「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 仲介者と追撃者と堕天使と-31c

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「………ふぅ」

 COA世界、某所にて
 直希は、小さくため息をついた

 進めば進むほどに、魔物は強く、凶悪になっていっている
 つまりは、守りが固められている、と考えていいだろう
 己が顔をあわせるべき相手は、やはり、自分が向かっている先にいるのだろう
 急がなければ

「…我らが主(マイ・マスター)、せめて、少しお休みください」
「むぅ……休んでいる暇などないのだよ、ザフキエル。新島 愛美がこの世界から撤退してくれていない限り、いつ、彼女に命の危険が訪れるともわからない。だからこそ、僕は速球に、この世界から危険を取り除かなければならないのだよ」

 ザフキエルの言葉に、直希は淡々とそう返した
 …己のミスが、新島 愛美をこの世界に引きずり込ませてしまった
 この世界に存在し続ける限り、彼女の命はいつ、危険に晒されるかわからない
 いつ、命を落としてしまうかわからない
 強いとは言え、所詮、彼女は人間でしかない
 しかも、年齢的に考えれば、そろそろ衰えが見え始める時期だ
 楽観はできない

 ……そうやって、全ての責任を一人で背負い込み
 直希は、自分を追い詰める
 己が与えた仕事で、死者など出してはならない
 …それが、直希の、「仲介者」としての責務なのだから

 ……と、そうして直希とザフキエルが会話をしている間に、また、魔物が群がってきた
 ぱらり、直希は光輝の書を広げる
 疲労を押し殺し、そこから、愛美に貸し出していない天使を召喚する

「降らせろ、ヌリエル」

 ----ばさり
 現れたのは、炎を纏った大鷲の姿をした、天使
 それは鋭く鳴いて飛び回り、雹を降らせていく
 超常的な力を纏った雹は、群がってきていた魔物達を、一気に散らしていった

 直希がヌリエルを手元に残していたのは、こうして、対多数戦に向いている能力だからだ
 どれだけ敵が現れようが、近づかれる前に蹴散らせばいい
 接近戦闘に持ち込まれたとしても、ヌリエルならば対処できる
 ザフキエルとヌリエル以外、自身が光輝の書で召喚できる天使達全てを預けた際、愛美は何か不満げであったが、何も問題はないのだ
 直希からしてみれば、自分などより、愛美の安全確保の方が優先である

 ……魔物が、片付いた
 ぱたん、と光輝の書を閉じ、直希はザフキエルを従えて歩き出す
 急がなければならない
 早く、危険を取り除かなければならない

 ………己のミスなどで
 新島 愛美を、死に至らしめては、ならない

「………むぅ?」

 …と
 前方に、気配
 COA内の魔物の気配とは、違う
 都市伝説の気配だ

「…我らが主、お下がりください。この世界に人々を引きずり込んでいる存在の可能性が高いです」
「……むぅ。確かに、僕もそう思う。だが」

 へっへっへっへっへ
 それは、てちてち、直希に駆け寄ってきた
 くぅん?と直希を見上げてくる

 犬である
 チワワである
 間違いなく、ラブリーアニマルである

 しかし、見た目はラブリーアニマルそのものなのだが、あからさまに都市伝説的気配がする

「……むぅ。もしや、これがケルベロスか」
「我らが主。確かに、そのような気配はします。しかし、チワワの姿をしたケルベロスの伝承など、聞いた事がありませんが」
「なに、契約者の拡大解釈次第ではどうにでもなるだろう。世の中、愛らしい黒い子犬の姿になるフェンリルもいるのだからな」
「我らが主、それは某漫画の話です」

 へっへっへ
 ちょーん、と座り、直希を見上げてくるケルベロス
 鼻をひくひくとさせていて、若干、涎が

「……これがほしいのか」

 す、と
 直希が、懐からクッキーを取り出す
 甘党の直希、体力や精神力の回復用に、菓子はわりと大量にCOA内に持ち込んでいる
 どうやら、推定ケルベロスなチワワは、そのクッキーが欲しいようだ
 ぱたぱた、ちぎれんばかりに尻尾を降っている

「むぅ、犬に人間用のクッキーを与えても良いものか否か」
「我らが主。都市伝説という時点で、その手の制約はあまり当てはまりません」
「…それもそうだな」

 す、と直希はしゃがみこみ、ケルベロスにクッキーを手渡した
 はむはむはむはむ
 ケルベロスは、夢中でそれを食べ出す

「……食べながらでも、良い、聞いてくれるか?」

 直希の言葉に、ケルベロスが小さく、首をかしげた
 が、すぐに、クッキーに集中し始める
 耳は直希の方を向いているので、話は聞いてくれるようだが

「…僕は、君の主に会いたい。会って、重大な話をしたいのだよ」

 ぴくり、一瞬、ケルベロスが、動きを止めた

「……彼女が善人であるならば、何も知らず、他者に利用されているだけの哀れなプリンセスならば、僕は彼女を救いたい。力になってあげたいのだよ……君達が何を思って、この世界に他者を引きずり込んでいるのかは、わからない。だからこそ、君達の主と話し、真実を知り、そして、彼女が真実を知らないのであれば、伝えなければならないと思っている」

 じっと、じっと
 真剣に、直希はケルベロスを見つめ、話し続ける

 ……ケルベロスが攻撃する気なれば、いつでも攻撃できる、距離
 そのような危険な状態にあっても関わらず、直希はケルベロスに話し続ける

「僕は、君の主を救いたい、信じてくれるならば、僕を君の主の下に案内してくれると嬉しいのだよ」

 己がなさなければならない事の為に、直希は己の身の危険を惜しまない

 その先に何が待っているのか、まだ、何も知らぬままに





to be … ?




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