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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - DKGとファントムさん 0,5-

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匿名ユーザー

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「……さて、ここら辺かな」

 一人の青年が、海に浮かぶ船の上で、場所の確認をしていた。青年はナビを細々と確認すると、一人ニヤリと笑う。
 場所は完全に一致した。絶対にここだと、確信を持てる。
 準備万端。道具や術式などの点検も問題なし。
「そういえば……」
 自信が運営している、商売のホームページのお知らせのページを更新する。
『本日の予約無しのご利用は、個人の都合により、出来なくなっておりますので、ご注意下さい』
「まあこんな感じでいいや」
 彼の商売は、レンタル屋である。利用できる人間も限られているため、別にホームページを作る必要もないと思ったが、かわいい弟の提案なのでがんばることにした。
 そして彼には、もうひとつ趣味でやっている事がある。
「さて、――――ムー大陸の王、ラ・ムーを頂戴するとしようか」
 それは世界初ともいえる、レジェンドハンター――――貴重な都市伝説を集める、夢を追いかけた人のことである。

 彼が都市伝説と出会ったのは、十年前だっただろうか?
 ある湖に、家族皆で釣りする為に訪れていた。末の一番かわいい弟に竿が引っ掛かり、引き上げてみると、

 八つも顔がある大きな蛇、ヤマタノオロチだった。

 当然末の弟は大パニック。もちろん彼自身も驚いたが、恐怖の前に、かっこいいという感情の方が強かった。
 彼は七兄弟の下から三番目だったのだが、それより上の兄達が、都市伝説と契約していたり、突然頭をリーゼントにして都市伝説の力を使ったりとして弱体させ、父がそのヤマタノオロチを封印した。
 それらの現象をまともに見た彼と末の弟は、父から説明を受けた。
 この世には人の心が生み出した怪物がおり、危険な怪物を退治するのが、私の仕事だと。
 その説明で理解した彼は、こう決心した。

 こんなにすごい物がこの世にあるのなら全て自分の物にたい、と。

 それから彼は父から陰陽師の心得を習得し、教えてもらった力を現代風にアレンジし、自分にもっとも効率のいい道具を作り出す事に成功した。
 これが、大まかな今に至る経緯である。


「それじゃあよろしく」
 カードを宙に投げると、そのカードから杖を持った男が現れた。
「フォーゼ……じゃなくてモーゼ、この海を割る事が、君にはできるかい?」
「たやすい」
 カッ、とモーゼが杖で船を叩くと、見事に海の割れ目が現れた。
 その割れ目に、船も落ちた。
「バカかー!?」
「これにて私は失礼する」
 モーゼはカードに戻り、彼の手に戻った。
「……く、これは少し冷たいんじゃないか? ええい、なら君だ」
 彼はもう一枚のカードを取り出し、宙に投げた。そこから出てきたのは、天狗だ。
「天狗。僕を助けたまえ」
 彼は天狗の足を掴み、ゆっくりと海の底へ下りていく。だが、海の底は深く、なかなか辿り着かない。
「……俺の背中にでも乗るか?」
「助かるよ」
 男は体を捻り、その勢いでとぶと天狗の背中に乗り移る。
「それじゃあ気を取り直して、ラ・ムー捕獲計画再開だ☆」
「……お前が降りたいなら、もっとスピードを上げてやる」
「え? それってどういぅうううううううううううううううううううううううううう!?」
 天狗は急降下をし始め、男は必至に天狗の背中にしがみつく。
 海の底につくのは早く、男の足が地につくと天狗はカードに戻った。
「……やれやれ、契約をしていない僕でも、君たちとのつながりはもっと深いものだと思ったんだけど……」
 そう、彼はどの都市伝説とも契約をしていない。強制的に封印し、式神扱いするだけである。
 彼が言うには、都市伝説の力とは道具であり、それ以上の関係を持つのは、気持ち悪いことこの上ないらしい。
 が、彼はツンデレなところがあるので、素直に言えないだけなのだ。
 彼が辺りを見渡すと、見たこともない建築物だらけだった。中には、モアイ像もある。
「……さて、ムー大陸の人物に関してはラ・ムーという王だけ、つまり民はいるわけだけど……」
 ギャシャ、ギャシャ、と奇妙な足音とも思えない足音と共に、未来系SFアニメにでも出てきそうな、パワードスーツを装着した何か達が歩いてきた。
「超古代文明だからと言って、これはない。ないよ」
 カードを数枚宙に投げ、都市伝説を呼び出す。
 ハチマキを巻き、背中に桃と書かれたハッピの、ポニーテールの少女――――に見える少年、『桃太郎』(桃太郎の桃って、女の子みたいだからじゃね? というところから生まれたらしい)。それとゾンビ集団である。
「桃太郎くん、僕を連れて強行突破だ」
「わかりました」
 桃太郎はニッコリと笑い、力強く頷く。これだけ見れば健気な美少女なのだが、
「……れっつぱーりーっ」
 そう呟くと、先程までのにこやか笑みはどこへやら、同一人物とは思えない獰猛な笑みをみせる。
 パワードスーツを着た何か……このさいロボットと呼ぶ事にする……の集団に、桃太郎は刀を両手で握って突撃し、ゴバァ!! と簡単に切り捨てた。
「……鬼より少し固いぐらいじゃないですか。ツッまんねーの」
 ……正直、怖いことこの上ない。
 彼は桃太郎の後ろに着いていき、ロボットの屍を闊歩する。
 ゾンビ集団はロボット達が衝撃波のような何かで吹き飛ばしても、すぐに襲い掛かる。
「……グロテースク」
 彼は桃太郎の背中を追いながら、ムー大陸の一番大きな建築物へと向かう。


 気が付けば玉座の間らしき部屋に入り込んでいた。
「それでは、私はこれで」
「ご苦労様」
 桃太郎はカードに戻り、彼の手元に収まった。
「さて、この大陸に何のご用かな?」
 玉座に座っている何かが、彼に話しかけてくる。
「やあ、僕に捕まえられて、式神になってよ」
「私はこの国の王だ。民とこの大陸をおいて、契約をする気にはなれん」
「君に拒否権は無いよ。なぜなら、君は物だからね」
 カードを二枚取り出し、宙に投げる。
「今度はどのような使いだ?」
「高みの見物か、随分と趣味が悪いね。それに使いじゃない」
 宙から出てきたのは、剣と槍――――グングニルとエクスカリバーである。
「武器さ」
 グングニルを投げつけ、ラ・ムーの胴を突き刺し、エクスカリバーで容赦なく何度も何度も切りつける。
 そして何も書かれていないカードを取り出し、ラ・ムーの額に当てる。
「……君の持ち主を探すのを手伝ってあげよう。ただし、それまでは僕の所有物だ」
 別に言う必要も無い事だが、言わなければ哀れすぎると思っているから、こんな事を言ってしまうのだろうか?
 これは、二年前京都で起きた、百鬼夜行事件で変わってしまった、末の弟のせいだろう。あれのせいで、いらぬ感情を物に持ってしまった。
 ラ・ムーは、そんな事を考えている間に消えてしまった。
「今回もあっけなかったね」
 カードをしまい、玉座のまから出ようとした。だが、彼の元に二本のメールが入ってきた。
「……予約はダメとは書いてなかったね」
 メールの内容は、『都市伝説のレンタル要望』だ。
 彼の仕事とは、都市伝説を依頼人に貸し、指定された時間だけ仮契約をさせる。都市伝説と依頼人のウマが合えば、そのまま契約させる。
 彼が言った持ち主を捜すという意味は、こういう事だ。
「もう一本は……おっ、珍しい。真司兄からじゃないか」
 メールの内容は――――末の弟に、恋人ができたらしいとの報告。
「だ……れだ」
 そのメールを受け取った彼は――――
「僕のかわいい弟を誑かしたのは、誰だぁあああああああああああああああああああああああ!!」
 ――――ブラコンの彼は、見事にブチ切れた。
 カードを投げラ・ムーを呼び出す。
「ラ・ムー! 早速仕事だ! このムー大陸ごと学校町にとべ!!」
「……え、いや、それは流石にやり過ぎじゃないか……?」
「YA・RE☆」
 愛する弟を、どこぞの馬の骨に奪われた悲しみは、大きい。

 ……別の形で続く、かも?

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