どさり、黒いスーツの男がまた1人倒れた
(ルート>今日は結構少なかったねぇ
物言わぬ黒服を踏みつけ、ぽつりと零す
肩にちょこんと乗っていたエーヴィヒを撫で、彼女は闇の中に消えようとした
肩にちょこんと乗っていたエーヴィヒを撫で、彼女は闇の中に消えようとした
その時、
(ルート>ッ!? エーヴィヒ、逃げてぇ!!
咄嗟に横に飛び、エーヴィヒを抱いて自分と反対方向へ投げる
ネコの持ち前の運動神経で華麗に着地したと同時に、
2人の間が、翡翠色の一閃によって大きく抉れた
ネコの持ち前の運動神経で華麗に着地したと同時に、
2人の間が、翡翠色の一閃によって大きく抉れた
「相変わらずですね、元R-No.10」
その一閃――否、植物の蔓をしゅるりと巻取る、黒いスーツの少女
頭の天辺に伸びた緑の触角が、夜風にぴこぴこと揺れる
頭の天辺に伸びた緑の触角が、夜風にぴこぴこと揺れる
(ルート>っ懐かしいねぇ、手口が前と全ッ然変わってないじゃんかぁ・・・堅物の姉貴ぃ!!
目の前の敵を睨みつけるルート
クスッ、と小さく笑い、アタッシュケースから大量の小ビンを取り出す少女――六条 蓮華
クスッ、と小さく笑い、アタッシュケースから大量の小ビンを取り出す少女――六条 蓮華
(ルート>上位メンバーの、それもトップの右腕さんがもぉ出てきたのぉ?
(蓮華>そもそも貴方の討伐命令を出したのは私です
貴方の事はR-No.0には1つも届いてませんよ
でないと、また勝手な行動に出てしまいますからね
(ルート>だろうねぇ、だってトップの姉貴は殺しを嫌ってたしぃ
でもいーのかなぁ? アタシが死んだらトップの姉貴、哀しむよぉ?
(蓮華>貴方がいなくなった事で、既に悲しみ苦しんでますよ・・・だから言ったでしょう?“1つも届いてない”と
(蓮華>そもそも貴方の討伐命令を出したのは私です
貴方の事はR-No.0には1つも届いてませんよ
でないと、また勝手な行動に出てしまいますからね
(ルート>だろうねぇ、だってトップの姉貴は殺しを嫌ってたしぃ
でもいーのかなぁ? アタシが死んだらトップの姉貴、哀しむよぉ?
(蓮華>貴方がいなくなった事で、既に悲しみ苦しんでますよ・・・だから言ったでしょう?“1つも届いてない”と
小ビンから2、3粒ずつ種を取り出しては、また別の小ビンを開封してゆく蓮華
(蓮華>まだ闇に溶けたままの内に消せば・・・貴方の死も闇の中です
左掌に乗せられた、山積みになった種を、一気に口の中に放り込み、
水と一緒に、ごくりと音を立てて胃へ流し込む
水と一緒に、ごくりと音を立てて胃へ流し込む
(蓮華>クスッ・・・終わらせましょうか・・・『ユグドラシル』!!
少女の身体から数種類の植物が成長を始める
夜空を覆う新緑の枝葉
月光に冴える満開の花々
大地を駆け巡る妖艶なる根
天地を貫くが如く凛然と聳え立つ幹
伸びる蔓
開く大口
滾る毒液
垂れる果実
怪しくも神秘的な大樹が、そこに現れた
(ルート>ヒャハハハハハ! なぁにぃ!? いきなり本気でくる訳ぇ!?
(蓮華>【当然です。貴方がどんな能力かは既に把握しているので・・・・ね!】
(蓮華>【当然です。貴方がどんな能力かは既に把握しているので・・・・ね!】
幾本の蔓が、ルートを狙って襲いかかる
(ルート>遅いってぇ!! 『カイザーシュニット』ォ!!
ウィルスを長く細い刃に変え、蔓を残らず斬り払い、
飛び散るウツボカズラの溶解液を避け、
足場を抉るハエトリソウに乗り、それを切り落とし、
地下から伸びた根さえも薙ぎ払い、
迫り来る大きなカボチャを、一閃をもって両断した
飛び散るウツボカズラの溶解液を避け、
足場を抉るハエトリソウに乗り、それを切り落とし、
地下から伸びた根さえも薙ぎ払い、
迫り来る大きなカボチャを、一閃をもって両断した
(ルート>デカくなっただけで変わんねぇじゃぁん!!
それでアタシに勝てると思った訳ぇ!? ありえないってぇ!!
(蓮華>【何を言い出すかと思えば、手加減に決まっているでしょう?
私は一気に殺す性分ではありませんからね
No.0からNo.5は、そのNo.における最高戦力とも言えます
その内の1人である私に勝とうなんていう希望は端から棄てた方がいいかと】
(ルート>ヒャハハ、自信過剰も良い所だよぉ・・・
それでアタシに勝てると思った訳ぇ!? ありえないってぇ!!
(蓮華>【何を言い出すかと思えば、手加減に決まっているでしょう?
私は一気に殺す性分ではありませんからね
No.0からNo.5は、そのNo.における最高戦力とも言えます
その内の1人である私に勝とうなんていう希望は端から棄てた方がいいかと】
(ルート>ヒャハハ、自信過剰も良い所だよぉ・・・
バッ、とルートは両手を広げ、
(ルート>テメェがこの世に“生きてる”限り、テメェはアタシにゃ勝てやしない・・・
アタシの能力は命を喰らうからねぇ!!
アタシの能力は命を喰らうからねぇ!!
ソフトボール程の液状の球体が、彼女の周りを浮遊し始めた
(ルート>ヒャハハハハハハ!! 『ギフト・ヴァイラス』!!
彼女が両手を前方に差し出すと、球体はその動きに合わせて加速をつけて動き出し、
大樹目掛けて特攻を開始した
大樹目掛けて特攻を開始した
(ルート>分かってんでしょぉ? アタシが操るのはインフルエンザウィルス・・・
これでテメェが生きるも死ぬもアタシの自由って訳よぉ!ヒャッハハハハハ!!
どうしよっかなぁ?? まずはテメェの地位を利用して破壊工作でも―――
(蓮華>【他人の事は言えませんね】
これでテメェが生きるも死ぬもアタシの自由って訳よぉ!ヒャッハハハハハ!!
どうしよっかなぁ?? まずはテメェの地位を利用して破壊工作でも―――
(蓮華>【他人の事は言えませんね】
ズンッ、と身体に響く重い衝撃
巨大なスイカに弾き飛ばされ、ルートは壁に激突した
巨大なスイカに弾き飛ばされ、ルートは壁に激突した
(ルート>カ・・・ハァッ・・・なん、でぇ・・・
(蓮華>【『メリア・アゼダラク』・・・和名『センダン』という植物をご存知ですか?】
(蓮華>【『メリア・アゼダラク』・・・和名『センダン』という植物をご存知ですか?】
しゅるり、と蔓でルートの小さな身体を巻き取り、擡げると、
蓮華はぐったりとした彼女を、容赦なく締め付けた
月夜の町に響く、鈍い音と少女の叫び声
蓮華はぐったりとした彼女を、容赦なく締め付けた
月夜の町に響く、鈍い音と少女の叫び声
(ルート>っぁ・・・ぁあ゙あぁぁっ!!
(蓮華>【クスッ・・・沖縄県に自生する植物でしてね
この植物からの抽出液に、インフルエンザウィルスを死滅させる効果があったんですよ】
(ルート>そ、れって・・・まさkんぎぃっ!?
(蓮華>【先程私が飲んだ種の中にもそれがありまして
正直成功するかどうか不安でしたが・・・結果はご覧の通りです
これが何を意味するか、医学に詳しい貴方が分からない筈はありませんよね?】
(蓮華>【クスッ・・・沖縄県に自生する植物でしてね
この植物からの抽出液に、インフルエンザウィルスを死滅させる効果があったんですよ】
(ルート>そ、れって・・・まさkんぎぃっ!?
(蓮華>【先程私が飲んだ種の中にもそれがありまして
正直成功するかどうか不安でしたが・・・結果はご覧の通りです
これが何を意味するか、医学に詳しい貴方が分からない筈はありませんよね?】
絡め取った少女を、勢いよく地面に放り投げる
そのクレーターの中央で倒れているルートには、もはや立ち上がる力も残されていなかった
そのクレーターの中央で倒れているルートには、もはや立ち上がる力も残されていなかった
(ルート>アガッ・・・ち・・・く、しょぉ・・・・ま、だ・・・アタシはぁ・・・
(蓮華>【さっきも言った筈ですが?】
(蓮華>【さっきも言った筈ですが?】
動けぬ少女の遥か上空に、巨大なカボチャが浮いていた
(ルート>こ・・・ろし・・・て・・・や・・・
(蓮華>【こ れ で 終 わ り で す】
(蓮華>【こ れ で 終 わ り で す】
ぐしゃり
この魔境で赤い華が、月明かりの元に一輪咲いた
この魔境で赤い華が、月明かりの元に一輪咲いた
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