「………ふぅ」
COA世界、某所にて
直希は、小さくため息をついた
直希は、小さくため息をついた
進めば進むほどに、魔物は強く、凶悪になっていっている
つまりは、守りが固められている、と考えていいだろう
己が顔をあわせるべき相手は、やはり、自分が向かっている先にいるのだろう
急がなければ
つまりは、守りが固められている、と考えていいだろう
己が顔をあわせるべき相手は、やはり、自分が向かっている先にいるのだろう
急がなければ
「…我らが主(マイ・マスター)、せめて、少しお休みください」
「むぅ……休んでいる暇などないのだよ、ザフキエル。新島 愛美がこの世界から撤退してくれていない限り、いつ、彼女に命の危険が訪れるともわからない。だからこそ、僕は速球に、この世界から危険を取り除かなければならないのだよ」
「むぅ……休んでいる暇などないのだよ、ザフキエル。新島 愛美がこの世界から撤退してくれていない限り、いつ、彼女に命の危険が訪れるともわからない。だからこそ、僕は速球に、この世界から危険を取り除かなければならないのだよ」
ザフキエルの言葉に、直希は淡々とそう返した
…己のミスが、新島 愛美をこの世界に引きずり込ませてしまった
この世界に存在し続ける限り、彼女の命はいつ、危険に晒されるかわからない
いつ、命を落としてしまうかわからない
強いとは言え、所詮、彼女は人間でしかない
しかも、年齢的に考えれば、そろそろ衰えが見え始める時期だ
楽観はできない
…己のミスが、新島 愛美をこの世界に引きずり込ませてしまった
この世界に存在し続ける限り、彼女の命はいつ、危険に晒されるかわからない
いつ、命を落としてしまうかわからない
強いとは言え、所詮、彼女は人間でしかない
しかも、年齢的に考えれば、そろそろ衰えが見え始める時期だ
楽観はできない
……そうやって、全ての責任を一人で背負い込み
直希は、自分を追い詰める
己が与えた仕事で、死者など出してはならない
…それが、直希の、「仲介者」としての責務なのだから
直希は、自分を追い詰める
己が与えた仕事で、死者など出してはならない
…それが、直希の、「仲介者」としての責務なのだから
……と、そうして直希とザフキエルが会話をしている間に、また、魔物が群がってきた
ぱらり、直希は光輝の書を広げる
疲労を押し殺し、そこから、愛美に貸し出していない天使を召喚する
ぱらり、直希は光輝の書を広げる
疲労を押し殺し、そこから、愛美に貸し出していない天使を召喚する
「降らせろ、ヌリエル」
----ばさり
現れたのは、炎を纏った大鷲の姿をした、天使
それは鋭く鳴いて飛び回り、雹を降らせていく
超常的な力を纏った雹は、群がってきていた魔物達を、一気に散らしていった
現れたのは、炎を纏った大鷲の姿をした、天使
それは鋭く鳴いて飛び回り、雹を降らせていく
超常的な力を纏った雹は、群がってきていた魔物達を、一気に散らしていった
直希がヌリエルを手元に残していたのは、こうして、対多数戦に向いている能力だからだ
どれだけ敵が現れようが、近づかれる前に蹴散らせばいい
接近戦闘に持ち込まれたとしても、ヌリエルならば対処できる
ザフキエルとヌリエル以外、自身が光輝の書で召喚できる天使達全てを預けた際、愛美は何か不満げであったが、何も問題はないのだ
直希からしてみれば、自分などより、愛美の安全確保の方が優先である
どれだけ敵が現れようが、近づかれる前に蹴散らせばいい
接近戦闘に持ち込まれたとしても、ヌリエルならば対処できる
ザフキエルとヌリエル以外、自身が光輝の書で召喚できる天使達全てを預けた際、愛美は何か不満げであったが、何も問題はないのだ
直希からしてみれば、自分などより、愛美の安全確保の方が優先である
……魔物が、片付いた
ぱたん、と光輝の書を閉じ、直希はザフキエルを従えて歩き出す
急がなければならない
早く、危険を取り除かなければならない
ぱたん、と光輝の書を閉じ、直希はザフキエルを従えて歩き出す
急がなければならない
早く、危険を取り除かなければならない
………己のミスなどで
新島 愛美を、死に至らしめては、ならない
新島 愛美を、死に至らしめては、ならない
「………むぅ?」
…と
前方に、気配
COA内の魔物の気配とは、違う
都市伝説の気配だ
前方に、気配
COA内の魔物の気配とは、違う
都市伝説の気配だ
「…我らが主、お下がりください。この世界に人々を引きずり込んでいる存在の可能性が高いです」
「……むぅ。確かに、僕もそう思う。だが」
「……むぅ。確かに、僕もそう思う。だが」
へっへっへっへっへ
それは、てちてち、直希に駆け寄ってきた
くぅん?と直希を見上げてくる
それは、てちてち、直希に駆け寄ってきた
くぅん?と直希を見上げてくる
犬である
チワワである
間違いなく、ラブリーアニマルである
チワワである
間違いなく、ラブリーアニマルである
しかし、見た目はラブリーアニマルそのものなのだが、あからさまに都市伝説的気配がする
「……むぅ。もしや、これがケルベロスか」
「我らが主。確かに、そのような気配はします。しかし、チワワの姿をしたケルベロスの伝承など、聞いた事がありませんが」
「なに、契約者の拡大解釈次第ではどうにでもなるだろう。世の中、愛らしい黒い子犬の姿になるフェンリルもいるのだからな」
「我らが主、それは某漫画の話です」
「我らが主。確かに、そのような気配はします。しかし、チワワの姿をしたケルベロスの伝承など、聞いた事がありませんが」
「なに、契約者の拡大解釈次第ではどうにでもなるだろう。世の中、愛らしい黒い子犬の姿になるフェンリルもいるのだからな」
「我らが主、それは某漫画の話です」
へっへっへ
ちょーん、と座り、直希を見上げてくるケルベロス
鼻をひくひくとさせていて、若干、涎が
ちょーん、と座り、直希を見上げてくるケルベロス
鼻をひくひくとさせていて、若干、涎が
「……これがほしいのか」
す、と
直希が、懐からクッキーを取り出す
甘党の直希、体力や精神力の回復用に、菓子はわりと大量にCOA内に持ち込んでいる
どうやら、推定ケルベロスなチワワは、そのクッキーが欲しいようだ
ぱたぱた、ちぎれんばかりに尻尾を降っている
直希が、懐からクッキーを取り出す
甘党の直希、体力や精神力の回復用に、菓子はわりと大量にCOA内に持ち込んでいる
どうやら、推定ケルベロスなチワワは、そのクッキーが欲しいようだ
ぱたぱた、ちぎれんばかりに尻尾を降っている
「むぅ、犬に人間用のクッキーを与えても良いものか否か」
「我らが主。都市伝説という時点で、その手の制約はあまり当てはまりません」
「…それもそうだな」
「我らが主。都市伝説という時点で、その手の制約はあまり当てはまりません」
「…それもそうだな」
す、と直希はしゃがみこみ、ケルベロスにクッキーを手渡した
はむはむはむはむ
ケルベロスは、夢中でそれを食べ出す
はむはむはむはむ
ケルベロスは、夢中でそれを食べ出す
「……食べながらでも、良い、聞いてくれるか?」
直希の言葉に、ケルベロスが小さく、首をかしげた
が、すぐに、クッキーに集中し始める
耳は直希の方を向いているので、話は聞いてくれるようだが
が、すぐに、クッキーに集中し始める
耳は直希の方を向いているので、話は聞いてくれるようだが
「…僕は、君の主に会いたい。会って、重大な話をしたいのだよ」
ぴくり、一瞬、ケルベロスが、動きを止めた
「……彼女が善人であるならば、何も知らず、他者に利用されているだけの哀れなプリンセスならば、僕は彼女を救いたい。力になってあげたいのだよ……君達が何を思って、この世界に他者を引きずり込んでいるのかは、わからない。だからこそ、君達の主と話し、真実を知り、そして、彼女が真実を知らないのであれば、伝えなければならないと思っている」
じっと、じっと
真剣に、直希はケルベロスを見つめ、話し続ける
真剣に、直希はケルベロスを見つめ、話し続ける
……ケルベロスが攻撃する気なれば、いつでも攻撃できる、距離
そのような危険な状態にあっても関わらず、直希はケルベロスに話し続ける
そのような危険な状態にあっても関わらず、直希はケルベロスに話し続ける
「僕は、君の主を救いたい、信じてくれるならば、僕を君の主の下に案内してくれると嬉しいのだよ」
己がなさなければならない事の為に、直希は己の身の危険を惜しまない
その先に何が待っているのか、まだ、何も知らぬままに
to be … ?