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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 舞い降りた大王-04b

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Retsuya

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これはオレ、[日向 勇弥(ひゅうがユウヤ)]がまだ小学1年生だった時の話だ。
オレは俗に金持ちと呼ばれる部類らしいが、そんな事はオレは知らなかった。
ただ友達がいっぱいいて、幸せな人生を送っている。そんな感覚だった。

だがいつか、ふと考えてしまったんだ。「この友達は『造られた友達』なんじゃないのか?」と。
親が開発業を営んでいたため
「何か自分が実験動物のような、何かを作るための道具なんじゃないのか」と考えるようになってしまった。
まぁ、簡単に言えば、世界最年少の人間不信に陥ったって事だ。

―――だがある日、この人間不信が大きく加速した―――

いつも通り、買い与えられていたパソコンでネットをしていた。もちろん自分の疑問を解決するためだ。
今思えば、そんな疑問の解答が出る訳がないと思うが、オレはある言葉に直面した。

【電脳世界=自然界論】
コンピューターの基本は1と0で構成されている。これは陽と陰の二極理論と一致、その他の数字にも関連がある。
よって、『コンピューターというのは、小さな箱の中で世界を再現しようとする試み』なのだ。

オレはその言葉を見た時、絶望した。何故かこの逆を考えたんだ。
「自分は本当は存在せず、自分の父親によって造られたプログラムでしかないのではないか?」と。
所詮自分は親の金儲けのための実験道具でしかなかった。そう思って叫んださ。

勇弥「そんな事に使われるんなら、精一杯暴れてやるよ!この世界を、支配してでも!」

―――ケイヤク、ショウニン―――

その時、頭の中に、たしか女性の声が聞こえた。
今でこそ声の主は分かるが、当時は何が起こったかも分からず、そのまま次の日を迎えた。

―――だが次の日には、自分の体の異変に気がついた―――

しっかりとは覚えていないが、外にいる時にふと蜂が現れたんだ。それも結構大きいのが。あれは怖かったな。

勇弥「(なんだよなんだよ来るな来るな来るな消えろ消えろ消えろ消えろ)」

そして、その蜂が俺の腕に止まって、刺される!って思ったんだ。すると・・・、消えたんだ。
たしか頭痛がしたと思う、その時は刺されたと思ったけど、実際は刺されずに蜂だけ消えて、何故か頭に蜂についての情報が流れてきたんだ。
その時理解したんだ。自分が得た力を。
―――オレはその時、この世界を支配した事を確信した―――

『消えろ』と願ったから蜂が消えた。これはその時の思い込みではなく事実だ。気付いた人は気付いただろう。
そう、【電脳世界=自然界論】と契約したのだ。
もっとも、その時は「このコンピュータを意のままにできるようになったんだ」としか思わなかったが。
そしてオレはその力で、力の限り暴れ、全てを破壊する事を誓った。

?少年「あっ!勇弥くーん!」

その時、通学路の向こうから、クラスメイトの1人が手を振っていた話しかけてきた。
それは、幼稚園の時から仲の良かったやつだった。
今まで友達だと思っていたやつも、真実を知れば、憎たらしく思えてきた。
(「この友達は作り物だったんだ」「友情に関する実験のためのプログラムだ」「―――オレは遊ばれていたんだ」)
オレはそのクラスメイトを消そうと考えた。

勇弥「なぁ、―――、握手しないか?」
?少年「ん?いいよ。」ニコッ

蜂の例から、1度触れないと消せない事が分かったので、握手すると言って消してやろうと思った。
オレの手とそいつの手が触れ合い―――そして頭に激痛が走る。

勇弥「ッ!?いっつぅ・・・!」
?少年「え?!だいじょうぶ?」
勇弥「・・・あぁ、大丈夫だ。よし、もう学校に行くぞ。」
?少年「・・・うん!」

そう言ってオレの背中を支えてくれた。オレはこいつをいつでも消せる、そういう状態だった。
だが出来なかった。オレの頭の中に、そいつの情報が流れたんだ。

―――そいつの、オレの事を本当の友達だと思ってくれている、優しい心が―――

あの時何故かそれが信用できたんだ。温かいような、優しいような・・・。
頭の中に流れるそいつの心が、目から溢れ出ようとする。
その優しさを、勘違いなんかで消そうと思った自分が辛かった。一思いに消してやりたかった。

―――ふと気がつくと、オレは無意識に山を登っていた。何処かへ行こうとしたんだと思う。
だがどうであれ、迷子になったんだ。

勇弥「・・・どうしよう、出口はどっちだ?」

出口を探してさ迷っていると、不意に“ガサガサッ!”と草叢から何かが飛び出した。

?化け物?「“ドスッ”グルルル・・・。」
勇弥「な、なんだこの化け物ッ?!」

毛むくじゃらで、鋭い犬歯で、その時はそれが化け物にしか見えなかった。
後で調べると、それは【狼少年】だという事が分かった。

【狼少年(おおかみしょうねん)】とは、野生児の一種で、
オオカミに育てられた、あるいは育てられたとされる、人間の男子のことである。女子の場合は普通【狼少女】と呼ばれる。
事例によっては、四本足で行動し、昼間は不活発もしくは眠って夜に活動し、
生肉・臓物など調理されていない食品を好み、言葉は全く発せず、唸り声を上げ遠吠えをする、といった特徴が挙げられる。

これがオレが最初に戦った都市伝説だ。

狼少年「グオォォー!」バンッ!
勇弥「く、来るなァァァッ!」

急に【狼少年】が飛び掛ってきた。喰われる!オレは半分諦めていた。
―――その時、何故かオレは目の前の空気が壁になる事を願っていた。

勇弥「“ズキンッ!”くぅッ!?」
狼少年「グオォォ“バン!”ギャンッ!?」

すると頭に激痛が走り、空気に関する事が一気に頭の中に流れた。
と同時に、目の前に0と1のようなマークに囲まれた空間があって、それが壁になっていた。
【狼少年】はそれにぶつかって怯む。よく分からないが今の内に逃げよう!そう考えていたんだが、ふと考えが変わった。

勇弥「(もしまた誰かがここに入り込んだらどうなるんだ?この化け物に襲われて、助かるのか?)」

―――俺にしか倒せないんじゃないのか?―――

壁になった空間を避けて、【狼少年】が飛び掛ってくる。
だがオレはあえて逃げなかった。【狼少年】が俺に噛み付く。


狼少年「グアァァ!」ガブッ!
勇弥「ぐぁ、・・・くれてやるよ、そんなもの!だがお前には、消えてもらう!」

【狼少年】の首を掴み、必要な情報を見つける。そして―――削除。

狼少年「グ?グオォォォ・・・!」

【狼少年】の姿がだんだんと消えて、0と1のようなマークが弾けていく。
そして最後には、0と1のようなマークが淡く光って、消えていった。

勇弥「“はぁ・・・”やった、やったぞいってえぇッ!」

突然、肩の痛みと頭痛がいっぺんにオレを襲う。むしろ、何故、数分ほど耐えられたのかの方が謎である。

勇弥「いってぇ・・・!ははは・・・。」

涙目になって痛がっていたが、ふと笑ってしまった。「生きているんだな」と、「造られてなんかいないんだ」と実感したからだ。
笑っていると、5時を知らせるチャイムが鳴り響く。

勇弥「さて、帰らねぇと。・・・どっちなんだ?」

オレはまた何十分か歩き続ける。しかし脚に疲労が溜まり、遂に力尽きて倒れてしまった。

勇弥「(ちくしょ、ここで死ぬのか・・・。別にそれでもいいか・・・。)」

―――『あいつ』を消そうとしたから、バチが当たったのか?―――

―――だとしても、出来る事なら―――

―――最後に、『あいつ』に謝りたかった―――

―――あそこに見える光にも辿り着けずに、ここで死ぬのか―――

―――『光』?―――

勇弥「ひ、光だ!」

オレはそっちに町があると信じた。信じて走り続け、そして―――

勇弥「・・・ここは?」はぁ、はぁ・・・

そこは、神社だった。オレはこの時やっと思い出した。オレはここに来たかったんだと。
ここはあいつに教えられて、前に来た場所だった。ここからなら・・・。
そこには、夕焼けに彩られた町があった。その光景がとても綺麗で、今でも鮮明に覚えている。
ふと、あいつが言っていた、あの時聞き流していた言葉が頭に流れた。

―――きれいでしょ?お父さんに連れて来てもらったんだ。―――

―――この町で、みんなが幸せにくらせたらいいよね―――

―――勇弥くんもそう思わない?―――

勇弥「あぁ、そう思う。」

その時、オレは誓ったんだ。『あの夢』を―――。

オレはその後、この時見た光景とその時誓った夢を糧に歩き続けた。
なんとか自分の家の前まで辿り着き・・・とうとう倒れた。

―――ユウヤ、聞こえますか?―――

眠っていたはずだったのに、何故か声が聞こえる。夢だとはすぐ分かった。
オレは呼びかけに、口が開かないので心の中に念じて答える。

勇弥「(これは夢か?あんたは誰だ?)」

―――もう、あなたは1人でもない、造られた存在でもない、それは分かりましたか?―――

勇弥「(あぁ、分かったよ。・・・お前のおかげなのか?だったら、ありがとう。)」

―――例には及びません―――ただ寂しそうなあなたに、本当の事を教えたかっただけです―――

勇弥「(・・・なぁ、お前はこれからも一緒か?)」

―――その方が良いなら、好きになさい―――あなたが決めればいい―――

勇弥「(なら、これからもオレと一緒に戦ってくれ。約束だぞ?)」

―――良いでしょう、共に戦いましょう―――

勇弥「(これからもよろしくな、【電脳世界=自然界論】。)」

そういった後ぐらいに、オレは目覚めた。そして親に、こっ酷く怒られたのであった。
だが、その時の説教と、その時の顔と、その時の抱擁。全部忘れられない、良い思い出だった。

―――そういう訳で、オレは【電脳世界=自然界論】と契約した。頭痛で苦しんだりこそするが、別に後悔はしていない。
この都市伝説と契約したおかげで、オレは変わる事が出来たんだ。【電脳世界=自然界論】と・・・。

正義「あ、勇弥くん!おはよぉー!」

この[黄昏正義(たそがれマサヨシ)]のおかげで。
だからオレは、こいつに恩返しをする。

勇弥「おぉ!おはよう、[セイギ]!」

こいつが『正義』を語るのなら、オレもその『正義』を背負って、この町を守る。

正義「『セイギ』?」
勇弥「お前は今日から[セイギ]だ!そう呼ばせてもらう!」

そしてこの町を、永遠に平和で幸せに暮らせる町にしてやる。オレはあの日、そう誓ったんだ。

正義「ふぅん・・・。いいよ!」
勇弥「よし!あ、そうだ正義、【恐怖の大王】って知ってるか?」
正義「『きょうふのだいおう』?なにそれ?」 勇弥「あのな――――――」

―――これがオレの、『世界が変わった日』だ―――

番外「世界が変わった日」―完―


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