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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ギザ十と幽霊少女とご先祖様と組織の狗-15

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ギザ十と幽霊少女とご先祖様と組織の狗 15


秋祭り一日目。
太郎さん、ご先祖様、幽霊少女、引き連れながら、祭囃子の流れる町中を歩いていく。
腰のベルトには籠釣瓶を履いている俺は、明らかに銃刀法違反であるのだが、
秋祭りを仮装しながら歩く人々の群れに埋没しており気付く者は居ない。
辺りを見回すと、俺のように一般人に紛れている契約者や都市伝説の姿がちらほら見えた。
どうやら、秋祭りのイベントにコスプレ関係のイベントがあるようで、それに便乗するように
皆、堂々と武装したり、姿を現したりしているようだ。
ふと、前方の屋台の前に、何やら禍々しい武者姿をした男が見えた。
何やら愉しそうに「くかか」と嗤う姿を、周りの一般人たちが携帯のカメラで撮っている。
チッ……という、妙に響く舌打ちが耳に届き、その方向を見ると、先ほどまで嬉しそうにチョコバナナを
舐めて恍惚とした表情を浮かべていた筈の、しかし今は心底忌々しそうな表情をしたご先祖様の姿があった。
俺の視線に気付き、取り繕うように笑顔を浮かべると、鎧武者とは反対方向に位置する屋台へと突撃していく
どうやら彼らと接触する気は無いらしい、そこまで嫌わんでも……と、思うが
俺自身も、あの威圧感の前に率先して自らを曝したいとは思わない。
一つ溜息を吐きながら、ご先祖様の向かった屋台へと俺も足を向けることにした。

大盛りの焼きそばを前にご満悦のご先祖様の横で、何やら思案顔をしている太郎さんの姿に気付く。
どうやら先日、「組織」の黒服に、ケチョンケチョンに負けたという、その少年はあれからずっと何かを考えているようだった。
B-No.006と名乗った黒服、その戦闘力は黒服キラーとも言える能力を持つ太郎さんをそこまで完膚無きまでに倒しただけあり
かなり強い、どころか完全に化物の類の存在であると言って過言でもあるまい。
「大丈夫、次は絶対に負けないよ」そう言った少年の言葉は、しかし、言った自分自身ですら、その言葉を信じる事が出来ていないように感じられた。
大きく溜息を吐く、最近溜息の回数が多くなった気がする。
そういえば「溜息を吐くと幸せが逃げる」などという不吉な都市伝説があったなと思い当たり、その様な都市伝説とだけは契約すまいと無言で頷く俺の肩に冷たい悪寒が走る。

きっと、業を煮やした幽霊少女が、早く太郎さんを元気づけてやれと催促しているのだろう、半眼で此方を睨むその表情も簡単に想像できてしまう。
苦笑しながら、先ほどから秋祭りの雰囲気を堪能する片手間、携帯で2chに書き込みをし続けていた左手の動きを止める。
とはいえ、そういった他人を慰める、元気づけるといった行為は、正直俺は苦手なのだ。
落ち込む人間を前にすれば何を話せば良いのか分からなくなり頭の中が真っ白になる、確かに目の前で落ち込む弟分のような少年を元気づけてやりたいとは思う。
だが、どうすれば良い?
そんな風に途方に暮れるつつある俺の目の前に、大きな看板が見えた。
「秋祭り恒例カラオケ大会、優勝商品は……なん、……だと…?」
愕然と呟く俺に不審に思ったのか太郎さんが振り返る。
そんな彼の肩をガシッと掴むと、俺は高らかに宣言した。
「太郎さん、アレに一緒に出るぞ!」
「えっ……ちょ、いきなり何……?」
困惑する太郎さんの首を強引に180度振り向かせ、先ほど俺が見ていた看板に書かれたある言葉を見せる。
「優勝賞品は、数量限定"伝説大帝レジェンダーR"等身大フィギュア(プレミア品)」
そう書かれた一文に、太郎さんの瞳が輝き出す。
「ま、まさか、これはあの幻のっ!?」
「そうだ、あの伝説と言われる程の造形師が作り出した一品、ヒーローマニアには手から喉が出る程手に入れたい至宝だ!」
寸前まで、脳裏を占めていた悩みなどすっかり忘れ、周りが引く程にテンションが上がっていく二人。
「逝くか太郎さん、いや……戦友(とも)よ……悪鬼羅刹が犇めきあうあの戦場へ!」
「もちろんさ戦友(とも)よ、地獄の底まで付き合うよ!」
がっしと強く握手を交わし、カラオケ大会の出場受付へと肩で風を切りながら向かう俺たち。
いつの間にかたこ焼きとお好み焼きとリンゴ飴とイカ焼きと綿菓子を抱えて、此方を不思議な生き物を見るような表情を向けてくるご先祖様や。
ポケットの奥に仕舞った鏡の向こうから微かに聞こえてくる幽霊少女の盛大な溜息を、スルーしながら。
俺と太郎さんは、戦場へと旅立っていった。
「「俺(僕)たちの歌を聞けーーー!」」


――決戦まで、残りわずか。



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