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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ギザ十と幽霊少女とご先祖様と組織の狗-08

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ギザ十と幽霊少女とご先祖様と組織の狗 08


学校町直下、深度約五百メートルほどの場所に存在する「組織」の秘密要塞。
その中でも、さらに一握りしか知る事のない秘密の施設が存在する。
見回さんばかりの広大な広場に、ひしめき合うように並べられたカプセル状の装置
その中には、淡く青く光る半透明の謎の液体と共に、
一見して自我の持たないとわかる、虚ろな瞳で虚空を見つめる人間の出来損ないが詰め込まれている。
まるで「組織」の限りなく暗い部分を濃縮したかのような禍々しい謎の施設。
その広大な施設の真ん中で、一人黄昏れる女性が居るのが見えた。
「何をしているんですかB-No.002、てっきり今頃、動物園で彼とキャッキャウフフと楽しんでいるものだと思っていましたが?」
「B-No.001……ふふ、笑ってください、決戦前に勇気を出して彼と逢瀬を重ねようとして盛大に失敗した哀れな人形を……」
今にも死にそうな顔で項垂れる彼女に溜息を吐く。
「おおかた、二人きりになった事で舞い上がり、つい地が出てしまいそれをからからかわれた為に羞恥のあまり全力のボディーブローでも喰らわせた挙げ句、苦しむ彼を放置して逃げてきたんでしょう」
「何故その事を、まさか見ていたんですか!?」
「そんな訳無いでしょう、私はそんなに無粋でも暇でもありません」
というか元気づける為に言った冗談だったのですがね……むしろ当たっていた事に私の方がびっくりです。
しかし、決戦前のこの忙しい時期、せっかく無理して時間をとったというのに何をしているのだか……。
次の作戦、我々「組織」の敵対集団を纏めて一掃する為の作戦、その要である彼女の精神状態を考慮して
何故か休日の真っ昼間に動物園へ男独り寂しく向かう彼へと付けてやったのだが、逆効果だったかもしれませんね。
「もう、次の機会はありませんよ、特A級特殊型都市伝説「鮫島事件」を町全体に発動させる為に、これから貴女は調整作業を受けねばなりませんからね」
「わかって……います……」
今にも泣きそうな表情で頷く彼女に、大きく溜息を吐く。
全く、何だというのだ……愛情、友情、憐情、慕情……半端に元人間だった頃の記憶の断片が残っている所為で
我々はそのような下らない感情を持てあます事になっている。

元から黒服として作られ、生み出されると同時に組織の駒として動く、大多数の組織の構成員たちを見てみるがいい
感情を持つ我々とは違う、組織に全幅の忠誠を誓い、組織の命令が全てで、それ以外の事には見向きもしない。
完成された完璧なる人形、例え力で我々に劣るとしても、あれこそがまさしく理想的な「組織」の「黒服」であるはずだ。
だというのに何故、何故「首領」は我々をこの様な半端物として作り出したのか……いや、この様な疑問を持ってはいけない
「首領」に対し疑惑を持つなど、それこそ「感情に支配される欠陥品」ではないか……。
「……No.001?」
気がつけば表情を硬くし強く拳を握りしめていた私の姿に、不審そうにB-No.002が話しかけてくる。
何でもありません、と首を振りながら皺の寄った眉間を指で軽く揉みながら、施設の奥へと歩きだす。
「付いてきなさい、パレードまでの時間はもう長くありません、今から貴女の調整を始めます」
慌てたように付いてくる彼女の返事を、無視するように早足で暗い通路を進んでいく。
「首領」の考えが何であろうとも、私のやるべき事は変わらないのだ。
夢の国」、「首塚」、我々に刃向かう有象無象の都市伝説たち、全てまとめて消し去る事が我が勤め。
無情に、冷徹に、全ての感情を凍らせて、「組織」の敵を屠りさる。
その為にも……チラリと、背後を見やる。
唐突に振り向いた私に、キョトンと首をかしげる黒衣の女。
この半端な人形を、この半端な人間を、完全に完璧に完膚なきまでに完成させるのだ。


そう、「組織の狗」へと。



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