「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - Tさん-03

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「ハァ、ハァ……ッハァ!」
 人気のない住宅街を男は走っていた。
「いったいなんなんだよ!」
 手の中には携帯が握られている。
 そしてそれが唐突に鳴った。
 ジリリリリリリリリリ
 携帯の通話ボタンを押すとそこからはかわいらしい少女の声が聞こえてきた。
『もしもし、わたしリカちゃん。今、駅の前にいるの』
 これで何回目だったか、初めは俺がアレを捨てた河原から始まってたな、たしか。
「くっそ、ありえないだろこの野郎!」
 最初は軽い遊びのつもりだったのだ。コテを煽るのにも飽きたし適当に暇つぶしにでもと思ってやっちまったのが失敗だった。
 ジリリリリリリリリ
『もしもし、わたしリカちゃん。今、あなたの走っている道を追っているの』
「ちくしょう! かんべんしてくれよ」
 だいたいこれはなんだよ、幽霊? ないないないないありえないって!
 ジリリリリリリリリリリ
 ああクソ今どこに居やがるんだ!?
『もしもし、わたしリカちゃん。今、あなたを、見~つけた』

         ●


 背後に気配を感じて男が振り返ると月明かりに輝くナイフがちらりと見えた。
 余所見をしていたら足が絡まった。転ぶ。ナイフが迫る。
 そこに蹴りが割って入った。ナイフの持ち主に激突。ナイフごと吹っ飛んでいく。
「けったの、いたいの」
 そう地べたから文句を言っているのはナイフを握った、赤い糸で腹の裂き傷を縫合された人形だった。
Tさん!」
 蹴りを入れた人影、十代後半くらいの少女は人形の抗議を無視して誰かの名前を呼んだ。
「ああ」
 若い男が現れ、手を人形にかざし、
「破ぁ!!」
 気合いの声と共に手から光が放たれた。
 人形は跳ねるように地面から飛び上がると光を回避した。
「な? な?」
「ああもう、おまえスレであれだけ注意しただろ?」
 人形に蹴りをかましていた少女が目を白黒させている男にイライラしたように言う。
「へ? じゃあアレはやっぱり?」
 若干追ってくるモノの正体に心当たりがあった男は答え合わせをするかのように少女に問う。
「そうだよ、おまえが襲われたのは都市伝説、それもおまえがやったひとりかくれんぼの人形だよ」
「しかもアレは電話をかけるリカちゃん人形も混ざっているな」
 少女が告げた都市伝説の正体に、光を回避した人形を探して辺りを見回していた若い男――Tさんが付け足した。
「実況見てたら学校町在住っぽいこと臭わせてるから注意してあげたのに」
 少女は愚痴るように言う。
「おまえ俺がそこは土地柄的にやばいからやめとけと注意すればするほど人形にリカちゃんと名付けるわひとりかくれんぼのやり方は適当だわ最後の処分方法も燃やすんでなく川に放り投げるわで、ああもうこれだからおまえらは」
 男はついノリでひとりかくれんぼの人形にリカちゃんと名付けちゃったりしたことを思い出す。
「いや、荒らしかと思って」
「む…………」
 何か思う所があるのか少女は黙った。

「まあ、それはそれとして」
 咳払いをしつつ少女が言う。
「Tさん、人形は?」
「んん、隠れられたなこれは。姿を見つけられれば幸せなんだが、かくれんぼの都市伝説だからか、見つけられん。来るのを待つしかない」
「……え、なに?」
 不穏当な会話に男が反応した。
「おまえはまだ助かってないってこと。で、あいつおびき出すから餌になれ」
 少女が男に言うと男は膝を抱えて震え始めた。なにやらぐちぐち言っている。
 社会が全部悪いんだそうだ。
 そんな男を何ともいえない表情で少女が見つめていると電話がかかってきた。
 ジリリリリリリリリ
「うわあああああああああっ!!」
 男は怖がって携帯を放りだしてしまった。
 少女が携帯を拾い上げて周囲を見回す。居るのは膝を抱えて動かない男とどうぞどうぞのジェスチャーをしているTさんだけだ。
 こいつら皆呪われればいいのにと思いつつ少女は電話に出る。
「はい」
 番号非通知の携帯電話の向こうは一瞬サーっとノイズを流したが、すぐにかわいらしい声が聞こえてきた。
『もしもし、わたしリカちゃん、今、お姉ちゃんの後ろにいるの』
 その言葉が終わった瞬間、後方から風切り音が聞こえる。あ、やばいと少女が思った瞬間、青年の手が伸び、
 ズブリ
 とやけに鈍い音が響いた。
「Tさん!」
 少女が振り返ってみると、青年の左掌がリカちゃんのナイフに貫通されていた。
「じゃまなの、次の鬼はお兄ちゃん?」
 少女に突きこもうとしていたナイフを止められてリカちゃんは不満げに言った。
「いや、もう遊びは終わりだ。お人形さん」
 対する青年は手に刺さったナイフごとそのままリカちゃんの小さい腕を掴み、
さらにもう片方の手でリカちゃんの本体をつかむ。
 そして、
「破ぁ!!」
 裂帛の気合と共に青年の両手が光り、リカちゃんを包み込んだ。


             ●


 …………?
 わたしはどうしたんだろう? あのお兄ちゃんに消されたはずじゃないのかな?
「Tさんの力でぱぱっと戻せないの?」
「こういうのは手ずからやるのがいいんだ」
「俺不器用なんだけど……」
 あれ、声がきこえる?
「あ、れ?」
「おお、目が覚めたか!」
 けってきたお姉ちゃんが目の前にいた。
「痛みはないか?」
 手を刺したお兄ちゃんもお姉ちゃんの後ろにいた。
「だい、じょうぶ」
 顔をおこしてみるとおなかがまた開かれていて、そして、
「わた?」
「おう、嬢ちゃんの補修をしてるんだ」
 お兄ちゃんが言うとおり、お姉ちゃんがわたしのおなかに、遊びをするときにおじさんがぬいていった綿をつめなおしてくれていた。
「あ、そうそう」
 お姉ちゃんはアブナイ笑い顔をして、
「あのおっさんには私からきっついお仕置きしておいたからね」
「あれはトラウマになるんじゃないか」
 うれしそうなお姉ちゃんにお兄ちゃんが変な笑いを返した。
「だってこの子の穴に異物挿入してんだよ? しかも俺の言うこときかなかったし!」
「後半の方が重要そうだな。それと前半のその言い方は問題だな」
 へんな顔のお兄ちゃんとはちがってお姉ちゃんは楽しそう。
「まあ、腹をなおすにはまだ時間がかかるし、しばらく寝てろ」
 お兄ちゃんがわたしに話しかけてくれる。
 ふたりとも私にやさしい。
 うれしい、うれしい、うれしい
「うわ!? ちょ、Tさん!」
 お姉ちゃんがあわてたような顔になる。
 どうしたんだろう?

       ●


 俺は慌てた。なんといっても目の前でリカちゃんが泣き出したのだ。
 作り物の瞳に液体が浮かんでいて嗚咽が漏れている。
「人形って泣くことができるんだなっ!」
「都市伝説だからな。そこら辺の人形とはわけが違うんだろう」
 俺の現実逃避気味な率直な感想にTさんはしらっと答える。くそ、なんか負けた気がするな。
「リカちゃんどうした? やっぱり腹裂かれるのは痛かったか?」
 いちおうTさんに痛覚は取ってもらっているはずなのだがこの男の力も万能ではない。信じられないが。もしかしたら痛覚が残っているのかもしれない。
「そんなこと、ないの」
 リカちゃんはそう答えるが嗚咽は止まらない。その様子を見るに、どうやら自分の感情に戸惑っているらしい。
「わたしね、」
 そう言ってリカちゃんがとぎれとぎれにきかせてくれるところによると、遊ぶために作られたリカちゃんはその存在理由を果たすために遊ぼうとしたのに拒絶されてしまったのが悲しかったらしい。
 そして、至った結論が、
「わたし、いらない子?」
 くそ、あのオッサンもっと徹底的に※っときゃよかった!!
「そんなことない、俺の契約者は『消すなよTさん、そこのオッサンムカつくからな。そんなコイツを襲ったその子は相対的に見ていい子! 更にそこのオッサン――多分ニートと比べてはるかに世の中にとってプラス存在だしな! かわいいし!!』と言ってたからな。少なくとも嬢ちゃんの元主よりは"いる子"だな」
 うむ、当然だな。かわいいは正義だしな!
「わたしいる子?」
 垂れてない鼻水をすする音と共に窺うようにリカちゃんが訊いてくる。ちくしょうかわいいなぁもうっ!!
「当然!」
「ところで遊びっていうのは、」
 はは、なんだよTさん、遊びっつったら当然「かくれんぼ!」
 ほら、リカちゃんだってこんな元気に答えてるじゃないk「みつけたらね! ナイフで刺すの!」おおおおおっっとおおおぉぉぉっ!!
 クレイジーなかくれんぼだなおい。
「どうも嬢ちゃんには常識が備わってないらしいな。都市伝説としての本能のみがある感じか」
 Tさん、お前が常識とか言うな。トンデモ人間。いや、トンデモ都市伝説?
 ともあれ、
「リカちゃん、とりあえず俺の常識講座を受けること。なんなら契約するか?」
「けいやく?」
 ん? なんだ? 契約を知らないのか? 都市伝説共はみんながみんな知っているものだと思っていたんだが。
「生まれて間もない都市伝説だからな。知らなくても無理はない」
 Tさんが心を読んだかのように的確な助言をくれる。
「ああ、簡単に言うとな? ……あ~、友達と保護者ができて家もつく感じだがたまに都市伝説と敵対することになる」
 間違ったことは言ってないはずだ。たぶん。
「けいやく……」
「縛られるのが嫌ならそのままリカちゃんを自由の身にしてもいいぞ? ただし俺による常識講座は受けてもらうがな」
 乗り気じゃないのかなと思いつつ妥協案を提示する。まあ、俺の常識講義を受けて人を襲わなくなれば他の契約者さん方もこの子を消しはしないだろう。きっと。
「…………お姉ちゃん、お兄ちゃん」
 しばらく悩んだすえにリカちゃんが訊いてくる。涙で潤んだ瞳(作りものだが)の上目づかいに不安そうな声、たまらんなぁ諸兄ら。
「わたし、いる子?」
 先程と同じ質問。ならば答えも同じだ。
「「当然」」
 こうして俺はひとりかくれんぼのリカちゃんとも契約することにした。





「あ、お兄ちゃんは手、だいじょうぶなの?」
 リカちゃんがTさんに訊いている。新しい同居人に対する心使い、美しいね。
 誰による傷かとかを無視していれば。
「ってかリカちゃん傷の心配とかするんだ」
 驚く俺にリカちゃんは、
「あそび以外でのけがはいけないんだよ?」
 日本語でおk
「つまり?」
 Tさんに顔を向ける。
「つまり、嬢ちゃんは自分がひとりかくれんぼの範囲で傷をつける――腹を割いて中身を引っ掻きだすのは構わないがそれ以外の傷は普通に心配するし気遣うんだろう」
 なるほど。ひとりかくれんぼの範囲でならこの子はどんなグロいこともしちゃうぞ~ってことか。
「これから教育のし甲斐がありそうだな」
 溜息がもれた。
「で、手の傷は?」
 Tさんに訊いてみる。ずいぶん深くナイフが刺さっていたはずだがどうなっただろう?
「手の傷が消えたら幸せだろう?」
 そう言って見せられたTさんの手には傷一つついていなかった。
 先程常識を語っていたのはどこのどいつだ。
「寺生まれってスゴイな~」
 その力でリカちゃんをなおしてくれればいいのにと思いつつ、俺は呟いた。
 くそ、今日は徹夜か。リカちゃんしっかりなおるかな~






 とあるネット上の巨大掲示板には以下のようなことが囁かれるようになった。らしいよ?
1 名前:以下、名無しにかわりましてV○Pがお送りします[] 投稿日:200X/××/××(?) 00:00:00.00 ID:====

おい、おまえら!ちょっと聞いてくれよ!
俺、この前ひとりかくれんぼしたんだけどさ!!
そしたら人形においかけられたんだよ!!!!
だけどよ、なんかいきなり助けが現れたんだって!
しかもそれがTさんなの!!
もう信じられるか?まじなんだぜ!?
でな、Tさんに女の付き人がいてな、そいつが怖いのなんのって……orz
そいつなんか知らんけど人形退治した後にいきなり俺を殴る蹴るの暴行加えやがってな……
人形なんかよりそっちの方が怖かったorz


2 名前:以下、名無しにかわりましてV○Pがお送りします[] 投稿日:200X/××/××(?) 00:02:00.00 ID:====
池沼乙wwwwwwwwwwwwwwww


3 名前:以下、名無しにかわりましてV○Pがお送りします[] 投稿日:200X/××/××(?) 00:05:00.00 ID:====
日本語でおk


4 名前:以下、名無しにかわりましてV○Pがお送りします[] 投稿日:200X/××/××(?) 00:10:00.00 ID:====
その女V○P生まれのゆとりさんなんじゃねwwwwwwwwwwwww



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