これはオレ、[日向 勇弥(ひゅうがユウヤ)]がまだ小学1年生だった時の話だ。
オレは俗に金持ちと呼ばれる部類らしいが、そんな事はオレは知らなかった。
ただ友達がいっぱいいて、幸せな人生を送っている。そんな感覚だった。
オレは俗に金持ちと呼ばれる部類らしいが、そんな事はオレは知らなかった。
ただ友達がいっぱいいて、幸せな人生を送っている。そんな感覚だった。
だがいつか、ふと考えてしまったんだ。「この友達は『造られた友達』なんじゃないのか?」と。
親が開発業を営んでいたため
「何か自分が実験動物のような、何かを作るための道具なんじゃないのか」と考えるようになってしまった。
まぁ、簡単に言えば、世界最年少の人間不信に陥ったって事だ。
親が開発業を営んでいたため
「何か自分が実験動物のような、何かを作るための道具なんじゃないのか」と考えるようになってしまった。
まぁ、簡単に言えば、世界最年少の人間不信に陥ったって事だ。
―――だがある日、この人間不信が大きく加速した―――
いつも通り、買い与えられていたパソコンでネットをしていた。もちろん自分の疑問を解決するためだ。
今思えば、そんな疑問の解答が出る訳がないと思うが、オレはある言葉に直面した。
今思えば、そんな疑問の解答が出る訳がないと思うが、オレはある言葉に直面した。
【電脳世界=自然界論】
コンピューターの基本は1と0で構成されている。これは陽と陰の二極理論と一致、その他の数字にも関連がある。
よって、『コンピューターというのは、小さな箱の中で世界を再現しようとする試み』なのだ。
コンピューターの基本は1と0で構成されている。これは陽と陰の二極理論と一致、その他の数字にも関連がある。
よって、『コンピューターというのは、小さな箱の中で世界を再現しようとする試み』なのだ。
オレはその言葉を見た時、絶望した。何故かこの逆を考えたんだ。
「自分は本当は存在せず、自分の父親によって造られたプログラムでしかないのではないか?」と。
所詮自分は親の金儲けのための実験道具でしかなかった。そう思って叫んださ。
「自分は本当は存在せず、自分の父親によって造られたプログラムでしかないのではないか?」と。
所詮自分は親の金儲けのための実験道具でしかなかった。そう思って叫んださ。
勇弥「そんな事に使われるんなら、精一杯暴れてやるよ!この世界を、支配してでも!」
―――ケイヤク、ショウニン―――
その時、頭の中に、たしか女性の声が聞こえた。
今でこそ声の主は分かるが、当時は何が起こったかも分からず、そのまま次の日を迎えた。
今でこそ声の主は分かるが、当時は何が起こったかも分からず、そのまま次の日を迎えた。
―――だが次の日には、自分の体の異変に気がついた―――
しっかりとは覚えていないが、外にいる時にふと蜂が現れたんだ。それも結構大きいのが。あれは怖かったな。
勇弥「(なんだよなんだよ来るな来るな来るな消えろ消えろ消えろ消えろ)」
そして、その蜂が俺の腕に止まって、刺される!って思ったんだ。すると・・・、消えたんだ。
たしか頭痛がしたと思う、その時は刺されたと思ったけど、実際は刺されずに蜂だけ消えて、何故か頭に蜂についての情報が流れてきたんだ。
その時理解したんだ。自分が得た力を。
―――オレはその時、この世界を支配した事を確信した―――
たしか頭痛がしたと思う、その時は刺されたと思ったけど、実際は刺されずに蜂だけ消えて、何故か頭に蜂についての情報が流れてきたんだ。
その時理解したんだ。自分が得た力を。
―――オレはその時、この世界を支配した事を確信した―――
『消えろ』と願ったから蜂が消えた。これはその時の思い込みではなく事実だ。気付いた人は気付いただろう。
そう、【電脳世界=自然界論】と契約したのだ。
もっとも、その時は「このコンピュータを意のままにできるようになったんだ」としか思わなかったが。
そしてオレはその力で、力の限り暴れ、全てを破壊する事を誓った。
そう、【電脳世界=自然界論】と契約したのだ。
もっとも、その時は「このコンピュータを意のままにできるようになったんだ」としか思わなかったが。
そしてオレはその力で、力の限り暴れ、全てを破壊する事を誓った。
?少年「あっ!勇弥くーん!」
その時、通学路の向こうから、クラスメイトの1人が手を振っていた話しかけてきた。
それは、幼稚園の時から仲の良かったやつだった。
今まで友達だと思っていたやつも、真実を知れば、憎たらしく思えてきた。
(「この友達は作り物だったんだ」「友情に関する実験のためのプログラムだ」「―――オレは遊ばれていたんだ」)
オレはそのクラスメイトを消そうと考えた。
それは、幼稚園の時から仲の良かったやつだった。
今まで友達だと思っていたやつも、真実を知れば、憎たらしく思えてきた。
(「この友達は作り物だったんだ」「友情に関する実験のためのプログラムだ」「―――オレは遊ばれていたんだ」)
オレはそのクラスメイトを消そうと考えた。
勇弥「なぁ、―――、握手しないか?」
?少年「ん?いいよ。」ニコッ
?少年「ん?いいよ。」ニコッ
蜂の例から、1度触れないと消せない事が分かったので、握手すると言って消してやろうと思った。
オレの手とそいつの手が触れ合い―――そして頭に激痛が走る。
オレの手とそいつの手が触れ合い―――そして頭に激痛が走る。
勇弥「ッ!?いっつぅ・・・!」
?少年「え?!だいじょうぶ?」
勇弥「・・・あぁ、大丈夫だ。よし、もう学校に行くぞ。」
?少年「・・・うん!」
?少年「え?!だいじょうぶ?」
勇弥「・・・あぁ、大丈夫だ。よし、もう学校に行くぞ。」
?少年「・・・うん!」
そう言ってオレの背中を支えてくれた。オレはこいつをいつでも消せる、そういう状態だった。
だが出来なかった。オレの頭の中に、そいつの情報が流れたんだ。
だが出来なかった。オレの頭の中に、そいつの情報が流れたんだ。
―――そいつの、オレの事を本当の友達だと思ってくれている、優しい心が―――
あの時何故かそれが信用できたんだ。温かいような、優しいような・・・。
頭の中に流れるそいつの心が、目から溢れ出ようとする。
その優しさを、勘違いなんかで消そうと思った自分が辛かった。一思いに消してやりたかった。
頭の中に流れるそいつの心が、目から溢れ出ようとする。
その優しさを、勘違いなんかで消そうと思った自分が辛かった。一思いに消してやりたかった。
―――ふと気がつくと、オレは無意識に山を登っていた。何処かへ行こうとしたんだと思う。
だがどうであれ、迷子になったんだ。
だがどうであれ、迷子になったんだ。
勇弥「・・・どうしよう、出口はどっちだ?」
出口を探してさ迷っていると、不意に“ガサガサッ!”と草叢から何かが飛び出した。
?化け物?「“ドスッ”グルルル・・・。」
勇弥「な、なんだこの化け物ッ?!」
勇弥「な、なんだこの化け物ッ?!」
毛むくじゃらで、鋭い犬歯で、その時はそれが化け物にしか見えなかった。
後で調べると、それは【狼少年】だという事が分かった。
後で調べると、それは【狼少年】だという事が分かった。
【狼少年(おおかみしょうねん)】とは、野生児の一種で、
オオカミに育てられた、あるいは育てられたとされる、人間の男子のことである。女子の場合は普通【狼少女】と呼ばれる。
事例によっては、四本足で行動し、昼間は不活発もしくは眠って夜に活動し、
生肉・臓物など調理されていない食品を好み、言葉は全く発せず、唸り声を上げ遠吠えをする、といった特徴が挙げられる。
オオカミに育てられた、あるいは育てられたとされる、人間の男子のことである。女子の場合は普通【狼少女】と呼ばれる。
事例によっては、四本足で行動し、昼間は不活発もしくは眠って夜に活動し、
生肉・臓物など調理されていない食品を好み、言葉は全く発せず、唸り声を上げ遠吠えをする、といった特徴が挙げられる。
これがオレが最初に戦った都市伝説だ。
狼少年「グオォォー!」バンッ!
勇弥「く、来るなァァァッ!」
勇弥「く、来るなァァァッ!」
急に【狼少年】が飛び掛ってきた。喰われる!オレは半分諦めていた。
―――その時、何故かオレは目の前の空気が壁になる事を願っていた。
―――その時、何故かオレは目の前の空気が壁になる事を願っていた。
勇弥「“ズキンッ!”くぅッ!?」
狼少年「グオォォ“バン!”ギャンッ!?」
狼少年「グオォォ“バン!”ギャンッ!?」
すると頭に激痛が走り、空気に関する事が一気に頭の中に流れた。
と同時に、目の前に0と1のようなマークに囲まれた空間があって、それが壁になっていた。
【狼少年】はそれにぶつかって怯む。よく分からないが今の内に逃げよう!そう考えていたんだが、ふと考えが変わった。
と同時に、目の前に0と1のようなマークに囲まれた空間があって、それが壁になっていた。
【狼少年】はそれにぶつかって怯む。よく分からないが今の内に逃げよう!そう考えていたんだが、ふと考えが変わった。
勇弥「(もしまた誰かがここに入り込んだらどうなるんだ?この化け物に襲われて、助かるのか?)」
―――俺にしか倒せないんじゃないのか?―――
壁になった空間を避けて、【狼少年】が飛び掛ってくる。
だがオレはあえて逃げなかった。【狼少年】が俺に噛み付く。
だがオレはあえて逃げなかった。【狼少年】が俺に噛み付く。
狼少年「グアァァ!」ガブッ!
勇弥「ぐぁ、・・・くれてやるよ、そんなもの!だがお前には、消えてもらう!」
勇弥「ぐぁ、・・・くれてやるよ、そんなもの!だがお前には、消えてもらう!」
【狼少年】の首を掴み、必要な情報を見つける。そして―――削除。
狼少年「グ?グオォォォ・・・!」
【狼少年】の姿がだんだんと消えて、0と1のようなマークが弾けていく。
そして最後には、0と1のようなマークが淡く光って、消えていった。
そして最後には、0と1のようなマークが淡く光って、消えていった。
勇弥「“はぁ・・・”やった、やったぞいってえぇッ!」
突然、肩の痛みと頭痛がいっぺんにオレを襲う。むしろ、何故、数分ほど耐えられたのかの方が謎である。
勇弥「いってぇ・・・!ははは・・・。」
涙目になって痛がっていたが、ふと笑ってしまった。「生きているんだな」と、「造られてなんかいないんだ」と実感したからだ。
笑っていると、5時を知らせるチャイムが鳴り響く。
笑っていると、5時を知らせるチャイムが鳴り響く。
勇弥「さて、帰らねぇと。・・・どっちなんだ?」
オレはまた何十分か歩き続ける。しかし脚に疲労が溜まり、遂に力尽きて倒れてしまった。
勇弥「(ちくしょ、ここで死ぬのか・・・。別にそれでもいいか・・・。)」
―――『あいつ』を消そうとしたから、バチが当たったのか?―――
―――だとしても、出来る事なら―――
―――最後に、『あいつ』に謝りたかった―――
―――あそこに見える光にも辿り着けずに、ここで死ぬのか―――
―――『光』?―――
勇弥「ひ、光だ!」
オレはそっちに町があると信じた。信じて走り続け、そして―――
勇弥「・・・ここは?」はぁ、はぁ・・・
そこは、神社だった。オレはこの時やっと思い出した。オレはここに来たかったんだと。
ここはあいつに教えられて、前に来た場所だった。ここからなら・・・。
そこには、夕焼けに彩られた町があった。その光景がとても綺麗で、今でも鮮明に覚えている。
ふと、あいつが言っていた、あの時聞き流していた言葉が頭に流れた。
ここはあいつに教えられて、前に来た場所だった。ここからなら・・・。
そこには、夕焼けに彩られた町があった。その光景がとても綺麗で、今でも鮮明に覚えている。
ふと、あいつが言っていた、あの時聞き流していた言葉が頭に流れた。
―――きれいでしょ?お父さんに連れて来てもらったんだ。―――
―――この町で、みんなが幸せにくらせたらいいよね―――
―――勇弥くんもそう思わない?―――
勇弥「あぁ、そう思う。」
その時、オレは誓ったんだ。『あの夢』を―――。
オレはその後、この時見た光景とその時誓った夢を糧に歩き続けた。
なんとか自分の家の前まで辿り着き・・・とうとう倒れた。
なんとか自分の家の前まで辿り着き・・・とうとう倒れた。
―――ユウヤ、聞こえますか?―――
眠っていたはずだったのに、何故か声が聞こえる。夢だとはすぐ分かった。
オレは呼びかけに、口が開かないので心の中に念じて答える。
オレは呼びかけに、口が開かないので心の中に念じて答える。
勇弥「(これは夢か?あんたは誰だ?)」
―――もう、あなたは1人でもない、造られた存在でもない、それは分かりましたか?―――
勇弥「(あぁ、分かったよ。・・・お前のおかげなのか?だったら、ありがとう。)」
―――例には及びません―――ただ寂しそうなあなたに、本当の事を教えたかっただけです―――
勇弥「(・・・なぁ、お前はこれからも一緒か?)」
―――その方が良いなら、好きになさい―――あなたが決めればいい―――
勇弥「(なら、これからもオレと一緒に戦ってくれ。約束だぞ?)」
―――良いでしょう、共に戦いましょう―――
勇弥「(これからもよろしくな、【電脳世界=自然界論】。)」
そういった後ぐらいに、オレは目覚めた。そして親に、こっ酷く怒られたのであった。
だが、その時の説教と、その時の顔と、その時の抱擁。全部忘れられない、良い思い出だった。
だが、その時の説教と、その時の顔と、その時の抱擁。全部忘れられない、良い思い出だった。
―――そういう訳で、オレは【電脳世界=自然界論】と契約した。頭痛で苦しんだりこそするが、別に後悔はしていない。
この都市伝説と契約したおかげで、オレは変わる事が出来たんだ。【電脳世界=自然界論】と・・・。
この都市伝説と契約したおかげで、オレは変わる事が出来たんだ。【電脳世界=自然界論】と・・・。
正義「あ、勇弥くん!おはよぉー!」
この[黄昏正義(たそがれマサヨシ)]のおかげで。
だからオレは、こいつに恩返しをする。
だからオレは、こいつに恩返しをする。
勇弥「おぉ!おはよう、[セイギ]!」
こいつが『正義』を語るのなら、オレもその『正義』を背負って、この町を守る。
正義「『セイギ』?」
勇弥「お前は今日から[セイギ]だ!そう呼ばせてもらう!」
勇弥「お前は今日から[セイギ]だ!そう呼ばせてもらう!」
そしてこの町を、永遠に平和で幸せに暮らせる町にしてやる。オレはあの日、そう誓ったんだ。
正義「ふぅん・・・。いいよ!」
勇弥「よし!あ、そうだ正義、【恐怖の大王】って知ってるか?」
正義「『きょうふのだいおう』?なにそれ?」 勇弥「あのな――――――」
勇弥「よし!あ、そうだ正義、【恐怖の大王】って知ってるか?」
正義「『きょうふのだいおう』?なにそれ?」 勇弥「あのな――――――」
―――これがオレの、『世界が変わった日』だ―――
番外「世界が変わった日」―完―