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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 正体不明-01

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Elfriede

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正体不明 01


こつこつと足音が響く、夜の道
その足音は自分のものなのだが、今晩はそれがやけに響くような気がする
誰かが後ろからついてきているのでないかと、なんだか不安になってしまう
女性は僅かに足を速めながら、ついつい後ろを振り返る
だがそこには誰も居ない
だがそこには何も無い
ただ街灯に照らされた、冷たいアスファルトの道路が真っ直ぐに伸びているだけだ
ふう、と小さく溜息が漏れる
不安から神経が過敏になっていただけ
そう思いながら、前を向いた瞬間
ぞぶり、と
首から上を何かが通り過ぎ
その時にはもう、女性の首から上は無くなっていた
ひゅう、かひゅうと喉から空気が漏れる音と共に、派手に噴き出した血が空気を赤く染めて地面を黒く染める
どちゃりと倒れた女性の身体に、ずるりと這い動いた何かが圧し掛かり
くちゃり、くちゃりと
音を立てていく度に、女性の身体が少しずつ無くなっていく
肉も
骨も
臓物も
服も
バッグも
飛び散った血飛沫すらも
ただ一つだけ、べたべたとした粘液で汚れた携帯電話だけが残されていた

―――

「やば、何あれ、何?」
ほんの一分ほど遅れて現場に通り掛り
ありえない角度で突き出した腕と足が呑み込まれていく様子を見て、全力でその場から駆け出していた
「いつかなんか見るかなーとは思ってたけど、一発目にしてはハードだなぁもう」
息を切らせて走りながらも、やけに冷静に
自分に言い聞かせるように呟いている
「さーてどうしようかな、追い掛けられてたらどうしよう」
振り返れば状況は確認できるが、確実に速度は落ちる
追われていたとすればそれは致命的である
だがそんな思惑を嘲笑うかのように、恐ろしい速さで追いついてきたそれは、獲物の動きを止めるべくその頭に狙いを定め
「足を止めんな! ここまで来い!」
行く手に立っていた、一人の男
夜闇に紛れ込むような黒いスーツとサングラスの男は、女性が掛けて来るのに合わせて真上に軽くジャンプした
すぐ背後まで迫るそれに臆した様子もなく女性の腕を取ると、揃えた両足で思い切り地面を蹴った
その一撃で、アスファルトが薄氷が割れるような音を立てて砕ける
「へ、ひゃっ!?」
素っ頓狂な声を上げて、黒服の男に抱き留められて割れたアスファルトの下へと吸い込まれていく女性
二人を追う何かもまた砕けたアスファルトに飛び込むが、そこにはただ砂利で埋まった地面があるだけ
不思議そうにしばらく砕けたアスファルトを掻き回していたが、居なくなったものに興味は無いといったように夜闇の中にずるずると消えていったのだった

―――

「いやー、危機一髪。だけどどうすっかなぁ、報告に戻んなきゃいけないんだけど出る頃にはなぁ……」
古代の密林のような光景が広がる中、黒服の男が困ったように頭を掻いていた
その腕に抱かれた女性は、どうしたものかといった様子で黙ってその顔を眺めている
「あ、君もすまん」
それに気付いたのか、掴んでいた腕を放して頭を下げる
「つーかあんまり動揺してないね。慣れてる? 麻痺してる?」
「多分麻痺じゃないかなーと。ところでここ何処?」
「地球の裏側」
「へー」
「信じるの?」
「あんなのに襲われた後だからなー」
そう言うと女性は、ぱたぱたと服に付いた土や草を払いながら立ち上がる
「どーも、隣町の大学に通ってます旗上詩卯(はたがみ・うたう)ってもんです。正月なんかは神社で巫女のバイトしてたりますよ」
自己紹介をして、にひひと笑う詩卯
つい先程まで化物に追われていて、見知らぬ場所に連れ込まれた様子には全く見えない
「ところで、控え目に見ても命を助けてもらった感じなんだけど。何で謝られてんのかな?」
「あー、それなんだが」
黒服の男はばつが悪そうに頭を掻きながら、辺りを見回す
「まー詳しく話すと長くなるんだけど。『地球空洞説』って知ってる?」
「地球の内側に別の世界があるってやつ?」
「それそれ。俺はそこに入れるんだけどさ、入るのは簡単なんだけど出るのが面倒なんだよ」
「つまり?」
「目一杯急いで出ても軽く半月ぐらいは掛かるんだ、これが」
「一ヶ月ぐらいなら大丈夫かな? 出席日数ギリギリになりそうだけど、命あってのモノダネってやつだし」
「適応早いね、きみ」
「嘘には敏感なの。んで、おにーさんが嘘吐いてる感じもしないし。それじゃま、取り急ぎ帰らない? 細かい話は道すがら」
「んじゃま、ちゃっちゃと地上に戻るか」
黒服の男はそう言って、詩卯の手を握る
「俺と一緒に居ないと、ここの生物危ないのも多いから。済まんね」
「男っ気の無い生活してたので、むしろ潤っちゃうなぁ」
異形の密林が生い茂り古代生物や巨大生物が闊歩する中、ピクニックのような足取りで二人は歩き出していった


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