「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・万能の魔法使い-05

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 雪降る学校町
 昨年のようにカオスには幸いなっていない、その夜空を、一頭の蝶が飛んでいた
 どう考えても、季節外れである
 しかし、その蝶は漆黒と言う色の関係もあってか、飛んで居る事を誰にも確認される事なく、ひらひら、ひらひらと飛んでいた

 …と
 ひらり、その蝶は何かを見つけた
 それは、サンタクロースの格好をした老人が、人間の少年達と話している、姿

(………)

 その会話や、後から来た少年達とのやり取りを見ていた、その蝶は
 何か面白い事でも思いついたように羽ばたき、っふ、と唐突に姿を消した




 闇夜を走る、一台のソリ
 ソリを引くのは、白い獏
 ソリには、その獏…理夢の契約者である黄昏 裂邪や、裂邪の契約都市伝説であるミナワの姿などがあった
 サンタクロースに代わり、プレゼントを配っていた裂邪達

 ……が

「-----っ!?」
「御主人様?どうなさいました?」

 ぞく、と
 急に、悪寒を感じた裂邪
 辺りを見回す

「いや、何か、急に嫌な予感が」
「嫌な予感?」

 気のせいなら、いいのだが…
 警戒を強める裂邪

 その、裂邪の視界に
 それは、入り込んできた

「っ!なんだ、ありゃ」
「何でぃ、トナカイが走ってるなら、まだわかるんだが…」

 理夢やウィルも、それに気付く
 雪降る夜空を飛んでいる、それ

 …トナカイがそりを引いているなら、わかる
 だが、それはトナカイではない

 ………ユニコーンだ
 額から角を生やした一角獣
 それが、夜空を飛んでいて…その、背中に
 誰か、座っている
 その姿に………裂邪は、見覚えがあった

「っあん時の、魔法使い!?」

 魔法使い
 「災厄の魔法」カラミティ・ルーン

 …裂邪は、K-No.0が討伐されたあの事件に、関わった
 そして……その時に、カラミティの姿を、見た
 その行動を、発言を、見たのだ
 子供のように残酷で、残虐で、しかし、気まぐれで……そして、酷く子供っぽい
 邪悪なのか、そうではなのか、判断に迷うそれ

 そのカラミティが……ユニコーンの背に乗り、夜空を飛んでいたのだ
 ……カラミティも、裂邪に気付いたようだ
 にやりと笑い、裂邪に近づいてくる

「ご、御主人様…」
「…大丈夫。何かあったら。俺が護るから」

 近づいてくるカラミティを警戒する裂邪
 ユニコーンは、裂邪達よりもやや高い位置で止まり、カラミティが裂邪達を見下ろしてくる

「いよぉ、ハッピー・クリスマァス!楽しんでるかぁ?餓鬼んちょ共」
「お前にゃ関係ないだろ…何か用か?」

 いざとなれば、いつでも攻撃できるよう…逃亡できるよう、準備を整えておく
 にやにやと見下ろしてくる、カラミティ
 どうにも、嫌な予感しか、しない

「うん?用って程でもねぇよ、ただ、楽しそうな事をやってると思ってなぁ?親切じゃねぇか、サンタクロースの手伝いをしてやるなんてよぉ」
「…っ見てたのか」
「あぁ、俺様は万能だからな。どこにでもいてどこにもいない。いつだってどこだって、見て居る事ができるんだぜぇ?」

 ユニコーンの背中に横向き座り、足を組むカラミティ
 その姿だけ見れば、神秘的な魔法使いに見えなくもない
 やや、態度は尊大だが

「その様子を見ていて、俺様感動してな。俺様も、お前達に習ってみようかと思ったんだ」
「…ドウイウ事ダ?」

 警戒しているシェイドの言葉に
 カラミティは大げさに杖を振りながら、答える

「どう言う事って、決まってんだろ?俺様も、この町の住人にプレゼントを贈ってやろうと思ってなぁ。こうやって、夜の街を飛んでる訳さぁ!トナカイがいないからこいつで我慢してるけどな!!」
「……酷い…俺っち悪魔なのに……トナカイじゃないのに……トナカイがいないからって、「背中に乗れるサイズだからいいや」って理由で召喚されて…………っしかも、プレゼントくばる為とか、どうして悪魔なのに人間の為に動かなきゃ」

 しくしくしく
 ……あ、ユニコーン泣いてる
 どうやら、悪魔だったらしい

「うっせーぞ、アムドゥシアス。教会の十字架に貼り付けにされてぇか?」
「みぎゃあ!?やめてお願い教会の十字架とかマジ悪魔の弱点なの、やめてっ!!??」
「なら、俺様の言う事にしたがってりゃいいんだ」
「…悪魔だ……悪魔がいる……」

 めそめそ泣いているユニコーン…アムドゥシアス
 悪魔に悪魔とか呼ばれるとか、どれだけ外道なのだろう、この魔法使いは

「…っつか、プレゼントって、何を贈る気だよ?俺達みたく、サンタクロースのプレゼント配りを手伝うって訳でもないだろ?」
「あぁ、俺様は魔法使いだからな、魔法で、素敵なプレゼントを贈ってやるぜぇ?」

 にやにや笑っているカラミティ
 つ……と、杖を、上へと向けた

「星をプレゼントしてやる」
「……星?」
「そうさ!魔法で星を降らせてやるのさ。この街全体に!素敵でロマンチックな魔法だろぉ?」

 星
 雪が降っていながら雲はあまりなく、星空が輝いて見える

 …この星を降らせる、と?

「そう言う訳だから、邪魔してくるなよ、餓鬼んちょ。流石に、町全体に星を降らせるとなると集中が居るんでな………ほら、アムドゥシアス!ベストポジションまで飛んでいけ、超特急で!!」
「いやああああああああああ助けてカイン司祭ぃいいいいい!!!」

 悲鳴をあげながらも、カラミティが怖いのだろう
 アムドゥシアスは夜空を駆け、あっという間に裂邪達から離れていく
 追いかける間すらなく…残されたのは、沈黙

「ど、どうしましょう、御主人様?」
「いや、星を降らせる、って……どう言う事だ?」
「流星群を作り出す、ってんなら、ロマンチックですがねぇ」
「まぁ、それなら害はないよなぁ」

 …そう
 流星群を降らせる「だけ」なら害はない
 だが

「…流星群ヲ街ノ上ニ降ラセテ………町中に隕石ヲ落トス、ト言ウオチデナケレバイイノダガ」

 ぼそ、と
 シェイドが口にした、想定しうる限りで最悪の想定に
 ぴし……と、思わず一同は固まったのだった



to be … ?



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