再びの、黒と白より
(レクイエム>・・・・・・ん
彼女が目を醒ました時、既に空は暗く、星が輝き始めていた
どうやら公園のベンチらしい
ふと、何かを思い出したように、かけられていた上着を退け、己の身体を調べる
無い
至る所を貫かれた筈だったのに、その傷が一切無い
ワイシャツの一部に穴が開いていたり、血で染まっている程度だった
どうやら公園のベンチらしい
ふと、何かを思い出したように、かけられていた上着を退け、己の身体を調べる
無い
至る所を貫かれた筈だったのに、その傷が一切無い
ワイシャツの一部に穴が開いていたり、血で染まっている程度だった
(レクイエム>・・・まさか・・・
(裂邪>あ、起きた? いやぁ、便利なもんだね「蝦蟇の油」って
ついこの間蓮華ちゃんから貰tt―――――
(裂邪>あ、起きた? いやぁ、便利なもんだね「蝦蟇の油」って
ついこの間蓮華ちゃんから貰tt―――――
バキッ!!
盛大に殴り飛ばされる制服の少年――黄昏裂邪
レクイエムは倒れている裂邪の胸倉を掴み、
盛大に殴り飛ばされる制服の少年――黄昏裂邪
レクイエムは倒れている裂邪の胸倉を掴み、
(レクイエム>貴様・・・どういうつもりだ?
(裂邪>ごっ、誤解すんな!確かにお前の身体は魅力的だけどそんなこと一切してねぇよ!?
(レクイエム>何の話だ? 違う!
何故私を生かした!? 貴様には私を殺すチャンスがあった筈だ!
余計な情ならいらん! 改めてここで私を―――っ!?
(裂邪>ごっ、誤解すんな!確かにお前の身体は魅力的だけどそんなこと一切してねぇよ!?
(レクイエム>何の話だ? 違う!
何故私を生かした!? 貴様には私を殺すチャンスがあった筈だ!
余計な情ならいらん! 改めてここで私を―――っ!?
がく、と彼女の足がふらついた
その拍子に、胸倉を掴んでいた手も緩む
その拍子に、胸倉を掴んでいた手も緩む
(裂邪>ほら、まだ疲れてんだろ?
買ってきたから飲めよ、これ。コーヒーでよかったか?
(レクイエム>・・・私は、ホットミルクしか飲まん
(裂邪>げっ、そうだったの? で、でもこれ一応ミルク入ってるからさ、こっちで我慢してくれない?
(レクイエム>・・・ふん
買ってきたから飲めよ、これ。コーヒーでよかったか?
(レクイエム>・・・私は、ホットミルクしか飲まん
(裂邪>げっ、そうだったの? で、でもこれ一応ミルク入ってるからさ、こっちで我慢してくれない?
(レクイエム>・・・ふん
黙って、コーヒーを受け取るレクイエム
2人はそのままベンチに座る
2人はそのままベンチに座る
(裂邪>・・・今日は星が綺麗だなぁ
(レクイエム>それがどうした?
(裂邪>いやいや、星見て心が落ち着くとかそういう経験ない?
(レクイエム>興味が無い
(裂邪>じゃあここで持っておくべきだよ
(レクイエム>何故この私が貴様にそんなことを言われねばならんのだ!?
(裂邪>いいから少し空を眺めて見ろって、意外に嵌るぞ?天体観測
(レクイエム>それがどうした?
(裂邪>いやいや、星見て心が落ち着くとかそういう経験ない?
(レクイエム>興味が無い
(裂邪>じゃあここで持っておくべきだよ
(レクイエム>何故この私が貴様にそんなことを言われねばならんのだ!?
(裂邪>いいから少し空を眺めて見ろって、意外に嵌るぞ?天体観測
まだ何か言い足りない様子だったが、彼女は言う通りに夜空に視線を向ける
暫く眺めて、ぽつりと呟いた
暫く眺めて、ぽつりと呟いた
(レクイエム>・・・今まで、気にした事もなかったが・・・1色じゃなかったのか
(裂邪>あぁ、恒星の温度によって色が変わるんだよ
例えば、あそこに赤い星があるだろ? あれは比較的温度が低い星
つっても、4000~5000度とかは普通に超してるんだけどね
で、逆に青白い光の星が温度が高いの、大体1万度くらい
(レクイエム>・・・詳しいな
(裂邪>自然大好きだからね。正直愛してるって言っても過言じゃないよ
(レクイエム>愛、か・・・
(裂邪>あぁ、恒星の温度によって色が変わるんだよ
例えば、あそこに赤い星があるだろ? あれは比較的温度が低い星
つっても、4000~5000度とかは普通に超してるんだけどね
で、逆に青白い光の星が温度が高いの、大体1万度くらい
(レクイエム>・・・詳しいな
(裂邪>自然大好きだからね。正直愛してるって言っても過言じゃないよ
(レクイエム>愛、か・・・
そこで彼女の言葉は止まってしまった
(裂邪>どうかしたか?
(レクイエム>・・・私には親がいなかった
(裂邪>え?
(レクイエム>都市伝説に飲まれれば、人間だった頃の記憶を持っていないことが多いらしいが・・・
曖昧だが、私は何故かその記憶を持っていてな
誰にも、話した事は、ない・・・分かっているだろうな?
(裂邪>他言なんてしないよ。あと、話したくないことまで話そうとしなくていいからな
無理してまで嫌な過去を打ち明けたくはないだろ?
(レクイエム>・・・ふふ、変わった男だな、貴様は・・・
貴様といると、何もかもを忘れてしまいそうだ
(レクイエム>・・・私には親がいなかった
(裂邪>え?
(レクイエム>都市伝説に飲まれれば、人間だった頃の記憶を持っていないことが多いらしいが・・・
曖昧だが、私は何故かその記憶を持っていてな
誰にも、話した事は、ない・・・分かっているだろうな?
(裂邪>他言なんてしないよ。あと、話したくないことまで話そうとしなくていいからな
無理してまで嫌な過去を打ち明けたくはないだろ?
(レクイエム>・・・ふふ、変わった男だな、貴様は・・・
貴様といると、何もかもを忘れてしまいそうだ
小さく笑うと、彼女はコーヒーを一口飲み、ゆっくりと話し始めた
(レクイエム>物心ついた時、既に親はいなかった
見知らぬ大人共に、見知らぬガキ共と共に育てられた
(裂邪>養護施設、って奴か?
(レクイエム>そんなところだろうな。その点も途切れ途切れにしか記憶していない
はっきりと覚えていたのは・・・その大人共への憎悪
(裂邪>なっ・・・?
(レクイエム>具体的には、覚えていないが・・・生きている心地がしなかった
食物を与えられなかったり、重労働をさせられたり、
中には、大人共に・・・・・・
見知らぬ大人共に、見知らぬガキ共と共に育てられた
(裂邪>養護施設、って奴か?
(レクイエム>そんなところだろうな。その点も途切れ途切れにしか記憶していない
はっきりと覚えていたのは・・・その大人共への憎悪
(裂邪>なっ・・・?
(レクイエム>具体的には、覚えていないが・・・生きている心地がしなかった
食物を与えられなかったり、重労働をさせられたり、
中には、大人共に・・・・・・
また、言葉が詰まる
唇を強く噛み締めているようだった
何となく、その内容を推測した彼は、
唇を強く噛み締めているようだった
何となく、その内容を推測した彼は、
(裂邪>・・・いい、そんなことまで言わなくても、お前の気持ちは伝わった
(レクイエム>・・・すまない
(レクイエム>・・・すまない
残りのコーヒーを一気に飲み干し、一息ついて話を再会した
(レクイエム>10歳の時、私は都市伝説の存在を知り、「ヒエロニムスマシン」と契約した
・・・その時初めて、私は人を殺した
(裂邪>っ・・・
(レクイエム>最初は、大人共だけを殺すつもりでいた
そうするだけで、私の殺意が晴れるはずだった・・・
その場にいた全てのガキ共にも・・・手をかけた
(裂邪>皆殺し、か
(レクイエム>何が私にそうさせたのか、今となってはもう、分からない・・・
・・・暫くして、私は世界中を彷徨っているうちに日本に辿り着き、ある交霊術を学んだ
(裂邪>「お憑かれ様」・・・じゃあ、その時飲まれたのか?
(レクイエム>その当時の事の方がよく覚えていない
いつの間にか「組織」に勧誘され、
いつの間にかR-No.4の称号を与えられ、
いつの間にか・・・多数の契約者や民間人を殺していた
この国に来てからだろうな、殺人に楽しみを覚えるようになったのは・・・
・・・その時初めて、私は人を殺した
(裂邪>っ・・・
(レクイエム>最初は、大人共だけを殺すつもりでいた
そうするだけで、私の殺意が晴れるはずだった・・・
その場にいた全てのガキ共にも・・・手をかけた
(裂邪>皆殺し、か
(レクイエム>何が私にそうさせたのか、今となってはもう、分からない・・・
・・・暫くして、私は世界中を彷徨っているうちに日本に辿り着き、ある交霊術を学んだ
(裂邪>「お憑かれ様」・・・じゃあ、その時飲まれたのか?
(レクイエム>その当時の事の方がよく覚えていない
いつの間にか「組織」に勧誘され、
いつの間にかR-No.4の称号を与えられ、
いつの間にか・・・多数の契約者や民間人を殺していた
この国に来てからだろうな、殺人に楽しみを覚えるようになったのは・・・
すっ、と彼女は立ち上がった
(レクイエム>・・・これで分かったか?
私は正真正銘、純粋な殺人鬼だ
殺される理由ならそれで十分だろう
それでも、私を殺す気にならないのか?
(裂邪>殺す気どころか・・・ますます死なせたくねぇよ
(レクイエム>・・・ならば問うぞ。何故貴様はそこまで私に執着する?
私が死んだところで、何の影響もないだろう!?
(裂邪>じゃあ、何で・・・泣いてんだよ
私は正真正銘、純粋な殺人鬼だ
殺される理由ならそれで十分だろう
それでも、私を殺す気にならないのか?
(裂邪>殺す気どころか・・・ますます死なせたくねぇよ
(レクイエム>・・・ならば問うぞ。何故貴様はそこまで私に執着する?
私が死んだところで、何の影響もないだろう!?
(裂邪>じゃあ、何で・・・泣いてんだよ
レクイエムは、はっと気づいたように己の頬に触れる
風が刺さってくるような、ひやっとした感触
風が刺さってくるような、ひやっとした感触
(裂邪>さっき、ぶっ壊れちまった家を直しに来た「組織」の人達が言ってた
死傷者、0人だったよ
あんだけやったのに1人も怪我すらしてないなんておかしいだろ?
お前は、ちゃんと俺の約束を守ってくれた
本物の殺人鬼なら、そんなことしてくれるか?
(レクイエム>だっ、黙れ! ただの偶然だ!
たったそれだけのことで、私が生きていていい理由にはならない!
(裂邪>だったら俺がお前を殺していい理由にもならないだろ!?
大体なぁ、お前が死んだらどれだけの人が悲しむと思ってんだ!
(レクイエム>悲しむだと? 笑わせるな小僧!
この世に1人だって、私を思う人間など存在しない――――
(裂邪>ライサちゃんはどうなんだ!?
(レクイエム>ッ!?
(裂邪>知ってるか? ライサちゃんってさ、自分以外の人の話でも、すごく楽しそうに話してくれるんだ
お前の話だって例外じゃない
ライサちゃんが、お前の事を人殺しだって知ってるかどうか、俺には分からない
でもな、あの子にとってお前は、大事な「お姉様」の1人なんだよ!
かけがえの無い家族なんだよ!
(レクイエム>か・・・ぞく・・・
(裂邪>ライサちゃんだけじゃない!
ローゼちゃんも、蓮華ちゃんも、お前の事を気にかけてた!
例えお前が裏で何していようとも、ローゼちゃん達はずっと心配してくれるんだよ!
ずっと、待ってくれてんだよ! お前が、「組織」に、R-No.に帰ってくることを!
お前がどう思ってるか知らねぇけど、お前の事を思ってる人がいないってことは間違ってる!
この世に生まれて、一生独りぼっちなんて事は絶対にねぇんだよ!!
死傷者、0人だったよ
あんだけやったのに1人も怪我すらしてないなんておかしいだろ?
お前は、ちゃんと俺の約束を守ってくれた
本物の殺人鬼なら、そんなことしてくれるか?
(レクイエム>だっ、黙れ! ただの偶然だ!
たったそれだけのことで、私が生きていていい理由にはならない!
(裂邪>だったら俺がお前を殺していい理由にもならないだろ!?
大体なぁ、お前が死んだらどれだけの人が悲しむと思ってんだ!
(レクイエム>悲しむだと? 笑わせるな小僧!
この世に1人だって、私を思う人間など存在しない――――
(裂邪>ライサちゃんはどうなんだ!?
(レクイエム>ッ!?
(裂邪>知ってるか? ライサちゃんってさ、自分以外の人の話でも、すごく楽しそうに話してくれるんだ
お前の話だって例外じゃない
ライサちゃんが、お前の事を人殺しだって知ってるかどうか、俺には分からない
でもな、あの子にとってお前は、大事な「お姉様」の1人なんだよ!
かけがえの無い家族なんだよ!
(レクイエム>か・・・ぞく・・・
(裂邪>ライサちゃんだけじゃない!
ローゼちゃんも、蓮華ちゃんも、お前の事を気にかけてた!
例えお前が裏で何していようとも、ローゼちゃん達はずっと心配してくれるんだよ!
ずっと、待ってくれてんだよ! お前が、「組織」に、R-No.に帰ってくることを!
お前がどう思ってるか知らねぇけど、お前の事を思ってる人がいないってことは間違ってる!
この世に生まれて、一生独りぼっちなんて事は絶対にねぇんだよ!!
ぜぇ、ぜぇ、と息を荒げる裂邪
深く息を吸って呼吸を整えると、彼女に近づき、
深く息を吸って呼吸を整えると、彼女に近づき、
(裂邪>・・・ちゃんと持ってるじゃん、そんな綺麗なものをさ
そっと、レクイエムを抱きしめた
押し殺してはいるが、思わず彼の胸の中から漏れ出す、彼女の声
押し殺してはいるが、思わず彼の胸の中から漏れ出す、彼女の声
(レクイエム>・・・・ッ私、は・・・これ、か、らッ・・
(裂邪>それは、お前が決めることだ。俺はもう、何も言わない
けど、これだけは忘れないでくれ
罪から逃げようとするな
死ぬ事は償いなんかじゃない、ただ逃げてるだけだ
だからって、無理に償おうなんて思うな
お前が今ここで、自分のやってきたことを改めるだけで、お前は許される
他人の為に尽くすんじゃない。他人と、自分の為に、尽くすんだよ
・・・訳わかんないと思うけど・・・納得、出来たか?
(裂邪>それは、お前が決めることだ。俺はもう、何も言わない
けど、これだけは忘れないでくれ
罪から逃げようとするな
死ぬ事は償いなんかじゃない、ただ逃げてるだけだ
だからって、無理に償おうなんて思うな
お前が今ここで、自分のやってきたことを改めるだけで、お前は許される
他人の為に尽くすんじゃない。他人と、自分の為に、尽くすんだよ
・・・訳わかんないと思うけど・・・納得、出来たか?
裂邪の胸の中で、彼女は静かに、こくりと頷いた
(裂邪>そっか・・・よかった
(レクイエム>・・・なぁ
(裂邪>ん?
(レクイエム>・・・男って・・・温かいんだな・・・
(裂邪>ウヒヒヒ、男だけじゃないよ。女の子だって温かいもんだ
愛情持ってたら、誰だって温かくなれるよ
(レクイエム>・・・私も・・・誰かに温かいと、言われるようになれるだろうか?
(裂邪>さぁ、これからのお前次第だな
でも俺は、そうなれるって信じてるぜ?
(レクイエム>・・・なぁ
(裂邪>ん?
(レクイエム>・・・男って・・・温かいんだな・・・
(裂邪>ウヒヒヒ、男だけじゃないよ。女の子だって温かいもんだ
愛情持ってたら、誰だって温かくなれるよ
(レクイエム>・・・私も・・・誰かに温かいと、言われるようになれるだろうか?
(裂邪>さぁ、これからのお前次第だな
でも俺は、そうなれるって信じてるぜ?
裂邪の言葉に、彼女は笑顔を返した
それは、今まで見せていた冷たい笑みではなく、
純粋な子供のような、無邪気で温かい笑顔だった
それは、今まで見せていた冷たい笑みではなく、
純粋な子供のような、無邪気で温かい笑顔だった
暫くして
(裂邪>おっと、もうこんな時間か
それじゃ、俺は帰るかr
(レクイエム>・・・いつか
(裂邪>え?
(レクイエム>いつか・・・私は、貴様を殺しに来る
(裂邪>ハァァァァァ!? い、いや、おまっ、さっきの話は何処へ行tt
(レクイエム>うるさい黙れ! 2度も言わせるな!
私はいつかまた、貴様を殺しに来る!
それまでっ・・・首を洗って待っていろ!黄昏裂邪!
それじゃ、俺は帰るかr
(レクイエム>・・・いつか
(裂邪>え?
(レクイエム>いつか・・・私は、貴様を殺しに来る
(裂邪>ハァァァァァ!? い、いや、おまっ、さっきの話は何処へ行tt
(レクイエム>うるさい黙れ! 2度も言わせるな!
私はいつかまた、貴様を殺しに来る!
それまでっ・・・首を洗って待っていろ!黄昏裂邪!
粗方言い終わると、彼女は顔を真っ赤に染めて、公園から忽然と消えてしまった
1人、残された裂邪は小さく苦笑する
1人、残された裂邪は小さく苦笑する
(裂邪>全く・・・素直に『また会いたい』って言えばいいのに
呟いた直後
どさっ、と音を立て、彼は力無く仰向けに倒れた
どさっ、と音を立て、彼は力無く仰向けに倒れた
(裂邪>ッヒヒ・・・参ったなぁ、『ラグナロク』の反動が、今になってきやがった・・・
やべ、目、霞んできた・・・せめて、連絡・・・だけでもっ!
やべ、目、霞んできた・・・せめて、連絡・・・だけでもっ!
携帯を取り出し、アドレス帳を開いて通話をかける
(裂邪>・・・・・・あ、もしもしローゼちゃん? いや、話があるんだけど―――――
† † † †
―――「組織」本部
(レクイエム>・・・ふぅ、まだあのコーヒーの味が残っている・・・やはり私には合わんな
あの後、すぐに本部に戻ったレクイエムは、
ボロボロになってしまった己の服を替えた後、ある場所に向かっていた
ボロボロになってしまった己の服を替えた後、ある場所に向かっていた
(レクイエム>さて、まずは・・・
(ライサ>あ! レクイエムお姉様!!
(ライサ>あ! レクイエムお姉様!!
ぎゅっと、突然彼女に抱きついた青い髪の少女――R-No.10
(レクイエム>あぁ、貴様か・・・今日はどうした?
(ライサ>お姉様こそどこにいたの!? 私、ずっとレクイエムお姉様に、会いたくて・・・
(ライサ>お姉様こそどこにいたの!? 私、ずっとレクイエムお姉様に、会いたくて・・・
しゃくり上げ、そのまま泣き出してしまうライサ
突然の事に内心焦っていると、先程の出来事を思い出して
突然の事に内心焦っていると、先程の出来事を思い出して
(レクイエム>・・・すまなかった。心配してくれて、ありがとう
ライサの小さな身体を抱き上げた
その時感じた温もり
こんな小さな身体でも、しっかりと感じることができる、優しい温もり
ふと、裂邪に言われた事を思い出す
その時感じた温もり
こんな小さな身体でも、しっかりと感じることができる、優しい温もり
ふと、裂邪に言われた事を思い出す
―――これが、あいつの言っていた“愛情”という奴か
そう思っていると、自然と笑みが零れてきた
(ライサ>・・・お姉、様?
(レクイエム>ん?・・・いや、何でもない
ところで、R-No.0はいるか?
(ライサ>ローゼお姉様はねぇ、今お部屋でお仕事してるよ!
(レクイエム>そうか
(ライサ>お姉様に用事?
(レクイエム>まぁ、大した事ではないが・・・
そうだ、用が済んだら、何処かに散歩でもするか?
(ライサ>え!?ホントに!?
(レクイエム>すぐに済ませてくるから、ここで待っていてくれ・・・ライサ
(レクイエム>ん?・・・いや、何でもない
ところで、R-No.0はいるか?
(ライサ>ローゼお姉様はねぇ、今お部屋でお仕事してるよ!
(レクイエム>そうか
(ライサ>お姉様に用事?
(レクイエム>まぁ、大した事ではないが・・・
そうだ、用が済んだら、何処かに散歩でもするか?
(ライサ>え!?ホントに!?
(レクイエム>すぐに済ませてくるから、ここで待っていてくれ・・・ライサ
この時、ライサは初めて、レクイエムに名前を呼んでもらえた
その嬉しさが込み上げ、満面の笑みで
その嬉しさが込み上げ、満面の笑みで
(ライサ>うん! じゃあ、何処に行くか決めて待ってるからね!!
(レクイエム>あぁ。何処にでも連れて行ってやるからな、じっくり考えておけ
(レクイエム>あぁ。何処にでも連れて行ってやるからな、じっくり考えておけ
彼女も、温かい笑みで答えた
それを陰で見ていた2人は
(ロール>・・・何あいつ、めっちゃ良い子になってるんですけど?
(日天>何かあったんだろうか・・・ま、これでR-No.0も少しは肩の荷が下りるんじゃないか?
(ロール>なんかムカツク
(日天>・・・おい、素直に喜べよ・・・ようやく改心したみたいなんだかr
(ロール>あいつの笑顔、妙に可愛いからムカツク!!
(日天>・・・・・・・ハァ
(日天>何かあったんだろうか・・・ま、これでR-No.0も少しは肩の荷が下りるんじゃないか?
(ロール>なんかムカツク
(日天>・・・おい、素直に喜べよ・・・ようやく改心したみたいなんだかr
(ロール>あいつの笑顔、妙に可愛いからムカツク!!
(日天>・・・・・・・ハァ
† † † †
(レクイエム>・・・失礼する
ガチャッ、とドアを開ける
部屋には、赤く長い髪の少女――R-No.0の後姿だけが見えた
どうやら、紅茶を煎れているらしい
部屋には、赤く長い髪の少女――R-No.0の後姿だけが見えた
どうやら、紅茶を煎れているらしい
(ローゼ>あらぁR-No.4、お帰りなさい♪
(レクイエム>・・・あ、あの、その・・・
(レクイエム>・・・あ、あの、その・・・
何か、言おうとしているレクイエム
さっきライサに言ったように、感謝や謝罪の言葉だろう
が、ローゼ相手だと、何故か言い出せない
『COA』の時など、拳を交えてそれっきりだったのだ、仕方のないことである
しかし、
さっきライサに言ったように、感謝や謝罪の言葉だろう
が、ローゼ相手だと、何故か言い出せない
『COA』の時など、拳を交えてそれっきりだったのだ、仕方のないことである
しかし、
(ローゼ>今、丁度お紅茶ができましたの~♪ R-No.4もご一緒しませんこと?
(レクイエム>・・・いや、私は・・・
(ローゼ>遠慮なさらないでいいんですのよ~
えっと・・・ミルクティーで宜しかったかしら、レクイエムさん?
(レクイエム>・・・いや、私は・・・
(ローゼ>遠慮なさらないでいいんですのよ~
えっと・・・ミルクティーで宜しかったかしら、レクイエムさん?
普段、「本部」にいる時はナンバーでしか呼ばないローゼが、
たった今、レクイエムを名前で呼んだ
その違和感が何処か可笑しく、しかし嬉しくて、
たった今、レクイエムを名前で呼んだ
その違和感が何処か可笑しく、しかし嬉しくて、
(レクイエム>・・・あぁ、頂くよ・・・ありがとう、ローゼ
思わず、涙も零してしまったのだった
...To be Continued