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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 那由多斬-07

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Retsuya

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「っくそ、やられた!!」

強く、拳を地面に叩きつける裂邪
ナユタが、「神出鬼没」によって姿を消した後のことだった

「「神出鬼没」・・・それで、世界のあちこちに現れて・・・」
「それだけじゃない、奴を判別する唯一の証拠である「ティルヴィング」を、
  あれで一時的に隠してた・・・いや、“消して”たんだ
  異空間系だと高を括ってたが・・・まんまと引っ掛かったってか、ちくしょう!」

ローゼは悔しげな表情を浮かべ、裂邪は怒気を込めて地面を殴り続けた
暫く沈黙が続いたが、ローゼが重い唇を開き、裂邪に尋ねた

「裂邪さん? 念の為、今彼が何処にいるのか教えて下さりません?」
「・・・あぁ、やってみる」

ふぅ、と深呼吸して、気持ちを落ち着かせ、裂邪は静かに目を瞑る
「鬼火」の伝承の一つ、「ジャック・オ・ランタン」や「ウィル・オ・ウィスプ」にある、
『旅人を正しい道へ、或いは危険な道へと導く』という噂の拡大解釈
目標であるナユタの場所や、その間の最短距離を導き出す

「・・・何?」

声に出して、裂邪は小さく驚いた
どうやら予想外の結果が出たらしい

「?・・・どうか、なさいまして?」
「ナユタとの距離が離れ過ぎてる・・・日本国外まで逃げてる」
「なっ・・・そ、それじゃもう―――」
「いや、おかしいよ」
「おかしい? それは、どういうことですの?」
「ただ逃げる為だけなら、町の外や北区の山の中でも良い筈だ
  なのに、なんでわざわざ日本国外まで逃げる必要があるのか」
「・・・た、確かに、そうですわね
  彼は・・・ナユタは、既に数え切れないほどの人々を殺害している殺人鬼・・・
  再び戻ってきて、ワタクシ達に復讐なり何なりするのが道理ですわ」
「そう、それで・・・今、俺が立てた仮説なんだけど、
  「神出鬼没」は、“人の身体”を借りないと上手く扱えないんじゃないか?」
「と、申しますと?」
「そもそも「神出鬼没」は“人間”の様子を例える言葉だろ?
  だけど、あいつは幽霊・・・「神出鬼没」の『鬼没』しか満たせていない」
「ッ! 成程、肉体を持つ事で『神』を補完していた、と?」
「そういうこと
  だから、あいつは何処かでまた違う人間の身体を利用して、この町にやってくる
  俺達に負けっぱなしで逃げるような奴なら、
  生きている者全部切り刻むなんてバカな考え、すぐに捨てる筈だろ?」

こくん、とローゼははっきりと頷き、口を開いた

「でも、次こそは必ず仕留めますわ
  もうこれ以上、被害者を出す訳にはゆきませんから・・・
  そうですわよね、裂邪さん?」

と、彼女が裂邪の表情を伺うと、何やら彼が複雑そうな色を浮かべている
ローゼは不思議そうにそれを眺め、首を傾げた

「どうか、なさいまして?」
「いや、その・・・俺、“最後の我侭”って言っちゃったから・・・
  ローゼちゃん達に迷惑はかけられないし、後は俺に任せt」
「ダメですわ」
「へ?」

きっぱりと断られ、声が裏返ってしまった裂邪
気にせず、ローゼは続ける

「元はと言えば、この事件はワタクシ達「組織」が追っていた事件ですわ
  今回はこちらが貴方に協力致しましたけど、
  このような危険なことを民間人に、それもまだ中学生の子供に押しつけるなんて、出来っこありませんわ」
「で、でもさ、俺だってあいつを――――――」
「安心なさって、今度は“貴方に”協力して頂きますの」
「・・・?」
「R-No.のRは、“Retry”のRですわ
  一度失敗してそのままだなんて、貴方も満足なさらないでしょう?」

す、とローゼは手を伸ばした
握手を求めるように、僅かに手を開いて

「今度は、ワタクシが貴方に我侭を言う番ですわね
  連続殺人犯・・・ナユタの討伐に、最後まで協力して下さらないかしら?」
「・・・ッヒヒ、参ったなぁ・・・敵わないよ、ローゼちゃんには」

裂邪は、彼女の握手に応じた






     †     †     †     †     †     †






「・・・ハァ、やっぱりダメねぇ、肉体が無いと」

鳥や獣の鳴き声が響き渡る、鬱蒼と生い茂った森林地帯
青い植物群の中で、背負っていた銃を投げ捨てながら、
右手に持った剣で人間“だった”物を切り刻む妙齢の長い金髪の女性
死体は既に辛うじて男、ということしか分からず、
その横では猟犬が女性に向けて幾度となく吠えていた

「うるさいわねぇ、ちょっと黙ってなさい」

すぱんっ!と剣が振るわれる
犬の生首が血を噴き出しながら、森の中を滑空する

「全く、偶然ハンターが通りかかったから良かったものの、もし人間がいなかったら鳥や虫にしか憑依できないじゃない
  最悪、原住民にでもとり憑けたら大丈夫だけど・・・まぁ、いいわ」

首の無くなった犬の胴体を斬り裂き、臓物を抉り出し、
刀身に絡めて切っ先を天に向ける

「ギッハハハハハ・・・あの坊やもお嬢ちゃんも、この獣と同じ目に遭わせてあげるわぁ・・・」

血の滴る内臓を、恍惚とした表情で見つめる女性―――ナユタ
が、直後にその表情が、険しいものに変わった

「でも、まずは・・・そこ、いるんでしょう? 出てきなさい」

「ティルヴィング」を振るい、犬の内臓を木の幹にべちゃり、とぶつけた
その木の陰から、小さな人影がひょこりと顔を出す

「へぇ、気づいてたんだぁ・・・結構やるねぇ?」

灰色の髪、黒いミニスカートと黒い上着、そして胸に晒しを巻いた、幼い少女
その肩には、ふさふさの白い毛を風に靡かせる子猫の姿があった

「ずぅっと見てたんでしょう? あんまり見られたくないのよねぇ
  悪いけど・・・死んでくれないかしら!」

言い終わる前に、少女へと一気に詰め寄るナユタ
鉄をも斬り裂く「ティルヴィング」の刃によって、その幼い小さな体を切り刻む―――

「お断りよぉ!!」

―――寸前に、刃が別の刃によって防がれた
だが、それは一般的な金属製の刃ではなく、
粘液のようなものが寄り集まった、真っ黒な刃

「っ!? っち、契約者だったの!?」
「残念だけど、殺されんのはテメェよぉ・・・アタシの手でねぇ!!」

少女―――ルート・ライフアイゼンの鋭く紅い瞳が、ナユタを捉えた

   ...続

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