美緒が、コンに連絡を取り、影守と会う為の手引きをしてもらえる事になった、後日
その当日よりは、前のこと
その当日よりは、前のこと
「そうか、美緒は、その影守って男と、ちゃんと会えるんだな」
「はい。日時は、後日コンさんが連絡してくださいます………ですから、あなたが残虐行為を働く必要はありません」
「はい。日時は、後日コンさんが連絡してくださいます………ですから、あなたが残虐行為を働く必要はありません」
いつものように唐突に現れ、勝手に美緒の部屋へと侵入してきたカラミティ
もはや、それに慣れてしまった美緒は、そんなカラミティに対し、普通に反応していた
…流石に、風呂上りの時に現れた場合は、何がなんでも一旦追い出すが
もはや、それに慣れてしまった美緒は、そんなカラミティに対し、普通に反応していた
…流石に、風呂上りの時に現れた場合は、何がなんでも一旦追い出すが
「そうか?お前が望むなら、影守って男を見張ってる連中なんて全部殺して。その影守って男連れ出して、お前とずっと一緒に居られるように、遠く逃がすことだってできるんだぜ?」
「…ですから、それは影守さんに迷惑がかかると言っているでしょう…それに、どうしてあなたは、そのような残虐行為に走りたがるのですか」
「だって、それが一番手っ取り早いぞ?」
「…ですから、それは影守さんに迷惑がかかると言っているでしょう…それに、どうしてあなたは、そのような残虐行為に走りたがるのですか」
「だって、それが一番手っ取り早いぞ?」
ため息交じりの美緒の言葉に、カラミティは不思議そうに首をかしげた
…己の発言が、どれだけ残虐な意味を持っているのか、わかっていない
そんな様子だ
恐らく、カラミティ本人は、純粋に、美緒への親切心のつもりで言っているのだろう
…これが、カラミティなりの親切心だと気付いた辺りで、美緒はだいぶ、カラミティの扱い方を心得てきたと言える
あまり、嬉しくない技能だが
…己の発言が、どれだけ残虐な意味を持っているのか、わかっていない
そんな様子だ
恐らく、カラミティ本人は、純粋に、美緒への親切心のつもりで言っているのだろう
…これが、カラミティなりの親切心だと気付いた辺りで、美緒はだいぶ、カラミティの扱い方を心得てきたと言える
あまり、嬉しくない技能だが
「だからと言って、そんな手段を使うのは良くありません。命を、そう簡単に奪っていいものではないでしょう」
「カインと同じ事言うんだな。話聞いた感じとか様子見てきた感じだと、あんな連中、死んでも特に問題なさそうだけどな」
「カインと同じ事言うんだな。話聞いた感じとか様子見てきた感じだと、あんな連中、死んでも特に問題なさそうだけどな」
…いつの間に、様子を見てきたのだろう、この男は
見つかったらどうするつもりなのか……いや、きっと、見つかっては居ないのだろう
気配すら、感じさせなかったはずだ
自称・大魔法使いのカラミティ
そんなミスは、きっとしない
…もし、見つかったり、気配を感じられたら………殺して、口封じしそうだし
見つかったらどうするつもりなのか……いや、きっと、見つかっては居ないのだろう
気配すら、感じさせなかったはずだ
自称・大魔法使いのカラミティ
そんなミスは、きっとしない
…もし、見つかったり、気配を感じられたら………殺して、口封じしそうだし
「ま、いいや。もし、その影守って男と逃げたくなったら、いつでも言えよ?俺様が、世界中どこにだって逃がしてやるから」
「…気持ちだけ、受け取っておきます」
「…気持ちだけ、受け取っておきます」
小さく、苦笑する美緒
冗談でも、承諾すれば、本当に叶えてくれかねない
冗談でも、承諾すれば、本当に叶えてくれかねない
「……あ、そうだ。な、美緒。あれ、また見せてくれよ」
「あれですか?少々お待ちください」
「あれですか?少々お待ちください」
ようやく、やや残酷さの混じる話題が終わった
それにほっとしつつ、美緒は、カラミティが要求するそれを、取り出した
携帯電話だ
ワンセグも見る事ができるタイプの機種
画像を映し出してやれば、カラミティは珍しそうに見つめてくる
その表情は、まるで、新しいおもちゃを見つけた子供のようだ
それにほっとしつつ、美緒は、カラミティが要求するそれを、取り出した
携帯電話だ
ワンセグも見る事ができるタイプの機種
画像を映し出してやれば、カラミティは珍しそうに見つめてくる
その表情は、まるで、新しいおもちゃを見つけた子供のようだ
「…そんなに珍しいですか?最近では、さほど珍しくもない機種なのですが…」
「だって、はるか遠くの映像を、こんな小さなもので映し出すんだぜ。凄い魔法だぞ」
「魔法…ではなく、科学なのですけどね」
「だって、はるか遠くの映像を、こんな小さなもので映し出すんだぜ。凄い魔法だぞ」
「魔法…ではなく、科学なのですけどね」
子供のように、ワンセグ携帯に夢中になっているカラミティ
ワンセグが映し出す映像を、音楽を、カラミティは「魔法」だというのだ
ワンセグが映し出す映像を、音楽を、カラミティは「魔法」だというのだ
「人間って、いつもそうだよな。魔法を、その科学って奴であっさり再現しやがる」
「あっさり、でもありませんよ?長い時間をかけて研究を重ね、作り上げたものなのですから」
「あっさり、でもありませんよ?長い時間をかけて研究を重ね、作り上げたものなのですから」
美緒はそう言うが、カラミティは納得いっていない様子だ
魔法使いを名乗るカラミティ
人間が、魔法を使わずに魔法的な事をやってのけるのが、不思議なのだろうか?
魔法使いを名乗るカラミティ
人間が、魔法を使わずに魔法的な事をやってのけるのが、不思議なのだろうか?
「馬のように…いや、馬よりも、早く走りたい。鳥のように空を飛びたい。そんな願いを、お前達人間は鉄の塊を動かし、飛ばす事で叶えた。遠くに居る者と話したい、映像を記録として残し、いつでも見られるようにする。魔法の力を借りないと実現できなかった事を、人間は全部、実現してきているだろ」
「確かに…人間は、魔法を否定し、科学を発達させましたからね」
「そうそう、それだよ」
「確かに…人間は、魔法を否定し、科学を発達させましたからね」
「そうそう、それだよ」
ぴ、と
杖を向けてくるカラミティ
杖の先端はぐるり、天井へと向かう
杖を向けてくるカラミティ
杖の先端はぐるり、天井へと向かう
「人間は、魔法を否定して、科学の力に頼る。でも、俺様みたいに万能の魔法の力を使う存在からしてみりゃ、お前達は「科学」と言う「魔法」を使ってるようなもんさ」
「…そんなものですか?」
「そんなもんだよ。人間は願いを、科学という魔法で叶え続けている。そうやって、本来の俺様達が使うような魔法を忘れようとしてるのさ。自分達も、魔法を使って居る事に気付かないまま、な」
「…そんなものですか?」
「そんなもんだよ。人間は願いを、科学という魔法で叶え続けている。そうやって、本来の俺様達が使うような魔法を忘れようとしてるのさ。自分達も、魔法を使って居る事に気付かないまま、な」
ほら、と携帯を返してきたカラミティ
それを受け取った美緒に対し、ニヤリと笑う
それを受け取った美緒に対し、ニヤリと笑う
「まぁ、今んとこ、科学が限界があるみたいだけどな。でも、俺様の魔法には、限界なんてもんはないぜ?」
そう言って、カラミティは杖を振る
ぽんぽん、ぽぽぽん
テーブルの上に、お菓子が広がった
キャンディ、チョコレート、ケーキにゼリー、コンペイトウにクッキー、ゼリービーンズ
あまぁいお菓子と、紅茶が入ったティーカップにティーポットが、カラミティの魔法で作り出された
ぽんぽん、ぽぽぽん
テーブルの上に、お菓子が広がった
キャンディ、チョコレート、ケーキにゼリー、コンペイトウにクッキー、ゼリービーンズ
あまぁいお菓子と、紅茶が入ったティーカップにティーポットが、カラミティの魔法で作り出された
「俺様が望めば、こうやって何でも手に入る。黄金を生み出すことも、命を自由自在にすることだって、できる。美緒は友達だから、美緒が望めば、何だって手に入れさせてやるぞ?」
「…気持ちだけ、受け取っておきます」
「…気持ちだけ、受け取っておきます」
小さく苦笑しての、美緒の言葉に
やっぱり、カラミティは首をかしげる
心底、心底、不思議そうに
やっぱり、カラミティは首をかしげる
心底、心底、不思議そうに
「本当、美緒はカインと同じ事言うんだな。遠慮なんてしなくていいのに」
「していませんよ、遠慮なんて」
「していませんよ、遠慮なんて」
魔法の力で、簡単に手に入れては意味がない
美緒は、そう考える
自分は、必要以上の富などいらないが、もし、富が欲しければ、それは自身が努力すればいい事だ
苦労せずして得た富に、意味などない
美緒は、そう考える
自分は、必要以上の富などいらないが、もし、富が欲しければ、それは自身が努力すればいい事だ
苦労せずして得た富に、意味などない
…人の想いも、また、同じ
自分は、影守を想っている
だが、その心を、超常的な力で強引に手に入れては、いけない
自ら努力し、その想いを向けてもらえるようにしなければいけないのだ
もっとも、美緒には、想いを告げる「勇気」が圧倒的に足りないのだが
…そこに、勇気を与えてくれる些細な「おまじない」と言う名前の魔法
せめて、それだけは許される、と…そう、信じたい
自分は、影守を想っている
だが、その心を、超常的な力で強引に手に入れては、いけない
自ら努力し、その想いを向けてもらえるようにしなければいけないのだ
もっとも、美緒には、想いを告げる「勇気」が圧倒的に足りないのだが
…そこに、勇気を与えてくれる些細な「おまじない」と言う名前の魔法
せめて、それだけは許される、と…そう、信じたい
「……美緒」
「…何です?」
「もし、お前の想いが、その影守って奴に届かなかったら。お前がそんなにも想っているのに、そいつがそれに気付かないくらいのにっぶい野郎だったら。俺様が、お前をもらってやってもいいぞ。俺様の一番で唯一無二はカインだから、愛人に、だけど」
「謹んでお断りします」
「即答かよ。しかも気持ちすら受けとらねーのか」
「そう言う冗談は、相手を選んで言って下さい」
「…何です?」
「もし、お前の想いが、その影守って奴に届かなかったら。お前がそんなにも想っているのに、そいつがそれに気付かないくらいのにっぶい野郎だったら。俺様が、お前をもらってやってもいいぞ。俺様の一番で唯一無二はカインだから、愛人に、だけど」
「謹んでお断りします」
「即答かよ。しかも気持ちすら受けとらねーのか」
「そう言う冗談は、相手を選んで言って下さい」
冗談じゃねーのに、とカラミティは言ってきているが、冗談に決まっている
それ以外はほぼ冗談でなく、冗談とは思えないことすら本気で言ってきている癖に、こう言う事だけ冗談を言ってきて
それ以外はほぼ冗談でなく、冗談とは思えないことすら本気で言ってきている癖に、こう言う事だけ冗談を言ってきて
ちぇー、と面白くなさそうなカラミティの様子に、美緒はそう考え、苦笑して見せた
カラミティが、どんな存在なのか
どれだけ恐れられ、どれだけ危険な存在なのか
どれだけ恐れられ、どれだけ危険な存在なのか
その真実を知らぬまま
美緒は、カラミティとの交流を、深めていっているのだった
美緒は、カラミティとの交流を、深めていっているのだった
to be … ?