アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ギザ十と幽霊少女とご先祖様と組織の狗-14

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

ギザ十と幽霊少女とご先祖様と組織の狗 14


「良いのかなぁ置いて帰って来ちゃって……」
そう呟く僕の言葉に気付かないのか、僕の掛け替えのない友人のご先祖様は早足で先を進む。
自分の子孫を放って置いてまで、急ぐ事なのかと首を傾げる僕。
そんな僕に、さっきから隣にプカプカ浮かび苦笑している幽霊のお姉ちゃんが口を開く。
「まぁ、あのドラマ、今日が最終回だからねー、まあ、あいつなら大丈夫でしょ、あいつだし」
そう言う彼女の言葉に、僕も頷く、確かにあの人の事だ、何だかんだ良いながら何とかなるのだろう。
むしろ、後に予想される「彼からの報復」の方を考えるべきなのかもしれない、あの人はちょっとした事でも根に持ちすぎる。
この前も、ご先祖様に格闘ゲームでハメ技を喰らった事に腹を立てて、その報復にその日のご先祖様の夕飯の内容が凄い事になっていた。
そんな事を思い出しながら歩いていると、ふっと目の前を歩いていたご先祖様の姿が薄れ半透明になる。
どうしたんだろう、急に実体化を消した?
先日、仲間である幽霊のお姉ちゃんと、ご先祖様の姿を視認する為に新たに付け加えた新たな設定。
「アストラル・アイ」を使用する僕の目にはうっすらと彼女の姿を見る事が出来るが。
霊感を持たない人間や、物質的な存在の都市伝説には今の姿は見えないだろう。
それはつまり、彼女が自分の姿を見られたくない存在が近くにいるという事であり……つまりは。
「敵が現れた見たいね……」
幽霊のお姉ちゃんが、そう呟くと共に僕の目の前に現れる、「組織」の黒服。
身に纏うダークスーツに、表情を隠すように付けた黒いサングラス、後ろに束ねた白髪と立派な白い顎髭が風に靡いている。
既に、自らの意志で戦っている為に、強制的に「組織」へと敵対する設定は消えているが、そんな事は関係ない。
友人の敵、そして僕の敵、相手から痛い程に向けられる殺気に、反射的に構えをとる。
くふふ……と、何か押し殺した様な笑い声を洩らし突如、僕へと向け駆てくる黒服に、直感のまま真横へ跳躍する。
――瞬転。
ただ掠っただけの、その拳に、まるで強風に翻弄される木の葉の様に、吹き飛ばされる僕の身体。
慌てて身体を捻り足から着地、轟音と共に、先ほどまで僕が立っていた筈の地面に大きなクレーターが出来るのが見える。
本気でやらないと殺られる、覚悟を決めた僕は拳を振り抜いたままの相手の体制が整う僅かな時間を使い、虚空へ向けて腕を翳し叫んだ。
「変身っ!」

その声と共に、僕の幼い姿が、立派な正義のヒーロのものへと瞬時に変わる。
「正義の使者、怪談仮面TAROⅢ、ここに参上!」
僕のその変身した姿に、ニヤリと口元を歪める黒服。
「くふふ……会いたかったぞ、単体で「組織」を震撼させうる程の都市伝説、お主と戦える日をのぅ」
そう言いながら、一層邪悪な殺気を此方に叩きつけてくる黒服の老人、その構えはいつかみんなと見た映画に出てきた拳法家ににている。
「きさま、我が打つべき巨悪、「組織」の者だなっ!」
「……然り、儂の名はB-No.006、貴様を屠る者よ覚えておけい」
「ふっ、我が正義に燃える心の炎、貴様のような悪逆な輩に消せると思うな!」
「くふふふ……威勢の良い小僧だの……その大言を吐く口、我が功夫にて完膚なまでに砕いて見せよう!」
爆ぜる裂帛の気合いと共に両者の足が地面を蹴る、ズンッという鈍い轟音と共に目の前の空気を掻き分け、拳を敵へと叩きつける。
しかし、僕の放つ改心の拳は相手の肩口を掠る事しかできず、その一瞬で僕の懐へと潜り込んだ黒服の掌は僕の水月を軽々と打ち貫いた。
驚愕、激痛、空を舞う僕の身体、血のように赤い世界を、僕はまるで漫画の様に吹き飛んでいく。
五十メートル程を、バウンドしながら突き進み、強い衝撃と共に背後の巨木へめり込まされて僕の身体はやっと止まった。
一瞬の、思考の停止、だが直ぐに敵が来ると、慌てて立ち上がろうとしてしかし膝をつく。
何故、僕の能力の一つである超再生が働かない……まるで身体の内側から抉られたような引かない痛みに困惑する。
そんな僕を嘲笑うかのように、悠然と近づいてくる足音。
「ふむ、No.001に重傷を負わせたかの怪人もこの程度か? いや、先ほどの歪な感触、小僧、貴様自らの魂魄を弄っておるな?」
動かない身体に苛立ちながら、目の前の敵を睨み付ける。
「くふふ……なるほど、強引な魂の改定に綻びが広がっているようだ、どれ…その、歪み我が能力で直してやろう」
「な、何を……」
困惑する僕の胸に、黒服が手を翳す。
その瞬間、ジワジワと日に焼かれるような熱さが胸に広がり、僕の歪み、巨大化した能力の断片が最適化されていく。
器から漏れ出しそうな程に膨張していた僕の「力」は、目の前の黒服の謎の能力により見事に圧縮され僕の身を傷つけることなく、ものの見事に治まっていた。
「何故、この様な、敵に塩を送るような真似を…」
「くふふ……弱い敵を嬲っても、つまらぬから、只それだけよ」
ニヤリと笑うと、その黒服は、未だ立ち上がる事の出来ない僕から背を向け歩き出す。
待て、と言う言葉すら出ずに、唖然とする僕に振り返りもせずに、その老人は僕へ向け言葉を放る。
「後の宴で、また会おうか若いの、その時には……くふふ…その正義の力とやらでこの儂を打ち倒せると良いのぅ?」
その去りゆく背を睨み拳を握りしめる、ただ悔しさに涙を滲ませて
心配する幽霊のお姉さんの声を聞きながら、僕は闇の中へと意識を手放した。



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー