少女は帰り道、数多くの女子生徒に帰りながらの下校だった。
「ねえねえ、本条さんって、本条君の許嫁なんでしょ?」
「違う。あんなのとは一生無理だ」
「えー、でもでも、一緒に暮らしてるってのは本当なんでしょ?」
「いいなー! 本条君ってあの性格で人気無いけど、あの顔じゃん? 狙ってたりしてたんだよね」
「やるよやるよ。あんなのでよければ、ラッピングして宅配業者にでも頼むから」
「じゃー私にもー!」
「うぇ? なら私も私もー!」
「ちょっと待ちなさい! 本条君は一人だけでしょ?」
「心配する事は無い。あんなのがほしい物好きは三人か? 三等分にして送ってやるよ」
「私頭の部分だけでいいや」
「顔がないなら私いーらないっ」
「顔は私によこせっ」
「なら顔を三等分にして送ってやろうか?」
「「「お断りします」」」
少女――――DKGこと本条薫は、クラスメイト達と冗談を言い合いながら、楽しく下校していた。
(……本当に切ったりしませんよね?)
そんな光景を、屋根の上から見聞きしている少年――――雄介は、苦笑いをしながら、屋根から屋根へと跳ぶのであった。
「ねえねえ、本条さんって、本条君の許嫁なんでしょ?」
「違う。あんなのとは一生無理だ」
「えー、でもでも、一緒に暮らしてるってのは本当なんでしょ?」
「いいなー! 本条君ってあの性格で人気無いけど、あの顔じゃん? 狙ってたりしてたんだよね」
「やるよやるよ。あんなのでよければ、ラッピングして宅配業者にでも頼むから」
「じゃー私にもー!」
「うぇ? なら私も私もー!」
「ちょっと待ちなさい! 本条君は一人だけでしょ?」
「心配する事は無い。あんなのがほしい物好きは三人か? 三等分にして送ってやるよ」
「私頭の部分だけでいいや」
「顔がないなら私いーらないっ」
「顔は私によこせっ」
「なら顔を三等分にして送ってやろうか?」
「「「お断りします」」」
少女――――DKGこと本条薫は、クラスメイト達と冗談を言い合いながら、楽しく下校していた。
(……本当に切ったりしませんよね?)
そんな光景を、屋根の上から見聞きしている少年――――雄介は、苦笑いをしながら、屋根から屋根へと跳ぶのであった。
「ただいまっと」
「お帰りなさーい」
薫は玄関で靴をそろえると(最初日本に来た時は、土足で踏み込んで怒られた)、なぜか自分の方が先に帰ってきたはずなのだが、既に夕飯を作っている雄介の姿があった。
「今日は餃子ですよ! 百個位作っちゃいますよー!!」
「……流石に多すぎないか?」
「いえいえ、今日の夕飯に明日の朝食にお弁当にもなります」
「……朝からニンニクか、今から嫌になってきた」
「それとできるのが一時間後なので、ゆっくりしていてください」
「わかった」
薫は鞄を放り投げ、そのままソファに背を預けるように倒れる。
「いつまでも制服姿だと、ニンニクのにおいが付きますよ」
「……はーい」
これから着替えようと思っていたのに……、とぶつくさ言いながら、自室に入る。
薫の基本的な服装は、Tシャツの上にミニジャケットを着て、ホットパンツを履いているだけだ。
制服を脱いでしまえば、後はもうぱぱっと着れた。
服を着終わると、自室から出てソファで本を読む。これは薫の習性と言っても良いだろう。
薫は床に放りっぱなしにしてあった鞄から、銃器関連の本を取り出そうとする。が、
「……無い」
バックをひっくり返しても無い。せっかく片づけたのに……、と雄介がため息をついていたが、薫は自分の部屋に戻り、机もベットも棚も、心当たりは全て見たが、どこにもない。
いや、後一つだけ、心当たりがある。
「……教科書と一緒に忘れてきたか」
はあ、とため息をつき、時計を見てみる。
六時半……そろそろ外も暗くなってきたし、薫としては出たくないのだが、日本では銃器関連の本はあれしか持っていない(アメリカにいたころ持っていたのは、荷物になるので全部向こうで捨てた)。
だが、校内に入る為には制服で行かなければならない。
「……深夜なら、私服でもばれないよな」
彼女に思考に、明日の朝に持ち越すという考えは、浮かばなかった。
「お帰りなさーい」
薫は玄関で靴をそろえると(最初日本に来た時は、土足で踏み込んで怒られた)、なぜか自分の方が先に帰ってきたはずなのだが、既に夕飯を作っている雄介の姿があった。
「今日は餃子ですよ! 百個位作っちゃいますよー!!」
「……流石に多すぎないか?」
「いえいえ、今日の夕飯に明日の朝食にお弁当にもなります」
「……朝からニンニクか、今から嫌になってきた」
「それとできるのが一時間後なので、ゆっくりしていてください」
「わかった」
薫は鞄を放り投げ、そのままソファに背を預けるように倒れる。
「いつまでも制服姿だと、ニンニクのにおいが付きますよ」
「……はーい」
これから着替えようと思っていたのに……、とぶつくさ言いながら、自室に入る。
薫の基本的な服装は、Tシャツの上にミニジャケットを着て、ホットパンツを履いているだけだ。
制服を脱いでしまえば、後はもうぱぱっと着れた。
服を着終わると、自室から出てソファで本を読む。これは薫の習性と言っても良いだろう。
薫は床に放りっぱなしにしてあった鞄から、銃器関連の本を取り出そうとする。が、
「……無い」
バックをひっくり返しても無い。せっかく片づけたのに……、と雄介がため息をついていたが、薫は自分の部屋に戻り、机もベットも棚も、心当たりは全て見たが、どこにもない。
いや、後一つだけ、心当たりがある。
「……教科書と一緒に忘れてきたか」
はあ、とため息をつき、時計を見てみる。
六時半……そろそろ外も暗くなってきたし、薫としては出たくないのだが、日本では銃器関連の本はあれしか持っていない(アメリカにいたころ持っていたのは、荷物になるので全部向こうで捨てた)。
だが、校内に入る為には制服で行かなければならない。
「……深夜なら、私服でもばれないよな」
彼女に思考に、明日の朝に持ち越すという考えは、浮かばなかった。
その後、ソファに転がりながら別の本で過ごし、雄介の餃子を食べ(かなりおいしく、30位食べてしまった)、二人でテレビを見て過ごした。
雄介が時計を見ると、もう12時になるところだった。
「さて、風呂に入って、そろそろ寝ますか」
「ああ、悪い。学校に忘れ物したから取ってくる」
「なぜこの時間何ですか?」
「制服着たくなかったから」
「……本当は?」
「夜の学校とか面白そうだろ? 少なくとも、退屈はしない」
薫は不敵な笑みを見せ、ベランダから跳んでいった。
「……やれやれ」
とりあえず、風呂の準備をしておこうと思い、雄介は風呂場に向かうのであった。
雄介が時計を見ると、もう12時になるところだった。
「さて、風呂に入って、そろそろ寝ますか」
「ああ、悪い。学校に忘れ物したから取ってくる」
「なぜこの時間何ですか?」
「制服着たくなかったから」
「……本当は?」
「夜の学校とか面白そうだろ? 少なくとも、退屈はしない」
薫は不敵な笑みを見せ、ベランダから跳んでいった。
「……やれやれ」
とりあえず、風呂の準備をしておこうと思い、雄介は風呂場に向かうのであった。
薫――――今は能力全開なので、DKGと呼んだ方がいいだろうか?
DKGは幸いにも、二階の窓がカギがかかっていなかったので、その窓からひょいと入った。
教室の鍵はあるらしいが、鍵をかけてはいないらしく、別段苦労はしなかった。
「……ん? 都市伝説か」
何やら都市伝説が交戦中らしいが、今はそんなとことより本が先だ。
DKGはそのまま寄り道をせず、自分の通う事になっている教室に入る。今日一日だけしか過ごしていないが、なんだかとても楽しい気分になる。
そんな事に浸り終わると、自分の机の中から目的の本を取り出し、ミニジャケットのポケットに入れる。
「さて、それじゃ日本の都市伝説見学、開始ってところだな」
パンっ、と手を叩き、不敵な笑みを浮かべながら、DKGは歩きだす。
DKGは幸いにも、二階の窓がカギがかかっていなかったので、その窓からひょいと入った。
教室の鍵はあるらしいが、鍵をかけてはいないらしく、別段苦労はしなかった。
「……ん? 都市伝説か」
何やら都市伝説が交戦中らしいが、今はそんなとことより本が先だ。
DKGはそのまま寄り道をせず、自分の通う事になっている教室に入る。今日一日だけしか過ごしていないが、なんだかとても楽しい気分になる。
そんな事に浸り終わると、自分の机の中から目的の本を取り出し、ミニジャケットのポケットに入れる。
「さて、それじゃ日本の都市伝説見学、開始ってところだな」
パンっ、と手を叩き、不敵な笑みを浮かべながら、DKGは歩きだす。
都市伝説と交戦があった女子トイレの前につくと、ちょうど終わったらしく、交戦していた片方の都市伝説が消えたのを感じた。
(なんだ、もう終わったのか――――)
DKGは女子トイレに入ると、柄にもなく絶句してしまった。
この学校の制服を着た男が、おかっぱの、下手したら十歳にも見たないであろう少女の頭を撫でているのだ。
よくよく感じてみると、少女の方が都市伝説らしい。一瞬、頭を撫でている男が、少女をここに連れ込んでいるか変態かと思った。
何だか面白い事になりそうな気がしたので、完全に気配と姿を消し、二人の後ろから声をかけてみた。
「どうも、先輩方」
「っ!?」
「みっ!?」
誰もいないはずの後ろから、突如声をかけられ、とっさに水で作られた刃を構える男。
その髪に隠れた目からは、DKGの嫌いな殺し屋の目にも似ている。
「……DKGか」
「俺の事を知っているのか? 今となっては嬉しいやら悲し」
「黙れ」
ぴしゃりと、発言を遮られ、少しイラときた。
「仮にもあんたの後輩だぞ。警戒解いても罰はあたら」
「黙れと言ってるのが聞こえなかったのか」
尚も遮る男に、かなりイラッときた。
「……こちらの質問に答えてもらおうか」
男は、慎重に、ゆっくりと、まるで人質を持っている強盗に話しかけるように、DKGに接する。
「こちらもおしゃべりをしに来たみたいな感じだからな。別にいいぜ?」
「質問だけに答えてもらおう」
男は尚も、慎重に、ゆっくりと、話しかけてくる。まるで、なるべき刺激を与えないように。
だが、その滲み出る警戒心という殺気は隠せてはいないので、DKGからしたら何がしたいのかわからないのだが。
「お前は、俺と花子さんに、何をするつもりだ?」
「いや? 別に何も?」
この質問でなんとなくわかった。この男は、自分が殺しに来たのだと思っているのだ。
どういう情報が伝わっているかは分からないが、恐らく自分の存在を保つために、平気な顔をして誰にもできない殺しをしているとでも聞いているのだろう。
自分の事を分かってもらえないというのは、キツイものだと改めて実感した。
こんな時に何だが、自分の事をすぐに分かった雄介には、感謝しきれない。
「安心しろ、俺に襲ってこない限り、もう何も殺さない。お前達も、殺さないし、傷一つ付けない」
「……本当か?」
ここまで必死になって確認するというのは、この男は自分の命ではなく、おそらく隣にいる少女――――花子さんとやらが、とても大切な存在なのだろう。
「本当だ」
だから、安心してもらえるように、心の奥底から断言する。
「み!」
「花子さん?」
花子さんとやらは、男の袖をひっぱり、水の刃を消した。
「けーやくしゃ、あの人、悪い人じゃないよ?」
「……そうか」
やけにあっさりと頷く男に、DKGは少し拍子ぬけたが、そこまで信じているんだろうとすぐに納得した。
「……あー」
男は何か気まずそうな雰囲気を出しながら、DKGに話しかけてくる。
「その、疑って悪かったな」
「別に構わない。慣れてるしな」
慣れてると平気はかなり違うが、そこは野暮なので言わないでおく。
「よー、なんだなんだ? 転校生と女子トイレで待ち合わせって、お前も罪な男だな」
「違います」
ふらり、と女子トイレの出入り口から顔を出した理科の教師。名前は覚えていないが、不良教師と呼ばれていたのは覚えている。
その後ろから、理科室にあった人体模型と骸骨が入ってくる。
『いや~、ホンマお疲れサマ』
『肩お揉みしましょうか?』
「……グロテスクな光景だな」
ボソッと呟いただけなのだが、どこかガーンとショックな顔をしている気がする。
「それにしても、この学校には教師にも契約者がいるのか」
「まあ、この学校町じゃ珍しく無いんじゃないか? ……それどころか、都市伝説が学校に通い出す方が珍しいけどね」
やれやれと不良教師は首をすくめる。どうやら、この教師もDKGの事は知っているらしい。
そういえば、女子トイレの出入り口から、こっちに踏み出してこない。この男と話しているので多少は安心しているようだが、それでも警戒心はあるらしい。
不良教師は懐から煙草とライターを出すが、み! と花子さんに止められて、しぶしぶとしまう。
「生徒にも契約者はいるし、日本ってのは物騒な国だ。アニメ文化が栄えてるだけと思ってたけどな」
「それも学校町が異常なだけだと思うけどね」
男はやれやれと首をすくめてはいるが、あまり嫌がってはいないらしい。
恐らくだが、花子さん以外にも、都市伝説関連で知り合った友人などがいるからではないだろうか?
「そういや獄門寺。今日宿題結構だしたけど、終わってんのか?」
どうやら男の名前は獄門寺いうらしく、はいと男は答える。
「既に終わってます」
「そっちの転校生の方は? 提出月曜だけど」
「ワタチ、ニーホンゴワッカリマスェ―ン」
「「さっき思い切り日本語喋ってただろ!」」
獄門寺という男、以外にもノリが良いらしい。
(なんだ、もう終わったのか――――)
DKGは女子トイレに入ると、柄にもなく絶句してしまった。
この学校の制服を着た男が、おかっぱの、下手したら十歳にも見たないであろう少女の頭を撫でているのだ。
よくよく感じてみると、少女の方が都市伝説らしい。一瞬、頭を撫でている男が、少女をここに連れ込んでいるか変態かと思った。
何だか面白い事になりそうな気がしたので、完全に気配と姿を消し、二人の後ろから声をかけてみた。
「どうも、先輩方」
「っ!?」
「みっ!?」
誰もいないはずの後ろから、突如声をかけられ、とっさに水で作られた刃を構える男。
その髪に隠れた目からは、DKGの嫌いな殺し屋の目にも似ている。
「……DKGか」
「俺の事を知っているのか? 今となっては嬉しいやら悲し」
「黙れ」
ぴしゃりと、発言を遮られ、少しイラときた。
「仮にもあんたの後輩だぞ。警戒解いても罰はあたら」
「黙れと言ってるのが聞こえなかったのか」
尚も遮る男に、かなりイラッときた。
「……こちらの質問に答えてもらおうか」
男は、慎重に、ゆっくりと、まるで人質を持っている強盗に話しかけるように、DKGに接する。
「こちらもおしゃべりをしに来たみたいな感じだからな。別にいいぜ?」
「質問だけに答えてもらおう」
男は尚も、慎重に、ゆっくりと、話しかけてくる。まるで、なるべき刺激を与えないように。
だが、その滲み出る警戒心という殺気は隠せてはいないので、DKGからしたら何がしたいのかわからないのだが。
「お前は、俺と花子さんに、何をするつもりだ?」
「いや? 別に何も?」
この質問でなんとなくわかった。この男は、自分が殺しに来たのだと思っているのだ。
どういう情報が伝わっているかは分からないが、恐らく自分の存在を保つために、平気な顔をして誰にもできない殺しをしているとでも聞いているのだろう。
自分の事を分かってもらえないというのは、キツイものだと改めて実感した。
こんな時に何だが、自分の事をすぐに分かった雄介には、感謝しきれない。
「安心しろ、俺に襲ってこない限り、もう何も殺さない。お前達も、殺さないし、傷一つ付けない」
「……本当か?」
ここまで必死になって確認するというのは、この男は自分の命ではなく、おそらく隣にいる少女――――花子さんとやらが、とても大切な存在なのだろう。
「本当だ」
だから、安心してもらえるように、心の奥底から断言する。
「み!」
「花子さん?」
花子さんとやらは、男の袖をひっぱり、水の刃を消した。
「けーやくしゃ、あの人、悪い人じゃないよ?」
「……そうか」
やけにあっさりと頷く男に、DKGは少し拍子ぬけたが、そこまで信じているんだろうとすぐに納得した。
「……あー」
男は何か気まずそうな雰囲気を出しながら、DKGに話しかけてくる。
「その、疑って悪かったな」
「別に構わない。慣れてるしな」
慣れてると平気はかなり違うが、そこは野暮なので言わないでおく。
「よー、なんだなんだ? 転校生と女子トイレで待ち合わせって、お前も罪な男だな」
「違います」
ふらり、と女子トイレの出入り口から顔を出した理科の教師。名前は覚えていないが、不良教師と呼ばれていたのは覚えている。
その後ろから、理科室にあった人体模型と骸骨が入ってくる。
『いや~、ホンマお疲れサマ』
『肩お揉みしましょうか?』
「……グロテスクな光景だな」
ボソッと呟いただけなのだが、どこかガーンとショックな顔をしている気がする。
「それにしても、この学校には教師にも契約者がいるのか」
「まあ、この学校町じゃ珍しく無いんじゃないか? ……それどころか、都市伝説が学校に通い出す方が珍しいけどね」
やれやれと不良教師は首をすくめる。どうやら、この教師もDKGの事は知っているらしい。
そういえば、女子トイレの出入り口から、こっちに踏み出してこない。この男と話しているので多少は安心しているようだが、それでも警戒心はあるらしい。
不良教師は懐から煙草とライターを出すが、み! と花子さんに止められて、しぶしぶとしまう。
「生徒にも契約者はいるし、日本ってのは物騒な国だ。アニメ文化が栄えてるだけと思ってたけどな」
「それも学校町が異常なだけだと思うけどね」
男はやれやれと首をすくめてはいるが、あまり嫌がってはいないらしい。
恐らくだが、花子さん以外にも、都市伝説関連で知り合った友人などがいるからではないだろうか?
「そういや獄門寺。今日宿題結構だしたけど、終わってんのか?」
どうやら男の名前は獄門寺いうらしく、はいと男は答える。
「既に終わってます」
「そっちの転校生の方は? 提出月曜だけど」
「ワタチ、ニーホンゴワッカリマスェ―ン」
「「さっき思い切り日本語喋ってただろ!」」
獄門寺という男、以外にもノリが良いらしい。
ある程度親交を深めると、今日は解散という事になり、帰る事になった。
とはいっても、途中まで帰る方向は一緒なので、DKGは花子さんと話しながら歩いていた。
「というか、お前トイレじゃなくても出てこれるんだな」
「み! けーやくしゃと一緒だから、大丈夫なの!」
にっこりと笑顔でそういう花子さんを見て、自分はこんな純粋な笑顔をすることは、多分一生できないんだろうなと、ふと考えてしまう。
だが、いざ道が分かれて本当にさようならとなる前に、包帯を体中にグルグル巻きし、刀を背負って自転車をこいでいる都市伝説がいた。
「あれ何だ? 包帯男か何かか?」
「みー?」
花子さんも首をかしげている。どうやらマイナーな都市伝説らしい。
獄門寺を見てみると、獄門寺も首をかしげていた。
「……俺にもわからない」
「あれ? 何だ、知ってるの俺だけか?」
そんな三人に、懐かしそうな目で包帯男(仮)を語りだす。
「あれは『トンカラトン』っていう都市伝説だよ」
「「「トンカラトン?」」」
まるで擬音のような名前に三人が同時に首をかしげると、こっちに気がついたのかトンカラトンとやらがこっちに向かって漕ぎだした。
「そうそう。確か――――」
だが、不良教師はとたんに顔を青くする。
「……自分の名前をいえと言われずに呼んでしまうと、切られて仲間にされちまうんだ……っ!!」
不良教師はバッ! と来た道を走りだし、その言葉の意味と、自分たちが置かれている状況に整理がつくと、二人も来た道を走りだす(花子さんはDKGが反射的に背負った)。
「バカ! 何で自爆してるんだこのダメ教師!」
「おまけに俺達まで道ずれにすんな! ハチの巣にするぞタバコ教師!」
「しょうがないだろ! 随分と古いアニメを思い出したら、すっかり大事な部分を忘れてたんだよ! 第三者視点だったんだよ!」
必死に言いわけをしているが、トンカラトンは自転車に乗りながら、じわじわと追い詰めてくる。
「……トン、トン、トンカラトン。トン、トン、トン、トン、トンカラトン」
「うわーしかも歌歌いながらとか余裕過ぎるだろアイツ!」
「確かアニメでも歌ってたな!」
「ってそういやお前! さっき水の刃で攻撃しただろ!」
「あれはトイレじゃないと無理だ! ドスはあるがこれじゃ対応のしようがない! お前はどうだ!? お前の能力はここでは使えないのか!?」
「え? 俺が今能力使って殺してもいいのか?」
きょとんと聞き返すDKGに、何か意味があるのかと獄門寺は考え、質問を質問で返す。
「……それは俺達を巻きこむという事か?」
「いや、別に大丈夫けどな……殺すのは嫌だって言ったろ?」
「もう正直ヤバいし、とっとと始末してくれると助かる」
嘘だな、とDKGは走りながら思う。
この男は、首塚だか宝塚やらという組織に協力関係にあると聞いた。
雄介から聞いた話によれば、獄門寺の協力関係にある組織は、雄介の協力している組織とは敵対しているらしい。それで聞いたのだが、どうやら雄介のところほど戦力や根回しがあまりできていないらしく、具体的には活動してきていないらしい(雄介もおぼろげに言っていたので、真意は確かではない)。
恐らく、獄門寺はトンカラトンを通して、DKGの戦力調査といったところだろう。
この男なら、ドスだけでもなんとかなりそうというのも、嘘だと思った理由の一つだが。
だが、このまま簡単に戦力調査されるのも気に食わないので、一つ子供じみた意地悪をしてうある事にした。
「……なあ、お前らの命の優先順位ってなんだ?」
「え?」
「あれは殺そうこれはダメ……。命の順位って、人が簡単にしている命の区別……。それは何だ?」
花子さんを獄門寺に手渡しすると、虚空から大剣を取り出し、上段の構えをとる。
トンカラトンも、刀を上段にしながら自転車で迫ってくる。
とはいっても、途中まで帰る方向は一緒なので、DKGは花子さんと話しながら歩いていた。
「というか、お前トイレじゃなくても出てこれるんだな」
「み! けーやくしゃと一緒だから、大丈夫なの!」
にっこりと笑顔でそういう花子さんを見て、自分はこんな純粋な笑顔をすることは、多分一生できないんだろうなと、ふと考えてしまう。
だが、いざ道が分かれて本当にさようならとなる前に、包帯を体中にグルグル巻きし、刀を背負って自転車をこいでいる都市伝説がいた。
「あれ何だ? 包帯男か何かか?」
「みー?」
花子さんも首をかしげている。どうやらマイナーな都市伝説らしい。
獄門寺を見てみると、獄門寺も首をかしげていた。
「……俺にもわからない」
「あれ? 何だ、知ってるの俺だけか?」
そんな三人に、懐かしそうな目で包帯男(仮)を語りだす。
「あれは『トンカラトン』っていう都市伝説だよ」
「「「トンカラトン?」」」
まるで擬音のような名前に三人が同時に首をかしげると、こっちに気がついたのかトンカラトンとやらがこっちに向かって漕ぎだした。
「そうそう。確か――――」
だが、不良教師はとたんに顔を青くする。
「……自分の名前をいえと言われずに呼んでしまうと、切られて仲間にされちまうんだ……っ!!」
不良教師はバッ! と来た道を走りだし、その言葉の意味と、自分たちが置かれている状況に整理がつくと、二人も来た道を走りだす(花子さんはDKGが反射的に背負った)。
「バカ! 何で自爆してるんだこのダメ教師!」
「おまけに俺達まで道ずれにすんな! ハチの巣にするぞタバコ教師!」
「しょうがないだろ! 随分と古いアニメを思い出したら、すっかり大事な部分を忘れてたんだよ! 第三者視点だったんだよ!」
必死に言いわけをしているが、トンカラトンは自転車に乗りながら、じわじわと追い詰めてくる。
「……トン、トン、トンカラトン。トン、トン、トン、トン、トンカラトン」
「うわーしかも歌歌いながらとか余裕過ぎるだろアイツ!」
「確かアニメでも歌ってたな!」
「ってそういやお前! さっき水の刃で攻撃しただろ!」
「あれはトイレじゃないと無理だ! ドスはあるがこれじゃ対応のしようがない! お前はどうだ!? お前の能力はここでは使えないのか!?」
「え? 俺が今能力使って殺してもいいのか?」
きょとんと聞き返すDKGに、何か意味があるのかと獄門寺は考え、質問を質問で返す。
「……それは俺達を巻きこむという事か?」
「いや、別に大丈夫けどな……殺すのは嫌だって言ったろ?」
「もう正直ヤバいし、とっとと始末してくれると助かる」
嘘だな、とDKGは走りながら思う。
この男は、首塚だか宝塚やらという組織に協力関係にあると聞いた。
雄介から聞いた話によれば、獄門寺の協力関係にある組織は、雄介の協力している組織とは敵対しているらしい。それで聞いたのだが、どうやら雄介のところほど戦力や根回しがあまりできていないらしく、具体的には活動してきていないらしい(雄介もおぼろげに言っていたので、真意は確かではない)。
恐らく、獄門寺はトンカラトンを通して、DKGの戦力調査といったところだろう。
この男なら、ドスだけでもなんとかなりそうというのも、嘘だと思った理由の一つだが。
だが、このまま簡単に戦力調査されるのも気に食わないので、一つ子供じみた意地悪をしてうある事にした。
「……なあ、お前らの命の優先順位ってなんだ?」
「え?」
「あれは殺そうこれはダメ……。命の順位って、人が簡単にしている命の区別……。それは何だ?」
花子さんを獄門寺に手渡しすると、虚空から大剣を取り出し、上段の構えをとる。
トンカラトンも、刀を上段にしながら自転車で迫ってくる。
「まあ、そんなの人それぞれで、自分勝手だけどな」
一瞬、大剣を上から下に振り落とし、刀ごとトンカラトンを左右対称に斬り落とす。
これを目視できるのは、上級の都市伝説位だろう。
「明日は筋肉痛か?」
そんな物はDKGに存在しないが、能力を使わず筋肉だけでさっきの事を行うのは、辛いことは確かだ。
前の彼女なら、死んだ都市伝説をこの世に残し、残酷なオブジェに変えてそこらへんに捨てていたが、今は恐怖を与える必要は無いので普通に殺した。
自然……いや、最初からそこに無かったように消えていくトンカラトンを見て、自分もこうやって消えていくのかと感じる。そんな消え方だと、自分が本当に異形の存在だと改めて感じる。
(……人間になることは、不可能だな)
そんなありえもしない事を考えながら、目から涙が流れ落ちないように、夜空を見上げる。
「トンカラトン消したし、疲れた。もう帰る」
誰の顔も見たくなかったし、見せたくなかった。やはり、何かを殺すという事は、今の彼女にはキツい。
三人に背を向け、大剣を虚空にしまった。
これを目視できるのは、上級の都市伝説位だろう。
「明日は筋肉痛か?」
そんな物はDKGに存在しないが、能力を使わず筋肉だけでさっきの事を行うのは、辛いことは確かだ。
前の彼女なら、死んだ都市伝説をこの世に残し、残酷なオブジェに変えてそこらへんに捨てていたが、今は恐怖を与える必要は無いので普通に殺した。
自然……いや、最初からそこに無かったように消えていくトンカラトンを見て、自分もこうやって消えていくのかと感じる。そんな消え方だと、自分が本当に異形の存在だと改めて感じる。
(……人間になることは、不可能だな)
そんなありえもしない事を考えながら、目から涙が流れ落ちないように、夜空を見上げる。
「トンカラトン消したし、疲れた。もう帰る」
誰の顔も見たくなかったし、見せたくなかった。やはり、何かを殺すという事は、今の彼女にはキツい。
三人に背を向け、大剣を虚空にしまった。
その瞬間を狙っていたかの様に、DKGの後ろに刀を構えてトンカラトンが現れた。
だが、ファントムが夜空からの青いキックを繰り出し、トンカラトンは消え去った。
だが、ファントムが夜空からの青いキックを繰り出し、トンカラトンは消え去った。
「俺の女に手をだすなよ」
もういないはずのトンカラトンに、ものすごい都市伝説パワーやら怒りが漏れ出しているファントムは言った。
「……ってお前!? どうしてここにいるんだ!?」
「あなたが何かを殺そうとしていたから、止めに来たのですが……どうやら、一人間に合わなかったらしいですね。本当にすいませんでした。あなたを幸せにすると誓っておきながら、あなたが殺しという重荷を一つ背負わせてしまいました。本当に、すいませんでした」
ファントムは深々と頭を下げる。それからは、悲しみが滲み出ていた。
「俺の女が世話になった」
すっかり置いてきぼりの三人にぺこりと頭を下げ、DKG――――薫をお姫様だっこする。
「ちょ、お前っ」
「月曜日、会えたら会おうぜ。先生、先輩」
そう言い残すと、ファントムは夜空に消えた。
嵐みたいな男だ、と思う前に、二人は大きな疑問が残った。
「……なあ、あんな生徒いたか? というか最近噂のファントムか?」
「……あんな都市伝説が生徒になってるって、聞いたことが無い」
「み?」
あんなのがいたら、容姿でも気配でも、どちらでもすぐに感じ取れるだろう。
二人はファントムが何なのかを深々と考え、花子さんはこの急展開に頭が追いついていなかった。
もういないはずのトンカラトンに、ものすごい都市伝説パワーやら怒りが漏れ出しているファントムは言った。
「……ってお前!? どうしてここにいるんだ!?」
「あなたが何かを殺そうとしていたから、止めに来たのですが……どうやら、一人間に合わなかったらしいですね。本当にすいませんでした。あなたを幸せにすると誓っておきながら、あなたが殺しという重荷を一つ背負わせてしまいました。本当に、すいませんでした」
ファントムは深々と頭を下げる。それからは、悲しみが滲み出ていた。
「俺の女が世話になった」
すっかり置いてきぼりの三人にぺこりと頭を下げ、DKG――――薫をお姫様だっこする。
「ちょ、お前っ」
「月曜日、会えたら会おうぜ。先生、先輩」
そう言い残すと、ファントムは夜空に消えた。
嵐みたいな男だ、と思う前に、二人は大きな疑問が残った。
「……なあ、あんな生徒いたか? というか最近噂のファントムか?」
「……あんな都市伝説が生徒になってるって、聞いたことが無い」
「み?」
あんなのがいたら、容姿でも気配でも、どちらでもすぐに感じ取れるだろう。
二人はファントムが何なのかを深々と考え、花子さんはこの急展開に頭が追いついていなかった。
「……俺はお前の女じゃないだろ?」
「恥ずかしがらなくても良いですよ。……それにしても、本当に華奢な体ですよね。胸以外」
「セクハラで訴えられるのと、ここで腕が折れるの、どっちがいいか選択肢を与えてやる」
「……そんな魅力的ボディを持っているあなたが訴えられますよ」
あの後、家に帰った二人は、ホットミルクを飲みながら話をしていた。薫は、相変わらずソファで飲んでいる。
「……なあ」
前から、ずっと気になっていた事を、薫は聞いてみる事にした。
「はい?」
「何で、そこまで俺に優しくするんだ?」
「愛しているからですよ」
「そうじゃない! そういうのじゃなくて……」
何と言えばいいのか、薫自身分からない。
それを察し、雄介はホットミルクをテーブルの上に置き、薫の隣に座る。
「……人を殺す苦悩を、私も知っているんです」
そのまま薫にもたれかかり、弱弱しく薫の首に抱きつく。
「自分が生きるために、他人を殺す……。都市伝説の力を初めて手に入れた時、そんな事をしたんです。……とてもつらかった。体が、心が、魂が、全部引き裂かれるように感じました。……最初あなたにあった時、そんなあなたの苦悩が見えたんです」
「……だから愛してるだなんて嘘を言ったのか? 俺に同情して」
その言葉を聞いて、雄介は抱きしめる力を強くする。まるで、今にも消えてしまいそうな物を、失わないように、強く強く……。
「確かにあなたに同情しました。でも、この愛は偽りじゃない。本物だ。あなたに初めて会った時、同情と共に、恋にも落ちてしまったんですよ」
「変なヤツだ」
「……よく変人って言われます。慣れているので、別に何とでも言ってください」
薫は不敵な笑顔を見せると、
「……お前も、俺の為にそこまで辛い思いをしなくてもいいぞ」
優しく抱きしめ、まるで母親の様に頭を撫でてた。
「辛くはありませんよ。私はあなたが好きでやってるんですから」
雄介もにっこりといつもの笑みを浮かべ、薫の頭を優しく撫でた。
「恥ずかしがらなくても良いですよ。……それにしても、本当に華奢な体ですよね。胸以外」
「セクハラで訴えられるのと、ここで腕が折れるの、どっちがいいか選択肢を与えてやる」
「……そんな魅力的ボディを持っているあなたが訴えられますよ」
あの後、家に帰った二人は、ホットミルクを飲みながら話をしていた。薫は、相変わらずソファで飲んでいる。
「……なあ」
前から、ずっと気になっていた事を、薫は聞いてみる事にした。
「はい?」
「何で、そこまで俺に優しくするんだ?」
「愛しているからですよ」
「そうじゃない! そういうのじゃなくて……」
何と言えばいいのか、薫自身分からない。
それを察し、雄介はホットミルクをテーブルの上に置き、薫の隣に座る。
「……人を殺す苦悩を、私も知っているんです」
そのまま薫にもたれかかり、弱弱しく薫の首に抱きつく。
「自分が生きるために、他人を殺す……。都市伝説の力を初めて手に入れた時、そんな事をしたんです。……とてもつらかった。体が、心が、魂が、全部引き裂かれるように感じました。……最初あなたにあった時、そんなあなたの苦悩が見えたんです」
「……だから愛してるだなんて嘘を言ったのか? 俺に同情して」
その言葉を聞いて、雄介は抱きしめる力を強くする。まるで、今にも消えてしまいそうな物を、失わないように、強く強く……。
「確かにあなたに同情しました。でも、この愛は偽りじゃない。本物だ。あなたに初めて会った時、同情と共に、恋にも落ちてしまったんですよ」
「変なヤツだ」
「……よく変人って言われます。慣れているので、別に何とでも言ってください」
薫は不敵な笑顔を見せると、
「……お前も、俺の為にそこまで辛い思いをしなくてもいいぞ」
優しく抱きしめ、まるで母親の様に頭を撫でてた。
「辛くはありませんよ。私はあなたが好きでやってるんですから」
雄介もにっこりといつもの笑みを浮かべ、薫の頭を優しく撫でた。
See you next time ・・・