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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 悪意が嘲う・悪意が消えたその後に・純白の騎士-05a

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 バーナード・サプスフォード
 かつて、「MI6」に所属していた人間である
 …「MI6」と言っても、「裏のMI6」である
 人ならざる者達が、そしてそれらの契約者達が所属するMI6
 その組織において、バーナードは、数少ない「契約者ではなく、都市伝説でもない」所属者であった
 契約者ではなく、都市伝説でもない……すなわち、ただの人間
 どうも、契約に必要な器が小さすぎて、どのような存在とも契約が不可能だったらしい
 たまに、いるのだ、そういう人間が
 たまたま、バーナードはそういう人間であったらしい
 その圧倒的に不利なはずのその条件で、しかし、彼は優秀な諜報員であった
 ただの人間である不利を、知恵と機転で乗り越えてきた
 ………そんな男が、もう歳だからそろそろ引退すると、最後に選んだ仕事は、「教会」に関する仕事だった

「この仕事が最後さ。足を洗って、孫と静かに暮らすよ………なぁに、いい情報源があるんだ、期待していてくれ」

 その言葉が、最後に合った彼の言葉だったと、記憶している
 …パスカル・ハドソンは、バーナードと言う男と、さほど長い付き合いではなかった
 そもそも、パスカルがMI6に所属した時期と、バーナードが殺害された時期は、さほど離れていなかったのだから

 それでも、あの男が優秀な諜報員である事を、パスカルはよくわかっていた


 だからこそ、信じられなかった
 バーナードが殺害され……彼と共に暮らしていたはずの、彼の孫娘の行方が分からなくなかった
 その話を聞いた時……すぐに信じる事など、できなかったのだ



 端末からのアクセスで得られた情報は、さほど多くない
 …バーナードが生前調べていた情報に関しては、ほとんどが持ち去られてしまっていて、「教会」の何を調べていたのか、判断する事すらできなかった
 残留思念などを読み取れる能力者が調べても、あまりに強すぎる人外の痕跡に邪魔されて、ノイズが強すぎて何も読み取れなかった
 そのような状態で、「教会」を調べることなどできず
 そして、「教会」にも情報を抑え込まれ、調査不可能
 数少なくわかっていた情報は、バーナードが言っていた「いい情報源」とやらが、褐色の肌に黒い髪、黒い瞳の青年だった事くらい
 その青年もまた、行方をつかむことができず、バーナードを殺したのが明らかに「教会」であるとわかりながら、「MI6」は動くことができなかった…………

 ……ちらり、パスカルは今だ眠り続けているディランに視線を向けた
 …黒い髪、褐色の肌
 譫言で謝罪を繰り返している、そのうわ言の中に「バーナード」の名前が、何度か出てきている事実
 バーナードの言っていた情報源は……恐らく、ディランだったのだろう

「ヘンリー、あのディランと言う男だが……「教会」の関係者か?」
「まさか。あの人は淫魔だ。どちらかと言うと「教会」の討伐対象だな」

 ……まぁ、それもそうか
 パスカルが納得しかけたところで「あ、でも」、とヘンリーは続ける

「ただ、あの人は淫魔として、大分古い人だから……「教会」生まれの可能性はある」
「淫魔が、「教会」生まれ?」
「そもそも、淫魔を生み出したのは教会だし」

 何故、淫魔は生まれたか?
 …それは、「言い訳」の為
 夢精の言い訳、修道院内で子をなしてしまった修道女が出た時の言い訳
 自分達の欲を、姦淫を隠す為の隠れ蓑
 その為に、淫魔は生み出された
 初期の頃の淫魔達は、大半が「教会」の中で生まれた
 その事実を、ヘンリーはシスター・ドリスから習った事があった
 それを、パスカルに伝える

「…それじゃあ、関係者だった可能性が、あるのか」
「言われてみれば、やけに「教会」内部に詳しかった気もする。てっきり、シスター・ドリスから話を聞いていたせいだと思っていたが…」

 膝枕された状態のまま、器用に首をかしげたヘンリー
 …襲われた理由は、そこか?

「あの人を襲ったのは、ニーナ・サプスフォードで間違いない、か?」
「俺はその場面を見てはいないが、あそこの乙女が言ってたから、間違いはないと思う。俺も、あそこから逃げていくニーナは見たし」

 ニーナが、ディランを襲った
 …ディランが、バーナードを殺したと
 ニーナは、そう考えているのか?

 いや、それよりも

「…ニーナは、「教会」の、一員なのか?」
「あぁ、それは間違いない」

 パスカルの言葉に、断言するヘンリー
 間違いないと、はっきり、断言する

「それも、エイブラハム・ヴィシャスの管轄下だったはずだ」
「…「教会」の強硬派筆頭の下か。よりによって」
「それでも、「教会」に来てすぐの頃はカインの世話になってたし。その後もカイザー司祭とかが面倒見ていたりしてたはずだから、そんなに歪んではいない…と、思うが」

 …ここは、やや自身なさげに言ってくる
 実際、ニーナはディランを襲撃したのだ
 ヘンリーは、ニーナがディランを「淫魔だから」と言う理由で襲撃したのだろうと、そう考えているようだ

「…ニーナが、どういうきっかけで「教会」に所属したのか、知ってるか?」
「いや、詳しくは。あんなに幼い子だし、俺が初めて見た時にはもう乙女じゃなかったから………「教会」では、親を亡くして引き取られてくるような子供が多いから、そういう事情だと思って、詳しく聞こうとも思わなかったし」
「そうか…」

 それは、そうか
 そのような子供達は、重い、暗い事情を背負っている子供達が多いのだ
 過去を穿り返すような真似はできないだろう

(………あれ?)

 待て
 ちょっと……待て?

「…乙女じゃ、なかった?」
「あぁ」
「……間違いないのか?あの子、まだ12歳より年下だったはずだぞ?」

 「教会」に来たのは…恐らく、バーナードが死亡した直後
 あの頃だと、10歳以下のはず………

「間違いないぞ。なぁ?」
「ひひん」

 いつの間にやら姿を現して、膝枕順番待ちスタンバシ体勢のユニコーンが頷いた
 ……ユニコーンがそう認識したのなら、間違いない、と言うことか


 何が
 何があったというのか

 バーナードの死後、ニーナの身に何が起きたというのか
 …まだ……情報が、少なすぎる

 ディランの部屋にある、写真たて
 そこに飾られている写真に写っているニーナは、バーナードに抱き上げられて、幸せそうな表情を浮かべていた
 ……己の身に悲劇が訪れるなど、予感もしていない、無垢な笑顔で










to be … ?




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