【第一話】
ある日、僕の家――金子家――に皇帝が来た。
それは冗談とか少し早いエイプリルフールとかなんかでは断じて無く、某国の皇位継承権を持つ唯一の少女(とはいっても僕と同じ年な訳だが)が僕の家に転がり込んできたのだ。
なんでも母方の叔母の旦那の親族らしく色々複雑な経緯の後、日本の一般家庭に匿うことになったそうな。
ある日、僕の家――金子家――に皇帝が来た。
それは冗談とか少し早いエイプリルフールとかなんかでは断じて無く、某国の皇位継承権を持つ唯一の少女(とはいっても僕と同じ年な訳だが)が僕の家に転がり込んできたのだ。
なんでも母方の叔母の旦那の親族らしく色々複雑な経緯の後、日本の一般家庭に匿うことになったそうな。
「お母様!日本のご飯はおいしゅうございます!この焼き鮭なるものはおかわりがございますか!」
「あらあら嬉しいこと言ってくれるじゃない。それならちょっと待ってて、今すぐ焼くわ」
そんな彼女は無茶苦茶日本に馴染んでいた。
日本語ペラペラである。なんでも勉強して覚えてきたのだそうだ。勤勉なようで羨ましい。
僕は早々に朝御飯を食べ終わると勉強道具を(さりげなく彼女の分まで)確認して(足りない物はそれとなく追加してから)から学校に向かう。
しばらくすると後ろから彼女が追いかけてくる。
日本語ペラペラである。なんでも勉強して覚えてきたのだそうだ。勤勉なようで羨ましい。
僕は早々に朝御飯を食べ終わると勉強道具を(さりげなく彼女の分まで)確認して(足りない物はそれとなく追加してから)から学校に向かう。
しばらくすると後ろから彼女が追いかけてくる。
「セージ!この私を置いていこうとするとは貴様はなんと冷たいのだ!それでも私の学友か!」
「悪いな、俺はお前と同居人になった覚えはあるが……」
「お前など気やすく呼ぶでない!陛下と呼べと命令したであろう!」
「いやお前お袋にはそんなこと言わねえじゃん」
「お母様は日本における我が母も等しい人である故、そのような真似はできぬ」
「……分かりました、陛下」
「ふふん」
嬉しそうな顔するな。
「ま、まあ……友人同士で陛下も少々堅苦しかろう、別にクラウディアちゃん、あるいはクリスちゃん、もしくはディアちゃんと呼んでも良い」
「了解致しました陛下」
「だからそれをやめろといっているではないかー!」
まるで子供みたいで笑ってしまう。
もう少しからかってやろうと彼女の表情を伺うと何時になく真剣な表情をしている。
もう少しからかってやろうと彼女の表情を伺うと何時になく真剣な表情をしている。
「―――――セージ、そのまま少し伏せていろ」
突然、クラウディアが僕を突き飛ばす。
すると僕の立っていた場所に真っ白な羽が何本も突き刺さる。
すると僕の立っていた場所に真っ白な羽が何本も突き刺さる。
「おや、気づかれましたか……」
どこから聞こえるのか分からない男の声が辺りに反響する。
「ふむ、不意打ちとは真に匹夫に相応しき戦い方であるな、警備を抜けたところを見ると……貴様も“教会”の手先か!」
「いかにも、ミスクラウディア、貴方には死んでもらう……と言いたいところですが……
不意打ちも失敗しましたし、ここは“寺院”勢力のテリトリー、逃げることに致します」
不意打ちも失敗しましたし、ここは“寺院”勢力のテリトリー、逃げることに致します」
「させるとおもうか?」
クラウディアの右手が紅く、そして毒々しく光り輝く。
光は爽やかだった朝の風景を一変させて、まるで大火に見舞われた街の如き有様にする。
光は爽やかだった朝の風景を一変させて、まるで大火に見舞われた街の如き有様にする。
「獣の数字によって与えられる権限に於いて命ずる!」
凛と響く声、赤光を貫く華々しき美声。
「我に我が敵を屠る力を貸し与え給え!」
“獣の数字”これこそが彼女が“教会”に追われる所以、幼い頃よりその存在を秘匿されて育てられた所以。
“獣の数字”は五分間だけ彼女に彼女が望むものを与え、さらに常に彼女の命令を聞く使い魔までも贈与する。
しかし、それと引き換えに彼女はどうにも碌でもない死に方をする運命にあるそうで……
“獣の数字”は五分間だけ彼女に彼女が望むものを与え、さらに常に彼女の命令を聞く使い魔までも贈与する。
しかし、それと引き換えに彼女はどうにも碌でもない死に方をする運命にあるそうで……
「ギャアアアアアアアアアアアア!」
燃え盛る焔の音色と遠くから聞こえる悲鳴の二重奏、どうやら彼女の使い魔が仕事を終えたらしい。
「ふぅ……大丈夫だったかセージ?」
尻餅をついた僕を心配そうに見下ろす陛下
「なあ、僕を突き飛ばす必要って有ったのか?」
「ば、馬鹿者!もしものことがあったらどうする!」
お前は私の最初の友達なのだからな、そう言って背中を向けた彼女の顔は紅く染まっていた。
【第一話】
【第一話】