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犬神憑きと怪人アンサー-18a

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匿名ユーザー

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「貴方は、自分の命と妹の命、どちらが大切なのですか?」
血に濡れた少女の首筋にメスを当て、蔑む様に笑う切り裂きジャック。
対峙する少女の瞳から、涙が零れ落ちた。

切り裂きジャックが少女をさらに甚振ろうと口を開いて

気配を感じた方向に四本のメスを投げた。

その先には背格好の良く似た二人の少女、紗江と紗奈が居た。
「――アンサーさん!」
メスは、紗奈の手にした携帯電話から出現した巨大な手に阻まれて地面に落ちた。

「見たところ、契約者の様ですが…何者です?」
「女、子供を泣かせる奴は「首塚」の敵だよ」
「「首塚」の一員として、アナタを見過ごすわけには行きません」
邪魔が入り、忌々しげに顔を歪める切り裂きジャック。
このままでは不利だと思い、先ほどまで対峙していた少女を人質に取ろうとメスを出現させようとした瞬間、数匹の犬神が切り裂きジャックへ飛びかかり、そのまま地面に押し倒して喉に食らいつき、動きを封じた。


「大丈夫!?怪我は無い?」
「は、はい……あの、麻夜、は……」
駆け寄ってきた紗江と紗奈に答え、名前らしきものを口にする少女。
該当する人物はただ一人、血塗れで倒れている小学生くらいの少女だ。

「「首塚」の名にかけて、必ず助けるよ…だから、安心して?」
「……よかった…」
安心したのだろうか、気を失って崩れ落ちる少女を慌てて抱きとめ、紗奈は「首塚」の仲間に電話を掛け始めた。


紗奈がこちらを見ていない事を確認して、紗江は片腕に黒い霧を纏わせて切り裂きジャックに触れた。

犬神は、昔は蟲毒等の呪術の一種だと考えられていた。
黒い霧は、その呪いの拡大解釈の産物だ。

黒い霧が切り裂きジャックの全身を覆い、その命を奪い取る。

紗奈の手を汚させる訳にはいかない。
血に濡れるのは自分一人で十分だ。

光の粒子へと変わっていくそれから視線を外し、紗奈達の方へと歩き出す。

続く…?

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