「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・万能の魔法使い-04

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 ……友美との取引を終えて、その場を離れたカラミティ
 ひらひら、ひらひらと
 漆黒の蝶の姿をとって、一直線に、ある場所に向かう

「……ん?」

 ひらひら
 ひらひらと
 向かったのは…カインの元
 ちょうど、部屋に作っていた祭壇を掃除し終えたカイン
 蝶に気付き、手を伸ばした
 一瞬で、蝶はカラミティの姿に変わる

「カラミティ?どうし…………っ!?」

 ぎゅう、と
 突然、カインは抱きしめられ
 どさり、そのままベッドに押し倒された

「っ何をする!?」

 拳を握り締め、カラミティを殴り飛ばそうとしたカイン
 ………が
 カラミティの様子を見て、止まる

「……どうした?」

 …カラミティの顔色が、悪い
 それに……やや、ぐったりしているように、見えた

「…………ぃ」
「え」
「気持ち………悪ぃ……」

 ぐったりと、カインに圧し掛かるカラミティ
 声に、力がない
 顔色も悪く……全体的に、生気がない

 カインは、慌ててカラミティに手をかざし、能力を試行した
 癒しの力が、カラミティを包み込む

「………ん、サンキュ。も…大丈夫」

 少し顔色が良くなったところで、カラミティは申し訳なさそうに笑って、そう言ってきた
 心配ではあったが、一応、カインは能力の試行を止める

「…どうしたんだ。何があった」
「わかんねぇ……あの餓鬼と話した後………急に、気持ち悪くなった」
「……餓鬼?」

 首をかしげるカイン

 …正直、カラミティにも、よくわからない
 ただ
 あの、友美と名乗った少女と話し、別れた後……急に、気持ち悪くなってきたのだ
 まるで、自分の考えを、無理矢理に捻じ曲げられたような錯覚

 ……いや、錯覚じゃない
 あの時、明らかに、自分の対応はおかしかった
 いかに、美緒の幸せに繋がるからとは言え、あんな人間の子供の言う事を間に受けて、何の代償も要求せずに取引するなど、自分は明らかにおかしかった
 あの少女が、意識していたかどうかはわからない
 だが、カラミティの考え方を、かすかとは言え捻じ曲げてきたことは事実

 ………そして
 それは、些細なことでしかないかもしれないが
 「魔法」と言う存在に飲み込まれ、人間ではなく「魔法使い」になったカラミティにとって、あまり良い影響を与えては来ない
 存在そのものを、捻じ曲げられたような感覚
 都市伝説にとって、存在を捻じ曲げられるということは、致命的な事だ
 それは、カラミティにとっても、同じ
 カラミティが感じた気持ち悪さは、防衛本能から来たものだ
 捻じ曲げられ続けたままだと、己の存在が歪められ続けてしまって、カラミティの存在自体をゆがめてしまうから

 そのような事情はわからないカイン
 心配そうに、カラミティを見上げる

「…都市伝説契約者相手、だったのか?」
「……いや、違う…あの餓鬼は、契約者じゃねぇ。その癖して……普通じゃねぇ、あんなん、おかしい。ただの人間の餓鬼の癖に……こっちの思考を、捻じ曲げてくるなんて」

 気持ち悪い
 気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い
 あの少女と話していた時の事を思い出しただけで、気持ち悪い
 仕方ないから、あの少女の作戦には乗ってやる
 だが、できれば二度と…あの少女とは、話したくない
 話すとしても、二度と、思考を捻じ曲げられないよう、注意しなければならない
 ………二度と、あの少女に好意的な感情など、抱いてはいけない
 あれは、化け物だ
 本当ならば、接触すべきでもない
 カインには、あれには絶対に、接触して欲しくない

 ……ぽんぽん、と
 軽く、背中を撫でられる
 それで、カラミティは自分が震えていた事を自覚した

「……大丈夫だ。何があったのか、お前が話したくないならば、詳しくは聞かない。だが、俺は、お前の力になってやるから」
「………カイン」
「お前は、俺の友人だ。お前が危なくなったら、俺が、助けてやるから」

 小さく、カラミティに笑いかけるカイン
 …いつも通りの、どこか、儚い笑顔
 しかし、本心から、カラミティを気遣っての、笑顔

 この笑顔を向けられると、落ち着く
 友人であるカインが、自分に向けて笑ってくれる
 それが、酷く幸せだ
 だからこそ…いつか、カインに、心からの笑顔を浮かべてもらいたい
 そうカラミティは願い、その為に努力し、行動し続けるのだ

「……ありがとうな、カイン」

 と、カラミティはカインに笑って
 そのまま、弟が兄に甘えるように、カインにべったりとくっつき続けたのだった



 30分後、カラミティがカインから離れる事なく、ついでに調子こいていらん事を言って盛大に殴り飛ばされたりもしたが、それはどうでもいい事実である




終われ




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