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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - とある警察幹部の憂鬱-22

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 美緒が、コンに連絡を取り、影守と会う為の手引きをしてもらえる事になった、後日
 その当日よりは、前のこと



「そうか、美緒は、その影守って男と、ちゃんと会えるんだな」
「はい。日時は、後日コンさんが連絡してくださいます………ですから、あなたが残虐行為を働く必要はありません」

 いつものように唐突に現れ、勝手に美緒の部屋へと侵入してきたカラミティ
 もはや、それに慣れてしまった美緒は、そんなカラミティに対し、普通に反応していた
 …流石に、風呂上りの時に現れた場合は、何がなんでも一旦追い出すが

「そうか?お前が望むなら、影守って男を見張ってる連中なんて全部殺して。その影守って男連れ出して、お前とずっと一緒に居られるように、遠く逃がすことだってできるんだぜ?」
「…ですから、それは影守さんに迷惑がかかると言っているでしょう…それに、どうしてあなたは、そのような残虐行為に走りたがるのですか」
「だって、それが一番手っ取り早いぞ?」

 ため息交じりの美緒の言葉に、カラミティは不思議そうに首をかしげた
 …己の発言が、どれだけ残虐な意味を持っているのか、わかっていない
 そんな様子だ
 恐らく、カラミティ本人は、純粋に、美緒への親切心のつもりで言っているのだろう
 …これが、カラミティなりの親切心だと気付いた辺りで、美緒はだいぶ、カラミティの扱い方を心得てきたと言える
 あまり、嬉しくない技能だが

「だからと言って、そんな手段を使うのは良くありません。命を、そう簡単に奪っていいものではないでしょう」
「カインと同じ事言うんだな。話聞いた感じとか様子見てきた感じだと、あんな連中、死んでも特に問題なさそうだけどな」

 …いつの間に、様子を見てきたのだろう、この男は
 見つかったらどうするつもりなのか……いや、きっと、見つかっては居ないのだろう
 気配すら、感じさせなかったはずだ
 自称・大魔法使いのカラミティ
 そんなミスは、きっとしない
 …もし、見つかったり、気配を感じられたら………殺して、口封じしそうだし

「ま、いいや。もし、その影守って男と逃げたくなったら、いつでも言えよ?俺様が、世界中どこにだって逃がしてやるから」
「…気持ちだけ、受け取っておきます」

 小さく、苦笑する美緒
 冗談でも、承諾すれば、本当に叶えてくれかねない

「……あ、そうだ。な、美緒。あれ、また見せてくれよ」
「あれですか?少々お待ちください」

 ようやく、やや残酷さの混じる話題が終わった
 それにほっとしつつ、美緒は、カラミティが要求するそれを、取り出した
 携帯電話だ
 ワンセグも見る事ができるタイプの機種
 画像を映し出してやれば、カラミティは珍しそうに見つめてくる
 その表情は、まるで、新しいおもちゃを見つけた子供のようだ

「…そんなに珍しいですか?最近では、さほど珍しくもない機種なのですが…」
「だって、はるか遠くの映像を、こんな小さなもので映し出すんだぜ。凄い魔法だぞ」
「魔法…ではなく、科学なのですけどね」

 子供のように、ワンセグ携帯に夢中になっているカラミティ
 ワンセグが映し出す映像を、音楽を、カラミティは「魔法」だというのだ

「人間って、いつもそうだよな。魔法を、その科学って奴であっさり再現しやがる」
「あっさり、でもありませんよ?長い時間をかけて研究を重ね、作り上げたものなのですから」

 美緒はそう言うが、カラミティは納得いっていない様子だ
 魔法使いを名乗るカラミティ
 人間が、魔法を使わずに魔法的な事をやってのけるのが、不思議なのだろうか?

「馬のように…いや、馬よりも、早く走りたい。鳥のように空を飛びたい。そんな願いを、お前達人間は鉄の塊を動かし、飛ばす事で叶えた。遠くに居る者と話したい、映像を記録として残し、いつでも見られるようにする。魔法の力を借りないと実現できなかった事を、人間は全部、実現してきているだろ」
「確かに…人間は、魔法を否定し、科学を発達させましたからね」
「そうそう、それだよ」

 ぴ、と
 杖を向けてくるカラミティ
 杖の先端はぐるり、天井へと向かう

「人間は、魔法を否定して、科学の力に頼る。でも、俺様みたいに万能の魔法の力を使う存在からしてみりゃ、お前達は「科学」と言う「魔法」を使ってるようなもんさ」
「…そんなものですか?」
「そんなもんだよ。人間は願いを、科学という魔法で叶え続けている。そうやって、本来の俺様達が使うような魔法を忘れようとしてるのさ。自分達も、魔法を使って居る事に気付かないまま、な」

 ほら、と携帯を返してきたカラミティ
 それを受け取った美緒に対し、ニヤリと笑う

「まぁ、今んとこ、科学が限界があるみたいだけどな。でも、俺様の魔法には、限界なんてもんはないぜ?」

 そう言って、カラミティは杖を振る
 ぽんぽん、ぽぽぽん
 テーブルの上に、お菓子が広がった
 キャンディ、チョコレート、ケーキにゼリー、コンペイトウにクッキー、ゼリービーンズ
 あまぁいお菓子と、紅茶が入ったティーカップにティーポットが、カラミティの魔法で作り出された

「俺様が望めば、こうやって何でも手に入る。黄金を生み出すことも、命を自由自在にすることだって、できる。美緒は友達だから、美緒が望めば、何だって手に入れさせてやるぞ?」
「…気持ちだけ、受け取っておきます」

 小さく苦笑しての、美緒の言葉に
 やっぱり、カラミティは首をかしげる
 心底、心底、不思議そうに

「本当、美緒はカインと同じ事言うんだな。遠慮なんてしなくていいのに」
「していませんよ、遠慮なんて」

 魔法の力で、簡単に手に入れては意味がない
 美緒は、そう考える
 自分は、必要以上の富などいらないが、もし、富が欲しければ、それは自身が努力すればいい事だ
 苦労せずして得た富に、意味などない

 …人の想いも、また、同じ
 自分は、影守を想っている
 だが、その心を、超常的な力で強引に手に入れては、いけない
 自ら努力し、その想いを向けてもらえるようにしなければいけないのだ
 もっとも、美緒には、想いを告げる「勇気」が圧倒的に足りないのだが
 …そこに、勇気を与えてくれる些細な「おまじない」と言う名前の魔法
 せめて、それだけは許される、と…そう、信じたい

「……美緒」
「…何です?」
「もし、お前の想いが、その影守って奴に届かなかったら。お前がそんなにも想っているのに、そいつがそれに気付かないくらいのにっぶい野郎だったら。俺様が、お前をもらってやってもいいぞ。俺様の一番で唯一無二はカインだから、愛人に、だけど」
「謹んでお断りします」
「即答かよ。しかも気持ちすら受けとらねーのか」
「そう言う冗談は、相手を選んで言って下さい」

 冗談じゃねーのに、とカラミティは言ってきているが、冗談に決まっている
 それ以外はほぼ冗談でなく、冗談とは思えないことすら本気で言ってきている癖に、こう言う事だけ冗談を言ってきて

 ちぇー、と面白くなさそうなカラミティの様子に、美緒はそう考え、苦笑して見せた



 カラミティが、どんな存在なのか
 どれだけ恐れられ、どれだけ危険な存在なのか

 その真実を知らぬまま
 美緒は、カラミティとの交流を、深めていっているのだった




to be … ?





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