やや、気まずい沈黙
…直希だったら、どうやってこの沈黙を破っただろうか
天地は、そんな事を考える
…直希だったら、どうやってこの沈黙を破っただろうか
天地は、そんな事を考える
………
…………
……………
…………
……………
…あ、駄目だ
とりあえず沈黙は破れるかもしれないけど、別な意味で微妙な空気になりそうだ
天地が、そんな事を考えていると
とりあえず沈黙は破れるかもしれないけど、別な意味で微妙な空気になりそうだ
天地が、そんな事を考えていると
「あ、あの」
「うん?」
「うん?」
向こうも、会話のキッカケを探そうとでもしていたのだろうか
紗奈が、口を開いた
紗奈が、口を開いた
「その…天地さんは、どうして、「組織」に入ったんですか?」
「俺か?俺は「組織」生まれで「組織」育ちだから、他に生きる道はなかったからな」
「俺か?俺は「組織」生まれで「組織」育ちだから、他に生きる道はなかったからな」
あっさり、そう答えた天地
厳密には、生まれた後、一時「組織」を離れているのだが、何分、天地が物心つく前の話である
ほとんど、「組織」育ちといっていいだろう
厳密には、生まれた後、一時「組織」を離れているのだが、何分、天地が物心つく前の話である
ほとんど、「組織」育ちといっていいだろう
「「組織」育ち…ですか?」
「あぁ、必要な事……と、言われた事は全て「組織」の人間から学んだ。お前らみたく学校に通った事もないし、普通の生活って奴からは、ずっと切り離されていた」
「あぁ、必要な事……と、言われた事は全て「組織」の人間から学んだ。お前らみたく学校に通った事もないし、普通の生活って奴からは、ずっと切り離されていた」
中には、影守 蔵人のように、学校に通わせてもらっていたような者もいるようだが、そいつは例外だ
「組織」に育てられ、「組織」以外での生き方を知らない
……他の生き方なんて、知らない
自分のような存在は、「組織」には数多い
その大半が、今まで使い捨てられてきたのだと言う事も、今の天地は知っている
だが、これからの「組織」は、そんな事がないよう変わっていくし…変えていって、みせる
もう、紗江や紗奈のような被害者を、出さない為にも…だ
「組織」に育てられ、「組織」以外での生き方を知らない
……他の生き方なんて、知らない
自分のような存在は、「組織」には数多い
その大半が、今まで使い捨てられてきたのだと言う事も、今の天地は知っている
だが、これからの「組織」は、そんな事がないよう変わっていくし…変えていって、みせる
もう、紗江や紗奈のような被害者を、出さない為にも…だ
「す、すみません、変な事聞いちゃって…」
「いや、いいんだよ。別に、俺は気にしてないし」
「いや、いいんだよ。別に、俺は気にしてないし」
恐らく、考え方が違うのだろう
自分の考え方が、世間一般の普通とは違うのだ、と最近になって天地はようやく気付いている
気付いたところで、どうにかする気はないが
自分の考え方が、世間一般の普通とは違うのだ、と最近になって天地はようやく気付いている
気付いたところで、どうにかする気はないが
「お前達は、スカウトされて入ったんだったな?」
「は、はい」
「悪事を働く都市伝説から罪なき人々を守ってはいただけませんか、って言われて…」
「は、はい」
「悪事を働く都市伝説から罪なき人々を守ってはいただけませんか、って言われて…」
…A-No.666め、うまい事を言って
獄門寺 龍一が切り殺していなかったならば、自分が殺していたところだ
A-No.666の実験に協力していた、あの連中のように
獄門寺 龍一が切り殺していなかったならば、自分が殺していたところだ
A-No.666の実験に協力していた、あの連中のように
「…結局。私達は、都合よく騙されていたんですね…」
「それでも、お前達は罪無き人々を護る。その為に、「組織」に入ると決めたのだろう?…そうやって自らの意志で決断できるのは、いい事だ」
「それでも、お前達は罪無き人々を護る。その為に、「組織」に入ると決めたのだろう?…そうやって自らの意志で決断できるのは、いい事だ」
「組織」に所属すること以外、生きる道を知らない自分とは違う
自ら進んで、誰かを護るために、「組織」に入った
そんな彼女らの決意を、天地は眩しく感じる
だからこそ、余計に…彼女らの思いを踏みにじったA-No.666達を、許す事が出来ないのだ
自ら進んで、誰かを護るために、「組織」に入った
そんな彼女らの決意を、天地は眩しく感じる
だからこそ、余計に…彼女らの思いを踏みにじったA-No.666達を、許す事が出来ないのだ
「悪事を働く都市伝説や契約者から罪なき人々を守る集団は、「組織」以外にもいくつもある。もし、お前達がまだ、その考えを抱けているのなら、他の集団に所属すると言う道もあるだろう。この「首塚」のような集団に、な」
あれだけの体験をして、まだ心が折れていないならば……だが
互いに、顔を見合わせている紗江と紗奈
二人が何を考えているかは、天地にはわからない
ひとまず、ほんの少しでも会話をつなげた事実に、少しほっとしていると
二人が何を考えているかは、天地にはわからない
ひとまず、ほんの少しでも会話をつなげた事実に、少しほっとしていると
「お待たせ。急いで作ったから、簡単なもんだけど」
と、翼が料理を持ってきた
食欲を刺激する香りが、鼻先を通り過ぎる
食欲を刺激する香りが、鼻先を通り過ぎる
……くきゅるぅ
再び響いた、腹の虫
紗江と紗奈が、同時に頬を赤らめている
どちらかの腹が鳴ったのか、それとも、二人同時にか
紗江と紗奈が、同時に頬を赤らめている
どちらかの腹が鳴ったのか、それとも、二人同時にか
……ぐきゅるぅ
続けて響いた腹の音
集中した視線から逃れるように、天地は視線をそらした
…そう言えば、自分もロクに食事をとっていなかった
「組織」内で、C-No.572から、カロリーメイトは一本もらったが
集中した視線から逃れるように、天地は視線をそらした
…そう言えば、自分もロクに食事をとっていなかった
「組織」内で、C-No.572から、カロリーメイトは一本もらったが
「ほら、天地の分も作ってきたから」
「…悪い」
「…悪い」
翼から、料理を受け取った
…料理がうまいと話には聞いているが、果たしてどれほどか…
…料理がうまいと話には聞いているが、果たしてどれほどか…
……ッガラ
「翼の手料理と聞いて」
「お前、寝てたんじゃなかったのか」
「お前、寝てたんじゃなかったのか」
無理に「光輝の書」の力を引き出して、疲労困憊で眠っていたはずの直希が、襖を開けてきた
寝ていたんじゃなかったのか、本当に
寝ていたんじゃなかったのか、本当に
「食べればよくなる、と言う訳で、翼。僕も食べたい」
「…まぁ、お前の分も作ってきたけどよ」
「…まぁ、お前の分も作ってきたけどよ」
……用意のいい奴だ
翼が、手際よく四人分の料理を配っていって
そのまま、四人で半端な時間の食事となった
そのまま、四人で半端な時間の食事となった
…後で、葬儀が控えているのだ
姉妹が、少しでも英気を養えばいい、と
天地は、そう考えたのだった
姉妹が、少しでも英気を養えばいい、と
天地は、そう考えたのだった
to be … ?