【ラップトップハッピネス 第一話「なんか拾った」】
俺の名前は蒼坂蓮、ジーナ・フォイロの契約者。
もう人間ではないので多分化物である。
もう人間ではないので多分化物である。
「いや、やべえ困った。」
俺は今ワリと困っていた。
原因は目の前で毒にうなされている少女。
いつも通り化物の義務として殺したくもないのにパンピーを殺戮してまわっていたところで死にそこねた女の子を一人拾ってしまったのだ。
別に可愛いかったからというわけではない、只の興味本位だ。
一応恋人は居る。
もう殺したけど。
最後まで何故こうなったのか分からないって顔していたのを覚えている。
ただ心根の優しい良い子で、他人の不幸を悲しめる素敵な女性だった。
そばにおいておけば悲しいって感情を勉強できるかと思ったんだけど本当に使えなくてガッカリだった。
ただやっぱり良い子なので俺の恋人。
ほら、良く言うじゃない、心の中に生きているって!
…………死んだ奴は素直に死なせてやれよ、エゴだよねああいうのって。
原因は目の前で毒にうなされている少女。
いつも通り化物の義務として殺したくもないのにパンピーを殺戮してまわっていたところで死にそこねた女の子を一人拾ってしまったのだ。
別に可愛いかったからというわけではない、只の興味本位だ。
一応恋人は居る。
もう殺したけど。
最後まで何故こうなったのか分からないって顔していたのを覚えている。
ただ心根の優しい良い子で、他人の不幸を悲しめる素敵な女性だった。
そばにおいておけば悲しいって感情を勉強できるかと思ったんだけど本当に使えなくてガッカリだった。
ただやっぱり良い子なので俺の恋人。
ほら、良く言うじゃない、心の中に生きているって!
…………死んだ奴は素直に死なせてやれよ、エゴだよねああいうのって。
「死にたくない……。」
「そんなに命が惜しいのかい。」
「そんなに命が惜しいのかい。」
死にたくないなんて、不思議な子だ。
「――――――!」
少女が眼を覚ました。
俺の毒を諸に喰らったにしては回復がずいぶん早い。
中々興味深い事実だ。
少女は驚いたように辺りをキョロキョロと見回している。
俺の毒を諸に喰らったにしては回復がずいぶん早い。
中々興味深い事実だ。
少女は驚いたように辺りをキョロキョロと見回している。
「そこに誰か居るんですか。」
「ああ。倒れている君を拾った通りすがりのお兄さんが居る。」
「明かりをつけてください。」
「もうついている。たぶん君の眼が見えてないだけだ。」
「ああ。倒れている君を拾った通りすがりのお兄さんが居る。」
「明かりをつけてください。」
「もうついている。たぶん君の眼が見えてないだけだ。」
少女の顔に怯えたような色が浮かぶ。
「とりあえずこれから君を医者に連れていこうか迷っているんだけどどうしたら良い?
君のご両親にも連絡したいんだがどこに連絡すればいいのかも分からない。」
「そ、それはやめてください!」
「なんで?両親って居ないと悲しいものなんじゃないの?」
「……事情は、聞かないでください。」
「オッケー、聞かない。」
君のご両親にも連絡したいんだがどこに連絡すればいいのかも分からない。」
「そ、それはやめてください!」
「なんで?両親って居ないと悲しいものなんじゃないの?」
「……事情は、聞かないでください。」
「オッケー、聞かない。」
まあ親と喧嘩してたとかそんな感じではない。
さっき服をひっペがしてみると目立たない所に幾つも傷跡があったし、彼女の財布の中には子供が普通持たないような物や分不相応な量の金が入っていた。
まあ世の中に屑なんていくらでも居るし、気にするほどのことでもない。
しかしこれは中々悲劇ではないだろうか。
興味深い。
さっき服をひっペがしてみると目立たない所に幾つも傷跡があったし、彼女の財布の中には子供が普通持たないような物や分不相応な量の金が入っていた。
まあ世の中に屑なんていくらでも居るし、気にするほどのことでもない。
しかしこれは中々悲劇ではないだろうか。
興味深い。
「分かった、じゃあ聞かないでおこう。病院は?」
「病院も……親の所に連絡されるし。」
「どんだけ帰りたくないんだよ。」
「病院も……親の所に連絡されるし。」
「どんだけ帰りたくないんだよ。」
笑いながら言ってみる。
あら、シリアスな感じの顔。
あら、シリアスな感じの顔。
「あの、ここ何処ですか?」
「俺の今のところの家。」
「俺の今のところの家。」
と言っても廃業して打ち捨てられたダーツバーなのだが。
「今のところの?」
「うん、俺ってば世界中旅して回っているから。」
「……連れてってください。」
「はぁ?」
「私もその旅に連れていってください!なんでもしますからお願いします!
もうこの町には居たくないんです!」
「なに、よっぽどの事情が有ったっぽいけど……。
お兄さんにすこーし聞かせてみ?」
「う……。」
「うん、俺ってば世界中旅して回っているから。」
「……連れてってください。」
「はぁ?」
「私もその旅に連れていってください!なんでもしますからお願いします!
もうこの町には居たくないんです!」
「なに、よっぽどの事情が有ったっぽいけど……。
お兄さんにすこーし聞かせてみ?」
「う……。」
気さくでのんきなお兄さんの振りをしながら聞いてみる。
恐らく嫌な思いをしていて、それを他人に話すのは憚られるのだろう。
他人に話すのが憚られるような嫌な思いねえ。
やっぱ“そういう”事情なんだろねえ。
恐らく嫌な思いをしていて、それを他人に話すのは憚られるのだろう。
他人に話すのが憚られるような嫌な思いねえ。
やっぱ“そういう”事情なんだろねえ。
「さっきは聞かないって……。」
「だって“見ず”知らずの旅人にいきなり一緒に旅させろっておかしいじゃん。
そんな無茶を聞いてもらいたいならプリーズテルミー」
「プリーズテルミー?」
「please tell me」
「英語は分かりません。」
「ん?」
「学校行ってないんで。」
「だって“見ず”知らずの旅人にいきなり一緒に旅させろっておかしいじゃん。
そんな無茶を聞いてもらいたいならプリーズテルミー」
「プリーズテルミー?」
「please tell me」
「英語は分かりません。」
「ん?」
「学校行ってないんで。」
ああ、ディテールが掴めてきたぞ。
良いね、昔を思い出すよそういうのは。
ありふれた悲劇だ。
良いね、昔を思い出すよそういうのは。
ありふれた悲劇だ。
「学校に行ってない……?どういうことかな?」
とぼけてみる。
「……本当に言わなくちゃ駄目なんですか?」
俯きながら俺に尋ねる。
光を映さない眼から涙が零れそうになっている。
これだよこれ、いくら見ても飽きない。
こうやって人は悲しむのか。
光を映さない眼から涙が零れそうになっている。
これだよこれ、いくら見ても飽きない。
こうやって人は悲しむのか。
「お願いします、何でもやるんで連れていってください……。
行く所が無いんですよ……!」
行く所が無いんですよ……!」
へえ……、泣いている。
“それ”が泣くほど嫌だったのか。
その程度の悲劇でそこまで泣けるのか。
世界にはもっともっともっともっと悲劇が満ち溢れているのに。
そうだ、良いことを思いついた。
“それ”が泣くほど嫌だったのか。
その程度の悲劇でそこまで泣けるのか。
世界にはもっともっともっともっと悲劇が満ち溢れているのに。
そうだ、良いことを思いついた。
「仕方ないなあ、よく分からないけどお兄さんも男だ。
そこまで言われたら“人肌”脱ぐしかねえなあ。」
そこまで言われたら“人肌”脱ぐしかねえなあ。」
この少女を連れて旅をしてみよう。
まるで家族のように大切に大切にしてその後自らの手で命を奪ってみよう。
無理やり犯し、四肢を引き裂き、ゆっくりと丁寧にいたぶるように殺してみよう。
そのあとは死体を切り刻んでステーキにでもしてやれば良い。
自分が大切にした物を自分の手で壊せばきっと悲しいに違いない。
俺は“悲しい”という感情を持つことができるに違いない。
涙を流せるようになれるにちがいない。
俺ってなんて人でなしの化物なんだろう。
そうと決まれば善は急げだ。
彼女を連れて旅に出よう。
そう思った時、取り込んだはずのジーナ・フォイロから声が聞こえてくる。
まるで家族のように大切に大切にしてその後自らの手で命を奪ってみよう。
無理やり犯し、四肢を引き裂き、ゆっくりと丁寧にいたぶるように殺してみよう。
そのあとは死体を切り刻んでステーキにでもしてやれば良い。
自分が大切にした物を自分の手で壊せばきっと悲しいに違いない。
俺は“悲しい”という感情を持つことができるに違いない。
涙を流せるようになれるにちがいない。
俺ってなんて人でなしの化物なんだろう。
そうと決まれば善は急げだ。
彼女を連れて旅に出よう。
そう思った時、取り込んだはずのジーナ・フォイロから声が聞こえてくる。
「ちょっと待ってろ、少し飯の用意をしてくる。
苦手な物とかあるか?」
「いえ、特にありません。」
「お前の荷物は枕元に置いてある、あとトイレとかは大丈夫か?」
「えと……大丈夫です。」
「ならよし、十分でもどる。」
「え、置いてかないで!?」
「大丈夫だ、絶対に、すぐに戻る。そして君を守る。俺はできない約束はしない主義だ。」
苦手な物とかあるか?」
「いえ、特にありません。」
「お前の荷物は枕元に置いてある、あとトイレとかは大丈夫か?」
「えと……大丈夫です。」
「ならよし、十分でもどる。」
「え、置いてかないで!?」
「大丈夫だ、絶対に、すぐに戻る。そして君を守る。俺はできない約束はしない主義だ。」
少女の目の前で人間の皮を裂いて化物へと姿を戻す。
どうせこの娘に見えてなど居ない。
階段を降りて、外へ出て夜明け前の空へと翼をはためかせる。
目指すは少女の家、住所はとっくに調べてある。
ジーナ・フォイロの言うとおり、化物はバケモノらしく家族を殺し、少女を攫ったことにしよう。
そうすれば俺は更に力を得られるし、まったくもって合理的だ。
どうせこの娘に見えてなど居ない。
階段を降りて、外へ出て夜明け前の空へと翼をはためかせる。
目指すは少女の家、住所はとっくに調べてある。
ジーナ・フォイロの言うとおり、化物はバケモノらしく家族を殺し、少女を攫ったことにしよう。
そうすれば俺は更に力を得られるし、まったくもって合理的だ。
【ラップトップハッピネス 第一話「なんか拾った」 to be continued】