 本当にそれで、貴様はいいのか? 考えろ。頭を使え。今我が主から離れれば、主は『本当に』死ぬぞ?≫
「私が貴様の代わりに弟と合体すれば問題ない」
「あらやだいやらしい……じゃなくて、そんなピッコ○さんみたいな真似、姉ちゃんできないでしょ……」
「愛があれば何とかなる!」
「姉ちゃんストップストップストーップッ! 何かもう女として色々不味い顔になってるよ!」
≪く、は、は。言っただろう? 聞いただろう? 我と主は心身合一。我を殺したくば主を殺せ。我を八つ裂きにしたくは主を八つ裂きにしろ≫
「弟から離れろ外道」
≪いいのか? 本当にそれで、貴様はいいのか? 考えろ。頭を使え。今我が主から離れれば、主は『本当に』死ぬぞ?≫
「私が貴様の代わりに弟と合体すれば問題ない」
「あらやだいやらしい……じゃなくて、そんなピッコ○さんみたいな真似、姉ちゃんできないでしょ……」
「愛があれば何とかなる!」
なりません。
≪く、は、は。……ならば主の姉よ、貴様は知りたいはずだな≫
「知りたい? 何をだ。私は弟の全てを知っているぞ。スリーサイズも、週の『アレ』の回数も、初めて寝ている間に『アレ』があった時だって知っている」
「ちょっと待って! 何で姉ちゃん知ってるの!? 特に最後の!!」
「何でって、それは勿論私が夜に――――」
「きゃーーーーーっ!? やめて! トラウマになりそうな事実を軽く暴露しないでぇぇぇぇぇえええええっ!!??」
「知りたい? 何をだ。私は弟の全てを知っているぞ。スリーサイズも、週の『アレ』の回数も、初めて寝ている間に『アレ』があった時だって知っている」
「ちょっと待って! 何で姉ちゃん知ってるの!? 特に最後の!!」
「何でって、それは勿論私が夜に――――」
「きゃーーーーーっ!? やめて! トラウマになりそうな事実を軽く暴露しないでぇぇぇぇぇえええええっ!!??」
ごめん皆、僕もう汚されてたよ……。
≪く、は、は、は。……だが、主の姉よ、貴様は知らないだろう? 知るはずもないだろう?≫
「ふん。この期に及んで私が知らない事だと? 笑わせるな」
≪そうか? 本当にそうか? 考えろ。考えても見ろ。貴様が知っているのは、貴様が知っていると思っているのは、昨日以前の我が主だ≫
「ふん。この期に及んで私が知らない事だと? 笑わせるな」
≪そうか? 本当にそうか? 考えろ。考えても見ろ。貴様が知っているのは、貴様が知っていると思っているのは、昨日以前の我が主だ≫
昨日以前の僕…………?
それはつまり、「あいつ」と出会う前の僕。
それはつまり、「死んで」しまう前の僕。
それはつまり、「あいつ」と出会う前の僕。
それはつまり、「死んで」しまう前の僕。
「…………ほう。そうか」
≪分かっただろう。気づいただろう。そう、我の「話さねばならんこと」とは、それだ――――≫
≪分かっただろう。気づいただろう。そう、我の「話さねばならんこと」とは、それだ――――≫
姉ちゃんが知っているのは、昨日まで。
では、「今」の僕は、今「生きている」僕は――――
では、「今」の僕は、今「生きている」僕は――――
≪――――我が主の『身体』のことだ≫
――――一体、何だ?
【Continued...】