考えろ
該当する都市伝説を思い出せ
該当する都市伝説を思い出せ
しかし、どんなに考えても、思い出せなかった
該当する知識が、思い当たらない
該当する知識が、思い当たらない
ぽたり、ぽたり
…出血が、続いている
…出血が、続いている
「…あなたは、何者なのですか?」
黒服は、銃を構えたまま、その都市伝説を静かに睨みつけた
まるで、子供たちが夢見るような、仮面をかぶったヒーローのような姿
はて、こんな都市伝説の噂…聞いたことがない
まるで、子供たちが夢見るような、仮面をかぶったヒーローのような姿
はて、こんな都市伝説の噂…聞いたことがない
「怪談仮面TAROⅢ"!!世界を揺るがす悪の組織め!退治してくれよう!!}
「…悪、ですか」
「…悪、ですか」
小さく、苦笑する
…自分はそれを、完全に否定する事ができない
あぁ、そうだ、「組織」の存在は、こんなにも罪深い
…自分はそれを、完全に否定する事ができない
あぁ、そうだ、「組織」の存在は、こんなにも罪深い
「とどめっ!!」
怪談仮面TAROⅢなる者が、こちらにとどめをさしてこようとしている
…黒服には、それを避けるだけの気力も、体力も残っていなかった
がくり、膝をつく
怪談仮面TAROⅢの攻撃を受け、体中傷だらけ
出血多量で、視界も霞んできている
ーーーーここまで、か
たっぷりの皮肉をこめて、口元に笑みを浮かべる
…黒服には、それを避けるだけの気力も、体力も残っていなかった
がくり、膝をつく
怪談仮面TAROⅢの攻撃を受け、体中傷だらけ
出血多量で、視界も霞んできている
ーーーーここまで、か
たっぷりの皮肉をこめて、口元に笑みを浮かべる
所詮、自分は「組織」の歯車
「組織」の部品の一部に過ぎない
自分が死んだところで、どうせ誰か、代わりが補充されるだけ
自分が死んだとしても…なんら、変化などおきないのだ
「組織」の部品の一部に過ぎない
自分が死んだところで、どうせ誰か、代わりが補充されるだけ
自分が死んだとしても…なんら、変化などおきないのだ
心残りがない訳ではない
しかし、ここで自分が死ぬというのなら、それを受け入れよう
所詮、自分が生き続けた所で、誰かに変化を与えられる訳でもあるまい…
しかし、ここで自分が死ぬというのなら、それを受け入れよう
所詮、自分が生き続けた所で、誰かに変化を与えられる訳でもあるまい…
「必殺!バニシングブラック……」
怪談仮面TAROⅢが、黒服に攻撃を放とうとした…
その時
その時
「っ!?」
ばしゃぁん!!
横から飛んできた、水撃
…そう言えば、ここは公園
傍には公衆トイレがあった
……まさか?
横から飛んできた、水撃
…そう言えば、ここは公園
傍には公衆トイレがあった
……まさか?
「大丈夫ですか?」
ざ、と、黒服を庇うように、立った少年
その姿を見て、黒服は再び苦笑した
その姿を見て、黒服は再び苦笑した
(…彼には、関わるな、と言われているのですがね…)
コーラの契約者の兄が勤める学校の、生徒
トイレの花子さんの契約者ではないか
トイレの花子さんの契約者ではないか
「みー!弱いもの虐めは駄目なの!」
ぴ!と、少年の前に立ち、怪談仮面TAROⅢを指差すのは、トイレの花子さん
…弱いもの、と来たか
困ったように、黒服は苦笑した
…弱いもの、と来たか
困ったように、黒服は苦笑した
「……おぉぉ……」
「……花子、さん?」
「み?」
「み?」
……おや?
花子さんを見つめ、固まっている怪談仮面TAROⅢ
…知り合い、なのか?
花子さんを見つめ、固まっている怪談仮面TAROⅢ
…知り合い、なのか?
「花子さん?知り合いか?」
「ん~ん、知らない」
「ん~ん、知らない」
ぷるぷる
少年の問いかけに、花子さんは首を左右に振った
知り合いでは、ない?
では…あの怪談仮面TAROⅢは、何故、花子さんを知っている
少年の問いかけに、花子さんは首を左右に振った
知り合いでは、ない?
では…あの怪談仮面TAROⅢは、何故、花子さんを知っている
「は、花子さん…何故、そんな奴を庇うんだ!?」
「…みー?」
「…みー?」
かっくん
花子さんは、怪談仮面TAROⅢに叫ばれ、首をかしげる
そして、ぴ!と怪談仮面TAROⅢを指差し、返答した
花子さんは、怪談仮面TAROⅢに叫ばれ、首をかしげる
そして、ぴ!と怪談仮面TAROⅢを指差し、返答した
「弱い者いじめは悪い事なの!!」
「!!!」
「!!!」
ガガガガガン!!…と、怪談仮面TAROⅢはショックを受けた、ようだった
何せ、仮面を被っているのだから、表情などわからない
ただ、小刻みにぷるぷると震えているのを見ると、確実にショックを受けているのだろう
何せ、仮面を被っているのだから、表情などわからない
ただ、小刻みにぷるぷると震えているのを見ると、確実にショックを受けているのだろう
「お、おのれぇえええ!!!悪の組織め!純真無垢な花子さんをたぶらかすとは…っ
お、覚えていろぉおおおお!!!!!」
お、覚えていろぉおおおお!!!!!」
と叫んで、走り去ってしまった
それはもう、もの凄い勢いで
それはもう、もの凄い勢いで
…一体、何だったと言うのか
とりあえず、助かったのは、事実だが
とりあえず、助かったのは、事実だが
「…助けていただき、ありがとうございます」
「いえ…っつか、本当に大丈夫ですか?」
「いえ…っつか、本当に大丈夫ですか?」
少年が、心配そうに見つめてくる
心配ありません、と返し、鞄から蝦蟇の油を取り出す
…また今度、補充しなければならないな、と残り残量を見て、そう考えた
心配ありません、と返し、鞄から蝦蟇の油を取り出す
…また今度、補充しなければならないな、と残り残量を見て、そう考えた
「おねーさん、だいじょーぶ?」
「あなたも都市伝説契約者か…最近物騒だし、気をつけた方がいいですよ」
「あなたも都市伝説契約者か…最近物騒だし、気をつけた方がいいですよ」
……?
おねーさん?
おねーさん?
(……あぁ)
しまった、まだ自分は男に戻っていなかった
あと一日
あと、一日なのだが…
あと一日
あと、一日なのだが…
「そうですね…あなた方も、お気をつけて。この街は、都市伝説が多すぎますから」
蝦蟇の油で傷を治し、黒服は花子さんと、その契約者の少年の前から立ち去った
…できれば、女性の姿の自分の事など、あの二人がさっさと忘れてくれる事を、祈りながら
…できれば、女性の姿の自分の事など、あの二人がさっさと忘れてくれる事を、祈りながら
終わってしまえ