真っ白な光を放つ蛍光灯
傷や汚れの一切ない、引き出し中身も空っぽのデスク
人が触れた形跡がない回転椅子
目につく物全てが眩しく、新しいとある一室
そのズラリと並んだデスクの内の一つに、そっと、小さな手が触れた
傷や汚れの一切ない、引き出し中身も空っぽのデスク
人が触れた形跡がない回転椅子
目につく物全てが眩しく、新しいとある一室
そのズラリと並んだデスクの内の一つに、そっと、小さな手が触れた
「ここが、オレの席か・・・」
手の主は、少年だった
小学校高学年程度だろうか、まだ幼さの残っているにも関わらず、
何処かのエージェントのように漆黒のスーツを上下に揃えた、
左手にスケッチブックを携えた黒い短髪の少年
その顔は、一歩間違えれば少女と見紛う可愛らしさを垣間見せていた
小学校高学年程度だろうか、まだ幼さの残っているにも関わらず、
何処かのエージェントのように漆黒のスーツを上下に揃えた、
左手にスケッチブックを携えた黒い短髪の少年
その顔は、一歩間違えれば少女と見紛う可愛らしさを垣間見せていた
「・・・やはり人数は多いのだろうか」
ふと、並べられたデスクを目で数えて呟いた
その席に着く主を待ち続けている寂しいデスクを見渡しながら、
少年はゆっくりと椅子を引き、腰を下ろそうとした
その時、がちゃり、とドアが開く音と共に、声が聞こえた
その席に着く主を待ち続けている寂しいデスクを見渡しながら、
少年はゆっくりと椅子を引き、腰を下ろそうとした
その時、がちゃり、とドアが開く音と共に、声が聞こえた
「あら、もう何方かいらっしゃってたの?」
澄みきった少女の声だった
少年が振り向くと、彼と同じような黒いスーツを着た、赤く長い髪の少女が立っていた
年齢は、彼より少し年上くらいだろうか、それでもまだ子供である
少年が振り向くと、彼と同じような黒いスーツを着た、赤く長い髪の少女が立っていた
年齢は、彼より少し年上くらいだろうか、それでもまだ子供である
「あらぁ♪ 可愛い殿方ですこと♪」
「かわッ・・・!?」
「良かったですわぁ、勧誘された時はちょっと心配でしたけれど、
こんな子がいらっしゃるならワタクシも張り切ってお仕事に努めなくっちゃ♪
それにしても広いお部屋ですわね~、こんな所で殿方と二人っきりなんてドキドキしちゃいますわ♪」
「かわッ・・・!?」
「良かったですわぁ、勧誘された時はちょっと心配でしたけれど、
こんな子がいらっしゃるならワタクシも張り切ってお仕事に努めなくっちゃ♪
それにしても広いお部屋ですわね~、こんな所で殿方と二人っきりなんてドキドキしちゃいますわ♪」
突然現れペラペラと喋り出す少女に、戸惑い気味の少年
苦い表情を浮かべていたのを見越してか、少女はピタリと話を止めた
苦い表情を浮かべていたのを見越してか、少女はピタリと話を止めた
「あ、ごめんあそばせ、申し遅れましたわ」
と、彼女は左足を右足の後ろに添え、左手でスカートを小さく摘みあげ、
右手を自らの胸の前に持っていき、上半身を軽く前に倒した
右手を自らの胸の前に持っていき、上半身を軽く前に倒した
「初めまして、ワタクシはローゼ・ラインハルト・・・えっと、ナンバーは・・・R-No.0、だったかしら?
これから末永く宜しくお願い致しますわ♪」
「っ、No.0って・・・あんたが、俺の上司か?」
「ん~、そうなるのかしら? お気になさらずに気軽に接して頂ければ幸いですの」
これから末永く宜しくお願い致しますわ♪」
「っ、No.0って・・・あんたが、俺の上司か?」
「ん~、そうなるのかしら? お気になさらずに気軽に接して頂ければ幸いですの」
にこにこと朗らかに笑う少女にやや戸惑いながらも、
少年はコホン、と咳払いを一つして、背筋を真っ直ぐに伸ばした
少年はコホン、と咳払いを一つして、背筋を真っ直ぐに伸ばした
「・・・オレは、コードナンバーR-No.3、人間の頃の名前は・・・栄 日天」
これは数十年もの昔の物語
まだ、「組織」というものが誕生していなかった時の物語である――――
まだ、「組織」というものが誕生していなかった時の物語である――――
...続く