(蓮華>誤算でしたね
身体中から生えた植物が消え、元の人間の姿に戻った蓮華は、
血塗れになったクレーターを見下げて呟く
血塗れになったクレーターを見下げて呟く
(蓮華>ただのペットかと思っていましたが・・・違いましたか
彼女の視線の先―――クレーターの端には、気を失ったルートと、
白くふさふさした毛並みのネコ――エーヴィヒがいた
白くふさふさした毛並みのネコ――エーヴィヒがいた
「この子は僕を救ってくれたからね」
声が響く
若い青年のような、爽やかな声
その声は、紛れも無く、この白いネコから発せられた
若い青年のような、爽やかな声
その声は、紛れも無く、この白いネコから発せられた
(蓮華>珍しいですね。「人語を話すネコ」ですか?
(エーヴィヒ>確かに僕は喋れるけど、残念ながらそれではないよ
どちらかというと、ある都市伝説との契約による副作用のようなものかな?
(蓮華>・・・なるほど、“貴方自身が契約者”ということですか
(エーヴィヒ>とは言っても、もう飲まれてるけどね
何年も何年も世界中を彷徨い続けて、偶然この町に辿り着いたんだ
途轍もない疲労に襲われてる時に大きな鼠にまで襲われt
(蓮華>貴方の昔話には興味ありません
その少女を渡してくれると有難いのですが
死体とはいえ、残っているとまずいので
(エーヴィヒ>確かに僕は喋れるけど、残念ながらそれではないよ
どちらかというと、ある都市伝説との契約による副作用のようなものかな?
(蓮華>・・・なるほど、“貴方自身が契約者”ということですか
(エーヴィヒ>とは言っても、もう飲まれてるけどね
何年も何年も世界中を彷徨い続けて、偶然この町に辿り着いたんだ
途轍もない疲労に襲われてる時に大きな鼠にまで襲われt
(蓮華>貴方の昔話には興味ありません
その少女を渡してくれると有難いのですが
死体とはいえ、残っているとまずいので
す、と手を差し出す蓮華
エーヴィヒは、ふっ、と小馬鹿にするように短く笑い、
エーヴィヒは、ふっ、と小馬鹿にするように短く笑い、
(エーヴィヒ>残念だけど、それには答えられないね
(蓮華>でしょうね、ならb
(エーヴィヒ>僕は少女の死体なんて“持っていない”
(蓮華>なっ・・・!? あの一撃を受けてまだ生きていると・・・在り得ませんよ
(エーヴィヒ>でも『必ず死ぬ』とも限らない
生きるか、死ぬか。 確率は五分と五分
(蓮華>・・・・・クスッ、笑わせてくれますね
(蓮華>でしょうね、ならb
(エーヴィヒ>僕は少女の死体なんて“持っていない”
(蓮華>なっ・・・!? あの一撃を受けてまだ生きていると・・・在り得ませんよ
(エーヴィヒ>でも『必ず死ぬ』とも限らない
生きるか、死ぬか。 確率は五分と五分
(蓮華>・・・・・クスッ、笑わせてくれますね
小ビンを開け、黒い種を取り出す
(蓮華>「シュレディンガーの猫」ですか・・・
道理で、その方の近くにいても尚、生きていられる訳です
(エーヴィヒ>そう。生きるも死ぬも僕の自由
尤も、流石に元気な人間に「死ね」と言っても死にはしないけどね
(蓮華>参考になりましたよ。しかし見過ごす訳にもいきませんので・・・!
道理で、その方の近くにいても尚、生きていられる訳です
(エーヴィヒ>そう。生きるも死ぬも僕の自由
尤も、流石に元気な人間に「死ね」と言っても死にはしないけどね
(蓮華>参考になりましたよ。しかし見過ごす訳にもいきませんので・・・!
種を飲み込み、植物の蔓を伸ばし、ルートとエーヴィヒに向けて叩き付ける
しかし、
しかし、
(蓮華>ッ!?
彼女達の姿は、陽炎のように揺れながら掻き消された
(蓮華>くっ・・・何処へ・・・?
(エーヴィヒ>こっちだよ
(エーヴィヒ>こっちだよ
咄嗟に声のする方に振り向いた蓮華
民家の屋根の上に、
民家の屋根の上に、
(蓮華>・・・そういうことですか
血のように赤い斑が入った碧眼を輝かせる、
黒い斑点の黄金色の毛並みの大きな豹が、その背にルートを乗せて雄々しく立っていた
黒い斑点の黄金色の毛並みの大きな豹が、その背にルートを乗せて雄々しく立っていた
(蓮華>豹の姿、先程の幻・・・ソロモン72柱の1柱、「オセ」ですね?
(エーヴィヒ>その通り。でも勘違いしないでくれ、それは僕の名前じゃない
僕はエーヴィヒ・・・この子に永遠に仕える者だ
(蓮華>ふざけないで下さい・・・永遠になんて生かせませんよ!
(エーヴィヒ>その通り。でも勘違いしないでくれ、それは僕の名前じゃない
僕はエーヴィヒ・・・この子に永遠に仕える者だ
(蓮華>ふざけないで下さい・・・永遠になんて生かせませんよ!
再び蒼い鞭を振るう
だが、それは屋根だけを破壊し、
だが、それは屋根だけを破壊し、
(蓮華>・・・ちぃっ
少女を乗せた金色の豹は、その場から姿を消した
† † † † † †
(ルート>・・・ッ!?
ガバッ、と勢い良く起き上がると、
そこはいつかの廃ビルの中だった
そこはいつかの廃ビルの中だった
(ルート>・・・いつの間にぃ?・・・、エーヴィヒ!?
辺りを何度も見回し、己の相棒を捜す
しかしすぐに彼女は、
しかしすぐに彼女は、
(ルート>・・・あ、いたいたぁ
さも自分を看病してくれていたかのように付き添って寝ていた、
白い毛並みの可愛らしい子猫の存在に気付いた
白い毛並みの可愛らしい子猫の存在に気付いた
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