【鴉―KARAS― 第七話「疲れた」】
「疲れた」
「疲れたね」
ため息を吐く。
昨日の晩は妙な警官に捕まったせいで彼女らは壊れた建物の修復や遊園地のゴミ拾いをさせられたのだ。
何故私のような非肉体派があんな労働を強いられなくてはならないのだろうか。
“普通の人間の気持ちを理解するために能力禁止!”とか爽やかに言われても訳がわからない。
まあ、あの警官自体は自分の正義感に忠実なタイプらしいし利用もしやすいから言うことは聞いておいたが本当に面倒だった。
昨日の晩は妙な警官に捕まったせいで彼女らは壊れた建物の修復や遊園地のゴミ拾いをさせられたのだ。
何故私のような非肉体派があんな労働を強いられなくてはならないのだろうか。
“普通の人間の気持ちを理解するために能力禁止!”とか爽やかに言われても訳がわからない。
まあ、あの警官自体は自分の正義感に忠実なタイプらしいし利用もしやすいから言うことは聞いておいたが本当に面倒だった。
「ま、これからが正念場だよ」
そう言って九郎に軽く笑ってみせる。
うん、と九郎は答えた。
馬鹿だな、なんで私なんかに向けてこんな笑顔を見せるのだろう。
……でも一も二もなく私を信じてくれたのだから無碍に扱うのも可哀想か。
小さな人間なりに命を賭けたのならば応えないのは神ではない。
とはいえ実は魔術の神でもなんでもないこの私がどう応えてあげられるだろうか。
命を還す術が使えるわけでもないし、彼の身の安全を保証できるわけでもなし。
ま、できないんだしほうっておくか。
利用し尽くしてそれでも生きてたら優しくしてやろう。
なんてことを考えていた時だった。
うん、と九郎は答えた。
馬鹿だな、なんで私なんかに向けてこんな笑顔を見せるのだろう。
……でも一も二もなく私を信じてくれたのだから無碍に扱うのも可哀想か。
小さな人間なりに命を賭けたのならば応えないのは神ではない。
とはいえ実は魔術の神でもなんでもないこの私がどう応えてあげられるだろうか。
命を還す術が使えるわけでもないし、彼の身の安全を保証できるわけでもなし。
ま、できないんだしほうっておくか。
利用し尽くしてそれでも生きてたら優しくしてやろう。
なんてことを考えていた時だった。
「おお、来たか!」
少女の声が耳に入り込む。
私にはそれが龍の吐息のように聞こえた。
真紅の暴君が私たちを見つけたのだ。
人間には分からないのだろうが、私達にはあれが恐ろしくてしょうがない。
ここからが正念場よ。
心のなかでもう一度九郎に告げる。
彼は静かに頷いた。
私にはそれが龍の吐息のように聞こえた。
真紅の暴君が私たちを見つけたのだ。
人間には分からないのだろうが、私達にはあれが恐ろしくてしょうがない。
ここからが正念場よ。
心のなかでもう一度九郎に告げる。
彼は静かに頷いた。
「まずはここだ!」
少々の問答の後、私たちはスプラッシュマウンテンとやらに乗ることになった。
昨日は似たようなものに乗っていたので大して怖くない。
九郎に公衆の面前で屈辱的な扱いを受けた為か係員のお姉さんには完全に子供扱いされてしまった。
おのれディズ●ー、私は十二歳ではない。三千十二歳くらいだぞ。
しかし二人で一緒に座ることには成功したものの私たちは図らずも陛下に後ろをとられるような席に案内されてしまった。
昨日は似たようなものに乗っていたので大して怖くない。
九郎に公衆の面前で屈辱的な扱いを受けた為か係員のお姉さんには完全に子供扱いされてしまった。
おのれディズ●ー、私は十二歳ではない。三千十二歳くらいだぞ。
しかし二人で一緒に座ることには成功したものの私たちは図らずも陛下に後ろをとられるような席に案内されてしまった。
背後を取られた。
これは戦場においては即死につながる失敗である。
策を弄さずして自然と有利な状況に持っていくとは流石は獣の数字の契約者といえよう。
とはいえ、この至近距離なら気付かれないように軽い暗示をかけることはできる。
細かく小さな暗示を積み重ねれば獣の数字の契約者とて操ることは可能。
なんせ私は魔術の神(ということになっている)のだから。
都市伝説にとって大事なのは周囲からの認識。
認識さえいじれば“そういうこと”になるのだ。
だが、ここで下手に魔術を使えば足が着く。
ならば私の本来の力を使えば良い。
私の真の姿を見せてしまえば怪しまれるまもなく確実に無害化できる。
策を弄さずして自然と有利な状況に持っていくとは流石は獣の数字の契約者といえよう。
とはいえ、この至近距離なら気付かれないように軽い暗示をかけることはできる。
細かく小さな暗示を積み重ねれば獣の数字の契約者とて操ることは可能。
なんせ私は魔術の神(ということになっている)のだから。
都市伝説にとって大事なのは周囲からの認識。
認識さえいじれば“そういうこと”になるのだ。
だが、ここで下手に魔術を使えば足が着く。
ならば私の本来の力を使えば良い。
私の真の姿を見せてしまえば怪しまれるまもなく確実に無害化できる。
ガタン
スプラッシュマウンテンの機械が動き始める。
坂を登る中で、私は“トト”としてではない本来の姿を見せようとした。
まさにその時だった。
坂を登る中で、私は“トト”としてではない本来の姿を見せようとした。
まさにその時だった。
「…………ヤメルベキ……」
背後から突き刺さるささやき声。
馬鹿な?
何故察知された?
行動の気配を読んだというのか?
馬鹿な?
何故察知された?
行動の気配を読んだというのか?
「……シヌッテ…」
妙な動きをしたら殺すというのか!?
馬鹿な、しかし既に背後を取られている以上ありえなくもない。
警告をされているということは向こうとしてはまともに話し合う気はあるのか……。
馬鹿な、しかし既に背後を取られている以上ありえなくもない。
警告をされているということは向こうとしてはまともに話し合う気はあるのか……。
「アトチョット……チョウシニノル……ナ」
――――――――やばい
そもそも力で勝てる相手ではない。
とはいえ向こうも下手に暴れたくはないはず。
これでやっとこさ純粋な話し合いのステージってところか。
そもそも力で勝てる相手ではない。
とはいえ向こうも下手に暴れたくはないはず。
これでやっとこさ純粋な話し合いのステージってところか。
「フハハハハ……」
笑っている……?
ガクン
機体が急に早く動き出す。
下り坂らしい。
とりあえず周りに合わせて腕を上げる。
幼女っぽい笑顔でカメラにスマイル。
さりげなく後ろを確認するとあの契約者はうたた寝をしていた。
下り坂らしい。
とりあえず周りに合わせて腕を上げる。
幼女っぽい笑顔でカメラにスマイル。
さりげなく後ろを確認するとあの契約者はうたた寝をしていた。
どれだけ大物なのだ。
「いやー楽しかったな!」
獣の数字の契約者、クラウディアは笑いながらこの遊園地の地図を眺めていた。
恐るべき相手だ。絶対に敵に回してはいけない。
恐るべき相手だ。絶対に敵に回してはいけない。
「トト、お化け屋敷から妙な気配がするんだけど」
「知ってる」
「どうする?」
「好きにしろ」
九郎と念話で話す。
「じゃあ次はあれなんてどうかな?」
九郎がクラウディアにお化け屋敷の場所を指差し示す。
何のつもりだ九郎?
わざわざ怪しげな場所に行くなんて……
とりあえず笑顔を装いながら私の中々聡い契約者を信頼してついていくことにしてみた。
何のつもりだ九郎?
わざわざ怪しげな場所に行くなんて……
とりあえず笑顔を装いながら私の中々聡い契約者を信頼してついていくことにしてみた。
【鴉―KARAS― 第七話「疲れた」 続】