「首塚」所有の、離れ小島
年末年始、ここはずいぶんと賑やかになる
年末年始、ここはずいぶんと賑やかになる
年末からは将門がこの島に来るし、年始には普段、離れ小島にいない側近組達が年始の挨拶にやってくるからだ
ここに保護されている子供達にとって、普段顔を見る事ができない側近組達との触れ合いは楽しいものなのだろう
自然と、騒がしくなる
ここに保護されている子供達にとって、普段顔を見る事ができない側近組達との触れ合いは楽しいものなのだろう
自然と、騒がしくなる
「ん…また、誰か来たのか?」
きゃあきゃあと、子供達の声が大きくなった事を感じ取り、彼、「魔除けのお札」の契約者 札付 賢(ふだつき まさる)は、布団から起き上がった
…頭が、ガンガンと痛む
昨晩、将門の酒に付き合わされた結果だ
特別に酒に弱い訳でもないが強い訳でもない彼には将門の飲むペースについていくなど、到底無理だったようだ
…頭が、ガンガンと痛む
昨晩、将門の酒に付き合わされた結果だ
特別に酒に弱い訳でもないが強い訳でもない彼には将門の飲むペースについていくなど、到底無理だったようだ
「……昼過ぎか」
さて、お節はまだ残っているかどうか
まぁ、翼が来ているだろうから、何かしら頼めば作ってくれるだろう
…玲人に頼んでもいいが、あれに頼むと十中八九、カレー関連の物しか作ってくれないから、最終手段だ
契約都市伝説的に仕方ないのかもしれないが、カレー責めは勘弁してほしい
まぁ、翼が来ているだろうから、何かしら頼めば作ってくれるだろう
…玲人に頼んでもいいが、あれに頼むと十中八九、カレー関連の物しか作ってくれないから、最終手段だ
契約都市伝説的に仕方ないのかもしれないが、カレー責めは勘弁してほしい
…昨年の新年会以降から、「首塚」に保護される事となった賢
「組織」にいた頃とは、どこまでも違う生活を送ってきた
魔除けのお札と言う、結界系能力を保持している彼は、「組織」では裏方として、現場で実際に戦闘を行う黒服や契約者達からは下に見られて、見下されてきたが、ここではそんな事もない
どこか暖かく、しかし、悲しみや絶望、寂しさを背負った子供達との生活
一応、彼以外にも大人はいるのだが、大半が子供なのだ
……かつて、自分がいた「組織」が、どれだけの数の子供達の親を奪ってきたのか、その事実を思い知らされる
「組織」から逃げた者以外もいるとは言え、「組織」の手から保護された者が多いのだから
………それでも
ここでの生活も、悪くない
「組織」にいた頃とは、どこまでも違う生活を送ってきた
魔除けのお札と言う、結界系能力を保持している彼は、「組織」では裏方として、現場で実際に戦闘を行う黒服や契約者達からは下に見られて、見下されてきたが、ここではそんな事もない
どこか暖かく、しかし、悲しみや絶望、寂しさを背負った子供達との生活
一応、彼以外にも大人はいるのだが、大半が子供なのだ
……かつて、自分がいた「組織」が、どれだけの数の子供達の親を奪ってきたのか、その事実を思い知らされる
「組織」から逃げた者以外もいるとは言え、「組織」の手から保護された者が多いのだから
………それでも
ここでの生活も、悪くない
そんな事を考えながら、賢は布団から起き上がった
わいわいきゃあきゃあ、賑やかな大広間へと足を運ぶ
わいわいきゃあきゃあ、賑やかな大広間へと足を運ぶ
「ねー、何か足りなくない?」
「ん~、何か足りない~」
「待て、これ以上何をするつもりだ?何をするつもりだお前らっ!?」
「ん~、何か足りない~」
「待て、これ以上何をするつもりだ?何をするつもりだお前らっ!?」
聞こえてくるのは、賑やかで無邪気なちみっこの声と、そのちみっこ達の話す内容に嫌な予感を覚えているらしい翼の声
日景 翼と言う、側近組の中でもずいぶん目立つ存在らしいその青年に関しては、「組織」にいた頃からある程度の情報はもっている
ただ、「組織」にいた頃は、その戦闘での容赦のなさだけを聞かされていた為、どれだけ残忍な性格なのか、と思っていた
…「首塚」に加わって、翼とほんのわずかとは言え関わって、その印象は消え去ったが
日景 翼と言う、側近組の中でもずいぶん目立つ存在らしいその青年に関しては、「組織」にいた頃からある程度の情報はもっている
ただ、「組織」にいた頃は、その戦闘での容赦のなさだけを聞かされていた為、どれだけ残忍な性格なのか、と思っていた
…「首塚」に加わって、翼とほんのわずかとは言え関わって、その印象は消え去ったが
子供に甘く、時としてちみっこ達のおもちゃにされている翼
高確率で、今もおもちゃにされている事だろう
…解放させてやる意味でも、何か軽く食べられる物を作ってもらおうか
高確率で、今もおもちゃにされている事だろう
…解放させてやる意味でも、何か軽く食べられる物を作ってもらおうか
襖に手をかけ、開きながら声をかける
「日景、何か、軽く食べられるもん……作っ………て……」
が
言葉は、最後まで続かなかった
言葉は、最後まで続かなかった
「ほら、あれよ。今年の干支は何だったかしら?」
「え?えっと………ウサギー!」
「わかった!ウサギ耳だー!」
「望ぃいいいいいいいいっ!!??何入れ知恵してんだお前はぁああああああ!!??」
「え?えっと………ウサギー!」
「わかった!ウサギ耳だー!」
「望ぃいいいいいいいいっ!!??何入れ知恵してんだお前はぁああああああ!!??」
その、大広間の中で
翼は、複数人のちみっこ達に組み伏せられて……何と言うか、露出が凄いことになっている女物の服を着せられていた
賢はフェアリー・モートに行った事がないので、その制服といわれてもピンとこないだろう
それにスクール水着を合体させたような衣服(と言うか、こんな物誰が用意してここに持ち込んだのだろう)
さらに、その体には、真っ赤な蛇が巻きついて、その動きを束縛していた
確か、保護されたちみっこの中に「蛇使い」の契約者がいたから、それが召喚した蛇だろう、楽しそうに笛を吹いているのがそれだ
…その、蛇の巻き付き方が……何というか、卑猥だ
そして、結界系能力を保持している為に、賢にはわかる
「絶対領域」の契約者のちみっこの能力によって、大広間内に結界が展開、翼が逃げられないようになっている
……何と言う包囲網
翼は、複数人のちみっこ達に組み伏せられて……何と言うか、露出が凄いことになっている女物の服を着せられていた
賢はフェアリー・モートに行った事がないので、その制服といわれてもピンとこないだろう
それにスクール水着を合体させたような衣服(と言うか、こんな物誰が用意してここに持ち込んだのだろう)
さらに、その体には、真っ赤な蛇が巻きついて、その動きを束縛していた
確か、保護されたちみっこの中に「蛇使い」の契約者がいたから、それが召喚した蛇だろう、楽しそうに笛を吹いているのがそれだ
…その、蛇の巻き付き方が……何というか、卑猥だ
そして、結界系能力を保持している為に、賢にはわかる
「絶対領域」の契約者のちみっこの能力によって、大広間内に結界が展開、翼が逃げられないようになっている
……何と言う包囲網
大広間内には、賢が会った事もない、高校生くらいの少女が二人…よく似ている容姿。姉妹、それも双子だろうか…がいたのだが、そちらに挨拶する余裕もない
「あ、賢にいちゃーん」
「起きたの~?」
「頭痛くない?だいじょーぶ?」
「へ?………っちょ、札付っ!?見るな、こっち見んなぁああああああっ!!??」
「起きたの~?」
「頭痛くない?だいじょーぶ?」
「へ?………っちょ、札付っ!?見るな、こっち見んなぁああああああっ!!??」
翼にウサギ耳カチューシャをつけようとしていたちみっこ達が、賢に気付いて声をあげる
そして、その声で、翼が、賢が来た事に気付き…その日焼けした肌を赤く紅潮させて、叫んだ
そして、その声で、翼が、賢が来た事に気付き…その日焼けした肌を赤く紅潮させて、叫んだ
…露出ギリギリの衣服
卑猥に巻き付く蛇
ちみっこ達に抑え付けられている状況
羞恥心からか、若干涙目の表情
卑猥に巻き付く蛇
ちみっこ達に抑え付けられている状況
羞恥心からか、若干涙目の表情
全ての、状態が
色んな意味で、新世界への扉へと、思考を誘わせようとしている
翼には、一切合切、そんな自覚はないだろうが
色んな意味で、新世界への扉へと、思考を誘わせようとしている
翼には、一切合切、そんな自覚はないだろうが
「…………悪いっ!!邪魔した!!!」
「っちょ、ま、待てっ!?助けろ!?せめて俺を助けろぉおおおおっ!!??」
「っちょ、ま、待てっ!?助けろ!?せめて俺を助けろぉおおおおっ!!??」
だっ!!と
すんでの所で新世界の扉を開けるには踏みとどまった賢
が、これ以上、翼を見ていてはその誘惑に耐えられそうにないので、逃げ出す事にした
背後から、女装男子の気配を感じとったらしい玲人が「女装男子最高ぉおおおおお!!」とか叫んでいる声とか、それをカレーおじさんがカレー鍋で殴りつけている音とかが聞こえてきたが、突っ込みに戻る余裕もない
すんでの所で新世界の扉を開けるには踏みとどまった賢
が、これ以上、翼を見ていてはその誘惑に耐えられそうにないので、逃げ出す事にした
背後から、女装男子の気配を感じとったらしい玲人が「女装男子最高ぉおおおおお!!」とか叫んでいる声とか、それをカレーおじさんがカレー鍋で殴りつけている音とかが聞こえてきたが、突っ込みに戻る余裕もない
……この離れ小島での、「首塚」に保護されての生活は、札付 賢にとって、悪いものではない
むしろ、どこか心地よく、穏やかな、暖かなものである
むしろ、どこか心地よく、穏やかな、暖かなものである
ただ、ただ
……時として、こうやって、新世界への扉を開きそうになってしまう、この事実
……時として、こうやって、新世界への扉を開きそうになってしまう、この事実
違ううんだ、俺はノンケだ男にゃ興味ない
そう自分に言い聞かせるように呟き続けながら、賢は自室に戻り、再び布団の中に潜り込んだのだった
そう自分に言い聞かせるように呟き続けながら、賢は自室に戻り、再び布団の中に潜り込んだのだった
続くかどうかなんて一切わからない