病院を後にし、カインは小さくため息をついた
……意識を取り戻さない樹を前に、自分は何もできない
その無力さを感じ取る
……意識を取り戻さない樹を前に、自分は何もできない
その無力さを感じ取る
(いや………試してみるべきだったか?)
もしかしたら
自分が契約している「奇跡を起こすサントニーニョ」の能力で、樹の意識を取り戻させることができたかもしれない
……試しもせずに、自分は、諦めてしまった
自分が契約している「奇跡を起こすサントニーニョ」の能力で、樹の意識を取り戻させることができたかもしれない
……試しもせずに、自分は、諦めてしまった
「……カラミティに、叱られるかもしれないな」
小さく、苦笑するカイン
簡単に諦めているようでは、奇跡など起きない
実現しない
実現しない
諦める事なく、強く願う
強く、強く願い、実行する
強く、強く願い、実行する
そうする事で、大体の奇跡は実現できる
カラミティは、そう言っていた
そして、カラミティが使う魔法もまた、強く願う事によって実現される「奇跡」の一種であるのだ、と
全てを強く願い、欲すればこそ、奇跡を実行できる、それがカラミティの考え方だ
そして、カラミティが使う魔法もまた、強く願う事によって実現される「奇跡」の一種であるのだ、と
全てを強く願い、欲すればこそ、奇跡を実行できる、それがカラミティの考え方だ
そんの考え方に従うならば
今回も、カインが諦めずに樹の意識を取り戻させようと治癒を実行していれば、樹は目を覚ましていたかもしれない
…全ては、IFでしかない
カインは、それを実行しなかった
実行したらどうなっていたのか、その答えを出す事など不可能だ
今回も、カインが諦めずに樹の意識を取り戻させようと治癒を実行していれば、樹は目を覚ましていたかもしれない
…全ては、IFでしかない
カインは、それを実行しなかった
実行したらどうなっていたのか、その答えを出す事など不可能だ
雪の中、病院を後にするカインの肩に、小鳥が下りてきた
じ、とカインを見つめ、慰めるように小さく囀ってくる
いつも自分に懐いてきている小鳥である事に気づき、カインは小さく笑った
…いつも通りの、どこか儚げな、今にも消えてしまいそうな笑顔
じ、とカインを見つめ、慰めるように小さく囀ってくる
いつも自分に懐いてきている小鳥である事に気づき、カインは小さく笑った
…いつも通りの、どこか儚げな、今にも消えてしまいそうな笑顔
そっと小鳥に指先を伸ばせば、小鳥はその指に頭を摺り寄せてくる
…野生とは思えぬ仕草だが、幼少期から野生動物に懐かれやすかったカインは、特にそれを不思議と思わない
…野生とは思えぬ仕草だが、幼少期から野生動物に懐かれやすかったカインは、特にそれを不思議と思わない
そう
自分が、ほんの少し目を離している、間に
小鳥の目が、金色に輝いていることがある事実にも
いまだ、気づかぬままなのだ
自分が、ほんの少し目を離している、間に
小鳥の目が、金色に輝いていることがある事実にも
いまだ、気づかぬままなのだ
「……さて。ニーナを探さなければ。彼女を保護してくれているという者にも、礼を言わないとな」
小さく呟き、雪の中歩き出す
肩にとまる小鳥は、カインを気遣うように、その姿を見つめ続けていて
肩にとまる小鳥は、カインを気遣うように、その姿を見つめ続けていて
………ひらり
カインの背後を………一頭の漆黒の、蝶が
何かを探すように揺らめいて……そして、消えた
何かを探すように揺らめいて……そして、消えた
to be