雪降る学校町
昨年のようにカオスには幸いなっていない、その夜空を、一頭の蝶が飛んでいた
どう考えても、季節外れである
しかし、その蝶は漆黒と言う色の関係もあってか、飛んで居る事を誰にも確認される事なく、ひらひら、ひらひらと飛んでいた
昨年のようにカオスには幸いなっていない、その夜空を、一頭の蝶が飛んでいた
どう考えても、季節外れである
しかし、その蝶は漆黒と言う色の関係もあってか、飛んで居る事を誰にも確認される事なく、ひらひら、ひらひらと飛んでいた
…と
ひらり、その蝶は何かを見つけた
それは、サンタクロースの格好をした老人が、人間の少年達と話している、姿
ひらり、その蝶は何かを見つけた
それは、サンタクロースの格好をした老人が、人間の少年達と話している、姿
(………)
その会話や、後から来た少年達とのやり取りを見ていた、その蝶は
何か面白い事でも思いついたように羽ばたき、っふ、と唐突に姿を消した
何か面白い事でも思いついたように羽ばたき、っふ、と唐突に姿を消した
闇夜を走る、一台のソリ
ソリを引くのは、白い獏
ソリには、その獏…理夢の契約者である黄昏 裂邪や、裂邪の契約都市伝説であるミナワの姿などがあった
サンタクロースに代わり、プレゼントを配っていた裂邪達
ソリを引くのは、白い獏
ソリには、その獏…理夢の契約者である黄昏 裂邪や、裂邪の契約都市伝説であるミナワの姿などがあった
サンタクロースに代わり、プレゼントを配っていた裂邪達
……が
「-----っ!?」
「御主人様?どうなさいました?」
「御主人様?どうなさいました?」
ぞく、と
急に、悪寒を感じた裂邪
辺りを見回す
急に、悪寒を感じた裂邪
辺りを見回す
「いや、何か、急に嫌な予感が」
「嫌な予感?」
「嫌な予感?」
気のせいなら、いいのだが…
警戒を強める裂邪
警戒を強める裂邪
その、裂邪の視界に
それは、入り込んできた
それは、入り込んできた
「っ!なんだ、ありゃ」
「何でぃ、トナカイが走ってるなら、まだわかるんだが…」
「何でぃ、トナカイが走ってるなら、まだわかるんだが…」
理夢やウィルも、それに気付く
雪降る夜空を飛んでいる、それ
雪降る夜空を飛んでいる、それ
…トナカイがそりを引いているなら、わかる
だが、それはトナカイではない
だが、それはトナカイではない
………ユニコーンだ
額から角を生やした一角獣
それが、夜空を飛んでいて…その、背中に
誰か、座っている
その姿に………裂邪は、見覚えがあった
額から角を生やした一角獣
それが、夜空を飛んでいて…その、背中に
誰か、座っている
その姿に………裂邪は、見覚えがあった
「っあん時の、魔法使い!?」
魔法使い
「災厄の魔法」カラミティ・ルーン
「災厄の魔法」カラミティ・ルーン
…裂邪は、K-No.0が討伐されたあの事件に、関わった
そして……その時に、カラミティの姿を、見た
その行動を、発言を、見たのだ
子供のように残酷で、残虐で、しかし、気まぐれで……そして、酷く子供っぽい
邪悪なのか、そうではなのか、判断に迷うそれ
そして……その時に、カラミティの姿を、見た
その行動を、発言を、見たのだ
子供のように残酷で、残虐で、しかし、気まぐれで……そして、酷く子供っぽい
邪悪なのか、そうではなのか、判断に迷うそれ
そのカラミティが……ユニコーンの背に乗り、夜空を飛んでいたのだ
……カラミティも、裂邪に気付いたようだ
にやりと笑い、裂邪に近づいてくる
……カラミティも、裂邪に気付いたようだ
にやりと笑い、裂邪に近づいてくる
「ご、御主人様…」
「…大丈夫。何かあったら。俺が護るから」
「…大丈夫。何かあったら。俺が護るから」
近づいてくるカラミティを警戒する裂邪
ユニコーンは、裂邪達よりもやや高い位置で止まり、カラミティが裂邪達を見下ろしてくる
ユニコーンは、裂邪達よりもやや高い位置で止まり、カラミティが裂邪達を見下ろしてくる
「いよぉ、ハッピー・クリスマァス!楽しんでるかぁ?餓鬼んちょ共」
「お前にゃ関係ないだろ…何か用か?」
「お前にゃ関係ないだろ…何か用か?」
いざとなれば、いつでも攻撃できるよう…逃亡できるよう、準備を整えておく
にやにやと見下ろしてくる、カラミティ
どうにも、嫌な予感しか、しない
にやにやと見下ろしてくる、カラミティ
どうにも、嫌な予感しか、しない
「うん?用って程でもねぇよ、ただ、楽しそうな事をやってると思ってなぁ?親切じゃねぇか、サンタクロースの手伝いをしてやるなんてよぉ」
「…っ見てたのか」
「あぁ、俺様は万能だからな。どこにでもいてどこにもいない。いつだってどこだって、見て居る事ができるんだぜぇ?」
「…っ見てたのか」
「あぁ、俺様は万能だからな。どこにでもいてどこにもいない。いつだってどこだって、見て居る事ができるんだぜぇ?」
ユニコーンの背中に横向き座り、足を組むカラミティ
その姿だけ見れば、神秘的な魔法使いに見えなくもない
やや、態度は尊大だが
その姿だけ見れば、神秘的な魔法使いに見えなくもない
やや、態度は尊大だが
「その様子を見ていて、俺様感動してな。俺様も、お前達に習ってみようかと思ったんだ」
「…ドウイウ事ダ?」
「…ドウイウ事ダ?」
警戒しているシェイドの言葉に
カラミティは大げさに杖を振りながら、答える
カラミティは大げさに杖を振りながら、答える
「どう言う事って、決まってんだろ?俺様も、この町の住人にプレゼントを贈ってやろうと思ってなぁ。こうやって、夜の街を飛んでる訳さぁ!トナカイがいないからこいつで我慢してるけどな!!」
「……酷い…俺っち悪魔なのに……トナカイじゃないのに……トナカイがいないからって、「背中に乗れるサイズだからいいや」って理由で召喚されて…………っしかも、プレゼントくばる為とか、どうして悪魔なのに人間の為に動かなきゃ」
「……酷い…俺っち悪魔なのに……トナカイじゃないのに……トナカイがいないからって、「背中に乗れるサイズだからいいや」って理由で召喚されて…………っしかも、プレゼントくばる為とか、どうして悪魔なのに人間の為に動かなきゃ」
しくしくしく
……あ、ユニコーン泣いてる
どうやら、悪魔だったらしい
……あ、ユニコーン泣いてる
どうやら、悪魔だったらしい
「うっせーぞ、アムドゥシアス。教会の十字架に貼り付けにされてぇか?」
「みぎゃあ!?やめてお願い教会の十字架とかマジ悪魔の弱点なの、やめてっ!!??」
「なら、俺様の言う事にしたがってりゃいいんだ」
「…悪魔だ……悪魔がいる……」
「みぎゃあ!?やめてお願い教会の十字架とかマジ悪魔の弱点なの、やめてっ!!??」
「なら、俺様の言う事にしたがってりゃいいんだ」
「…悪魔だ……悪魔がいる……」
めそめそ泣いているユニコーン…アムドゥシアス
悪魔に悪魔とか呼ばれるとか、どれだけ外道なのだろう、この魔法使いは
悪魔に悪魔とか呼ばれるとか、どれだけ外道なのだろう、この魔法使いは
「…っつか、プレゼントって、何を贈る気だよ?俺達みたく、サンタクロースのプレゼント配りを手伝うって訳でもないだろ?」
「あぁ、俺様は魔法使いだからな、魔法で、素敵なプレゼントを贈ってやるぜぇ?」
「あぁ、俺様は魔法使いだからな、魔法で、素敵なプレゼントを贈ってやるぜぇ?」
にやにや笑っているカラミティ
つ……と、杖を、上へと向けた
つ……と、杖を、上へと向けた
「星をプレゼントしてやる」
「……星?」
「そうさ!魔法で星を降らせてやるのさ。この街全体に!素敵でロマンチックな魔法だろぉ?」
「……星?」
「そうさ!魔法で星を降らせてやるのさ。この街全体に!素敵でロマンチックな魔法だろぉ?」
星
雪が降っていながら雲はあまりなく、星空が輝いて見える
雪が降っていながら雲はあまりなく、星空が輝いて見える
…この星を降らせる、と?
「そう言う訳だから、邪魔してくるなよ、餓鬼んちょ。流石に、町全体に星を降らせるとなると集中が居るんでな………ほら、アムドゥシアス!ベストポジションまで飛んでいけ、超特急で!!」
「いやああああああああああ助けてカイン司祭ぃいいいいい!!!」
「いやああああああああああ助けてカイン司祭ぃいいいいい!!!」
悲鳴をあげながらも、カラミティが怖いのだろう
アムドゥシアスは夜空を駆け、あっという間に裂邪達から離れていく
追いかける間すらなく…残されたのは、沈黙
アムドゥシアスは夜空を駆け、あっという間に裂邪達から離れていく
追いかける間すらなく…残されたのは、沈黙
「ど、どうしましょう、御主人様?」
「いや、星を降らせる、って……どう言う事だ?」
「流星群を作り出す、ってんなら、ロマンチックですがねぇ」
「まぁ、それなら害はないよなぁ」
「いや、星を降らせる、って……どう言う事だ?」
「流星群を作り出す、ってんなら、ロマンチックですがねぇ」
「まぁ、それなら害はないよなぁ」
…そう
流星群を降らせる「だけ」なら害はない
だが
流星群を降らせる「だけ」なら害はない
だが
「…流星群ヲ街ノ上ニ降ラセテ………町中に隕石ヲ落トス、ト言ウオチデナケレバイイノダガ」
ぼそ、と
シェイドが口にした、想定しうる限りで最悪の想定に
ぴし……と、思わず一同は固まったのだった
シェイドが口にした、想定しうる限りで最悪の想定に
ぴし……と、思わず一同は固まったのだった
to be … ?