ギザ十と幽霊少女とご先祖様と組織の狗 13
目が覚める、石畳みの上を転がる自身の体を確認し、辛うじて自分が、未だ人間だという事を確認する。
目の前には、右手に握られた妖刀「籠釣瓶」、その妖刀からカタカタという音と共に声が聞こえる。
《身体の調子はどうだ小僧》
その言葉に苦笑する、倒れている間に俺の身体を乗っ取る事も出来ただろうに、律儀にもこの妖刀は俺の意識が戻るまで待っていたようだ。
「上々、とは行かないようだなぁ、あーくそ、右手に力が入らねえ…」
右手の甲から手首に掛けて黒く変色したような痣が出来ている、これが自らの器異常の力を望んだ代償なのか?
「だとしたら意外とペナルティは軽いんだな」
《馬鹿者が、我が寸での所で力を押さえてやったからその程度なのだ、本来なら既に貴様は人外の存在へととっくに変貌しておるわ!》
そう怒鳴りつけてくる手の中の妖刀、意外と説教臭い奴だ、女で身を崩した男とは思えん。
《何か言ったか》
「なんでも?」
苦笑で答えながら、俺は立ち上がる。
動かなくなったのが右手で寧ろ良かったかもしれない、刀を振る分には右手は添える事が出来さえすれば何とかなる。
最も、抜き打ちなどは出来そうにないが……まあ、居合いの訓練を受けた事がない俺にはそもそも技術的に無理なのだが。
そんな事を考えながら、巨大な鋼鉄の扉が聳える部屋の出口へと向かう。
さて、これどうやって開けるんだ?
目の前には、右手に握られた妖刀「籠釣瓶」、その妖刀からカタカタという音と共に声が聞こえる。
《身体の調子はどうだ小僧》
その言葉に苦笑する、倒れている間に俺の身体を乗っ取る事も出来ただろうに、律儀にもこの妖刀は俺の意識が戻るまで待っていたようだ。
「上々、とは行かないようだなぁ、あーくそ、右手に力が入らねえ…」
右手の甲から手首に掛けて黒く変色したような痣が出来ている、これが自らの器異常の力を望んだ代償なのか?
「だとしたら意外とペナルティは軽いんだな」
《馬鹿者が、我が寸での所で力を押さえてやったからその程度なのだ、本来なら既に貴様は人外の存在へととっくに変貌しておるわ!》
そう怒鳴りつけてくる手の中の妖刀、意外と説教臭い奴だ、女で身を崩した男とは思えん。
《何か言ったか》
「なんでも?」
苦笑で答えながら、俺は立ち上がる。
動かなくなったのが右手で寧ろ良かったかもしれない、刀を振る分には右手は添える事が出来さえすれば何とかなる。
最も、抜き打ちなどは出来そうにないが……まあ、居合いの訓練を受けた事がない俺にはそもそも技術的に無理なのだが。
そんな事を考えながら、巨大な鋼鉄の扉が聳える部屋の出口へと向かう。
さて、これどうやって開けるんだ?
少し考え、全身を使いながら全力で押し開けようとするが、びくともしない。
ドンドンと拳で叩き、外に居るであろう平将門へと大声で呼びかけるも、どうやら聞こえていないようだ…。
「よ、はっ、ぬうぅんっ……うぎぎぎぎぎっ! ……だぁっ駄目だ開かねえ!」
《貴様、もしや謀られ、閉じ込められたのではないか?》
俺もそんな気がしてきた……。
何度も、挑戦しては失敗し、いい加減、苛立ちの限界に達した俺は、腰に履いた妖刀を片手で(若干苦労しながら)抜くと、その妖しげに光る凶刃を目の前の扉へと振り下ろす。
一閃、二閃、三閃。
まるで虚空を凪いだだけのように、全くと言って良い程に抵抗を感じずに、切り裂かれる鋼鉄の扉。
鋼鉄の扉の中心に開いた、歪な三角形の穴を潜りつつ、俺は驚嘆の声をだす。
「流石、籠釣瓶と名付けられただけの事はあるな……まるで、籠で出来た釣瓶に水を注いだが如く、切った時に抵抗を感じなかった」
《当たり前だ、かの妖刀村正、その中でも随一の一品だぞ……最も、貴様が未熟な所為で全ての力を出し切れていないがな》
そんな、籠釣瓶の嫌味をはいはいと軽く受け流しながら、俺は部屋の外に全身を出し、周囲を見渡す。
案の定、愉快そうに嗤う平将門と、少し驚いた様な顔をしているチャラい男、そしてスーツ姿の妙齢の女性の姿があった。
……あれ?
「ご先祖様と、太郎さんと、幽霊少女は何処行った?」
そんな俺に、何故か哀れみの視線を向けるチャラ男。
不審の視線を平将門へと向けると、目の前の祟り神はカカカと嗤いながら俺に向けて言った。
「貴様の仲間なら五郎左衛門に引き連れられて先に帰ったぞ、何でも、もうすぐ見たいてれびじょん番組が始まると言ってな」と。
畜生……あいつら戻ったら色々変なことしてやる……。
そんな風に小さな暗い決意を胸に宿す俺の前で、平将門は心底愉快そうに嗤うのだった。
ドンドンと拳で叩き、外に居るであろう平将門へと大声で呼びかけるも、どうやら聞こえていないようだ…。
「よ、はっ、ぬうぅんっ……うぎぎぎぎぎっ! ……だぁっ駄目だ開かねえ!」
《貴様、もしや謀られ、閉じ込められたのではないか?》
俺もそんな気がしてきた……。
何度も、挑戦しては失敗し、いい加減、苛立ちの限界に達した俺は、腰に履いた妖刀を片手で(若干苦労しながら)抜くと、その妖しげに光る凶刃を目の前の扉へと振り下ろす。
一閃、二閃、三閃。
まるで虚空を凪いだだけのように、全くと言って良い程に抵抗を感じずに、切り裂かれる鋼鉄の扉。
鋼鉄の扉の中心に開いた、歪な三角形の穴を潜りつつ、俺は驚嘆の声をだす。
「流石、籠釣瓶と名付けられただけの事はあるな……まるで、籠で出来た釣瓶に水を注いだが如く、切った時に抵抗を感じなかった」
《当たり前だ、かの妖刀村正、その中でも随一の一品だぞ……最も、貴様が未熟な所為で全ての力を出し切れていないがな》
そんな、籠釣瓶の嫌味をはいはいと軽く受け流しながら、俺は部屋の外に全身を出し、周囲を見渡す。
案の定、愉快そうに嗤う平将門と、少し驚いた様な顔をしているチャラい男、そしてスーツ姿の妙齢の女性の姿があった。
……あれ?
「ご先祖様と、太郎さんと、幽霊少女は何処行った?」
そんな俺に、何故か哀れみの視線を向けるチャラ男。
不審の視線を平将門へと向けると、目の前の祟り神はカカカと嗤いながら俺に向けて言った。
「貴様の仲間なら五郎左衛門に引き連れられて先に帰ったぞ、何でも、もうすぐ見たいてれびじょん番組が始まると言ってな」と。
畜生……あいつら戻ったら色々変なことしてやる……。
そんな風に小さな暗い決意を胸に宿す俺の前で、平将門は心底愉快そうに嗤うのだった。