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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - とある警察幹部の憂鬱-23

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 …そこの前に立ち
 彼女は、小さく深呼吸した
 ………コートのポケットに入れてきた、漆黒の蝶のブローチに、そっと触れる
 冷たい感触のそれに触れていると…緊張が少し和らぎ、気持ちが落ち着いてくる

 ………ひらり、と
 視界の隅を、その蝶と同じような姿をした黒い蝶が、通り過ぎていった

「………付いて来なくてもいい、というより、ついてこないでくださいね?」

 小声でそう告げると、蝶はひらひらと飛んでいって姿を消した
 …顔をあげる
 そのアパートに、ゆっくりと近づいていった
 見張りの気配はない
 コンが、約束を護ってくれたのだ

 扉の前で、立ち止まり…もう一度、深呼吸する
 左手はコートのポケットの中のブローチを握り締め、右手で扉をノックした

「…影守さん、広瀬です。中に、入れていただけませんか?」
「………美緒、さん?」

 返って来た声には、張りがない
 どこか、無気力とも感じられる、声

「……でも、今、俺は」
「コンさんが……お時間を、くれました。あまり長い時間ではありませんが……今、あなたを見張っている存在は、いません」

 ………やや、間をおいて
 扉が、そっと開かれる

 …憔悴しきった表情
 促され、部屋の中に入る

「…ちゃんと、お食事はとっていますか?」
「一応……食料は、支給されているし」

 小さく、力なく苦笑してくる影守
 …表情が、酷く痛々しい

「…美緒さんは………希の最期を、聞きましたか?」
「……兄から、聞きました。もっとも、兄はあの件に直接関わっていた訳ではありませんので、完全に把握しているわけではありませんが…」
「…………そうか」

 ぺたん、と座り込む影守
 美緒は、影守の隣に、そっと腰をおろした

「結局……俺のやったことって、何だったんだろうな」
「影守さん……」
「都市伝説も、取り上げられて……永遠に続くだろう、謹慎状態。俺は、結局何もできなくて……これからも、もう、何も出来ない」

 俯き続ける影守
 深い、深い、後悔の念に支配された表情
 目を離せば、今すぐにでも死んでしまいそうなほどに、暗く想いは沈んでいる

 少しでも
 少しでも、元気付けたくて

「…影守さんは何もできなかった訳ではありません」

 美緒は何とか必死に、言葉を紡ぎだす
 影守を救いたい、支えたい
 その想いが、美緒を突き動かす
 影守が、驚いたように顔を上げた

「でも」
「あの時、あなたに見逃された事で、彼女の心は救われていたと思います………確かに、彼女は殺人鬼でした、けれど…まだ、あんな幼い少女でした。救われる道も…あったのだと、思います」

 じっと、影守を見詰める
 影守は、自嘲するように、笑う

「……でも。結局、希は死んでしまった。始末されてしまった……それに、今の俺は都市伝説を失ってしまっている……もう、誰も、救えない。誰にも…必要と、されない」
「………っそんな事、ありません!」

 再び俯いてしまった影守の顔を、さらに至近距離で覗きこむ
 …普段の彼女では、決して出来ない行為
 けれど、影守を救いたいと言う想いが強いが故に
 そして…カラミティから渡された漆黒の蝶のブローチが、それを後押しする

「たとえ、都市伝説を失ったいたとしても…影守さんは、影守さんです。私は………私、には、あなたが…必要です」

 口にして
 かぁ、と頬を赤らめる
 されど、言葉は止まらない

「わ、私、は………影守さんの、傍にいたい。あなたの力になりたい。あなたを救いたい……あなたを、支えたい」
「美緒、さん?」
「……あ、あなたが戦えないならば……私が、あなたを護ります。私には、あなたが、必要だから」

 ……つぅ、と
 涙が、頬を伝った事実に
 今更、気付く

「私は………あなたを、失いたくありません……………本当ならば、ずっと、傍にいたい、離れたくない……!」

 こんな事を言っても、影守を困らせるだけだ
 彼の謹慎は続くのだ
 実現するはずもない

 けれど
 もはや、想いは止まらず
 言葉を止めることなど、できないのだった





to be … ?





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