プレダトリー・カウアード 日常編 11
「――――対抗都市伝説、か。ふん、聞いたことがないな」
≪そうだろう。そのはずだ。我は都市伝説を滅する者。我は人間には触れぬ者だ。
都市伝説がその名を紡ぐ事はあれ、人間の口がその名を形作る事はない≫
「面白い事を言うな。では貴様はどうやって生まれた? 初め、都市伝説を喰らう牙を持たずに貴様は、どうやって『オモテ』に現れた?」
≪表裏一体。我は無にして有。小にして大。単一にして集合。この世の都市伝説と共に、我は常にそこに『在る』≫
≪そうだろう。そのはずだ。我は都市伝説を滅する者。我は人間には触れぬ者だ。
都市伝説がその名を紡ぐ事はあれ、人間の口がその名を形作る事はない≫
「面白い事を言うな。では貴様はどうやって生まれた? 初め、都市伝説を喰らう牙を持たずに貴様は、どうやって『オモテ』に現れた?」
≪表裏一体。我は無にして有。小にして大。単一にして集合。この世の都市伝説と共に、我は常にそこに『在る』≫
……やばい。そろそろこの「声」が何を言っているのか分からなくなってきた。
姉ちゃんはどうなのだろう。難しい話になってくると、分かってもいないのに知ったかぶる癖があるからなぁ……。
姉ちゃんはどうなのだろう。難しい話になってくると、分かってもいないのに知ったかぶる癖があるからなぁ……。
≪主よ、主の姉よ。理解したか。脳へ入れたか。我を、我と言う存在の断片を、その容器へと蓄積したか≫
「ああ」
「うん…………多分」
≪さらば、移ろう。我の関心事はそこではない。我は我に興味を持たない。情報は引き出すものだ。精査するものだ。
我はまだ与えていない。主が精査し、吟味すべきものを、まだ≫
「ああ」
「うん…………多分」
≪さらば、移ろう。我の関心事はそこではない。我は我に興味を持たない。情報は引き出すものだ。精査するものだ。
我はまだ与えていない。主が精査し、吟味すべきものを、まだ≫
僕が吟味すべき情報。
つまり、僕の「身体」の情報。
つまり、僕の「身体」の情報。
≪主よ、理解したろう。実感したろう。そなたは都市伝説を『喰らう』事が出来る。その身体を、存在を、無に帰する事ができる≫
「…………うん」
「…………うん」
嫌と言うほど理解し、思い知っている。
あの時、僕は明らかにあの吸血鬼を「喰った」。
倒したのではなく、嬲り、傷つけ、殺し、その光を、「マナ」を身体へと取り込んだ。
あの時、僕は明らかにあの吸血鬼を「喰った」。
倒したのではなく、嬲り、傷つけ、殺し、その光を、「マナ」を身体へと取り込んだ。
≪そして主よ。主は理解しなければならない。知らなければならない。
主は――――我が主、『狩谷 優』は、定期的に都市伝説を摂取しなければ、『消滅』する≫
「………………うん」
主は――――我が主、『狩谷 優』は、定期的に都市伝説を摂取しなければ、『消滅』する≫
「………………うん」
そうなのだろう。
僕の身体は、「今」の僕の身体は、吸血鬼から強奪した「マナ」で生かされている。
しかしあいつと違い、噂も信心も持たない僕には「マナ」を供給してもらう術など存在しない。
だから、僕は喰らうしかない。
生きたければ、消えたくなければ、永遠に都市伝説を捕食するしかない。
僕の身体は、「今」の僕の身体は、吸血鬼から強奪した「マナ」で生かされている。
しかしあいつと違い、噂も信心も持たない僕には「マナ」を供給してもらう術など存在しない。
だから、僕は喰らうしかない。
生きたければ、消えたくなければ、永遠に都市伝説を捕食するしかない。
「おい待て。どういうことだ、貴様。私にも分かるように説明しろ」
≪思慮を求めろ。真実を求めろ。主の姉よ。
我は我が主を『助ける』ために『殺し』、我の力の一部を与え、その身をマナで構成する術を授けた。
我と同種の『対抗都市伝説』と為すために、我と同種の存在を増やすがために、我は我が主を殺した≫
「そこだ。そこが意味不明だ。何故殺した?」
≪それが儀。それが必要な事だ。名を持たぬ、相対に於いてしか存在を許されぬ我は『契約』は不可能。
ああするしかなかった。主があの場で『生き残る』ためには、ああするしかなかったのだ≫
「『生き残る』? 殺しておいて何を言う」
≪言っただろう。思い出せ。貴様は今の今まで主が死んだなど気づかなかっただはずだ。
主は生きている。主は死んでいる。どう取るかは貴様次第だ≫
「何を馬鹿な。死んでいても生きていても弟は弟だろうが。私の愛に変わりはない」
≪思慮を求めろ。真実を求めろ。主の姉よ。
我は我が主を『助ける』ために『殺し』、我の力の一部を与え、その身をマナで構成する術を授けた。
我と同種の『対抗都市伝説』と為すために、我と同種の存在を増やすがために、我は我が主を殺した≫
「そこだ。そこが意味不明だ。何故殺した?」
≪それが儀。それが必要な事だ。名を持たぬ、相対に於いてしか存在を許されぬ我は『契約』は不可能。
ああするしかなかった。主があの場で『生き残る』ためには、ああするしかなかったのだ≫
「『生き残る』? 殺しておいて何を言う」
≪言っただろう。思い出せ。貴様は今の今まで主が死んだなど気づかなかっただはずだ。
主は生きている。主は死んでいる。どう取るかは貴様次第だ≫
「何を馬鹿な。死んでいても生きていても弟は弟だろうが。私の愛に変わりはない」
ふん、と鼻を鳴らして、姉ちゃんが僕へと顔を向ける。
慈愛の表情。僕に対してだけは甘い、姉ちゃんの愛しむような表情。
慈愛の表情。僕に対してだけは甘い、姉ちゃんの愛しむような表情。
「お前は私が守るぞ、優。死なせも、殺させも、消させもしない」
「うん…………ありがとう、姉ちゃん」
「うん…………ありがとう、姉ちゃん」
この顔には、弱い。
姉ちゃんのこの顔の前だけでは、僕は姉ちゃんの「弟」に、守られるべき存在に、なってしまう。
姉ちゃんのこの顔の前だけでは、僕は姉ちゃんの「弟」に、守られるべき存在に、なってしまう。
≪そうだな。主は守護されるべきだ。保護されるべきだ。主はあまりにも――――あまりにも、弱い≫
「――――え?」
「――――え?」
「声」の――――対抗都市伝説の言葉に、耳を疑う。
先ほどの話を聞く限り、今の「僕」は、対抗都市伝説と同じ力を発現できるはずだ。
都市伝説の存在基盤そのものを喰い散らかす、都市伝説の天敵と言っても過言ではない存在のはずだ。
それがどうして、「弱い」という結論になるのだろうか。
先ほどの話を聞く限り、今の「僕」は、対抗都市伝説と同じ力を発現できるはずだ。
都市伝説の存在基盤そのものを喰い散らかす、都市伝説の天敵と言っても過言ではない存在のはずだ。
それがどうして、「弱い」という結論になるのだろうか。
≪主よ、不思議そうな顔をするな。主には限界がある。人間には限界がある。
分かるはずだ。その身に受けたはずだ。何故主は倒れた? 何故主は『マナ』を喰らいて尚、その身を地へと横たえた?≫
「それは、初めての戦闘に疲れた、とかじゃ……?」
≪主よ、残念ながらそうではない。主には限界がある。主の『器』には限界がある。
分かるか? 分からぬだろうな。だから我がここにいる。我が主に情報を与える≫
分かるはずだ。その身に受けたはずだ。何故主は倒れた? 何故主は『マナ』を喰らいて尚、その身を地へと横たえた?≫
「それは、初めての戦闘に疲れた、とかじゃ……?」
≪主よ、残念ながらそうではない。主には限界がある。主の『器』には限界がある。
分かるか? 分からぬだろうな。だから我がここにいる。我が主に情報を与える≫
一呼吸分の間。
それを置いて、対抗都市伝説は語り始めた。
それを置いて、対抗都市伝説は語り始めた。
≪主よ、『契約』と先に言っただろう。都市伝説は脆い。その名を呼ばれぬだけで消えてしまう存在だ。だが脆さは強さを求める。
主よ、都市伝説は人間と『契約』し、己を強め、そしてその身体へと供給される『マナ』の量を増やす事ができる≫
「だが『契約』は今の弟とは無関係だと、貴様はそう言っただろう?」
≪無関係であり、関係があるのだ。主の姉よ。『契約』の際に人間は己の『器』を用いる。
『器』の一部を都市伝説のために満たし、己の内部にその存在を形作る。
人間は都市伝説の力を、都市伝説はより強固な存在を手に入れる。
主よ、都市伝説は人間と『契約』し、己を強め、そしてその身体へと供給される『マナ』の量を増やす事ができる≫
「だが『契約』は今の弟とは無関係だと、貴様はそう言っただろう?」
≪無関係であり、関係があるのだ。主の姉よ。『契約』の際に人間は己の『器』を用いる。
『器』の一部を都市伝説のために満たし、己の内部にその存在を形作る。
人間は都市伝説の力を、都市伝説はより強固な存在を手に入れる。
――そして、それは『我ら』にも関係するのだ。主の姉よ。我が主はその都市伝説の『マナ』を喰い、変換し、生きる、或いはその身体能力を強化する。
しかし、しかしだ。それは全て『器』を介して行われる。
しかし、しかしだ。それは全て『器』を介して行われる。
分かるか。分かるはずだ。主の姉よ。
主が『マナ』を喰らい、そしてそれを己の力へと変換する時、『我ら』は『器』を使う。
『器』に『マナ』を溜め、『器』でマナを変換するのだ。
人間はその各固体で『器』の大きさが変化する。そしてその大小が、主の扱い得る『マナ』の大小を決定する。
大きな者は大量の『マナ』を一度に処理し、小さな者はそれ相応の『マナ』で我慢する事になる。
主が『マナ』を喰らい、そしてそれを己の力へと変換する時、『我ら』は『器』を使う。
『器』に『マナ』を溜め、『器』でマナを変換するのだ。
人間はその各固体で『器』の大きさが変化する。そしてその大小が、主の扱い得る『マナ』の大小を決定する。
大きな者は大量の『マナ』を一度に処理し、小さな者はそれ相応の『マナ』で我慢する事になる。
分かるはずだ。分かったはずだ。主よ。主の姉よ。
主の『器』はこの上なく小さい。吸血鬼ですら、一体の都市伝説ですら、その容量を超えてしまう。
主よ。そなたは強い。しかし弱い。
その身の破滅を望むなら、強大な都市伝説を飲めばいい。
その身の存続を望むなら、脆弱な都市伝説を飲めばいい。
身の丈を考え、身の程を弁えろ。
少しずつだ。もしも今後も『生きたい』のであれば、少しずつ、何度も何度も、都市伝説を喰らい続けろ≫
主の『器』はこの上なく小さい。吸血鬼ですら、一体の都市伝説ですら、その容量を超えてしまう。
主よ。そなたは強い。しかし弱い。
その身の破滅を望むなら、強大な都市伝説を飲めばいい。
その身の存続を望むなら、脆弱な都市伝説を飲めばいい。
身の丈を考え、身の程を弁えろ。
少しずつだ。もしも今後も『生きたい』のであれば、少しずつ、何度も何度も、都市伝説を喰らい続けろ≫
独白が終わる。
疑問は解決し、けれど尽きる事はない。
僕の過去と、そして現在の状況は分かった。
けれど時は「今」だけではない。
未来が、先が、僕にはまだあるのだ。
疑問は解決し、けれど尽きる事はない。
僕の過去と、そして現在の状況は分かった。
けれど時は「今」だけではない。
未来が、先が、僕にはまだあるのだ。
「幾つか質問があるんだけど、いいかな」
≪勿論だ。勿論だとも、我が主。我はその為にいる。我は主のためにここに在る≫
「うん。あのさ、僕が取り込める所の『脆弱』な都市伝説って、結局の所どれくらいのレベルなの?」
≪さて。そうだな。主よ、都市伝説の力を十に分けたとしよう。十が高く、一が低い。
そして主が完全に、何のリスクも負わずに捕食できるのは『一』だけだ≫
≪勿論だ。勿論だとも、我が主。我はその為にいる。我は主のためにここに在る≫
「うん。あのさ、僕が取り込める所の『脆弱』な都市伝説って、結局の所どれくらいのレベルなの?」
≪さて。そうだな。主よ、都市伝説の力を十に分けたとしよう。十が高く、一が低い。
そして主が完全に、何のリスクも負わずに捕食できるのは『一』だけだ≫
一……これまた非情なまでに低い。
「……それって、例えばどんな?」
≪都市伝説は固体によってマナの所持量が流動する。同一の固体はなく、然るにどの都市伝説が、などということもない。
知りたければ見ればいい。青の輝きを見ればいい。あの大きさが、輝きの強さが、その目安となるだろう≫
「ん。じゃあ、もし強力な都市伝説を相手にする時は?」
≪逃亡こそが至上だ。主よ。もし退路が絶たれているのであれば、一度喰らい、変換し、それから再度喰らっていく事になろう。
効率は悪い。時を貪る行為だ。だが道は一つしかない≫
≪都市伝説は固体によってマナの所持量が流動する。同一の固体はなく、然るにどの都市伝説が、などということもない。
知りたければ見ればいい。青の輝きを見ればいい。あの大きさが、輝きの強さが、その目安となるだろう≫
「ん。じゃあ、もし強力な都市伝説を相手にする時は?」
≪逃亡こそが至上だ。主よ。もし退路が絶たれているのであれば、一度喰らい、変換し、それから再度喰らっていく事になろう。
効率は悪い。時を貪る行為だ。だが道は一つしかない≫
並みの都市伝説相手には最弱。か弱い都市伝説相手には最強。
涙が出そうなほど最悪だった。
涙が出そうなほど最悪だった。
「それで、僕が普通に生活をする上で、どれだけの都市伝説を倒せばいいの?」
≪主よ、そなたの器は過度に小さく、しかし故に欲する『マナ』の量も少ない。
主よ、先の『力』で言うなれば、『一』で週に二、『ニ』で週に一。それ以上であればさらにその間隔は広くなると考えてよいだろう≫
「日常生活の方は? 何か問題とか」
≪主よ、通常『我ら』は旅を好む。我らは異端者だ。有を冒涜する者だ。無を捻じ曲げる者だ。
しかし主は弱い。これまでの我が主と比べると、今代の主はあまりの弱い。
主よ、日常を送りたいのであれば、送るがいい。我は必要以上の殺戮を強制しない。
主よ、主が望むままに動け。それが生であり、死だ≫
「あ、うん、それは嬉しいかも」
≪主よ、そなたの器は過度に小さく、しかし故に欲する『マナ』の量も少ない。
主よ、先の『力』で言うなれば、『一』で週に二、『ニ』で週に一。それ以上であればさらにその間隔は広くなると考えてよいだろう≫
「日常生活の方は? 何か問題とか」
≪主よ、通常『我ら』は旅を好む。我らは異端者だ。有を冒涜する者だ。無を捻じ曲げる者だ。
しかし主は弱い。これまでの我が主と比べると、今代の主はあまりの弱い。
主よ、日常を送りたいのであれば、送るがいい。我は必要以上の殺戮を強制しない。
主よ、主が望むままに動け。それが生であり、死だ≫
「あ、うん、それは嬉しいかも」
いきなり流浪の旅に出ろ、なんて言われたらどうしようかと思った。
「じゃあ、最後の質問なんだけど、あの青い光……『マナ』は、いつも僕に目に見えるの?」
「主よ、主は特にその『器』が小さく、そして喰らうべき『マナ』の量も少ない。
本来ならば常時、我と『接続』する必要がある。常時マナを『見る』必要がある。
だが主であれば、器幽き主であれば、『接続』は義務ではない。そう、今のように≫
「主よ、主は特にその『器』が小さく、そして喰らうべき『マナ』の量も少ない。
本来ならば常時、我と『接続』する必要がある。常時マナを『見る』必要がある。
だが主であれば、器幽き主であれば、『接続』は義務ではない。そう、今のように≫
…………今?
「今って、その『接続』は切ってるの?」
≪そうだ、主よ。主の姉が言っただろう。記憶しただろう。主の内に異常はないと。
主よ、接続中であれば、『マナ』に対し貪婪なる主であったなら、かの医者はその『異常』を感じただろう。
ただし主よ、それは、『接続』の解除は、あくまで非常時のみだ。
我の支え無い主の体に安定は無く、揺れのみが残る。
故に通常であれば常時の『接続』が求められる≫
「ん……分かった。ありがとう」
≪そうだ、主よ。主の姉が言っただろう。記憶しただろう。主の内に異常はないと。
主よ、接続中であれば、『マナ』に対し貪婪なる主であったなら、かの医者はその『異常』を感じただろう。
ただし主よ、それは、『接続』の解除は、あくまで非常時のみだ。
我の支え無い主の体に安定は無く、揺れのみが残る。
故に通常であれば常時の『接続』が求められる≫
「ん……分かった。ありがとう」
――――なるほど。
つまり纏めると、僕がこれまでの日常生活を送るのに支障は無い。
けれど、必ずしも「普通」というわけでもない。
週に弱い都市伝説であれば二体を、そこそこであれば、一体を「捕食」しなければ、僕は消える。
そしてその「そこそこ」ですら、取り込むのには危険が伴うのだ。
難しくは無い。けれど簡単でもない。
つまり纏めると、僕がこれまでの日常生活を送るのに支障は無い。
けれど、必ずしも「普通」というわけでもない。
週に弱い都市伝説であれば二体を、そこそこであれば、一体を「捕食」しなければ、僕は消える。
そしてその「そこそこ」ですら、取り込むのには危険が伴うのだ。
難しくは無い。けれど簡単でもない。
「――――おい、貴様。私にも一つ聞かなければならない事がある」
≪何だ、主の姉よ。我の知る限り、その手の届く範囲であれば、答えよう≫
≪何だ、主の姉よ。我の知る限り、その手の届く範囲であれば、答えよう≫
……姉ちゃんが、質問?
先生、僕、物凄い嫌な予感しかしません。
先生、僕、物凄い嫌な予感しかしません。
「単刀直入に言うぞ――――弟の生殖機能は無事か」
「ちょぉぉぉおおおおっ!!?? 何聞いてるの!? いきなり何聞いてるんだよ、姉ちゃんっ!?」
「何って、一番大事だろう。お前と私との子供が出来るかどうかの瀬戸際だ」
「作らないって! それ近親うんたらだって!」
≪――さて、問題はない。しかし、仮にも都市伝説との子だ。どうなるかの保障はしかねるな≫
「保障などいらん。私と優の子だ。最高の子供になるさ」
「やめて!! これ以上倫理を侵さないで!!」
「ちょぉぉぉおおおおっ!!?? 何聞いてるの!? いきなり何聞いてるんだよ、姉ちゃんっ!?」
「何って、一番大事だろう。お前と私との子供が出来るかどうかの瀬戸際だ」
「作らないって! それ近親うんたらだって!」
≪――さて、問題はない。しかし、仮にも都市伝説との子だ。どうなるかの保障はしかねるな≫
「保障などいらん。私と優の子だ。最高の子供になるさ」
「やめて!! これ以上倫理を侵さないで!!」
姉ちゃんが愛を叫び、僕が哀を叫ぶ。
いつもの光景。いつもの僕と姉ちゃんの時間。
けれど、その裏で僕は一つ、決心をしていた。
姉ちゃんは――――いや、僕の周囲の誰も、もういなくなったりなど、させない。
これ以上の悲しみは、後悔は、必ず食い止めると……決めていた。
いつもの光景。いつもの僕と姉ちゃんの時間。
けれど、その裏で僕は一つ、決心をしていた。
姉ちゃんは――――いや、僕の周囲の誰も、もういなくなったりなど、させない。
これ以上の悲しみは、後悔は、必ず食い止めると……決めていた。
【Continued...】