「都市伝説に光線銃が効くのかどうか、お前はどう思う?」
……今まで実践で散々使ったし、効果あるから使ってる筈だから、効くんじゃないんですかね
「経験からの帰納か。悪くはない回答だな」
光線銃は嫌いなんですか?
「嫌いではない。何故それを聞く」
いえ、光線銃の使用を好まない人も多いと聞いたもんですから
「何故我々黒服が光線銃を使用するのか……。よく言われるのが我々が黒服だから、だ」
黒服は光線銃を使う、って定番なんですかね
「知らんよ。まあ実際には市街地で実銃を発砲した際の後処理が煩雑だから、というのが大方の理由だろうな」
はあ……
「では都市伝説に実銃が効くのかどうか」
さあ……、でもどうなんですかね。効くんでしょうか
「俺の経験では効くよ。少なくとも実体のある生物型とかならな
そうでなくとも、契約者が居るならそれを撃った方が早い。契約者を殺せば都市伝説も勝手に死ぬ」
そうでなくとも、契約者が居るならそれを撃った方が早い。契約者を殺せば都市伝説も勝手に死ぬ」
ああ、過激派がよく使う手ですよね
「正確には一昔前の過激派の常套戦術だった……。あの頃は良かったよ
何せ穏健派の我々でも殺処理にしても五月蝿く言われる事は無かったからな」
何せ穏健派の我々でも殺処理にしても五月蝿く言われる事は無かったからな」
ああ、次の角を左ですよ。あの標識の建っているT字路です
「さて、では次の質問だ
都市伝説は、何故人間と契約するのか。したがるのか」
都市伝説は、何故人間と契約するのか。したがるのか」
……よく聞くのは都市伝説が自分の存在を強化するために、という説明ですけど
「至極一般的な回答だ。新人の黒服でその程度答える事ができればパーフェクトだな
……だが、それだけが理由だろうか。いや、もっと言えば、それは果たしてどの程度的を射ているのだろうな?」
……だが、それだけが理由だろうか。いや、もっと言えば、それは果たしてどの程度的を射ているのだろうな?」
どういう事でしょうか
「その回答にかつて中立派が批判を加えた事がある
彼ら中立派曰く、都市伝説が存在を強くしたいのみならば、契約せずとも幾らでも方法があるのだと
例えば、人間を殺さずに適度に脅しておく。脅された人間は身の上に起きた恐怖を撒き散らすだろう
都市伝説は人々の口から口へと伝達し、脚色される度にその速度は加速していく」
彼ら中立派曰く、都市伝説が存在を強くしたいのみならば、契約せずとも幾らでも方法があるのだと
例えば、人間を殺さずに適度に脅しておく。脅された人間は身の上に起きた恐怖を撒き散らすだろう
都市伝説は人々の口から口へと伝達し、脚色される度にその速度は加速していく」
噂が伝わるプロセスですよね
「加速すればするほど、噂にあがる都市伝説の存在はそれだけ保証される事になる
事実、口裂け女で盛り上がった70年代には、口裂け女の存在が保証されるどころか腐る程に増殖した
話を戻そう
では、都市伝説は何故、人間と契約をしたがるのか?」
事実、口裂け女で盛り上がった70年代には、口裂け女の存在が保証されるどころか腐る程に増殖した
話を戻そう
では、都市伝説は何故、人間と契約をしたがるのか?」
それは……
「こんな話を聞いた事はないか?
契約者の大半は、都市伝説によって身に危険が及んだ際に、都市伝説に契約を持ちかけられている、と」
契約者の大半は、都市伝説によって身に危険が及んだ際に、都市伝説に契約を持ちかけられている、と」
……聞きますね
確か、都市伝説に襲われている所に
別の都市伝説が助けに来て、流れで契約してしまうというパターンは聞きます
確か、都市伝説に襲われている所に
別の都市伝説が助けに来て、流れで契約してしまうというパターンは聞きます
「まさにそれだよ
何故、そのような状況が多いのか?
一説によると、都市伝説同士が共謀して人間を窮地に追いやり、契約しやすい状況を作り出しているのでは、という推測がある
ある都市伝説が人間を脅かす。そこへ打ち合わせ通りに別の都市伝説が助けに入り、契約する
そして脅かした都市伝説は契約した都市伝説と契約者によって殺害される……と見せかけて実は逃げ延びている
今度は、最初の都市伝説が、晴れて契約者を得た都市伝説と協力してカモを探す、こんな具合だ
あくまで一説だがな
しかし、いずれにせよ都市伝説は人間と契約したがる」
何故、そのような状況が多いのか?
一説によると、都市伝説同士が共謀して人間を窮地に追いやり、契約しやすい状況を作り出しているのでは、という推測がある
ある都市伝説が人間を脅かす。そこへ打ち合わせ通りに別の都市伝説が助けに入り、契約する
そして脅かした都市伝説は契約した都市伝説と契約者によって殺害される……と見せかけて実は逃げ延びている
今度は、最初の都市伝説が、晴れて契約者を得た都市伝説と協力してカモを探す、こんな具合だ
あくまで一説だがな
しかし、いずれにせよ都市伝説は人間と契約したがる」
結局、契約する理由というのは何なのでしょうか?
「俺にも分からんな
この疑問はあくまで疑問でしかない。だが俺はこう推測する
契約者を得た都市伝説は、より強い規模で存在が確定する。恐らく連中は、その先の段階へと進もうとするだろう」
この疑問はあくまで疑問でしかない。だが俺はこう推測する
契約者を得た都市伝説は、より強い規模で存在が確定する。恐らく連中は、その先の段階へと進もうとするだろう」
先の段階、ですか
「都市伝説というのは、社会に憎悪や不安、悲しみや怒りといった負の感情を流したがる
契約者を得た後は、一体何をしでかすか。大方の予想はつくだろう?」
契約者を得た後は、一体何をしでかすか。大方の予想はつくだろう?」
しかし……、良心的な契約者だったら止めるでしょうね
「契約者というのは、契約に付随する特殊能力というおこぼれを得た途端に理性だのモラルだのは吹っ飛ぶものだ
しかし、都市伝説の側からすれば、行動の一々に口を出さない契約者であれば都合がいいだろうな
生かさず、そして殺さずの、植物人間の様な状態であればなお良いだろう
病気で寝たきり、思うように動けない、というのも悪くないな」
しかし、都市伝説の側からすれば、行動の一々に口を出さない契約者であれば都合がいいだろうな
生かさず、そして殺さずの、植物人間の様な状態であればなお良いだろう
病気で寝たきり、思うように動けない、というのも悪くないな」
あ、着きました。この建物です
「上層からは『殺すな』と言い渡されている
もっとも、どちらを『殺すな』なのかまでは指示されていない」
もっとも、どちらを『殺すな』なのかまでは指示されていない」
ディープ・スロートからの情報によると、潜伏している都市伝説は『注射男』だそうです
詳細は不明ですが、契約者は軟禁状態のようですね
詳細は不明ですが、契約者は軟禁状態のようですね
「気をつけろ、あちらが手練れなら我々の到着に気づいている筈だ」
……それって光線銃じゃないですよね
「室内戦ではサブマシンガンの方が取り回しがいいんだよ、覚えておけ」
殺すつもりですか?
「契約者はもう長くは持たないだろう。引導を渡してやるのも我々黒服の務めだ」
本当に穏健派所属ですよね……?
「俺は昔からずっと穏健派さ。ずっと、な。さあ、配置につけ。容赦はするなよ、さもないと殺られるぞ
……じゃあ始めようか」
……じゃあ始めようか」